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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
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4-349『ゼロ』と朝錬とか

晩酌中に『海亀』型ゴーレムと『魔力船』の事を聞かれ

リウは少し考えながらクラシスやリズに


「『海亀』型ゴーレムの名前は『ゼロ』・・・『魔力船』はそのまま『名無し』かな」

「『ゼロ』と『名無し』ですか・・・」

「名前の由来は別にして『ゼロ』は巨大ゴーレムだけどリウとは意思疎通出来るの?」

「どうだろう・・・『白銀龍』や『クロ』『ジン』達とは話せるみたいだけど・・・僕は話せないけど嬉しいとか悲しいとか多少は解るかな」

「それにしても『ゼロ』の甲羅の部分が木々が生い茂ってるけど・・・『ゼロ』の甲羅はゴーレムの身体とは切り離して作られているの?」

「実際には『ゼロ』の甲羅というか身体には地下室があります」

「それはゴーレムの中に部屋を作ったって事?」

「そそ、巨大すぎるゴーレムなので身体の骨格を鋼鉄の骨で形作られてるし、海上海中でも活動できるように今までのゴーレムよりも頑丈に堅甲に創ってあるね」

「魔石もふんだんに使ったって聞いたけど?」

「そだね、『ゼロ』を浮かせる為に大量の魔石に『浮遊』スキルを付与したり、魔力を貯蔵する為の魔石や『魔法障壁』を付加した魔石など大量に使ったね・・・アイテムボックス内の魔石が少なくなってきたから魔道具屋で買わないとなぁ・・・」


リウは果実酒をちびちび飲みながら『ゼロ』に使用した魔石の数を数え・・・


「魔石使いすぎたかな・・・」

「航海には何があるか分からないし『ゼロ』の強化は必要な事だし、魔石の使いすぎという事は無いよ」

「そうそう、船の動力なんだし気にしちゃダメ」

「それより『ゼロ』の大きさが問題だと思うんだけど・・・」

「確かに『ゼロ』の身体が大きさが、ここの敷地と同等の大きさだし・・・『ゼロ』の移動や活動に魔力消費が激しいのはしょうがない」

「気になるのは甲羅の木々と言う話もあるし、しかも、小さな果樹園っぽいってギルドでも有名な話になってますよ~」


リウ達の話に冒険者ギルドの受付嬢の『エコリス』が話しかけてきた

毎日の様に『かまくら宿屋』の食堂ではギルドの受付嬢達が食事と晩酌をしに来て

この中の何人かは『かまくら宿屋』に宿泊している状況になっており

最近では冒険者ギルドと商業者ギルドの受付嬢達から宿泊の有無の相談をよく聞く

『アイギス』としては『かまくら宿屋』が冒険者達が集えば良いと思っていたけど

気が付けばギルドの受付嬢達が集う食堂というか飲み屋に成りつつあった・・・

もっとも調理をしているのが『赤の弓矢』のメンバー達で

アライズやアリサ・アンナ達は料理の下ごしらえの手伝いや

毎日の献立の相談ぐらいで最近では料理の味見のみで

『かまくら宿屋』の料理番は『赤の弓矢』に移行しつつあった


「『ゼロ』の甲羅の果樹園は『木魔法』で成長をサポートしてるので海上でも大丈夫なはず・・・」

「『木魔法』ってエルフの魔法だっけ?」

「そうですよ、うちのヘンリーがハーフエルフで『アイギス』の実家も『エルフの集落』にあるし、子供達が成人するまで『エルフの集落』で子育てしながら魔法を習ってました」

「リウさん達が子育てというだけど驚きですが・・・子供が成人してるというのが更に驚きですよ・・・」

「お嫁さんのだけ子供がいたので『エルフの集落』のみんなに子育てを手伝ってもらったし」

「それはシルキーさんやミルキーさんも子持ちという事で・・・?」

「「はい」」


果実酒を飲みながら『白銀龍』や『クロ』を抱きしめ撫でているシルキーとミルキーが答えているが

受付嬢達には見た目15才くらいしか見えない2人に成人した子供がいるようには見えなかった


「『アイギス』のみなさんはエルフじゃ・・・無いですよね?」

「もしくは、ハーフエルフとか?」

「さっきも言いましたがハーフエルフはヘンリーだけですよ、僕らは普通の人です」

「それにしては年齢よりも遥かに若々しい気が・・・」

「若く見えるのは魔力量が多いからかもしれませんね、『エルフの長老』の話では僕達はハーフエルフ並みに魔力量があるという話だったし、それに日々魔力の修練をしているので魔力量は毎日増加してますよ~♪」

「・・・魔力の修練?みんな朝錬でやってる修練の事かな??」

「・・・朝錬にそんな効果が・・・マジですか??」

「・・・朝錬は私達でも参加可能ですか???」

「・・・それとも冒険者のみが朝錬可能ですか???」


魔力量=若さの秘訣と聞き受付嬢達が騒ぎだす

やはりギルドの受付嬢でも魔力量の多さについて知らないみたいだ

それにしても『エコリス』さん達も朝錬に参加するのか・・・


「朝錬には誰でも参加可能ですよ、魔力の修練や魔法の修練に棍の修練もあります」

「そういえば『アイギス』のメイン武器は棍なの??」

「僕らは『鉄杖』がメイン武器なのかな?棍にもなり杖にもなるし」

「あぁ、鉄の棒というか杖ね・・・叩き突き払う万能武器か」

「構えるだけで修練に成りそう・・・」

「それより朝錬が参加可能なら『かまくら宿屋』に宿泊する意味がありますね・・・」


朝錬が誰でも参加可能と聞き、受付嬢達はテーブルの一画に集まって相談を始めている


「そう言えば、ここの宿泊費はどうなってるの?」

「さぁー、この場所は空き地として借りたものだし・・・勝手に宿屋を営業していいのかな??」

「リウには言ってないけど『かまくら宿屋』は名称みたいなもので実際には部屋数の多い屋敷に友達が集団で暮らしていると考えれば良いよ・・・」

「それにさ、商業者ギルドと冒険者ギルドの関係者が集まっているんだし、そのうち空き地を購入するとか話が上がるんじゃないかな?」

「まぁ、『アイギス』で買い上げてもいいんだけどね・・・『北の港町』周辺の薬草採取場所の地図をギルドに情報料として報酬を頂いたし・・・その地図代でここを買えるはず」


リウは夏に『北の港町』周辺の薬草採取場所の地図と

周辺の森や草原の山菜などの採取場所を地図にし

ギルドに提出し情報料という名の高額な報酬を頂いていた

ギルドとしては薬草の採取場所や森や草原の食糧となる山菜の分布地図などは

冒険者ギルドと商業者ギルドの2つのギルドでは薬草採取は冒険者が各自で探す必要があり

薬草採取の納期に間に合わず失敗する冒険者が大勢いたし

何より薬草の採取次第ではポーションの在庫不足に陥る可能性もあり

この採取場所の地図は両ギルドにとって金で買えない貴重な財産となるのだった


「この場所は・・・ここに住みみんなで考えてもらえば良いよ」

「そうだね、『テレサ』『ヴィータ』『クロス』『カムロ』『クシム』の5人や『エコリス』さんや受付嬢達が面白い事考えるでしょう♪」

「そういえば、敷地内の地下施設は『赤の弓矢』には・・・話したの??」

「地下施設って運動場や地下の畑の事?」

「そそ、冬期用に修練出来るように作った施設だけど・・・今は安全確保に倒壊や崩壊防止で頑丈に壁や柱があるだけの広い部屋があるだけだよ?」

「畑の方はどうなの?」

「そっちの方はシルキーとミルキーと『白銀龍』や『クロ』がゴーレム達と畑の管理をしてるよ」

「地下の畑は魔法で明るくしてあるし、外部の目が無いのでゴーレム達はゆっくり身体を休めてるしね~」

「冬期間は暖炉もあるから寒くも無いし、畑で野菜作りも出来るから食糧事情も安定するはず」

「食糧事情はポーション作成でギルドに納品するから生活費には困らないと思うけど・・・」

「困るかどうかは冬期間中のポーション作成の修練次第かな・・・頑張って教えていこ!」

「「「「おぅ!」」」


『アイギス』のメンバーは『赤の弓矢』が春からも大丈夫な様に明日からの修練に力を注ぐつもりでいた

本当なら畑作りに『木魔法』を教えたいが『エルフの長老』に相談も無しに教える事を出来ず

『木魔法』を使用せずに野菜作りの教本をリン達が手書きで書き記していくのだった


冬に成り雪が降り始める少し前に『エルフの集落』から数人の客人が『北の港町』にやってきた

『アイギス』の手書きを読み、すぐさま『北の港町』を目指し魔法を駆使し

冒険者ギルドの受付嬢『エコリス』さんに案内され『アイギス』の『家』に・・・

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