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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
338/354

4-337花畑で『ひよこ亭』とか

雨期の終わりと共にリウ達もまた旅を再開する事になる

簡易陣地の周囲は雨期後と言う事もあり草花が生い茂り

街道に沿って花が咲き乱れていた

リウはMAPを展開し薬草採取場所を探すと・・・


「凄いな草原が薬草だらけだ・・・」

「草原に咲く花全て薬草なの?」

「あぁ、今まで見た事無い景色だけど・・・薬草の花が満開か~」

「それでどうするの?薬草採取する??」

「いあ、薬草の花を散らすのは勿体無いし」

「それじゃ、花を見ながら今日は外で食事でもしましょうか~」


アライズのその一言で『アイギス』は移動速度を落とし

リウ達はトレーラーハウスと荷馬車を街道側に停車して

食事をしつつ果実酒を飲み焼串を頬張り

久しぶりに感じる太陽を全身に浴び暫らくすると眠くなり・・・

リウは『ジン』に「少し寝るから後の事よろしく」とだけ話し

『アインス』にもたれかかるように昼寝を始める


リウが『アインス』を抱きしめるように寝始めたのを

ノノ達がニコニコしながらリウの寝顔を見つめ

クラシス達はトレーラーハウスと『ジン』の荷馬車を囲む様に土壁を作成し

その中で『ジン』だけは『アイギス』を護るように周囲を警戒していた

『白銀龍』と『クロ』はリウに抱きつく様に眠り始め・・・

気がつけばクラシスとリズとアライズの3人以外のメンバーが

リウを囲む様に昼寝を始めるのだった・・・



クラシスとリズが酒の飲み比べを始めると

アライズは味を変えた焼串と焼鳥を炙り始め

晩酌に合う焼串と焼鳥の食べ比べを始めるのだった


リウ達は夕方までゆっくり昼寝をし

それと同時にクラシス達3人も夕方まで酒を飲み続けていた・・・

リウ達が起きたと同時にクラシス達が寝始めるという事になるのだが

リウはクラシス達を1人ずつ抱きかかえトレーラーハウスに運び

『アイギス』は草原の花畑での野営準備を始める

晩ご飯の準備をしよう考えたがアライズが大量に焼串や焼鳥を炙り食べられる状態になっていたので

今晩は焼串や焼鳥をメインにした露店の料理をテーブルに並べ

簡易陣地周辺を魔法で照らし『月夜に照らす花見』と言った感じで

花を見ながら果実酒を飲み焼串を頬張るのだった・・・


草原で魔法を照らし野営をする冒険者が珍しいのか

『アイギス』の簡易陣地の周囲には野営をする冒険者や商隊が集まってきていた

その中には『湖の街』で一緒に防壁の補強をした冒険者もおり

リウ達が焼串や焼鳥を頬張るのを見て


「あの、すいません・・・焼串を譲ってもらえませんか?」


リウは頬張っている焼串を指さし「焼串?」と聞いてみると

話しかけた冒険者の男性はコクコクと頷き


「もちろんの代は支払います、あまりに美味しそうな匂いがするので・・・」

「いいですよ、ただお代と言われても焼串の値段はどうしよう」


冒険者の男性とリウの話を聞いていたアリサは


「それなら露店での焼串の値段でいいんじゃないですか?」

「いいのかな、僕らの焼串は露店と同じ値段で・・・」


アリサの意見にリウが露店の焼串の値段でいいものか悩んでいると

冒険者の男性は我慢しきれずに


「大丈夫です、露店の焼串よりも美味しい匂いがしますし」


男性は値段よりも焼串が気になりそれどころではなかった・・・

リウは簡易コンロで炙られている焼串を男性に手渡し

焼串のお代を受け取ると同時に男性は焼串を頬張り始める

焼串や焼鳥は街の露店では定番の料理というのだが

男性は焼串を口に入れた瞬間「うま!」と呟いたと思ったら一瞬にして食べきってしまう

男性は食べてしまった串を見つめ・・・


「もう1本いいですか?」

「大丈夫ですが、後ろにいるのも仲間の冒険者じゃないんですか?」


串を見つめる冒険者の後ろには仲間と思われる冒険者達がいた

リウに後ろの冒険者達の事を聞かれ


「あ、そうだった・・・焼串6本いいですか?」


リウは簡易コンロに炙られている焼串の数をかぞえ・・・ギリギリ6本炙られてるな

新しく焼串か焼鳥を炙り始めなきゃな・・・


「焼串6本あるよ、これで最後の焼串ね~」

「ありがとう~」

「すげーいい匂い」

「確かに露店の焼串より美味しそう」

「ここで食べる?戻って食べる?」

「えへへ、2本目いただきます」


リウは6本の焼串を冒険者達に手渡し

最後にリウと話していた冒険者の男性から6本分の焼串代を受け取り

リウ達の簡易陣地の前で焼串を頬張り


「うまい!」

「美味!」

「1本じゃ足りない・・・」

「お代わりはありますか?」

「もっと欲しい・・・」

「2本でも足りない・・・」


空になった簡易コンロにはリウが新たに焼鳥を炙りだし・・・いい匂いがする

焼串を食べ切った冒険者達は焼鳥と見つめ・・・


「「「「「「「焼鳥下さい」」」」」


冒険者6人は声を揃えて焼串の次に焼鳥を欲しがり出す

リウは「まぁ、いいか~」と少しだけ考え焼上がった焼鳥を冒険者達に手渡していく

焼鳥も焼串と同じ値段で提供し・・・やはり焼串と同じくリウの目の前で頬張り


「焼き鳥もうまい!」

「露店より美味いし・・・」

「これに酒があれば言う事無いんだが・・・」

「本当に酒があれば・・・」

「私は焼鳥だけでも満足ですが?」

「3本でも足りない・・まだ食べれる・・・」


リウは簡易コンロで引き続き焼串や焼鳥を炙り始める

焼串と焼鳥を食べた冒険者達はリウの炙り始めた焼鳥を見つめているが

冒険者達の後ろから別の冒険者の女性がリウに話しかける


「あの私達にも焼串を譲ってもらいたいんですが・・・」

「私達も美味しい焼串食べたい」

「美味しそう・・・」


冒険者と思われる女性3人が冒険者達を押しのけてリウの前に来て

簡易コンロで炙られている焼串や焼鳥を見つめ・・・


「焼串と焼鳥3本ずつお願いします!」

「「お願いします!!」」


女性3人組の冒険者達は声を揃え焼串と焼鳥を欲しがる

焼き上がりまでリウの目の前にいる冒険者の集団は炙られている焼串や焼鳥を見つめ・・・


「よし、焼串も焼鳥もいい感じで焼き上がった♪」

「「「3本ずつお願いします」」」

「はいよ、お代は街での露店の値段と同じという事で~」


リウは焼串3本と焼鳥3本を女性3人組に手渡し

そして、焼き串3本と焼鳥3本のお代を受け取るのだが

我慢しきれず焼串に「ぱくり」と頬張り・・・

次の瞬間「ぱくぱくぱく」と一瞬にして焼串を食べてしまう

それを見ていた残りの2人も焼串を食べ始め・・・「うま!」とか「うますぎ!」と呟きながら

焼鳥も「ぱくぱくぱく」と食べてしまうのだった・・・

女性3人は食べてしまった串を悲しそうに見つめ「「「お代わりいいですか?」」」と聞いてきたので

リウは少し待ってねと冒険者達に声をかけてから

簡易陣地の前に土魔法でテーブルとイスを作成し

リウはノノとココに手伝ってもらい簡易コンロ3台で焼串と焼鳥を炙り始める

冒険者達は目の前で大量の焼串や焼鳥が炙り焼上がるのを

イスに座りワクワクしながら見つめていた


「それじゃ、期間限定の焼串焼鳥の販売をしますか~」


リウの街道での『アイギス『ひよこ亭』』出張所での焼串焼鳥屋開店となる

酒を飲ますと面倒な事になりそうなので焼串と焼鳥のみ販売し

とりあえず冒険者達が満足すれば『ひよこ亭』を閉めれば良いかと考えていたが

どういう訳か深夜になるまで冒険者達が押し寄せるほど繁盛し

最後は焼串と焼鳥の品切れと言う事で強制閉店する事になる・・・

この日の焼串と焼鳥の売上本数は計300本以上売り上げ

アライズ達が下拵えしたはずの焼串と焼鳥は食べ尽くす事になる

飲み過ぎで寝ちゃったクラシスとリズとアライズがいない中で、リウがノノとココの協力で街道で急きょ『ひよこ亭』をするのだった・・・。

焼串と焼鳥のストックが無くなり、アライズ達は次の日から焼串と焼鳥の下拵えを始まるのだった。

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