4-351夢の『飛行』スキルとか
『アイギス』に『龍の巫女』と『護衛』の『娘さん達』が合流し
『かまくら宿屋』は利用者の9割が女性という
リウの肩身の狭い暮らしが確実にあったが
朝錬と3食の食事以外の時間を『ゼロ』と『魔力船』の改造に時間を費やし
『アイギス』メンバーや『赤の弓矢』メンバーは地下の大型の部屋で修練をしたり
『ひよこ亭』での料理修業をしたりポーション作成をしたり
クエストの少ない冬期間にあって『赤の弓矢』は確実に修練を繰り返し
『テレサ』達5人は冒険者としての実力よりもポーション作成などの調合や
アライズ達の教えにより料理のスキルが向上し『北の港町』で1番の料理の腕前に成っていた
地下の部屋には野菜作りの為の畑を作り『娘さん達』の指導により
冬期間でも『かまくら宿屋』では新鮮野菜をふんだんに使ったサラダや野菜炒めなど
季節を無視した料理を食堂で振舞う事になる
『龍の巫女』のアンリーとシンリーは『白銀龍』や『クロ』のお世話をしながら
『アイギス』のゴーレム達とふれあいうのだが
リウ達の作成したゴーレム達は作りものとは思えないほど感情豊かで
アンリーとシンリーは抱きしめ撫でながら魔力を注ぐのだが
必ず話しかけ普通の動物たちと同じように接し
ゴーレム達もそんなアンリーやシンリーに懐き
休憩時間や就寝時間にはアンリーやシンリーの側で眠る事が多くなる
それは『ジン』に対しても同じで話しかける時は目上の大人と同じような感じで話しかけるのだった
『護衛』の『娘さん達』はリウに同行し『魔力船』の改造の見直しや
『ゼロ』の身体強化や魔力&魔法の運用の見直しに
新たに魔石を『ゼロ』や『魔力船』に設置する為に『紋章学』を見直したり
何よりリウは『ゼロ』に施した『紋章学』が間違ってないかを聞きたかった・・・
もっとも最初に『ゼロ』と『魔力船』を見た時の『娘さん達』は
「・・・これはゴーレムですか?」
「・・・・何故にゴーレムに樹が生い茂ってる?」
「・・・・・これは何型ゴーレムなの??」
「それよりも・・・これは船ですか?」
「・・・帆船じゃないんですね」
『娘さん達』は最初『ゼロ』をゴーレムと認識してなかった
それよりも『海亀』型ゴーレムという事にも気が付いてなかった・・・
『魔力船』というのは一般的じゃないけど『娘さん達』は『帆船』は知っているのか・・
リウは『娘さん達』を『ゼロ』に案内し
甲羅の木々や甲羅のの下へ続く地下室を案内したりしていた
『ゼロ』の甲羅を外側をぐるりと歩くと
『ゼロ』の足や頭部にしっぽを確認し『娘さん達』は
「本当にゴーレムだった・・・海に浮いてる間隔が無いから『浮遊』で浮いてる・・・?」
「それに『ゼロ』はゴーレムというより小島ですね・・・」
「林檎の木があるし、地下室がある・・・『ゼロ』を補強したら『魔力船』は必要ないんじゃ??」
「最初は『魔力船』で船旅を考えてたけど・・・『魔力船』には動力が無いし帆船にするには大型過ぎて扱える気がしなくてね・・・」
「それで『魔力船』を引くゴーレムを作り上げたと?」
「そそ、『海亀』型ゴーレムにしたのは海を自在に泳ぐ生物を知らなかった事だし・・・」
「なんで『ゼロ』の甲羅に木々や地下室を作ったの?」
「気が付いたと思うけど『ゼロ』には『浮遊』スキルを付与した魔石がふんだんに使用している、それと甲羅には魔石と『紋章学』で『ゼロ』に身体強化など色々施してます」
「それで海上なのに『ゼロ』は波の影響を受けないんだね・・・それで『浮遊』スキルで『飛行』は可能なの??」
「『飛行』ですか・・・?それは魔法ですか??」
「そういえばリウさん達は『浮遊』で荷馬車を浮かせる事はあっても、『飛行』で荷馬車を飛ばせる事はしなかったですね・・・」
「はい、『浮遊』スキルも荷馬車に負担をかけないという事で修得したスキルだし、『飛行』スキルというのは初耳なんですが・・・」
「それなら『ゼロ』に『飛行』スキルを施すのを実践形式でリウさんに教えましょうか?」
「是非!!」
リウは『飛行』スキルという新しい魔法に心躍りニコニコしていた
『娘さん』の1人が林檎を取り出し『浮遊』で浮かせ始める
「これが『浮遊』スキルで浮かせた林檎ね・・・」
そう言うと林檎がふかふかと浮き「すー」っと動き始める
「次に『飛行』スキルで浮かせてみるよ」
林檎を手に取り魔法を施すと・・・林檎が空中で浮き『娘さん』の意のまま空中を飛ぶ!
それは『娘さん』の思うままに飛び・・・、また、速度も『娘さん』が思う速度で移動していた
「『飛行』スキルは思い通りに飛ぶ事が出来るけど魔力が切れたら効果が切れるから注意が必要ね」
「魔力が切れたら墜落・・・?」
「そうです、魔力枯渇に注意する事と墜落防止に『浮遊』スキルを唱える事も忘れない様にしないと」
「魔力を貯める魔石を増やす必要があるな・・・『飛行』スキルは『紋章学』で甲羅に付加する必要があるし・・・春までに『ゼロ』に完璧に施す事が出来るかな・・・」
「それなら大丈夫です、私達も手伝いますから・・・」
「魔石も大量に使用し、安全な船旅を確保する必要があります!」
「当然『魔力船』にも『飛行』スキルを施すつもりなので、『ゼロ』と『魔力船』を結合しての『飛行』も考える必要があるね」
「2つを繋げて空を飛ぶ・・・ですか」
「今はまだ飛行距離とか関係なく緊急用に『飛行』スキルを使えると考えた方が良いね」
「そうですね、今は安全な公開を第一に考えた方が良いです、ゴーレム達も全員乗りこむなら『ゼロ』にゴーレム達を乗せた方が良いかもしれません」
「それは『魔力船』ではゴーレム達の重量に耐えれないという事ですか?」
「そうです、『ゼロ』なら強化を施すと同時に身体を大きくする事も可能だし、何より『ゼロ』と『ジン』は意思疎通出来るようなので通訳として『ジン』やゴーレム達は『ゼロ』に乗せるつもりです」
「なるほど・・・出来れば私達の何人かも『ゼロ』に乗せてもらいたいです」
「良いですけど・・・何でですか?」
「出来れば木々の世話をしていですし、身体を大きくするなら畑で野菜作りもしてみたい」
「それに地下に部屋もあるし、寝る場所も休む場所も確保してますし・・・」
「それなら大丈夫だと思うけど・・・、食事はみんなと一緒に食堂で食べるし、お風呂も完備する予定なので、食べる時とお風呂の時はみんなと一緒でね♪」
「「「「はい、勿論です」」」」
「それじゃ、今日からは『ゼロ』の身体の拡張と魔石の設置に甲羅に『紋章学』を施す・・・1人で春までやる自信がなかったけど『娘さん達』が手伝ってくれるなら年越し前に『ゼロ』を完成できそうな気がする」
「『魔力船』は『飛行』スキルを施すだけなら、私達が『魔力船』の改造をします」
「魔力補充の魔石の設置もお願いします!」
「魔力補充は自動に乗り組員から魔力を吸収する方法で魔石を設置した方が良いかな?」
「そだね、魔力が切れる度に魔力を注ぐのは面倒だし・・・乗り手から僅かな魔力を吸収し魔石に魔力を注ぐ方が良い」
「それなら『ゼロ』も『魔力船』も同じ方法で魔石に魔力を注ぐやり方にするね♪」
「お願いします♪」
リウは『娘さん達』の話の中で知らない事がある事に驚きつつも
新しいやり方で『ゼロ』や『魔力船』が完成しそうな事にニコニコし
航海に必要な『ゼロ』や『魔力船』が予想以上の出来に笑わずにはいられなかった
『飛行』スキルがあるなら『ジン』自身がと飛ぶ可能性があるという事
『白銀龍』や『クロ』と一緒に空を飛ぶのを見てみたいな・・・
「それじゃ、今日から『ゼロ』『魔力船』の強化を始めます!」
リウの宣言に『娘さん達』はコクリと頷き『魔力船』の方へ歩いていく