4-324到着しました『湖の街』とか
春になり『アイギス』は巨木の森から街道を抜け『湖の街』に向け移動を開始していた
『アイギス』は冬期間中に箱馬車を改造をし
箱馬車を連結式にし、3つの箱馬車を繋いだ姿に変わっていたが
外見は箱馬車というより現代風トレーラーハウスになっていた
先頭のトレーラーハウスは休憩と就寝用の二階建てになっていた
真ん中のトレーラーハウスは一階に調理場と倉庫があり二階に食堂を設置した
最後尾のトレーラーハウスは一階と二階が作業部屋になっていた
連結トレーラーハウスは一角獣ゴーレム『ゼクス』が引き
移動中は大量の魔石と『紋章学』による『浮遊』により
見た目以上に『ゼクス』に負荷を駆ける事無く移動する事が可能になっていた
もっとも度重なる身体強化を経て『ゼクス』単体でも連結トレーラーハウスを引く事は可能だったが
長時間走行はトレーラーにも負荷がかかり『浮遊』で浮かせるのが一番効率が良い移動手段だった
『アイギス』ではもう一台の荷馬車は『ジン』の移動手段として造られており
荷馬車には『ジン』が膝立ちでも横になっても大丈夫な様に大きめに作られていた
魔石と『紋章学』による『浮遊』にて荷馬車も移動中浮かす造りになっていた
荷馬車を引くのは新たに『ゴーレム作成』で創り出した『シス』が担当した
『ゼクス』と『シス』は同等の実力があり
見た目の違いは『ゼクス』は白の布が首に巻かれており
『シス』には黒の布が首に巻かれていた
『鉄馬ゴーレム』の『アン』と『ユヌ』にはリンとアイズが騎乗し
護衛するようにトレーラーハウスの前方を走っていた
他のゴーレム達は『ジン』の荷馬車で一緒に移動し
『ジン』も街道を移動中は荷馬車で横になっている状態で布を掛けてあった
トレーラーハウスは御者をクラシスとリズが担当し
交代要員はシルキーとミルキーが受け持つ事になる
『ひよこ亭』のアライズとアリサとアンナは調理場で料理を作り
ヘンリーとライムとジルがトレーラーハウスの『浮遊』担当とし常時浮かせる事になる
『ジン』の荷馬車は御者をリウとジャンヌが担当し
荷馬車の『浮遊』担当にはノノとココとゴーレム達が担当していた
街道を移動中の周囲の警戒はリンとアイズが担当し
近づく前に遠距離狙撃で倒していくのだが
巨木の森にいる間は襲われる事無く森を抜けるのだった
最初に黒犬の群れに襲われたのは森を抜けた3日後だったが
通常の黒犬の群れ5頭に襲われたがリンとアイズの『魔法弾』の連弾により瞬殺される
巨木の森の大岩砦を出発した『アイギス』御一行は森の中で薬草採取をし
森を抜けるのに1カ月以上もの日数を採取に費やし
トレーラーハウスには乾燥済みの薬草を箱詰めにし
作業部屋二階には箱詰めした乾燥薬草が大量に保管される事になる
『アイギス』での薬草採取は、採りたての薬草を二階の作業部屋にて乾燥作業をし
ポーション作成時に安定した品質になるように常に薬草を乾燥していた
『湖の街』への移動中はポーション作成は行わずにギルドへの納品用に大量に箱詰めしていく
薬草採取はトレーラーハウスに寝泊まりしていたが
周囲を土壁で囲い、追加でお風呂とトイレを作成し
簡易陣地作成を少しでも簡略化し、尚且つ住みやすく過ごしやすく
何よりも食べる事と寝る事に特化した簡易陣地を作り続けた
1カ月以上もの薬草採取により森中の薬草採取場所を全て巡り
リウを始めクラシスやリズ達もニコニコしながら森を抜けるのだった
そして、街道を進み『湖の街』に到着したのは・・・さらに1ヶ月後になる
春に大岩砦を出発し春の終わりに『湖の街』に着くのは『アイギス』らしいのだが
エルフの集落での生活が長かったので生活サイクルというか生き方がのんびりになりがちだった
リウ達が『森の討伐者』6人を『湖の街』に届けてから数カ月
『湖の街』は湖に面した街作りになっており
街の半分を水面に造られた水上都市になっていた
リウのMAPでも湖の大きさが巨木の森の1/3の広さがあり
『湖の街』は水の都という感じの場所だった
街の周囲は大きな扉と防壁に囲まれており
壁の上には街を護る守り人の姿が見える
「今、壁の上にいた人がびっくりして走って行ったけど・・・」
「あぁー、うちのトレーラーハウスにびっくりしたかな?」
『アン』と『ユヌ』に騎乗したリンとアイズが防壁上にいる守り人が駆けて行くのを確認した
「やっぱりトレーラーハウスは目立つのかな?」
「普通の箱馬車じゃないしね・・・うちの馬車は箱馬車と言うより家馬車だし♪」
「それに『ジン』の荷馬車も目立つんじゃない?」
「そういえば『ジン』の荷馬車も大きかったね」
リンとアイズ話しながらも『湖の街』の入り口に到着する
入口の扉の前には門番が2人立っており不審者が街に入らない様にしていた
リンとアイズも『アン』と『ユヌ』から降りてリウ達を手招きし
『アイギス』のメンバーが揃って門番にギルドカードを提示する
「はい、全員で『アイギス』っと・・・大丈夫ですね」
「馬車が大きいですがギリギリ街に入れますね、それと馬車を停めれる宿屋をお教えしますので、そちらにお泊まり下さい」
「ギルドには馬車を停める場所は無いんですか?」
「ギルドですか・・・停めるだけなら問題ないですが宿泊する場所は無いですよ?」
「それなら大丈夫です、馬車を停めれる広めの場所があれば寝れますし」
「それじゃ、商業者ギルドを先に訪ねてみた方がいいでしょう」
「商業者ギルドには多数倉庫もありますし、広めの馬車を停車する場所もあります」
「やはりギルドも水上にあるんですか?」
「いえ、ギルドは街に入って右手に冒険者ギルドがあり左手には商業者ギルドがあります」
「わかりました、向かってみます」
リウは門番にぺこりと頭を下げ『アイギス』メンバーは『湖の街』に入る事になる
街に入ると大通りがあり右手の冒険者ギルドには冒険者たちが出入りしていたり
冒険者ギルドの隣には武器屋や防具屋など冒険者に必須の店が並んでいた
左手の商業者ギルドにはギルド専用の倉庫が並び馬車を停められる場所もあり
商業者ギルドの隣には道具屋や魔道具屋が並んでいた
その奥には露店が並び焼串や焼鳥といった定番の露店が多数出店していた
トレーラーハウスと荷馬車を馬車を停める広場へ停車し
『ゼクス』と『シス』に護衛をお願いしリウ達は数組に分かれて行動を開始する
シルキーとミルキーは『ゼクス』と『シス』に魔力を補充し
トレーラーハウスと荷馬車の後方に土魔法でトイレを作成する
「これでトイレは大丈夫だけど宿屋に泊らないのかな?」
「トレーラーハウスと荷馬車を停車出来る宿屋は無いんじゃないかな?」
「それにね、『アイギス』のメンバー全員泊れる部屋は無いでしょ」
「何より宿屋に泊るより『ひよこ亭』の料理の方が美味しいから良いか・・・」
シルキーとミルキーは『アン』と『ユヌ』を撫でながら魔力を補充し
リウ達が戻るまでに『ゼクス』や『シス』も魔力補充していく
荷馬車に横になっている『ジン』達にも魔力補充し
シルキーとミルキーの2人は満足するまでゴーレム達を撫でまわすのだった




