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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
316/354

4-316巨木の森の侵入者と黒犬大量発生とか

巨木の森に冒険者達が現れる少し前

巨木の森の中では巨大な黒犬の群れが活動を開始していた

それは森の中に新たに現れたモノ達を歓迎する儀式の様なものだった


クラシス達も森の中に何かが進入するのを感じていた

魔力過多な場所で暮らしていた事と

常時魔力を纏う事で巨木森の中での周囲感知の能力が向上していた


リウはMAPを常時展開し、『アイギス』メンバーを見護っていたが

最近ではメンバーとゴーレムとの共同作業がスムーズになり

移動と採掘など常に一緒に行動していた


朝ご飯を食べながら森全体が騒ぎだしているのを感じていた

それは『アイギス』のメンバーだけでなく

『ジン』や『アインス』達も何かを感じむずむずしている・・・


「んー、食事が終わったら見回りに行かなきゃダメかな・・・」

「やっぱり森の中で何かあった?」

「何かあったんじゃ無く、何か起こる・・・かな?」


リウはMAPを見ながら巨木の森に近づく反応を見ていた

巨大な黒犬が騒ぎだしてる・・・?


「黒犬達が一斉に森の向こうへ移動している」


りうの指さす方向は森のを抜ける街道の先を示していた

クラシスとリズもリウの指さす方向を見つめ・・・


「森に近づく反応あり?」

「遠いから『遠見』でも確認できないけど・・・」

「多分冒険者じゃないかな?」

「リウは冒険者の数とか・・・把握してるの?」

「森へ抜ける街道から反応が14あるね、森からも黒犬が街道に向けて移動してるか・・・」

「冒険者の数が多いから黒犬に負けないと思うけど」

「それでどうするの?助けに行く?」

「冒険者達の実力も分からないけど、黒犬の群れを見逃すのも惜しい・・・」

「最近黒犬がいなくて魔石の数が減りっぱなしだったね」

「それじゃ、行きますか!騎乗して向かえば大丈夫じゃないかな?」

「メンバーは僕とノノ・ココ・ジャンヌが猟犬ゴーレムに騎乗して先行しよう」

「それじゃ、リンとアイズが荷馬車を引きながらクラシスとリズを乗せてきて!」

「残りのメンバーはここで待機だけど、黒犬が騒ぎだしてるから大岩砦を襲撃する恐れがある」

「ここで待機と黒犬の撃退かな?」

「そうだね、僕らが帰ってくる場所を護って下さい」

「「「「任せて」」」

「『白銀龍』と『クロ』はみんなを護ってね、森の中が騒がしいのと同じくダンジョンの内部も騒がしくなってるから・・・」

『任せて、ここは護る!』

『大丈夫!みんなで頑張る!』

『私も行きたいけど・・・ここを護ります』

「お願いね、『ジン』は砦周囲に『魔法障壁』を展開して大岩全体の護りをお願いね』


『白銀龍』と『クロ』は『『任せて♪』』とリウに抱きつきながら話し

『ジン』はコクコクと頷き『全力で護ります!』と言ってくれた


「それじゃ、食後装備を整えて出発します!」

「「「「「「「はい!」」」」」」


リウ達はいつも通り食事をしてから向かう事になる

何があるか分からないのでアライズ達には食事の用意をお願いし

『ゼクス』や『ジン』達に魔力を注いでから

リウ達はパートナーのゴーレムに騎乗し街道を駆けだす

リンとアイズの『鉄馬ゴーレム』は荷馬車を引きながらの移動を始める


「僕らは先行して向かいます!」

「「「はい!」」」

「巨大な黒犬が現れたら狙撃して数を減らします」

「魔石はどうするの?」

「急いでいるから回収は・・・後でかな」

「今は黒犬を減らす事と急いで向かう事のみ!」

「「「了解!」」」

「私達も急ぎますが、荷馬車が壊れない速度で向かいますので・・・」

「リンとアイズは駆ける事を1番に考えてね、クラシスとリズは黒犬の対応をよろしく!」

「「はい」」

「「任せて!」」

「魔石回収は後日で・・・っと」


リウ達は猟犬ゴーレムに騎乗し

リン達に手を振り『風纏い』を唱えた後

通常の2倍の速度で街道を駆けだす

猟犬ゴーレム達は『風纏い』の効果で移動速度を向上し

しかも、移動中もリウ達が魔力を注ぎ魔力枯渇にならない様に全力疾走していた


「それじゃ、私達も急ぎましょう!」

「少し揺れると思いますが・・・」

「大丈夫です、荷馬車は『魔法障壁』と『浮遊』で多少の揺れても護れます」

「それと黒犬も任せていいから、2人は『鉄馬ゴーレム』達を走る事だけを考えて!」

「「はい、行きます」」


『鉄馬ゴーレム』の『アン』と『ユヌ』は互いに『風纏い』を唱え駆けだす

そして、リンとアイズは走りながら魔力を注ぎつつ

リウ達を追いかけるのだった



リウは『アインス』に騎乗しながらMAPを展開していた

まだ、冒険者達と黒犬の群れが衝突するまであと少し・・・

巨木の森全体の黒犬が移動を始めているのか

MAPの赤マーカーが巨木の森へ続く街道に集まりつつあった

最初に感じた反応は4だったはずなのに

今は黒犬と思われる反応が30まで増えていた・・・

冒険者達の数より増加しているか・・・

冒険者達が14人だとしたら黒犬の数が多すぎる・・・


もう少ししたら巨木の森に冒険者が立ち入りそうだな

黒犬達は森の中からは出ていないみたいだな

それと森の中にいる黒犬の反応は気がついていないみたいだ

気がついているなら森の中にいる黒犬達が待ち構えているのが分かるはず


「やばいな、急がないと冒険者と黒犬が遭遇してしまう・・・」

「どうするの?ここから黒犬を狙撃する?」

「『遠見』スキルを使えば・・・いける?」

「いあ、全力疾走しながらでは危ないし、完璧に狙撃成功するとは思えないから・・・」

「もう少し接近してから狙撃する?」

「せめて『遠見』スキルの範囲内まで接近しよう」

「「「はい!」」」


リウ達は鉄杖を構えながら騎乗し

リウ達はゴーレムと一緒に『風纏い』を唱え

『多重風纏い』の効果により移動速度を更に上げていくのだった

通常の3倍の速度で駆けだし街道を疾走する・・・


リウ達が街道を疾走し森の入り口に到着すると

冒険者達が巨大な黒犬達と戦闘を始めていた

冒険者の数も14人から6人に減り・・・

戦闘をしている冒険者は更に3人になっていた・・・

黒犬の攻撃により倒れている冒険者が3人・・・

どうやら倒された冒険者を護りながら攻撃を凌いでいると言った感じだった

森の外には冒険者達が街道を逃げているのをMAPで確認し・・・


「目視で冒険者6人確認、負傷者3・・・無事な冒険者を護りながら狙撃開始!」

「「「了解、撃ち抜きます!!」」」


リウ達は騎乗したまま冒険者達に近づく巨大な黒犬から撃ち抜いていく


「ノノとココは冒険者達を護る様に周囲の安全確保を、ジャンヌは負傷した冒険者にポーションをお願い、僕は出来る限り黒犬を討伐します!」

「「「了解!」」」


リウ達は魔法弾を連弾し、冒険者達の周囲にいる黒犬を始末していく

リウと『アインス』は冒険者達の周囲をかけながら次々と黒犬達を倒し

ノノとココは冒険者達の周囲に土壁と『魔法障壁』を展開していく

ジャンヌはポーションを使い倒れた冒険者達の傷を癒していく


「大丈夫ですか?ポーションがあります使って下さい」


ノノとココが周囲を護る様に土壁と『魔法障壁』で冒険者を護り

ジャンヌは倒れている冒険者と攻撃を凌いでいた冒険者達に声をかける


「ありがとう・・・君たちは?」

「私達はパーティー『アイギス』です、この森で冬を越してます」

「とりあえず、土壁と『魔法障壁』で黒犬からの脅威は去ったか・・・」

「倒しても倒しても黒犬の反応が増え続けるな」

「リウが魔力枯渇する前にクラシス達が間に合えば良いけど・・・」


ノノ達が助けた冒険者達はポーションを使い6人とも元気になる

6人が驚いたのはゴーレムに乗り巨大な黒犬を魔法で撃ち貫く4人の冒険者たちだった

そして、今もゴーレムに乗り1人で魔法で巨大な黒犬達を倒している姿だった


「彼1人で大丈夫なのか?」

「それなら大丈夫、ほら援軍が来たし!」


次の瞬間、街道の奥から2頭の鉄の馬が荷馬車を引き向かってくる

荷馬車からは連弾で次々と魔法を放つ女性の姿が見えた

鉄の馬に騎乗している女性2人も魔法を次々と放ち巨大な黒犬の群れの大半を葬るのだった


「彼女達も君達の仲間なのかい?」

「同じパーティーの仲間であり、ファミリーです」

「それよりも大丈夫ですか?この森は何もかも大きくて難易度高めだと思うんだけど?」

「私達は冒険者ギルドからの依頼で行方不明になる冒険者や商隊の捜索に来たんですが・・・」

「行方不明ですか・・・この森の中では見た事無いですね」

「やはり巨大な黒犬に襲われたんでしょうか・・・」

「おそらくは・・・それと森全体に魔力が溢れているので慣れるまでは危ないですよ?」


ノノ達3人はリウやリン達の戦う姿を見ながら、冒険者6人に声をかけるのだった

また、ノノ達もまた鉄杖を構えながら魔法弾を撃ち巨大な黒犬達を倒していく


リウ達は魔力枯渇ギリギリまで戦い、ノノ達3人の作り上げた簡易陣地で魔力回復するのだった

リウ達の鉄馬と荷馬車も簡易陣地に停車し、魔力回復しつつ遅めの昼ご飯をとるのだった

とりあえず、魔石と『紋章学』で陣地に結界を展開し

土壁と『魔法障壁』と結界による3重の防壁を築くのだった


ノノとココは簡易コンロでお湯を沸かし手紅茶を入れたり

焼串や焼鳥を簡易コンロで炙ったり

ゴーレム達に魔力を注いだりして

使いきった魔力を回復するべく、まったり過ごすのだった・・・


もちろん巨木の森の中で・・・

巨大な黒犬達の目の前で・・・



「まぁ、魔力が回復するまでは戦えないし、ゆっくり食事でもしようか~」


リウのその今の現状とかけ離れた一言にノノ達はニコニコしながら聞き

冒険者6人は何を言ってるんだこの人は?という表情でリウを見つめるのだった

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