4-336地下に篭って『鬼ごっこ』とか
『アイギス』のトレーラーハウスは順調に街道を進み次の街を目指していたが・・・
どうやら雨期に突入したらしくリウ達は大雨の中を走る事を止め
街道から離れた場所にトレーラーハウスと『ジン』の荷馬車を囲む様に簡易陣地を作り上げ
リウ達は雨音を聞きながら紅茶を飲みながらまったりと過ごすのだった
紅茶を飲みまったり過ごす日々も3日を過ぎると暇になり
食べて寝るだけの日々は終わり
トレーラーハウス内でのポーション作成や魔力の修練の日々に変わる
アライズ達は調理場で煮込み料理を作りはじめたり
手間のかかる燻製作りを始めたりと『ひよこ亭』の3人は充実していた
リウはと言うと簡易陣地の地下に修練場を作成し
『ジン』『白銀龍』『クロ』やゴーレム達と修練と言う名の『鬼ごっこ』をしていた
全員が『風纏い』と唱え高速移動での『鬼ごっこ』と言う事で
捕まえる方も逃げる方も全力で移動していたので
攻撃するよりも移動し続け避け逃げる事により通常の修練よりキツイ修練になっていた
リウはゴーレム達に魔力の補給をしながら
「やっぱり『アインス』達の本気の『風纏い』から逃げきるのは難しいな~」
『リウも早く動いていたと思うけど?』
「早く動けれても逃げ切れないよ・・・」
『魔力の保持量を増やせば全力で移動する時間も延びるのかな?』
「伸びると思うけど魔石の搭載数を増やすと身体に負荷がかかりそうで・・・」
『鉄犬→鉄鳥→鉄馬→猟犬→一角獣→『ジン』と言う感じで移動速度が上がっていくのかな?』
「多分搭載している魔力を溜める魔石の数に影響しているのかも・・・」
『それで『ジン』が一番移動速度があるのか・・・』
「『ゼクス』や『シス』もトレーラーハウスを引く上で魔力を溜める魔石も多いしね」
『それと鉄鳥ゴーレムの2人には『風纏い』を付加した魔石は・・・搭載しないの?』
「ライムとジルからも『魔法障壁』と土壁だけでいいと言ってたし・・・」
『確かに『多重魔法障壁』や『多重土壁』を使えるから護る事に関しては万全な気もするね』
「魔石もアイテムボックスに大量にあるから新しく魔法を使いたい時は『白銀龍』か『クロ』に相談するんだよ」
リウは『ジン』以外のゴーレムとの会話は出来ずにいたが
『白銀龍』と『クロ』はゴーレム達との意思疎通が出来ていたので
魔法を新しく覚える時などは『白銀龍』と『クロ』を介して身体強化をしていた
先の『人食い熊』の時にリウは『ジン』に大盾を装備させるつもりでいたが
『人食い熊』と『ジン』が対戦する事が無かったので
『ジン』専用の大盾や武器は作らずにいた・・・
姿形は鋼鉄の鎧を纏った人型な為に『ジン』が荷馬車で移動中は凄く目立っていた
少なくともランクEの薬草採取を生業としたリウ達と共に行動する『ジン』は不釣り合いに見えた
「『ジン』の攻撃方法は・・・『石弾』と『風纏い』による攻撃のみか・・・」
『『風纏い』だけでも『ジン』は凄く強いけど?』
「鋼鉄の鎧を纏っている姿をしているからかな?」
『殴っても体当たりしても鋼鉄製の武器を装備しているのと変わらないか・・・』
「『鬼ごっこ』では攻撃を封じているけど、それでも『ジン』のプレッシャーは凄かった」
『他のゴーレムより搭載魔石数が多いのもあるけど・・・性能の差は無いと思うよ?』
「魔石の数よりも『ジン』の御主人様が凄い人だったんじゃないかな」
『そっか、御主人様は凄い人だったんだ・・・』
『ジン』は自分を想像した御主人様を思い出し嬉しそうにしている
「確かに『ジン』の御主人様のゴーレム作成は他のゴーレムと違う感じがする」
『それは『ジン』が巨人型と言うより他のゴーレムより人らしい?』
「ゴーレムの中で『ジン』の言葉は理解出来るね・・・不思議だけど」
『そうなの『アインス』の言葉も分かるけど?』
「どういう訳か『白銀龍』と『クロ』はゴーレム達と話せるんだよな・・・」
『何でだろうね~少し不思議♪』
『みんなイイ子たちだし話せて嬉しいよ♪』
「僕も『アインス』達と話をしたいなぁ・・・」
リウは『アインス』を抱きしめ撫でながら話しかける
『アインス』はリウに甘えるように頭を擦りつける
それを見ていた『ツヴァイ』や『ダライ』達もリウに身体を擦りつけるように甘えてくる
リウはゴーレム達に甘えてもらい嬉しそうにゴーレム達を抱きしめ撫でまわす
この日のリウとゴーレム達の『鬼ごっこ』と言う名の修練は『アイギス』での恒例になり
朝錬以外での修練時にはメンバー交代で『鬼ごっこ』をするようになる
『鬼ごっこ』は『風纏い』を唱えての魔力の修練と
常に移動をするという事で身体の強化に繋がり
短時間の修練にも関わらず全身運動にもなり『鬼ごっこ』は1人1日1回と決めた
『鬼ごっこ』後にはゴーレム達に魔力の補給をすると共に
パートナーとの親睦を深めると意味で抱きしめたり撫でまわしたりと
休憩をしながら一緒に昼寝をするのだった・・・
『白銀龍』や『クロ』も『アインス』と共にリウに甘えるように抱きつくのだった
『ジン』と『ゼクス』『シス』の3人のゴーレムはリウ達のゴーレムとの抱擁を嬉しそうに眺めるのだった
『アイギス』は地下での修練の日々で雨期である事を忘れ
食事と休憩以外の時間を修練に費やし少しずつ強くなっていくのだった・・・
この『鬼ごっこ』はゴーレムに騎乗した状態でも行い
クラシスは『ゼクス』に騎乗し
リズは『シス』に騎乗した状態で『鬼ごっこ』をするのだが
何故かゴーレムとの同期の影響なのかリウと『アインス』が最後まで逃げ切る事になる
『ジン』に関しては騎乗するという事は無く単独で行動していた
一度『ジン』の肩に『白銀龍』と『クロ』が乗り『鬼ごっこ』をした時は
通常の3倍の速度で移動し誰も『ジン』に追いつく事は出来なかった・・・
『ジン』に一番適合率が高いのは『白銀龍』と『クロ』と言う事になるのだが
三位一体の『ジン』が鬼役になると数分で『鬼ごっこ』が終了するという・・・
やはり『アイギス』最強は『ジン』『白銀龍』『クロ』となった




