4-319大岩砦の攻防戦とか
『湖の街』に『森の討伐者』6人を送り届けている頃
大岩砦では巨大な黒犬達の襲撃を受けていた
もっとも『ジン』と『一角獣ゴーレム』の『ゼクス』の『多重障壁』を突破する事は無かったが・・・
シルキー・ミルキー・ヘンリーの3人は砦から『魔法弾』で黒犬を撃ち抜いていた
ライムとジルは相棒の『鉄犬ゴーレム』の『トロワ』『キャトル』と一緒に
大岩砦前の簡易陣地を護りつつ、黒犬達に向け『魔法弾』を放つ!
『魔法障壁』『土壁』による『多重障壁』で完全に黒犬の攻撃を防ぎ
ヘンリーと『鉄鳥ゴーレム』の『ドゥ』が大岩砦前で黒犬を両手棍で殴りつけていた
ヘンリーと『ドゥ』は『風纏い』を唱えて縦横無尽に黒犬達の間を駆け抜けていた
大岩の砦からシルキーとミルキーは『魔法弾』を連弾し、次々と巨大な黒犬を仕留めている
確実に仕留める『魔法弾』の連弾という事で、放つまで時間がかかるが確実に数を減らしていく
「数が多すぎ・・・それにしてもリウ達は大丈夫かな?」
「リウ達よりも『ジン』や『ゼクス』の魔力が枯渇しないか不安だよ」
シルキーとミルキーは自分の魔力と相談しながら魔法を使っている
この場では黒犬を倒す事を第一に考え、リウ達の現状がどうなっているかわからない状態だった
「リウ達なら大丈夫、クラシスやリズもいるし・・・」
「私達も魔力枯渇には気をつけよ」
「はいよ」
2人のアイテムボックスには魔力を回復するポーションはあるにはあるが・・・
『アイギス』全体で所持している数が少ない事もあり
魔力を回復するポーション作成は『アイギス』には必要な事だった
するキーとミルキーは魔力を節約しながらも確実に黒犬達を葬るのだった
大砦前の簡易陣地を護るライムとジルは『トロワ』『キャトル』と一緒に頑張っていた
『トロワ』『キャトル』が『多重障壁』を展開し
ライムとジルは接近する巨大な黒犬達を一撃で撃ち抜いていく
この場での2人の役割は黒犬達を倒す事より簡易陣地を護りきる事
『トロワ』『キャトル』の魔力補充を第一に考えて行動していた
「『トロワ』『キャトル』の『土壁』と『魔法障壁』の『多重障壁』を切らさない事!」
「それとここの防衛が第一!」
「そだね、リウ達が戻るまで護るよ!!」
「おぅさ!」
ライムとジルは鉄杖を構え『魔法弾』で黒犬達の数を減らしていく
接近する黒犬達を倒すのも2人には大事な目的だが
ヘンリーと『ドゥ』が黒犬達に囲まれない様に葬っていく
『鉄犬ゴーレム』の『トロワ』『キャトル』は魔力が減るとライムとジルに『魔力欲しい』と2人の足に頭を擦りつけるのだった
ライムとジルの2人は甘えてくる『トロワ』『キャトル』を撫でながらも「可愛いのぉ~」と呟き、魔力の補充をするのだった
ここでの戦いは時間的に半日になる・・・魔力は減ってはいるが枯渇するほど消費してはいないので、黒犬達を倒すよりも『トロワ』『キャトル』に魔力を注ぐ事になる
大岩砦前で黒犬無双していたヘンリー&『ドゥ』のペアは黒犬達を倒しながら
黒犬達が落とす魔石の回収もしていた
もっとも『ドゥ』が散乱している魔石を回収し
ヘンリーが回収の手助けをするというのが一連の流れだが
ヘンリーと『ドゥ』は『風纏い』で移動速度を向上しているが
常時『風纏い』を唱えて行動する事は無理があった
「数か多いけど『ドゥ』との『多重風纏い』の効果かな、移動よりも攻撃力が上がった気がする」
隣の『ドゥ』もコクコクと頷きヘンリーの側で魔石を回収していく
ヘンリーは『ドゥ』を抱きかかえながら黒犬達の間を駆け抜けながら魔力の補充をしていく
抱きかかえながら撫でながら魔力を補充していると『ドゥ』も嬉しそうに甘えてくる
「『ドゥ』は可愛いのぉ♪もう少しだから頑張ろうな~」
ヘンリーは『ドゥ』を『ギュ』っと抱きしめてから『ドゥ』はヘンリーの隣に立つ!
即座に『風纏い』を唱えヘンリーを見つめながらコクコクと頷く
「それじゃ、もう少し頑張ろうか!」
そして、2人は巨大な黒犬の群れに駆け出していく!
2人を護る様にシルキーとミルキーの『魔法弾』の連弾が黒犬達の群れに命中する
簡易陣地の方からもライムとジルの『魔法弾』もヘンリー達の援護をしてくれてる
「よし、安全を確保しながら一度戻ろうか~勿論、魔石を回収しながら♪」
ヘンリーの言葉に『ドゥ』はコクコクと頷き戦場を駆ける
戻るのは魔力が減ったからじゃない・・・
『おなかが減った』
それは空腹だから・・・
大岩砦の調理場では『ひよこ亭』が調理をしていた
どういうわけか『白銀龍』と『クロ』も調理場にいるのだが・・・
アライズ・アリサ・アンナの3人はいつも通り食事の準備をしてはいたが
砦の外の戦いに気が気でなかった・・・
それ以上に砦の地下にある隔離したダンジョンからの不審な反応が気になっていた
「角煮と煮込み料理完成っと♪」
「こっちもパン焼上がりました♪」
「ステーキも焼き上がったし、冷めないうちにアイテムボックスに保管しましょ~」
「保管する前に味見するか~」
そう言いながらアライズが角煮と煮込み料理を『白銀龍』と『クロ』に味見をお願いする
2人も料理を頬張りながらしっぽをぶんぶんふりまわし
『うまー♪』とか『もっとほしい♪』と話しているが
アライズ達には『ガウガウ』とか『ガウガー』としか聞こえていなかった
アリサとアンナは美味しそうに料理を食べる『白銀龍』と『クロ』を撫でながら
「おいしかった?」
「もうすぐお昼だから待っててね」
時間的にお昼だしご飯の準備が出来たのを教えに行った方が良いかなと考えていた
アリサとアンナは『白銀龍』と『クロ』を抱きしめながら撫でまわしてるし・・・
「それじゃ、私がみんなを迎えに行くから2人はご飯の準備お願いしていいかな?」
「「はい、任せて♪」」
アライズは手を振り大岩砦を護っているみんなを迎えに行く
まずは、『ジン』と『ゼクス』の魔力補充をしつつシルキーとミルキーを迎えに行くか・・・
大岩砦の中央で『多重障壁』を常時展開している『ジン』と『ゼクス』に
「御苦労さま、魔力補充しますよ~」
『ありがとう、ここの護りは任せて下さい!』
「頼りにしてます、もう少ししたらリウ達も戻ってくるから、お願いね」
『はい、『ゼクス』と一緒に頑張ります』
『ジン』の言葉に『ゼクス』もコクコクと頷く
アライズは『ジン』と『ゼクス』に手を触れ、魔力補充をしていく
2人の身体に温かな魔力が注がれるのを感じていた
『ジン』は『温かな魔力です』と話し、『ゼクス』は嬉しそうにアライズに身体をすりすりと擦りつけるのだった
「それじゃ、シルキーとミルキーを迎えに行くから後の事よろしくね」
『ジン』と『ゼクス』はコクコクと頷きアライズは砦の上部へ移動するのだった
砦の上部ではシルキーとミルキーは『魔法弾』を連弾し
多少の魔力枯渇気味になり床に座り休憩していた
アライズが2人に近づくと「どしたの?」とか「一緒に撃つ?」とか話してきたので
「食事の準備が出来たよ、降りてきて」
「ご飯の準備出来たのか~」
「いいのかな、黒犬から襲われているのに・・・」
「大丈夫よ、『ジン』と『ゼクス』の魔力は補充してきたし、『多重障壁』を信用しましょ」
「確かに『多重障壁』を撃ち破るのは不可能か・・・よし、食事にしましょ」
「お腹減ったね、魔力も無いし・・・」
「それじゃ、私は簡易陣地の方に行ってくるね」
「「はい、戻ってるね」」
アライズは簡易陣地へ向かい、シルキーとミルキーは大岩砦の食堂へ向かう
簡易陣地では『トロワ』『キャトル』を抱きしめているライムとジルがいた
2人とも抱きしめながら魔力補充をしている
アライズが簡易陣地に現れたの見て最初こそ驚いていたが
「どしたの?砦でなにかあったの?」
「ここも護りは大丈夫ですよ?」
ライムとジルは『トロワ』『キャトル』を降ろし頭を撫でながら話す
『トロワ』『キャトル』は嬉しそうに頭を擦りつけている
「それでアライズはどうしたの?」
「昼ご飯の準備が出来たからね」
「いいのかな・・・今は戦闘中だけど?」
「それなら『ジン』と『ゼクス』にお願いしたよ」
「なら『トロワ』『キャトル』も引き続き、ここを護ってもらおう」
「お願いしていいかい?」
ライズとジルは『トロワ』『キャトル』を撫でながらそんな事を聞いていた
『トロワ』『キャトル』はライムとジルにコクコクと頷き『多重障壁』を展開していく
暫らくすると砦の周りで黒犬達を倒しているヘンリーと『ドゥ』が戻ってくる
「あれ、みんな揃って戻ってきたの?」
ヘンリーが『ドゥ』を抱きしめながら簡易陣地に戻りアライズがいる事に驚きながらも
「みんなも休憩してるの?」
「休憩というか昼ご飯の準備が出来たので呼びに来ました」
「それで『トロワ』『キャトル』が『多重障壁』を展開してるのか・・・」
「ヘンリーも魔力を回復する為に休憩とか?」
「『ドゥ』の魔力も枯渇気味だし、私の魔力も少ないからね・・・回復しないと」
「そっか、ならご飯にしよう、食堂でアリサとアンナが準備しているし♪」
「昼ご飯の前に『ドゥ』に魔力補充するから先に戻ってて」
ヘンリーは『ドゥ』を抱きしめながら残り少ない魔力を注ぎ始める
魔力枯渇ギリギリまで魔力を譲渡し『ドゥ』を抱き上げ
「『トロワ』『キャトル』と一緒にお願いね」
ヘンリーは撫でながら『ドゥ』に話しかける
『ドゥ』は甘えるようにヘンリーに頭を摺りつけ『トロワ』『キャトル』と一緒に障壁を展開する
「これで『多重障壁』も補強されたか・・・ご飯た食べて魔力を回復しなくちゃ・・・」
ヘンリーはそう呟き食堂へ急いだ
リウ達が戻るまでここを護らないといけない・・・
ヘンリー達の攻防戦は始まったばかりなのだから




