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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
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0-38ギルドからの依頼とか

冬本番、裏庭にも雪が積もり朝の修練も中止になる日が続いていた

家の中では暖炉の前でクッションを背にして寛いでいる『アイギス』のメンバー

ノノとココは『ひよこ亭』での仕事で料理の腕も上がりスキル料理Lv1を修得していた

クラシスとリズも解体Lv1になり、久しぶりに5人でまったりしていた


「ノノとココは春まで『ひよこ亭』で働くかい?」


「仕事はおもしろかったですが、『アイギス』として仕事したいです」


「料理覚えた、『アイギス』のみんなに料理を食べてもらいたいです」


「それじゃ、アライズさんにはお礼を言っておかないとなぁ」


「はぁ~、ノノとココの方が先に料理覚えちゃったか」


「家事は2人の方に任せますか」


「クラシスさんとリズさんも商業者ギルドの解体の仕事は完了でいいのかな?」


「基本的な解体は覚えましたから、明日からはアイテムボックスの野うさぎを解体しようと思います」


「クラシスと解体しますから、ノノとココで一度料理をしてもらっては?」


「やりたいです!」


「野うさぎ料理は覚えた~」


「それはいいかもね、それじゃノノとココは調理場を任せてもいいかな。今日はクラシスさんとリズさんは5匹の野うさぎを解体し、ノノとココが料理をお願いします。僕はアライズさんにお礼を言ってきいます」


「それじゃ、昼ご飯は家で食べる事にしましょ」


「リウさんも昼時まで帰ってきてくださいね」


「リウさん、料理前にココと露店で買い物してきます~」


「楽しみにしてくださいね~」


アイテムボックスから野うさぎを5匹を取り出し、倉庫に待機していたクラシスさんとリズさんへ手渡した


「解体はおまかせします、肉は食料としてノノとココへ渡しますが、革はどうしますか?」


「僕は革の加工は出来ないからなぁ」


「それならクラシスと2人で加工してもいいですか?」


「加工の仕方も覚えたので、革として敷物として使えるようにします」


「その辺はお願いします。クラシスさんもリズさんも無理のない範囲でお願いしますね」


「「はい」」


「それでは『ひよこ亭』へ行ってきます」


「いってらっしゃい~」


「アライズさんによろしく伝えてください~」



寒いので革服に厚手のマントを装備し『ひよこ亭』へ向かう

外は粉雪舞う街並みであった、行き交う人も少なく

みんな家で暖をとっているのかもしれない・・・



「こんにちは~」


「リウさん、いらっしゃい~」


「アライズさん、ノノとココに料理を指導していただきありがとうございます」


「いえいえ、ノノさんもココさんも覚えるのが早くて料理の基礎の部分は完璧です。もう少し『ひよこ亭』で看板娘をしてもよかったんだけどね~♪」


「ノノとココも料理を修得しましたし、野営の時3人で料理可能になったのは嬉しいです」


「リウさんの料理は郷土料理なんですか?」


「今となってはそうですね、僕が作れるのは料理というよりシンプルな男の料理なので、アライズさんがノノとココに教えた料理の方が僕として嬉しいです」


「3人が料理出来ても『ひよこ亭』はお待ちしてますよ~」


「それはもちろん、『ひよこ亭』は『アイギス』の食堂兼喫茶店ですから、毎食きますよ。でも今日の昼ご飯はノノとココが料理を作ってくれるので家で食べますけど」


「ノノさんもココさんもリウさん達に食べてもらいたくて頑張っていたので、楽しみにしてくださいね」


「はい、楽しみです。そだ、野うさぎを狩ったので渡しておきますね」


アイテムボックスから野うさぎを4匹手渡す


「あらあら、森で狩ってきたんですか?」


「天気がいい日に森で狩ってきました、みんなで食べて下さい」


「ありがとうございます、いつもすいません」


「気にしないでください、食の流通も鈍化してるみたいなので・・・」


「冬の間はしようが無いんですけどね、では頂きます」


「それじゃ、また何かあればよろしくお願いしますね」


『ひよこ亭』を出て、露店で買い物していこうかと足を向ける

露店の出店数は夏場に比べると少なくなっている気がする・・・

食品を扱う露店の数は少なく、革製品の店や冬物の衣服を扱う露店が増えていた

今度みんなで露店巡りしてもいいかもな~

スキル修得とかで忙しかったし、息抜きも必要だな・・・

リウは露店でチーズとバター、干物とワインを購入し帰宅した





帰宅後、ノノとココの手の込んだ料理を食べ、軽くワインを飲み

久しぶりの『アイギス』5人で過した・・・

野うさぎはワインで煮た料理が美味しかった

生姜ニンニクの使い方が上達していて料理の腕はノノとココの方がLvが高いかも


「ノノとココ、今日の料理は美味しい~♪」


「うまくいった~」


「ん、おいし~」


「料理では勝たないかも」


「うまいうまい」


なぜにクラシスさんとリズさんは悔しそうに泣きながら食べてるんですか

ノノとココが少し引いてますよ・・・


「これは調味料を追加で購入してもいいかも知れんな」


「たまになら料理しますよ~」


「ごちそうするよ~」


「そういえばリウさん、午前中にギルドから使いの人が来ました」


「なんでもリウさんにというか、『アイギス』に用事がある様な感じがしてましたから、食後に冒険者ギルドへ行ってください」


「なんだろ?ポーションの作成依頼かな?」


「後片付けはココと2人でやりますので、ギルドへ向かってください」


「やっとく~」


「私たちはリウさんと一緒にギルドへ行っても良いですか?」


「あまりギルドからの依頼はめずらしいのでご一緒します」


「わかったよ、クラシスさんとリズさんには一緒に行ってもらおう。ノノとココは片付けしたらお留守番してもらっていいかな?」


「「はい、ポーション作成してます」」


「ん~、面倒な依頼なら断るからクラシスさんとリズさん、サポートよろしくね」


「「もちろん」」



3人は厚手のマントを装備し、冒険者ギルドへと向かう

道すがら街中は人もまばらで冒険者の数も少ない気がする

ギルドに入ると、閑散としていた

さて、受付に声かければいいのかな?


「すいません、『アイギス』のリウですが。何か用事があると聞いたんですが?」


「おはようございます。クラシスさんリズさんも久しぶりです、2Fの会議室の方へお願いします。副ギルドマスターの「ランプ」がお待ちです」


「なるほど、ギルドとしての依頼ですか・・・」


「話を聞くだけ聞いてイヤなら帰りましょ」


「わかりました、2Fで「ランプ」さんから話を聞けばいいんですね」


クラシスさんとリズさんと3人で2Fの会議室へ向かう

「コンコン」会議室のドアをノックする


「『アイギス』のリウです」


「どうぞ、入ってください」


会議室の中には副ギルドマスター「ランプ」さんと職員2名がテーブルの席に着いた

部屋の中は家の中よりも寒くマントを外せない感じであった

3人が席に着き、「ランプ」さんが話し始める


「冒険者ギルドとして、『アイギス』にGランク冒険者の教育をお願いしたいんですが」


「教育?」


「副ギルドマスター、それはギルドとしての業務だと思うんですが?」


「それに『アイギス』はEランクなので教育係としては示しがつかないと思いますよ」


「教育といいましたが、冒険者に最低限のスキルの修得などを教えて欲しいんです?」


「それは冒険者ギルドに加入した時に渡された小冊子を読めばわかるはずです」


「リウさんにも渡しましたね」


「小冊子を読む冒険者は年々少なくなっている状態ですね」


「最初から自分で考えて冒険者をしているので、それを否定するのは止めた方がいいのでは、教育を考えてるならギルド加入5日間をギルドで教育を施してみてはどうです?」


「ギルドでの新人教育ですか、合宿みたいな感じですかね」


「寝泊まりもギルドで行えば、新人の待遇としてはいいと思います。寝る事と食べる事を用意しておけば、新人なら参加しやすいんじゃないですかね」


「なるほど、本来ならギルド職員で対応すればいいのですが、今はそこまで手が回らないんですよ」


「もっとも冬の時期は新人冒険者は、この街には来ないんじゃないんですか?」


「そうです、持ち家が無い冒険者は南の街へ向かうか、ダンジョンに向かうかのするんですが、今年は新人の何人かはギルドに宿泊していて・・・」


「何人宿泊してるんです?」


「女の子が1人ですが・・・」


「少し待っててもらえます、3人で相談しますから・・・」


クラシスさんとリズさんと3人で集まり相談を始める

「どうします?」「1人なら面倒みれますけど?」「面接してみましょ」

っと、否定的な意見はでなかったので会って話してから決めることにした


「それでは一度その彼女と話を、面接をしてから決めてもいいですか?」


「わかりました、少し待ってて下さい」


「呼んできてもらえるかな」「はい」と職員の方が呼びに向かった

暫くすると、背の高い女の子が会議室へ入ってきた


「Gランクのジャンヌです、呼ばれてきました」


「はじめまして『アイギス』のリウです」


「同じく『アイギス』のクラシスです」


「『アイギス』のリズです」


「ジャンヌさん、こちらが前に話していた新人冒険者の教育係をお願いした『アイギス』さんです」


「はじめまして、ジャンヌです。秋頃に冒険者登録をして初心者のGランクです。武器は槍と片手剣を使い、魔法は苦手です」


「それでは教育をお願いされましたが、登録した時に小冊子を渡されたと思いますが・・・読みましたか?」


「小冊子ならポケットに入ってます、何度も読みましたがスキル修得が上手くいかず・・・攻撃スキルは修得済みですが、それ以外のスキルは生活魔法のみです」


「1つだけ聞いておきたい事があります。『アイギス』は一軒家を拠点にして活動しています、メンバーは今この場にいる3人のほかに後2人いますが・・・僕以外全員女性です」


「それは家族とか恋人たちで生活しているという事ですか?」


「それは違いますね、家族というか妹みたいな感じで接していますが・・・」


「一軒家で生活するのが決まりとですか?」


「いえ、寝泊はギルドで結構です。教育をする場は家になるので通いになるという事です。それと『アイギス』は討伐よりは採取を多くこなすので教えるのは採取で使えるスキルになります。それとポーション作成についても修得してもらいます」


「ポーション作成を修得するのは、なぜです?」


「冬の時期は薬草採取も討伐も難しいのでポーションの販売で生計を立てるようにするためです」


「たしかに、手に職を覚えるのはいい事ですね」


「リウさん、ジャンヌさんが家に通うなら片手剣と槍を教えてもらえれば?」


「どうせ、スキルの修得をするなら色々な事をしながらの方が効率が上がるかもしれないし」


「そうだな、同じ事を毎日やっても効率的に好くないかもしれんし。それでどうします、家でスキルの修得をしますか?」


「まずは後の2人に会ってからでないとダメなのでは?」


「ノノとココなら大丈夫だと思うけどな・・・、それなら明日、家に来てみて」


「わかりました、きっちり装備をして向かいます」


「場所は『ひよこ亭』に朝来てもらえるかな?」


「『ひよこ亭』ですか、街の入り口にある喫茶店にですか?」


「そそ、そこで毎日朝ごはんを食べてるからさ。一緒に食べよう~」


「わかりました、明日の朝は『ひよこ亭』に向かいますのでよろしくお願いします」


ぺこりと会釈し、会議室を出て行った・・・


「礼儀正しい子だと思うけど、2人はどう思う?」


「少しだけきっちりしすぎかな?」


「まじめなのかもね、もしくは、緊張してるか・・・」


「副ギルドマスター、ジャンヌさんを預かりますが、食費はギルドもちでお願いしますね」


「それと報酬はいくらなんですか?」


「新人1人を育てるんだし、期間は未定だしね」


「成功報酬は2000Lです。もちろん食費は別途支払います」


「クラシスさんリズさん、報酬的には問題ないですか?」


「報酬は少ないという事は無いです」


「適正価格です、別途食費別になってますし」


「そっか、では副ギルドマスター、依頼を受けます。明日から家でスキルの修得をしますのでよろしくお願いします」



「さぁ~、明日から新人教育をするからクラシスさんとリズさんにも期待してるからね」


「はい、後輩を育てるのは大事です」


「帰ってノノとココにも話を通しておかないといけませんね」


「だね、3人で説得するか~。帰りに露店で焼き串と焼き芋買っていこう~♪」


「「はい~」」



明日から新人教育か・・・真面目そうな子だったし下手な事しないようにしないとなぁ

無属性の「身体強化」「速度強化」を修得し、「危険回避」も教えてみよう

それくらいは教えても大丈夫だろう

新人冒険者ジャンヌ登場

次回、家で勉強会はじまる

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