4-318冒険者、街へ戻るとか
ノノとココが作り上げた土壁を『魔法障壁』に加え
リウの簡易結界は巨大な黒犬達の攻撃を耐えていた
多重の防御壁は黒犬達の爪や牙、体当たりにもビクともしなかった
それは『森の討伐者』の6人は驚きながら防御壁を見つめていた
「それにしても君達の障壁は凄いね・・・」
「『アイギス』では普通の防御壁なのか?」
「何で黒犬達の攻撃に耐えられるの・・・」
「多重の防御か・・・魔法に卓越した冒険者数名いないと不可能だな」
「ここまで守りに特化した魔法を使う冒険者もめずらしいんじゃ?」
「めずらしいんじゃ無く、攻撃よりも防御を考えているのがね・・・」
「確かに攻撃は初期魔法で護りが多重障壁・・・普通の冒険者の魔法構成じゃないね」
食後の紅茶を飲みながら防御壁を見ながら『森の討伐者』が黒犬達の攻撃を見つめる
土壁に『魔法障壁』を展開し、内側から簡易結界で土壁を補強する
『アイギス』では当たり前の多重防御壁なのだが
「ウイズさんやオンさんなら『魔法障壁』や『土壁』で同じ事が出来るんじゃ?」
リウの魔法が使えるなら誰でもできす発言に
「確かに私達2人も『魔法障壁』は使えますが、重ね合わせて展開するとかは・・・自信ないです」
「『魔法障壁』を単体で展開なら出来ますが、重ねがけはやった事無い・・・」
「それに黒犬達の攻撃をこれほど耐えれる自身も無いですよ」
「私もです、黒犬達の攻撃を5分も・・・、いあ3分も耐えれるが・・・」
「それと私達2人は『土魔法』を使えません」
「そうなんですか、『土魔法』は便利なのに・・・残念です」
「私は火属性の魔法が得意で、オンは水属性の魔法が得意です」
「それではウイズさんが攻撃でオンさんが回復ですか?」
「「・・・どっちも攻撃特化です」」
「水属性の魔法には回復出来る魔法があるんじゃ・・・?」
「あるらしいんですが修得してません」
どうやら『森の討伐者』の魔法使いは火と水の攻撃が得意の様だ
『アイギス』とは真逆な魔法構成みたいだな
「それでどうします?もう少しで魔力回復し終わるんですが・・・街道を戻りますか?」
『森の討伐者』の6人は巨木の森についてギルドに報告する事が多くあるのし
何より街道を封鎖する事についてギルドに報告する必要がある
「色々な事がありすぎてギルドに報告しないと・・・」
「それに先に森を抜けた冒険者達も心配だ・・・」
「すまないが、我々を森の外に連れて行ってくれるかい?」
「えぇ、大丈夫ですよ、僕達も森の外には興味あるし・・・」
「もし森を抜けて『湖の街』に来る事になれば歓迎しよう」
「『湖の街』?街道を抜けた先にある街の名前ですか??」
「街の名前というか名称かな、本当の街の名前は無いんだけどね・・・、冒険者達の間では『湖の街』で浸透してるかな?」
「森を抜けるだけで大丈夫ですか?」
「森を抜けて場所に待機しているギルド員がいるはずだし、森を抜ければ自分たちで戻れるよ」
「わかりました、準備出来次第戻りましょう」
リウ達は魔力が回復しパートナーのゴーレム達に魔力を注ぎ始める
クラシスとリズも荷馬車に搭載している『浮遊』を付加してある魔石に魔力を注ぎ
「こっちも荷馬車準備完了!」
「『アン』と『ユヌ』に荷馬車を接続も完了!」
「『鉄馬ゴーレム』の魔力補給完了!」
リンとアイズは『鉄馬ゴーレム』に騎乗している
クラシスやリズは荷馬車に乗り込む
「それじゃ、荷馬車に乗り込んでもらえますか?」
「よろしくお願いする」
『森の討伐者』達が乗り込むのを確認し
ノノとココは土壁を『魔法障壁』を解除する
「それじゃ、結界解除後に街道を駆け抜けてくれ!」
「「はい!!」」
リンとアイズが騎乗した状態で返事をすると共にコクリと頷く
クラシスとリズが『浮遊』で荷馬車を浮かせるのを確認し
「結界解除後にノノ達は黒犬の足止めお願いね」
「「「はい!」」」
ノノ・ココ・ジャンヌの3人はゴーレムに騎乗し鉄杖を構える
リウは『アインス』に騎乗し展開した結界を解除する
結界を解除した瞬間、リンとアイズの合図で『鉄場ゴーレム』達が駆けだす
黒犬達が動き出した荷馬車に向かい襲ってくる
リウ・ノノ・ココ・ジャンヌの4人は騎乗しながら巨大な黒犬を撃ち抜いていく
ノノとココが荷馬車と並行し護衛しながら走り出す
リウとジャンヌが荷馬車の後方で黒犬達を倒しながら街道を進む
リウはMAPを展開し、街道までの安全を確保するように連弾で『魔法弾』を放つ!
ノノとココは『魔法障壁』を展開し荷馬車を護りつつ
襲いかかる黒犬達を葬っていく
荷馬車が走り去った跡には、魔石が落ちていたが
魔石を回収する事をせずに森を抜ける事だけを考えていた
『森の討伐者』の6人は荷馬車に乗り襲いかかる巨大な黒犬達に対し
ウイズとオンが『火弾』と『水弾』で巨大な黒犬に攻撃をしていた・・・
「ダメだ黒犬にダメージを与えられない・・・」
「黒犬の装甲が厚すぎる・・・」
ウイズとオンはギルドランクCで魔法だけでも中堅冒険者以上の実力を持ち合わせていた
そんな2人の魔法でも巨大な黒犬には命中した魔法が全く効果が無い状況に自問自答していた
「今のままでは魔法の無駄撃ちだ・・・」
「もっと魔法の修練をしないとダメだな、街に戻ったら一から魔法を学ばないとダメだ」
ウイズとオンが悔しそうな顔で魔法を放つのを見ていたクラシスとリズは
「魔力の扱いが雑です、折角の魔法がそんな使い方ではダメです」
「『火弾』も『水弾』もどちらも込められた魔力が少なすぎです」
「「見ていて下さい!」」
クラシスとリズの2人は手の中に魔力の塊を維持し回転を加える
「これが魔力の維持と回転です、そして、回転した魔力の塊を圧縮し放つ!」
クラシスは手の中の魔力をウイズとオンに見える様に一連の魔力操作を見せながら魔法を放つ
リズは手の中の回転している魔力に、火属性の魔力を付加する
「属性の魔力も同じように維持し回転を加えて圧縮し放つ!」
クラシスとリズの魔法は巨大な黒犬に命中し一撃で撃ち抜く・・・
それはウイズとオンの魔法とは違い確実に巨大な黒犬を倒していく・・・
ウイズとオンは目を見開き、グラダ・シーダ・ギーツ・ハイザーの4人は「「「「すげー」」」」と呟いている
「今の魔法は魔力操作で魔力に多少手を加えた魔法です」
「慣れれば少ない魔法でも強力な魔法を放つ事が出来ます」
「それは私達にも使えるようになりますか?」
「我々も教えてもらいたい、魔法は苦手だが覚えられるなら覚えてみたい!」
ウイズとグラダがクラシスとリズの魔力操作に自らも使いたいと思いはじめている
『森の討伐者』のシーダ・ギーツ・ハイザー・オンの4人もコクコクと頷き「「「「使いたい!」」」と叫ぶ!
クラシスとリズは「使いたい!」と言われても・・・すぐに使う事は無理だが・・・
「日々の修練かな・・・魔力の維持から始めて、魔力の塊の回転から圧縮を覚えれば使えるはず」
「何事も日々の修練です、剣にしろ槍にしろ魔法にしろ・・・全ては日々の修練次第です」
「ウイズさんとオンさんに見せた魔力操作は魔法を使う上で大事な事です」
「魔力の修練や魔法の修練は毎日朝錬を兼ねて実施する事をお勧めします」
「やはりクラシスさんやリズさんも毎日修練してるんですか?」
「「勿論、毎日朝錬してますよ♪」」
「そうなんですか・・・すごいな冒険者になってから修練は御無沙汰だな・・・」
「それでも必要なのかもな・・・日々の修練は・・・」
荷馬車の上で日々の修練が大事な事を教えている頃
リウとジャンヌは荷馬車に近づく巨大な黒犬達を撃ち抜いていく
ノノとココは『魔法障壁』を展開し、襲いかかる黒犬達を受け流し
リウとジャンヌが縦横無尽に魔法弾を連弾し黒犬達を撃ち抜いていく
街道を全力疾走で駆けている『鉄馬ゴーレム』達が森を抜ける頃には
リウ達は無数の巨大な黒犬を葬り去るのだが・・・
巨木の森には未だに無数の反応が至る所から感じていた
ジャンヌが先行して森を抜け、リウは森の入り口付近の魔石を回収している
『森の討伐者』の6人が荷馬車が降りて装備の確認をしている
ここから街道を進み『湖の街』に戻るはずだが・・・
待機しているまずのギルド員が見当たらない??
リウはMAPを展開し現在の状況を確認する
森の外にはリウ達8人とゴーレムと『森の討伐者』6人の反応は有るが・・・
他の反応は街道に沿って凄い勢いで移動している・・・馬車で移動している??
「それでどうします?待機しているはずのギルド員は街道の向こうに移動中みたいだけど・・・」
リウは街道の先を指さしてグラダに聞いてみる
グラダを始め『森の討伐者』達は「あー、逃げたか・・・」とか「巨大な黒犬の群れを見たら逃げるわな」とか苦笑しながら話していく
「巨大な黒犬に襲われたら逃げるわな・・・我々も大勢の巨大な黒犬達に襲われたら逃げるよ」
「逃げたからと言って我々も文句は言わないよ、あの状況では誰も彼も逃げるよ」
「それでどうします、ここから『湖の街』までの距離は・・・?」
「馬車で3時間だけど、歩くと2~3日掛るかな・・・」
「『湖の街』まで送りますよ、僕らは街の手前で帰りますが・・・」
「街に来てはくれないのかい?」
「森の中に『アイギス』のメンバーが残ってますし、帰らないと心配しちゃいます」
「そっか、では『湖の街』の近くまで連れて行ってくれるかい?」
「もちろん!」
この日『森の討伐者』6人を『湖の街』の手前まで運び
黒犬討伐時の魔石12個とを渡し別れる事になる
「今回は助ける事が出来ましたが、次の機会も同じく助けられると限りません、森の探索は十分に気をつけて下さい、私達は春には森を抜け『湖の街』に来ると思います」
「ありがとう、一人も欠ける事無く戻る事が出来た・・・ありがとう」
グラダがリウの手を握り感謝の言葉をかけてくれた
他のメンバーも次々とリウ達の手を握り感謝の言葉をかけてくれた
最後にリウがウイズとオンに
「毎日魔力の操作をやる事、それと土魔法を覚えると森の中での活動が楽になるよ」
「土魔法ですか・・・土壁とかですか?」
「それとも攻撃としての土魔法ですか?」
「土魔法の土壁の応用で森の中に建物を作れます!」
「見ていて下さい」
リウは街道から歩き草原の一画にに手をつき土魔法を発動する
最初は土壁出現し、次に土壁で『かまくら住居』を造り出す
『かまくら住居』には入口と窓があいている未完成の建物が現れる
「これが土魔法の応用で作り出す事が可能になります、窓もドアも無いが森の中で安全に寝る事が出来ます」
『森の討伐者』6人は未完成と言われた『かまくら住居』の外壁を触ったり
内部を見ながら「土魔法でこれが造れるのか・・」とか「これがあれば野宿が楽になる・・」とか話している
「『森の討伐者』6人が土壁を修得したら、森での休憩や野宿が楽になるから、土魔法の修得する事をお勧めします」
「色々ありがとうございました」
グラダが頭を下げ感謝の言葉を贈ってくれた
他のメンバーも一斉に頭を下げ「「「「「ありがとう!!」」」」と言ってくれた
リウ達はゴーレムや荷馬車に騎乗し、手を振り森へと戻るのだった・・・
グラダ達も森へ戻るリウ達にいつまでも手を振るのだった・・・
「さっさと戻って魔石を回収しないと~♪」
「「「「やっぱり回収するのね♪」」」




