表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
321/354

4-321続々)大岩砦の攻防戦とか

リウ達が大岩砦に戻ったのは夜になってからだった

砦全体に『魔法障壁』による『多重障壁』が展開しており

大岩砦全体が淡く輝いていた


砦の上部から連弾の『魔法弾』が放たれるのが見えるが

今の大岩砦は巨大な黒犬討伐よりも護りを固めた防衛戦を実施していた

砦からの攻撃という事で砦の周囲には大量の魔石が散乱していた



『アインス』に騎乗し全力疾走しているリウは現在絶賛大岩砦に帰還中だった

ノノ・ココ・ジャンヌの3人も猟犬ゴーレムに騎乗し全力疾走している

リウが周囲に散乱している魔石を見ながらうずうずしている・・・


「あぁー、勿体無い魔石があんなに・・・」


リウは魔石回収に今すぐ行きたそうにきょろきょろしている

ノノは戦闘を走る『アインス』の速度が落ちるのを感じ


「リウ!大岩砦のみんなが心配です、魔石回収は後日でも大丈夫です!」

「そうです、ノノの言う通りです!魔石は後でも回収できますがシルキー達が心配です!」

「私たち以外に森にはいないんだから、魔石回収は明日みんなでやりましょう!」

「ノノの言う通り森には僕らしかいないし・・・大岩砦に急ごう!お腹が空いた!!」

「「「今から戻れば晩ご飯です!」」」




大岩砦の上部で『魔法弾』を放つシルキーとミルキーはリウ達が帰還しているのを確認し

リウ達が戻りやすい様にリウ達に近づく黒犬達を撃ち抜いていく

調理場にいた『白銀龍』と『クロ』の2人もリウ達が戻ってくるのを感じ

一目散に大岩砦を飛び出しリウ達に向かい駆けだしていく

いあ、『風纏い』を唱えていたので『飛び出して行く』が正しいか・・・

リウもまた『白銀龍』と『クロ』が大岩砦から飛び出し向かっているのを確認し

『ドォォォン!』ごろごろごろごろ・・・ぽて

リウは両手で『白銀龍』と『リウ』を受けとめようとして失敗し

『アインス』から転げ落ち・・・転がる・・・

『白銀龍』と『クロ』は全力でリウに向かい

全力でリウに甘えようとして失敗した・・・

『アインス』だけは転がるリウ達に『魔法障壁』を展開し

巨大な黒犬達の攻撃を塞いでいる


ノノ・ココ・ジャンヌの3人は大岩砦から飛び出してきた塊にリウがふっ飛ばされたのを見て・・・


「やばい、リウを護りつつ黒犬の討伐!」

「「了解!」」


ノノ・ココ・ジャンヌ・『アインス』はリウ達を囲む様に四方を『魔法障壁』を展開し


「リウ、大丈夫?」

「それともポーションいる?」

「大丈夫なら『アインス』に騎乗して!」


リウは大丈夫だったが『白銀龍』と『クロ』の熱すぎる抱擁に身動きが取れずにいた


「ほらほらノノ達に叱られちゃったよ・・・」

『えへへへ、リウお帰り~』

『どうだった、森の向こうに言ったんでしょ?』

「2人ともただいま、帰ったらキチンと話すから今は急いでみんなの元へ戻ろう」

『わかった~』

『それでリン達は・・・?』

「リン達ならすぐそこまで来てるよ、僕らが転がっている内に追いついたみたい」


暫らくすると『鉄馬ゴーレム』2体に引かれた荷馬車が現れる

リウ達が大岩砦に到着する前に動きが止まったのを驚き

リウとアイズがリウ達の目の前で『鉄馬ゴーレム』が停車し


「リウ、大丈夫!」

「何があったの?」


慌てた様子のリンとアイズは地面に転がるリウに声をかける

何故ならリウを護る様にノノ達が『魔法障壁』を展開していたので

リウに何かあったと思い声をかけたというのが正しいが・・・


実際に地面に転がるリウはというと

『白銀龍』と『クロ』に全力で甘えられている姿だった・・・

荷馬車で鉄杖を構えているクラシスやリズも戦場では有り得ない状況に・・・


「何してるの?リウも『白銀龍』も『クロ』も・・・戦場の真ん中で遊んでいるの?」


クラシスの冷たい呟きにリウを始め『白銀龍』と『クロ』がビクッとし

いそいそと『アインス』に騎乗し


「もう大丈夫、すぐに砦に戻るから!全力で駆けるから!!」


『白銀龍』がリウの頭に抱きつき『クロ』がリウに抱っこした状態で

『アインス』リウ・『白銀龍』『クロ』は全員が『風纏い』を唱え

通常の4倍の速度で駆けだすが・・・速度が速すぎ巨大な黒犬達に突貫しながら進む事になる



突然のリウの黒犬達への突貫攻撃に一瞬驚き

リンとアイズは急ぎ大岩砦へ向かっていくのだった

ノノ・ココ・ジャンヌはクラシスらが乗る荷馬車を護衛しながら戻る事になるのだが

リウ達が戦場を縦横無尽に突貫攻撃をした為

大岩砦周辺の巨大な黒犬達の殆どを葬る事になる

『アインス』はリウ達3人の魔法に振り回されながらも転ぶ事無く進み続ける

『白銀龍』と『クロ』も『アインス』が転ばない様に魔法で体勢を維持していた


リウ達が巨大な黒犬達に突貫攻撃を仕掛けている頃

リン達『鉄馬ゴーレム』と荷馬車は大岩砦に到着していた

ノノ達も大岩砦に到着したが・・・リウ達は未だ砦の周囲を走り続け突貫し続けていた・・・





リウ達が戻ったのは『アインス』の魔力枯渇寸前まで無理をし

戦場を走り回っている時に突然『アインス』の足が止まり掛け

急きょリウが魔力補充をしたからなのだが・・・


その時になって砦の周りの黒犬を葬り

しかも、無数の魔石が散らばっている状態だった

どうやら『多重風纏い』の効果で4倍の速度で動きまわり

『アインス』の魔力を考えないで動き回ったのが原因なのだが

リウは『アインス』を撫でながら魔力を注ぎ


「ごめんな、魔力枯渇になるまで無理させちゃって・・・」


リウが『アインス』を抱きしめ撫でながら魔力を補充し


「次からは無理させないからね・・・」


『アインス』はリウに頭を擦りながら甘えてくる

『白銀龍』と『クロ』はリウが魔力を注いでいる間に周囲に『魔法障壁』を展開し

リウと『アインス』を護っている・・・

周囲には黒犬はいないのだが森の至る場所から黒犬と思われる反応を感じ


「まだ、森には巨大な黒犬の反応がある・・・?」

『アライズ達が『氾濫』じゃないかって話してたよ』

『地下1Fの通路からも巨大な黒犬が現れて大変だったし』

「それじゃ、急いで戻ろう・・・『アインス』もう少しだから頑張って!」


『アインス』はコクコクと頷きリウの前に跪く

リウは『アインス』を撫でながら騎乗し『白銀龍』と『クロ』も乗り込み

大岩砦へ向け『アインス』は全力で駆けだす


「戻ったら今日あった事を報告しないとなぁ~」

『戻ったら晩ご飯♪』

『戻ったら肉祭り♪』




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ