4-307リン達のゴーレム誕生とか
簡易陣地で留守番中の『ひよこ亭』の3人は優先的に調理場に篭り出来る限り料理を作り続けた
それはアライズ達3人が揃って修練を送る為に必要な事だった
出来たての料理は留守番組のメンバーに渡しておく
「なんとかメンバー各自10日分の料理を完成させた~」
「一応、料理は各自保管するけど非常食ってきちんと説明した?」
「非常食って言ったけど・・・大丈夫かな?」
「まぁ、1日3食は食堂で食べるから・・・昼ご飯の時にもう1度説明しましょ」
「午後からは私達も魔力の修練し、魔法の修練をしましょ」
「まぁ、『ゴーレム作成』は・・・今のところ興味無いし・・・」
「ゴーレムはどうでも良いけど、専用の調理用箱馬車は欲しい・・・」
「それは『移動型食堂兼調理場』・・・とかかな?」
「移動型『ひよこ亭』って感じかな?」
「それなら箱馬車を引くゴーレムは必要ね」
「リウに相談かな・・・それよりも私達もみんなに負けない様に修練をしましょ」
「魔力量を増やす事は『アイギス』には必須項目だしね」
「若さを保つ為にも日々精進です!」
「「おぉ!」」
『ひよこ亭』の3人の魔力の修練は他のメンバーよりも念入りに確実に行い
料理の合間の修練にも関わらず他のメンバー並みに魔力量を増やしていくのだった
ノノ・ココ・ジャンヌの3人はリン・アイズ・ヘンリー・ライム・ジルの5人に『ゴーレム作成』について修練という名の『勉強会』を開催していた
「『ゴーレム作成』はリン達5人も修得済みだと思うけど、ゴーレムの完成後の姿形は各々のイメージが大事だからね、そのイメージが鮮明であるならあるほどゴーレムの出来に繋がる」
「イメージか・・・『具現化魔法』の様な感じなのかな?」
「そうだね、姿形を思い描いたイメージに影響されるし、リウが前に粘土でゴーレムの作って見せてたでしょ、実際の『ゴーレム作成』もそれと同じ事だからね」
「それじゃ、リンの馬型ゴーレムから作ってみましょ」」
「リンは一角獣ゴーレムの『ゼクス』を原型に考えれば良いかな?」
「多少の姿形は違えど凛々しい『ゼクス』の姿は好ましいね・・・」
ノノとリンの話を聞き、ココとジャンヌは『ゼクス』をこの場に連れて来た
『ゼクス』はココ達の言葉を理解していたのでリン達の前に赴いたのだが・・・
リンは『ゼクス』を目の前でまじまじと見つめ
「『ゴーレム作成』!」
リンは1体のゴーレムを創り上げる・・・
そのゴーレムの姿は『ゼクス』と瓜二つだった
ただ1つ違う点は一角が無いという点だけで・・・
リウの作りだした馬型ゴーレムは『ゼクス』同様に凛々しくもあり
最初に作成したゴーレムとしては優秀すぎる出来となっていた
「ほら、リンは創造主なんだからゴーレムに挨拶しなきゃ♪」
ノノは誕生したゴーレムを「ぼー」っと見つめているリンに声をかける
リンは「は」っと思い立ちゴーレムを撫でながら
「初めまして私は『リン』あなたの創造主でパートナーです、よろしくね♪」
生まれたての馬型ゴーレムはリンに甘えるように頭を擦りつけている
リンは嬉しそうにゴーレムを撫でまわしニコニコしている
「最初に創りだしたゴーレムとしては最高の出来じゃない?」
ノノの『最高の出来』というほめ言葉にニコニコしながら聞き
「ありがとうございます、うれしいです♪」
「それでリンはこのゴーレムに何を願ったの?」
「願ったというか私が騎乗するのと『アイギス』の一員として仲良くするという事かな」
「うんうん、ゴーレムの初期設定としては大丈夫だね、後はリンとゴーレムとの信頼関係を築ければだ丈夫だよ」
「信頼関係ですか・・・?」
「そそ、一緒に過ごすとかいっぱい話しかけるとかかな」
「そのゴーレムはリンの子供みたいなものだし、リンは一番大事にしなきゃダメよ」
「それなら大丈夫、この子は私が守る!」
「うんうん、そんな感じそんな感じ、ゴーレムの身体強化はリウが戻ってから考えれば良いから、それまではリンはゴーレムと過ごす事を第一に考える事!いいね?」
「はい、了解です!」
リンはそう言いながらゴーレムを撫でまわしている
ゴーレムも嬉しそうにリンに頭を擦りつけている
どこから見ても仲良しな2人であった・・・
次の日にアイズもリンと同じく馬型ゴーレムを創りだした
やはり『ゼクス』を目の前で見つつの『ゴーレム作成』だった事もあり
ゴーレムの出来は『ゼクス』と同じ姿形になりリンのゴーレムと同じ姿だった
リンのゴーレムは白い布を首に巻き
アイズのゴーレムには黒い布を首に巻いていた
どちらも創造主に甘えまくりだったがリンとアイズの修練時には静かに隣に佇んでいた
ヘンリーのゴーレムは鳥型ゴーレムという事だったが・・・
鳥型にしたとしてゴーレムは飛ぶ事は不可能と考え
ノノ達はヘンリーのゴーレムだけはリウ達が戻ってから『ゴーレム作成』するつもりでいた
ライムとジルの2人は大型犬ゴーレムという話だったが
2人が粘土で試しに作り上げた大型犬はノノ達の猟犬ゴーレムと同じ姿だった・・・
その為ライムとジルの『ゴーレム作成』には見本となるゴーレムとして
ココ専用猟犬ゴーレムの『ドライ』とジャンヌ専用猟犬ゴーレム『フィーア』をライムとジルは見つめながら『ゴーレム作成』を実行する
「「『ゴーレム作成』!!」」
ライムとジルは声を揃えゴーレムを創り上げる
やはりゴーレムは『ドライ』『フィーア』と姿形そっくりだったが
大型犬ゴーレムのはずが大きさが小型犬サイズになっていた
「あれ?かわいい・・・」
「姿は『ドライ』『フィーア』そっくりだけど・・・かわいい」
生まれたゴーレムはライムやジルに頭を擦りつけ甘え始める
2人はゴーレムを抱きしめ撫でまわしている
普通の犬並に感情豊かなゴーレムにノノ・ココ・ジャンヌは驚いているが
ライムとジルはゴーレムが可愛くてどうしようもない感じだった
「それにしてもゴーレムと思えないほど可愛いですね・・・」
「大型犬サイズにならなかったのは2人のイメージ力の影響かな・・・」
「内面的には凄い出来なのでサイズの違いは身体強化時に変更すれば大丈夫!」
「・・・このままの大きさでも大丈夫ですよ?」
「・・・私もこのままで平気です」
大型犬ゴーレムを夢見ていた2人は、今生まれたばかりの小型犬ゴーレムに心を奪われたみたいだった
「まぁ、2人が良いなら問題ないか・・・」
「それで2人はゴーレムに何を願ったの?」
「私と仲良くして欲しいのと『アイギス』のメンバーとも仲良く暮らす事かな」
「私も同じで私達と仲良く暮らして欲しいとお願いしました」
ライムとジルはゴーレム達と仲良く暮らす事を願ったか・・・
確かにゴーレムをパートナーと考えている2人にはピッタリな願いだな
「仲良く暮らすという事で良いの?」
「「もちろん!!」」
「そっか、なら大丈夫だね」
これでリン・アイズ・ライム・ジルの専用ゴーレムが誕生した
ヘンリーだけは寂しそうにリン達を見ていた・・・
手元の粘土は立派なホロホロ鳥を作り上げていたが
ホロホロ鳥は飛ぶには飛ぶが・・・長距離飛べる鳥じゃないよ・・・
それにホロホロ鳥は小型鳥じゃないか・・・
「本気でホロホロ鳥をゴーレムにするのか?」
ゴーレム誕生・・・名前はまだ無い。
ヘンリーのゴーレムは小鳥ゴーレムになるのか・・・。




