4-332『湖の街』の防衛と斥候とか
次の日、リウ達は『湖の街』の商業者ギルドに出向いていた
ギルド内部は冒険者が『人食い熊』討伐について情報が入り乱れていた
その中でも討伐隊の冒険者の殆どが戻らず
冒険者ギルドの3割の冒険者を失う事になった
その中でも討伐クエストを生業としていた冒険者な為に
『湖の街』では『人食い熊』に対する討伐よりも
守りを固める防衛を商業者ギルドが担当する事になる
冒険者ギルドでは『湖の街』を囲む様に防衛ラインを築き
『湖の街』に接近する黒熊や黒犬を討伐するつもりでいた
商業者ギルドから『アイギス』には防壁の補強を頼まれ
リウ達は日課の朝錬をしてから毎日防壁の補強をする事になる
『森の討伐者』の方は『アイギス』の補助として一緒に行動し
ウイズとオンの2人は覚えたての土魔法で防壁の補強をするのだった
グラダ・シーダ・ギーツ・ハイザーの4人は冒険者ギルドで
初心者冒険者達に戦い方を教えていた・・・
今回の『湖の街』の防衛では初心者冒険者は防壁の上から
弓や投槍での戦い方や立ち廻り方を教えていた
『アイギス』のリウ達はゴーレムと一緒に行動を共にし
防壁の外側から補強と強化をしていた
ゴーレム達との同行は『人食い熊』の出現時に逃げられるようにする事と
もしも、『人食い熊』との戦闘時のサポート役として一緒に行動していた
防壁の外側にはリウ・ノノ・ココ・ジャンヌ・リン・アイズが担当し
猟犬ゴーレムと鉄馬ゴーレムが土魔法を唱えるリウ達の側を離れず待機していた
防壁内部ではクラシス・リズ・シルキー・ミルキー・ヘンリー・ライム・ジルの7人が
防壁の補強と強化をし外側と内側のダブルで土魔法を唱えていた
他にも土魔法を修得した冒険者も同行しウイズやオンも土魔法を唱えていた
貸家から持ち家になった『かまくら住居』は
『ひよこ亭』の3人と『ジン』と『白銀龍』『クロ』が待機し
みんなの食事の世話をしたりポーション作成をし
多少でもギルドに納品し冒険者達に行きわたる様にしていた
『湖の街』での防衛が決まってから露店の数が減り・・・
『湖の街』から避難する住民が増えてきていた
避難と同時に護衛する冒険者も一緒にいなくなり
冒険者ギルドと商業者ギルドは防衛する冒険者の減少に頭を悩ます事になる
それでもアライズ達はいつも通り露店で食糧や調味料に酒類も購入していた
焼串や焼鳥の露店は早々に店じまいをしており
冒険者向けのがっつり系の露店だけが街に残っていた・・・
もちろん食堂と酒場は相変わらず営業しており冒険者向けにお手軽な値段で食べる事が出来た
その中でもリウは防壁の補強をしつつも
MAPを常時展開し『人食い熊』の接近に誰よりも先に気付く様にした
防壁の補強には商業者ギルドから土魔法を修得した冒険者が同行しており
防壁の外側では13人の冒険者が防壁に土壁を作成していたが
同行した冒険者達よりリウ達の土壁の方が厚く頑丈に作られていた・・・
それを見た冒険者達は「何でそんなに早く・・・」とか「土壁厚すぎない・・・」とか聞こえてくるが
リウ達は今すぐに土壁について色々教える事は無理なので
仕事終わりにでも土壁のコツを教えるつもりでいた
「それにしても『湖の街』の防壁の全面補強は無理な気がしてきた・・・」
「『人食い熊』は巨大だと聞いたけど・・・土壁の高さ2mで大丈夫かな?」
リウとノノは防壁を覆うように作成した土壁を見上げながら話し合いをしていた
防壁から20m先では冒険者ギルドの冒険者達が大杭等を用い防衛ラインを構築していた
「防衛ラインもあるし、防衛ラインで足止めが出来るし・・・」
「防衛ラインが完全に機能すれば『人食い熊』の動きを止まられるはず・・・」
「防衛ラインも『湖の街』の沿って展開するのかな?」
「それは資材と構築する時間があるかどうかじゃないかな?」
「防壁と同じ長さをカバーするとしたら・・・土壁を繋げるかもしれないし・・・」
リウ達は夕方までに防壁に沿って土壁を作成していく
この防壁の補強は土魔法を修得した冒険者が寝る間も惜しんで4日間で完成し
冒険者ギルドで構築していた防衛ラインを土壁で補強し終える
『人食い熊』の討伐失敗から5日目・・・
『湖の街』の防壁の補強が完成し
街の冒険者達は弓や投槍の修練を始めるのだった
鍛冶屋では弓矢や投槍を大量に作り上げていく
どちらも使い捨ての武器と言う事で新人加治師も総出で作り上げていく事になる
商業者ギルドから『アイギス』に1つの依頼を頼まれる
それは『湖の街』周囲の偵察及び、斥候を頼まれていた・・・
何でも猟犬ゴーレムと鉄馬ゴーレムがギルド長の目に止まり
戦う事より先に『人食い熊』の動向が気になっていた
『アイギス』のゴーレムは『風纏い』を唱えれば黒犬からでも逃げ切れる機動力があり
偵察をする上で適任者と言う事になっていた
それと『湖の街』の内部にも防衛ラインを構築し
『湖の街』の水上の建物がある場所を避難地域にし
地上の建物との境に2mの土壁を作成していく事になる
通常の黒犬や黒熊でも2mの土壁を飛び越えることは不可能なので
破壊されない厚みのある土壁を街中に構築していく
『アイギス』と『森の討伐者』の住まう『かまくら住居』も堅甲な土壁で囲い
外部からの侵入を防ぐ事になるのだが
地下の運動場もあり『湖の街』の中で一番安全な避難場所と言う事をリウ達しか知らない
リウ達はパートナーのゴーレムに騎乗し街道を駆け偵察をしていたが・・・
リウのMAPでも反応が無く街道を南下するように駆け続ける事になる
ギルドで聞いた『人食い熊』との遭遇場所付近でも何の反応も無かった・・・
「周囲に黒犬も黒熊の反応も無いや・・・」
「こっちもです森の中から生物の反応が無いです・・・」
「どこかへ移動した・・・とか?」
「逃げ帰った冒険者の話では『人食い熊』以外に黒犬や黒熊の群れにも襲われたと聞いたけど?」
「確かに怒り狂う黒犬や黒熊に襲われたと報告してたね」
「とりあえず『湖の街』に一度戻ろう・・・」
リウは『アインス』に騎乗し駆けだす前に
MAPを展開し『人食い熊』を探してみたが3km先に赤マーカーの反応があった
その場所は巨木の森付近で冒険者達があまり立ち入らない場所だった
「ふぅ、1つだけ反応を感じたが遠いな・・・」
「それはどっちの方向なの?」
「巨木の森の方かな・・・魔力溢れる場所で身体を休めているとしたら・・・更に強くなる可能性があるな」
「巨木の森の付近にいるのだけでも分かったから良しとしましょう・・・」
「どうせ『湖の街』では討伐可能な冒険者はいないんだし」
「冒険者ギルドの方でランクBかCの冒険者に『人食い熊』討伐依頼したらしいよ」
「他の街から冒険者が到着するまで何日掛るやら・・・」
「今は『人食い熊』の情報を持ち帰る事を考えよう」
「「「はい」」」
リウ達は道すがら警戒を怠らず『湖の街』へ帰還する事になる
なるのだが久しぶりに街の外にいるという事で・・・
相変わらず薬草採取をして戻る事になる
この日の『アイギス』の『人食い熊』の情報が
『湖の街』の即座危険という事が無い事に安堵し
冒険者たちはもしもに備えて弓矢や投槍の修練に励み
鍛冶師達も武器を大量に鍛え上げていく
『人食い熊』討伐の依頼を受けたランクB冒険者達が『湖の街』に到着するまで
街の住民と冒険者達が一致団結し力を合わせていくのだった
ランクB冒険者たち到着まで後6日後・・・




