0-33報酬は一軒家とか
緊急クエスト終結からから3日が過ぎたころ
冒険者ギルドから『アイギス』にクエスト報酬についての話し合いがあった
最初、ポーション作成の報酬に始まり、門前での戦闘での報酬・・・
あの時はヤバかったなぁ、冒険者の攻撃が無かったらMP切れで全滅の可能性もあったし
まぁ、クラシスさんが報酬を持ってきてもいいんだけどな
「冒険者ギルドに行くから、ノノとココも準備して~」
「「はーい」」
『アイギス』としての最初の緊急クエストでもあるし
3人とも疲れが抜けたし外出して露店で焼き串でも買い食いもしたい
なんだかんだで『アイギス』は外へ出たかった・・・
「冒険者ギルドで報酬受け取ったら露店で食べ歩きしようや~」
「焼き串がいいです」
「・・・焼き芋も」
3人は普段着に革のベストを装備し、リュックを背負い冒険者ギルドへ向かった
ギルド内は緊急クエストの事後処理に忙しそうに職員が動き回っていた
受付で今回の報酬の支払い担当していたリズさんがリウを見つけ
「おはようございます、リウさんには今回の報酬についての説明を行いと思いますので2Fの会議室の方へお願いします」
「あの『アイギス』として3人で会議室へ向かってもいいですか?」
「わかりました、ノノさんとココさんにも関係があるので3人で会議室へどうぞ」
ノノとココも自分たちも一緒に会議室で話し合いがあるとは思っていないみたいだな
「大丈夫」とノノとココのあたまをぽんぽんとして2Fへ向かう
会議室は階段を上がった先にあり、何名かの冒険者とすれ違った・・・
みんな報酬を手に嬉しそうに1Fへと戻っていく
会議室の前で「次の人、どうぞ~」と中から声がかかったので
「失礼します、『アイギス』の3名入ります」
会議室の中ではギルドマスター「グランド」副ギルドマスター「ランプ」にギルドの職員が2名テーブルについていた
「まぁ、座ってください。『アイギス』の3名はポーション作成と、防衛ラインでの戦闘で野犬討伐での功績は大きいものがあります」
副ギルドマスターが今回のクエストでの『アイギス』の働きを説明していた
ポーションは200個作成し1000Lに追加報酬で合わせて1200Lになり
防衛ラインでの戦闘報酬は20000Lとなった
「あの報酬が適正かどうかわからないんですが・・・」
リウは今回の報酬が多いのか少ないのかを考えていたがサッパリわからなかった
ノノとココも報酬の多さにびっくりしてはいたが場にのまれている雰囲気だった
「ポーション作成の報酬については規格通りの金額になっているが、野犬の討伐に関してはリウ君は魔力障壁で街と冒険者を守った功績がある。最終防衛ラインでの負傷者がいなかった事も報酬が高額に繋がっています、最終ラインはE~Fランクの冒険者が担当していたので倒せこそすれ下手をすれば全滅の可能性もあった、それを負傷者ゼロで討伐したのなればギルドとして、精一杯の報酬として提示しました」
どうやら最終防衛ラインでの戦闘は、冒険者ギルド内での評価は高いみたいだな
無理して『イージス』で対応して良かったかもしれないな
「それと君の魔力障壁は見た目以上に堅甲障壁だったと報告があったが・・・、いあ冒険者にスキルを聞くのはギルドマスターとしては聞いてはダメだな・・・」
ギルドマスターは魔力障壁の事を聞きたそうだったが、黙認してくれるみたいだった
報酬としては話が通っているみたいだし
報酬合計21200Lか借家の支払いも暫らくは大丈夫だな
「報酬の事は納得しました、報酬の受け取りは1Fの受付で行えばイイですか?」
「それについてだが、緊急の事でギルドとしては支払いする資金が不足しています。それで『アイギス』にお願いがあります。借家を今回の報酬金額で購入しませんか?もちろん21200L全額という訳ではなく、11200Lでの購入とし月々2000Lずつギルドで今回の報酬残金を『アイギス』に支払います」
「それは報酬半分で借家を買い取り、半分を月2000Lx5ヵ月を『アイギス』に支払うという事ですか?」
「そうです、手続きを完了したら借家を購入し今日は報酬2000Lお渡しします」
ノノとココを見て「それでいいかい」と小声で話し、2人は「それでいいよ」と言ってきたので
「わかりました、『アイギス』の帰る家を今回のクエスト報酬として受け取ります」
副ギルドマスターは報酬の事が上手くまとまり「ほっ」としていた
同席していた冒険者ギルドの職員は借家の手続きをすすめる書類を作成していた
作成した書類をリウに渡し
「それを受付にお渡ししてもらえれば、借家の件と報酬の件の手続きを行えますのでお願いします」
書類を手にしリウは席を立つ、ノノとココも少し遅れて席を立つ
そこでギルドマスター「グランド」が声をかけて
「お前さんはランクを上げてダンジョンに挑戦はしないのかい?ランクこそ低いが冒険者として大成すると思うんだがな!」
「『アイギス』としては無理して戦闘をこなすことはしませんよ、ランクを上げるのもダンジョンに挑戦するのも、この2人と相談して決めますよ」
ノノとココは頷きリウを見つめていた
「そだ、最後に討伐した野犬ですが大きさと動きが違ったように見えたんですが・・・」
「最後討伐した野犬は、山犬もしくは狼といわれる野生動物だと思われます。この付近で生息していないので群れから離れた狼が新しいボスとして活動したのではないでしょうか」
「狼ですか・・・、今回は上手くいきましたが戦いたくないですね。『アイギス』だけでは討伐に苦労しそうです」
「こういう緊急性のある事案はそうそうあるはずもないので、もしもの時はよろしくお願いします」
「はい、では失礼します」
3人で会釈をし1Fの受付へと向かっていった
会議室に残っているギルドマスターと副ギルドマスターは
「今回の功労者は控えめな冒険者だったな、覇気がないというか向上心がないというか」
「そうではないのでは、物事を全体で見る目を持っていると思いますよ。できれば家を購入したので末長く街で暮らして欲しいものです」
「そうだな、防衛の要としてもリウの魔力障壁は武器になるからな・・・」
受付で今回の報酬についてリズさんから説明を受けていた
「借家は『アイギス』の所有となります。今回の報酬は2000Lを手渡し、残り4カ月にかけて8000L支払うっと・・・」
「はい、そういう風に聞いてます。一軒家を持てたので報酬としては嬉しい限りですね。これで本格的に家具を揃えたりできます」
「客室もあきが部屋あるからパーティーメンバーを増やしてもいいし~」
「メンバー増員ですか・・・、なにかメンバーに選ぶ基準はなんですか?」
「今のメンバーはポーション作成が可能としてますから、土魔法が使える方がいいですね。今回の防衛ラインのやり方を見て土壁での守りは討伐クエストでも応用できそうな気がしましたから・・・」
「なるほど・・・、土魔法ですね」
リズさんはふむふむと何かを考えているみたいだった
ココがリウの服をちょんちょんとひっぱり
「・・・土魔法を使う人は少ないよ」
と言ってきた土魔法人気ないのかな?
「土魔法は人気が無いというかマイナー過ぎて使い手は少ないと思います、火>風>水>土と魔法の見た目と一緒で人気が偏っているのが現状ですね」
「そっか、便利だと思うんだけどね。それじゃ、リズさんメンバーの勧誘は追々でいいのでよろしくお願いします。限定2名で住み込み可能な方でお願いします。ノノとココの2人が怖がらない人でよろしくお願いします」
「わかりました、女の子2人がいますからね。それに考慮した勧誘してみますね」
「では、報酬ありがとうございました。明日からは採取クエストを始めますので~」
報酬を手渡されギルドから我が家へと帰宅する
家へ帰る道すがらノノがリウに話しかけてきた
「あの、メンバー増員するんですか?」
ノノとココは不安そうにリウを見ていた
目線を合わせてぽんぽんと2人のあたまを撫でて
「増員はクエストの時に安全を確保するためだよ、それに2人の方が大事だから無理に増員するつもりはないよ」
ノノとココはにへら~と笑顔になりリウより先に歩いていく
2人は手をつなぎ家へ向かっていた
その頃、冒険者ギルドの受付のクラシスとリズは『アイギス』の増員について話し合いをしていた
「土魔法を使える冒険者ですか・・・聞いたこと無いですね」
「それとも土魔法を修得してメンバー参加しようなぁ~」
「それは待って、ずるい。私も土魔法覚えるから一緒にがんばろ」
「2人で『アイギス』入りもイイかもね」
ギルドで受付として生活するより冒険者の一員として華々しく生活することに憧れをもっていた
この後、『アイギス』に2人が参加するのは2ヶ月後のことである
冒険者ギルドの受付嬢2名が転職した事はギルドに衝撃をあたえた・・・
その事にリウが気づくのはかなり後になってからだった
報酬は一軒家と月2000Lx5回




