4-338『北の港町』と空き地とか
リウ達が次の街『北の港町』に到着して3日後・・・
周囲の森にて野犬や黒犬討伐に出掛けていた
『北の港町』の冒険者ギルドで薬草とポーションを納品している時に
先日街道で焼串や焼鳥を購入した女性の冒険者達に捕まり
「あの時の焼串と焼鳥を食べたい!」
「あの味をもう一度!」
「この街で焼串と焼鳥の露店を!」
「私達に焼串を!」
「おなかいっぱいの焼鳥を!」
「焼串と一緒に酒を飲みたい!」
リウ達が話す前に女性3人に立て続けに話し・・・
最終的にリウ達に「焼串と焼鳥が欲しい?」と言う話らしい
「この街では露店を開くのに許可とかいるのかな?」
「商業者ギルドに聞いてみては?」
「その前に焼串や焼鳥するにも・・・もう肉が無いな」
「それなら森に行ってみてはどうですか?」
リウの目の前にいるギルドの受付嬢から声をかけられ
「あ、すいません・・・先に納品お願いします」
リウは女性3人の冒険者達に
「少し待ってもらえますか?」
「クエストボードの所で待ってます」
「焼串や焼鳥の材料について調べる」
女性3人はクエストボードの前に行き
野犬や黒犬の討伐情報やホロホロ鳥の討伐情報を調べはじめる
「薬草とポーションは数を揃えた方がいいですか?」
「数を揃えるとは・・・?」
「どちらも100はありますが・・・どうしますか?」
「それは薬草100束にポーション100個という事ですか?」
「そうですね、ギルドに大量に納品しても迷惑だと思って・・・」
「ギルドとしては100束や100個なら問題ないです、品質を調べるのに時間がかかりますが大丈夫ですか?」
「それなら大丈夫です、後ろの彼女達と話す事もありますし・・・」
リウは後ろのクエストボードの前にいる女性3人を指さして応え
薬草とポーションをギルドカウンターの並べ
受付嬢は薬草とポーションの数だけ数えて
「それじゃ、薬草100束とポーション100個の鑑定お願いします」
「はい、暫らくお待ちください」
クエストボード前ではクラシスとリズと先ほどの3人の女性冒険者が話をしていた
どうやら野犬や黒犬の討伐依頼はある物のホロホロ鳥の討伐依頼は無いみたいだな
「どう野犬や黒犬討伐依頼はあった~?」
「街の手前の森に野犬と黒犬の討伐依頼が少しあるかな・・・」
「それなら焼串の方は何とかなるか・・・焼鳥の方は?」
「ホロホロ鳥に関しては討伐依頼は無いね」
野犬や黒犬は『北の港町』の手前の森や草原で目撃情報が多いみたいだ
ホロホロ鳥に関してはクエストボードに討伐依頼が無いところを見るに
街での被害が無いのか、もしくは、ホロホロ鳥の採取依頼が無いのか・・・
「そういえば自己紹介は済ませたの?」
「私達の名前と『アイギス』の事と・・・リウの事を少しかな」
「リウには自己紹介がまだだったね、私は『テルサ』で『赤の弓手』のパーティーリーダーです」
「私は『ヴィータ』で、こっちが『クロス』ね」
「よろしく~」
『赤の弓手』は3人全員が弓を装備している
3人とも似た見た目をしている気がするが・・・・?
「あの3人は姉妹ですか?」
『テレサ』と『ヴィータ』が驚いた顔をしているのに
『クロス』だけは無表情でコクリと頷いている
「私達は姉妹です、『ヴィータ』と『クロス』は双子ですね」
「私と『クロス』はあまり似てないと思うんだけど・・・」
「んー、見た目よりも雰囲気かな~そっくりだと思うけどね」
『クロス』と『ヴィータ』互いの指さし「そっくりさん?」と話し
『テレサ』は双子の妹達の頭を撫でながら「可愛いよ~」とニコニコしていた
「それで『テレサ』さん達は焼串を食べたいという話でしたが?」
「はい、美味しかったので定期的に食べたいです!」
「露店より美味しい焼串なので、また、食べたいですお願いします!」
『ヴィータ』の「食べたいですお願いします!」に『クロス』がコクコクと頷いている
「このクエストボードを見る限り焼鳥は無理そうだな・・・焼串には野犬や黒犬を討伐する必要がある訳だが・・・どうしようか」
「野犬討伐なら私達でも出来ます!」
「黒犬は自信がないかな・・・」
「それじゃ、僕達は黒犬討伐を重点的に行う・・・っと?」
「本格的に焼串屋をする訳じゃないし、野犬や黒犬の群れを1つ討伐すれば大丈夫かな」
「「え、本格的に焼串屋やらないの?」」
「やらないよ・・・『アイギス』は焼串屋じゃないしポーション屋ですよ?」
「あんなに美味しい焼串や焼鳥を作れるのに?」
「『アイギス』は野営が多いパーティーと言う事もあって、外での宿泊や食事を一番に考えてるんだよ、疲れていても美味しい食事があれば頑張れるみたいな?」
「それにしては街の露店や宿屋よりも美味しい焼串や焼鳥と言うのは何故ですか?」
「『アイギス』ファミリーの中には宿屋で働いていたメンバーがいるからね」
「それだけで焼串や焼鳥の味が向上するのかな?」
「トレーラーハウスには調理場もあるし、時間があればパンを焼いたり煮込み料理を作ったりかな」
「荷馬車に調理場とか・・・やりすぎじゃ・・・」
「移動中にパン焼いたり煮込み料理を作ったりって」
「本当にポーション屋なの?」
『テレサ』『ヴィータ』『クロス』はポーション屋なのに
調理場がある荷馬車を所持しているのを不思議に思っている
「さっきもギルドに薬草とポーションを納品してたでしょ?」
「あぁー、そういえば・・・」
「ポーションは自分らで調合してるの?」
「まぁね、薬草を採取してポーションを作成してギルドに納品してるよ」
リウと『テレサ』が話しているとギルド嬢から『リウ様鑑定が終了しました』と声がかかり
「それじゃ、行ってくる~」
「いってらっしゃい~」
「何を討伐するか決めておくね」
クラシスとリズに見送られリウは受付嬢の元へ向かう
受付嬢はニコニコしながら薬草とポーションに鑑定結果を教えてくれた
「薬草100束ですが品質に問題無いです、ポーションについてですが100本全て品質は高級な品物であることが分かりました」
「そうですか、よかったです」
「それでは薬草とポーションを合わせた報酬ですが・・・どちらも高品質と言う事で・・・」
受付嬢はリウが持ち込んだ薬草とポーションの報酬を手渡しニコリと微笑みながら
「それとは別に追加で薬草とポーションの納品をお待ちしてますね♪」
「あ、はい、すぐには無理ですが落ち着いたら伺います」
「それは先程の焼串や焼鳥の件ですか?」
「はい、先日『テレサ』さん達に焼串と焼鳥を御馳走した事があって・・・」
「その味が忘れられないと?」
「どうもそのようで・・・」
「・・・その焼串は露店で販売するんですか?」
「はい?」
「ですからリウさん達は露店で焼串屋をするんですかと聞いてるんですが?」
「あぁー、今日この街に到着したばかりで宿屋も決まってない状態なのに露店とか考えてませんよ?」
「それじゃ、今日宿泊する場所は決まってないんですか?」
「これから商業者ギルドへ向かって荷馬車を停めれる場所の確保からかな・・・」
「荷馬車の確保ですか?」
「『アイギス』の荷馬車は馬車を3台連結してるので馬車置き場が広くないとダメなんです」
「それなら宿屋より空き地や貸家を考えた方が良いかもしれませんね」
「商業者ギルドで相談した方が良いのかな?」
「冒険者ギルドでも貸家の相談も出来ますよ?」
「そうなんですか?ずっと商業者ギルドに相談してましたが・・・」
「商業者ギルドの方が貸家の物件が多いというのもあるけど・・・どうします冒険者ギルドでもご案内できますが・・・」
「ちなみに貸家とは別に空き地を借りることは可能ですか?」
「屋敷無しの土地のみと言う事ですか?」
「はい、宿泊には馬車もあるし・・・馬車を停めれる場所さえあれば大丈夫です!」
「それならいい物件がありますよ、街の外れで防壁の壁際ですが、馬車を3台停めれる広さもあるし・・・、しかし、建物も無いので住むのにお勧めしませんが?」
「それに関しては大丈夫です、僕らが必要な物は作りますから・・・」
「作りだす?」
「土魔法で必要な物を建てますから大丈夫ですよ」
「・・・そうですか、出来れば何を建てたかを後で見に行ってもいいですか?」
「・・・大丈夫ですが僕らがその土地を借りても大丈夫ですか?」
「はい、まずは数日住んでみて大丈夫だった場合に月契約をしましょう」
「それでお願いします、申し遅れましたが私は受付嬢の『エコリス』です」
「まずは案内してもらっていいですか、馬車を停めれるか確かめてみたいです」
「そうですね、まずは現地確認してみましょう」
その後、リウ達は何故か『テレサ』さん3人と『エコリス』を加えて
トレーラーハウスと『ジン』の荷馬車を空き地へと移動するのだった
冒険者ギルドから空地までは歩きで15分の場所にあり
場所的には『北の港町』の外れの位置にあった
その空き地は広さ的に問題無く周囲には倉庫などが建ち並び
人の気配が希薄な位置づけになっていたが
『アイギス』的にはトレーラーハウスと荷馬車が停めれる理想的な場所になっていた
トレーラーハウスと荷馬車を停車し
リウはクラシスやリズに『ここなら静かに住めるな』とか『少しくらい騒いでも怒られないな』とか話し、ノノやココは荷馬車からパートナーのゴーレム達を降ろし空き地で一緒に駆けだしている
最後に『ジン』が荷馬車から起き上がり身体を解していく
始めてみる『ジン』の大きさに『テレサ』さん達が驚き
『エコリス』さんは『ジン』の大きさよりも精巧なに創られたゴーレムに驚き
4人は『ジン』を見上げながら『大きいね~』とか『かっこいいかも~』とか話している
3人姉妹の『テレサ』『ヴィータ』『クロス』登場!
冒険者ギルドの受付嬢『エコリス』も登場!!




