0-32緊急クエスト終結とか
カーン!カーン!カ-ン!!
次の日の朝、街中に冒険者ギルドの警鐘の鐘の音が響いていた・・・
『ひよこ亭』で朝ごはんを食べていた『アイギス』は警鐘の音を聞いていたが
警鐘の意味を3人は知らなかった・・・
「ガチャン・・・」アライズさんが紅茶カップを床に落としていた
カップの破片を拾う指先が震えていた
「アライズさん、大丈夫ですか?」
「はい・・・、大丈夫です。リウさん、この警鐘は冒険者ギルドの緊急事態です。急いでギルドに向かってください」
「わかりました、ノノとココは『ひよこ亭』で待機してもらってもいいですか?『アイギス』の代表としてギルドに行ってきます」
「それじゃ、ココと2人で待機してます」
「・・・待ってる」
「行ってきます、2人をよろしくお願いしますね!」
朝食を食べ終えたリウは急いで冒険者ギルドへと走って行った
どうやら街中の冒険者がギルドへ向かっているらしく
ギルド前では中へ入れない冒険者が溢れかえっていた
本職の冒険者以外でも露店の店主たちもギルド前で警鐘の事を知りたがっていた
その頃ギルド内では、冒険者ギルドのギルドマスター「グランド」が警鐘の事を冒険伝えていた
「よく集まってくれた冒険者諸君、山間部での調査隊が昨日戻ったのは知っていると思うが、調査結果はあまり良いものではなかった。山間部での野犬の集団300匹が街へ向かっているとの報告を受けた、上位ランクの冒険者が街への帰還途中で半数の150匹を討伐してはいるが野犬の群れは、森の中にいる野犬をまとめ200匹以上の群れになり街へと進行している。早けれは2日後には街道付近まで接近するとの事だ・・・」
「ギルドマスター、調査隊は負傷者多数と聞いたんだが大丈夫なのか?」
ギルドマスターの話を聞いていた冒険者が質問していた
隣に控えていた副ギルドマスターのランプが質問に答えていた
「調査隊はポーションで外傷は治っています。失った血が足りずに養生している状態なので2日後には野犬の対応は可能です」
「野犬の進行速度が予想以上に早い場合があるので、近隣への街や村へは移動を控えるように通達している。それとCランクの冒険者を街や村への派遣も昨日のうちに行っている」
「それではこの街での防衛に支障があるんじゃないのか?」
「それについては大丈夫じゃろう、調査隊の話ではまっすぐこの街へ向かっていると事だしな。街の防衛には全ての冒険者に対応してもらう、これは緊急クエストである。逃げる事は許されない、逃げ出す冒険者にはペナルティを課すのでそのつもりでいるように、各ランクの防衛任務の詳細は冒険者ギルド前に貼りだすのでそのつもりでいるように!!」
そういうと副ギルドマスターのランプは
「それではA~Cランクは防衛の為に街の門前2Kmに防衛ラインを設置、C~Dランクは門前1Kmに防衛ラインの設置を、E~Fランクは最終ラインの門前と街中に防衛ラインを設置してもらいます。それとじゃ別にポーションの作成可能な冒険者はポーションを作成してもらいます。これが今回の近況うクエストの詳細です、ギルド前に貼りだしますので詳細の確認をお願いします」
「防衛ラインを築く道具はどこにあるんだい?」
「それについては冒険者ギルドと商業者ギルドの両ギルドから用意している、各ギルド職員が街の外へ運び込んでいるはずなので急いで向かってくれ。参加する冒険者は受付に参加する旨を知らせてくれ!!」
「では、ギルドマスター緊急クエストの詳細をギルド前に貼ってきますね!!」
「さぁー、時間が無い。さっさと受付で手続きして防衛ラインに向かってくれ!!!」
「「「おぉさ!!まかせておけー!!!」」」
冒険者の面々はパーティー単位で受付を済ませている
過去10年間無かった緊急クエストは冒険者を1つにまとめる役割をはたしていた
ギルドの外では緊急クエストの詳細を見ながら各冒険者がこれからの役割について話し合いをしていた
その中でリウは2日間のポーション作成をするのかと考えていた・・・
「まずはギルド内で参加することを記載してから、ポーションを作成すればいいのかな?」
ギルド前で話を聞いていた露店の店主は
「リウさんも緊急クエスト参加ですか?」
「冒険者ですから参加しますよ、受付は混みそうですから、一度『ひよこ亭』へ戻りますけどね」
「そうか、リウさんは戦闘向きじゃないから気を付けなよ」
「あははは、うちにパーティーは後衛向きなので後方支援だけかな~」
「それじゃ、戻る前に焼き串3本貰えます?」
「えー、リウさん急いでるんじゃないんですか?」
「ノノとココが『ひよこ亭』で留守番してるので、おみやげですよ~」
「あいよ、少し待ってな・・・、はい、熱いから気をつけてな」
「ありがとうございます、また来ますね」
ギルドの中はまだ冒険者でいっぱいだった
これは午後からの受付でもいいかもな
それまではポーション作成の準備をしなきゃな
はぁ、野犬の群れはこわいなぁ
『ひよこ亭』に戻ったリウは冒険者ギルドでの事をノノとココに聞かせていた
『アイギス』はポーション作成を2日間する事を伝えた
ノノとココは前線での戦闘じゃない事に「ほっ」とした感じでいた
家での生活2日目からポーション作成とは本職がなんなのかわからなくなるな・・・
昼ご飯を食べてから冒険者ギルドへ向かった
『アイギス』の3人で受付を済ませ薬草と瓶を借家へと運んでもらう事した
作成したポーションは2日後最終ラインで使用することが決まり
ポーションは『ひよこ亭』での保管となった
作成は家の倉庫で行い、『ひよこ亭』のカウンター前に完成したポーションを保管した
ポーションの作成する数は200個という事で
『アイギス』の3人は手分けして作成を行っていた
緊急クエストが発生している事もあり『ひよこ亭』は喫茶店を休業していた
街の入り口という事もあり、ポーションや備品置き場として使用していた
『ひよこ亭』はギルドの管轄という事もありクラシスさんとリズさんが担当として指揮をとっていた
緊急クエスト発動から2日後、
ポーションを納品し終え最終ラインの設置を『アイギス』も参加していた
門から街中に土魔法で簡易の土壁と杭とロープで厳重に野犬の侵入を防ぐ対策を行っていた
森の中の野犬は街道そばまで接近していた
このまま一番前のA~Cの防衛ラインとの衝突は時間の問題だった
前線の防衛ラインではギルドマスターの「グランド」の号令をかけ攻撃が始まる
「攻撃を開始する、Aランクは攻撃をBランクは遊撃をCランクは防衛をし、前線を維持しながら駆逐する、撃ち漏らして街への侵入を許すな!!」
「「「おぅさ!!!」」」
冒険者は一斉に攻撃を開始する
野犬は集団戦を得意としていたが移動を制限している戦場では囲まれ徐々に数を減らしていった
戦いが始まれば冒険者が優勢に運んでいた・・・1匹の野犬が戦いに参加するまでは
その野犬は山の向こうから狩り場を求めてやってきた
一般の野犬より大きく、野犬というよりも山犬=狼と呼べる凶暴さをもっていた
駆ける速度は野犬より早く、身体能力はAランクでも対応できないほどであった・・・
冒険者を蹂躙し、防衛ラインを破壊しながら街へと向かっていた
戦闘がはじまり門前の防衛ラインでの戦闘がはじまると『アイギス』の3人も装備を揃え最終ラインで待ち構えていた
「やばいな、あの野犬は別格だ。ノノとココは『身体強化』と『速度強化』を唱えて、魔法をいつでも発動できるようにして!!」
「「はい!!」」
「よし、『イージス』で行動を制限できれば倒す事も可能だと思うけど・・・」
門前での防衛ラインでは山犬が縦横無尽に冒険者を薙ぎ倒していた・・・
それでも少しずつ本当に少しずつ山犬に傷をつけていた
それはAランクからDランクの冒険者の戦いの成果ともいえた
門前の防衛ラインを突破し野犬がゆっくりと街へと向かっていく
E~Fランクの冒険者が悲痛な顔で武器を構えていた
リウは冒険者より1歩前で出て発破をかけた
「魔力障壁で野犬の動きを止めますので、止めをお願いします」
野犬は1人だけ前に出てきたリウに向かって駆けていく
リウは左手を掲げ『イージス』を発動し野犬の攻撃を行動を拘束していく・・・
野犬は何度も『イージス』に体当たりをするが破壊する事が出来ず
徐々に行動を拘束されていった
「ノノ・ココ攻撃してくれ!!」
「「はい!」」
2人の魔法攻撃を見て、他の冒険者も攻撃を開始する
リウは『イージス』の展開で精一杯で攻撃に参加する事も出来ずにいた
気を抜くと『イージス』を突破されそうになり
右手でも『イージス』を展開していた
「やばいな、MP消費が激しい。攻め手が無い・・・」
「リウさん大丈夫ですか?もうすぐAランクの冒険者が戻ってきますから頑張ってください!!」
「了解、このまま魔力障壁を維持します。クラシスさんとリズさんも攻撃お願いします」
「ここを突破されたら街の危機です、リズ攻撃を合わせて!!」
「了解~」
2人は攻撃を合わせ「「ボルト!!」」と唱えた
野犬は魔法を受け動きを止めていたが・・・いまだ健在だった
その時前線で戦っていたAランク冒険者の大剣使いが斬りかかった
「そのまま抑えてろぉぉぉ!!」
上段からの一閃で野犬にとどめを刺した・・・
『イージス』にかかっていた野犬の衝撃が消えリウは『イージス』を解除した
防衛ラインの冒険者は野犬が討伐された事がわかると
「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉ!!!たおしたぁぁぁ!!!!」」」」」
リウはMPが消費しすぎて、その場で座り込んでいた
ノノとココはリウのそばに来て
「「おつかれさま」」
と言ってリウのそばで一緒に座り込んで絶叫している冒険者を見ながら
3人で笑い合っていた
長く短い緊急クエストはこの時終結した
緊急クエスト終結しちゃいました




