0-31借家の生活とか
『アイギス』の3人は道具屋へ買い物へと来ていた
3人分の布団に大きめの敷物を1つに、各部屋にも敷物を1枚ずつ・・・
調理場で使用するテーブルセットと調理器具と食器類
コンロと暖炉に使う薪を1カ月分
それとノノとココからは人数分のクッションを座布団代わりに購入した
クッションは人数分といいながら10個購入していた
購入した道具は夕方までに借家に届けてくれるというので
今日は夕方まで冒険者ギルドで借家契約を済ませ
露店の焼き串を食べながら野営で使えそうな厚手のマントと外でも使えそうな敷物を3人分購入した
ノノとココも街には慣れてきたみたいで歩きながら露店を案内してくれていた
2人とも甘いもの大好きなのか砂糖菓子とか果物を勧めてくれた
バナナっぽいものやモモっぽいもの、練り飴みたいなものを色々教えてくれた
バナナとモモはフレンチトーストにも使えそうなので購入したけど・・・
露店に関しては2人には勝てそうにないな
『アイギス』の活動資金の殆どを買い物に使ってしまったので
明日からは薬草採取か討伐クエストをしなきゃいけない
森での騒動は終わって無いので草原での採取かなぁ・・・
それとも薬草と瓶を冒険者ギルドから調達してもいいけど
どうせなら街の外で活動したいし、野うさぎ食べたい
家へ戻りながらノノとココへ
「なぁ、明日からクエストを再開するけど。家の中でポーション作るのと外で薬草採取のどっちがいい?」
「「外で採取」」
っと、2人揃えて外行きたいと言われるとは思わなかった
やっぱり街の中の重々しい雰囲気は苦手みたいだな
「それじゃ、明日は外で薬草採取しようか。半分は冒険者ギルドに渡して、残りは家でポーション作成しよう。『アイギス』としてもポーションの確保は大事だからね」
「お昼には紅茶も飲みましょ」
「・・・敷物も持っていこう」
「なんかピクニックみたいだけど、採取の時は周囲警戒はしっかりやろうね~」
「了解、ココとお揃いの帽子も使いたいし~」
「・・・お揃い帽子~」
「それじゃ、今日買った果物を一緒に持っていこう~♪」
「「はーい!」」
買い物を済ませ帰宅した
購入したものを部屋に置き、食べ物はアイテムボックスに保管した
まだ、道具屋から購入したものは届いてはいなかった・・・
時間は早いが『ひよこ亭』で昼ご飯を食べることにした
3人でテーブルを囲み紅茶を飲みながら食後まったりしていた
やっぱ料理がおいしいな
「昼ご飯を食べたから家で荷物が来るのを待ってようか~、家の中でも魔法の修練は出来そうだし」
「魔法の修練ですか?」
「・・・なにをするの?」
「無属性魔法の修練をしようと思ってね。前に魔力を纏う話をしたと思うけど、魔力の具現化を形にしたいんだよ」
「どんな形にしたいんですか?」
「・・・攻撃魔法じゃないの?」
「形は糸・・・もしくは、紐かな?野営の時にで2人を紐みたいなもので囲めれば野犬とかの侵入を防いでくれるかもしれないしね。『アイギス』は遠距離攻撃の3人組なので森の木々を紐で簡易結界を考えてるんだよ」
「結界ですか、魔力障壁は短時間なら使えます」
「・・・魔力障壁は使えるけど長時間は無理」
「具現化魔法は魔力障壁よりもMP消費も持続時間も長いから覚えて損は無いと思うよ。修得までは難しいけどね、できればMPを回復するポーションを作成できれば良いんだけど」
「MPポーションはレシピしているので魔草があれば作成できますよ。薬草の種類が違うので見つけるのは大変だと思いますが・・・」
「・・・具現化魔法は少しだけなら使える。紐状には試した事無いけど試す価値はあるかも」
「それじゃ、『アイギス』のこれからの目標は魔草の発見とMPポーションの作成、それと具現化魔法での紐を発動する事でいいかな?」
「魔草は草原での発見は難しそうなのでダンジョン付近まで遠征するか、森の深部まで採取するかを考えた方がいいかもしれません」
「・・・具現化は家に帰ってから試してみるね」
2人は新しい目標ができて嬉しそうだ・・・
ノノがポーション作成の知識があって良かった
ココも魔法についてリウ以上の知識があるのもいいな
これで前衛ができる冒険者がいれば完璧
「それでは、ごちそうさまでした」
「「おいしかったです」」
「今日から裏の借家で寝泊まりしますので3人分の宿泊費と食費支払いますね。それと毎回の食事はこれまで通りお世話になります」
「はい、今までありがとうね。部屋に忘れものとか無いのかい?」
「部屋に忘れ物はある?」
ノノとココに部屋に忘れ物があるかを聞いてみた
すると2人は背中のリュックを指し
「ないです、持物はマジックバックに入れてます」
「・・・大丈夫、道具はリュックの中にある」
「どうやら2人ともリュックに道具を入れているみたいです。また、何かあれば泊りに来ますのでお願いしますね」
アライズさんに宿泊費と食費を手渡した
『ひよこ亭』で料理教室でもすれば流行ると思うんだけど
それとも喫茶店に来て食べれる事が好いのかもしれないな
家に着き、まずは、3人で魔法の修練を行っていた
3人の中でノノは魔力が少ないらしく『身体強化』『速度強化』を唱え、リウが前にギルド裏でやっていた両手棍の練習を家の裏で実施していた
弓と魔法以外の攻撃を覚えるには一番いいだろう
『身体強化』『速度強化』は常時発動するのを心がけているみたいだった
MPが切れても家の裏では危なくもないしね
リウとココは魔力を圧縮し維持する工程を何度も行い思い描いた形にするように頑張っていた
ココは「・・・長く・・細く・・・千切れる事無く」と呟きながら魔力操作をしていた
リウは魔力を長く細くではなく、圧縮し維持した魔力の塊を毛糸の玉としてイメージし操作していた
その日は道具屋からの荷物が届くまで続けたがリウとココが具現化魔法を修得することは無かった
ノノは疲れ切って家の陰でダウンしているのをココが見つけ家の中で横になっていた
ただ、満足いったのかノノは笑顔でココと話していた
ひょっとしたら両手棍のスキルを早々に修得しそうな雰囲気があるな
前衛を両手棍か片手棍のリウ、次に魔法のココで、後衛を両手棍と弓のノノで陣を組めばいいか
それにノノとココを杭とロープで厳重に囲い対応すればいけるかな?
杭とロープを具現化魔法で行うには経験と時間が足りないかもな
そのころ街の住人の知らないところで調査隊の半数以上が負傷し、山間部での野犬の異常発生と街への襲撃がある事は冒険者ギルドの一部のものしか知る事は無かった
それを知るのは次の日の朝、冒険者ギルドからの緊急クエスト発動の知らせが街中に鳴り響いたときであった・・・
緊急クエスト発動直前