4-306地下2F通路発見とか
隙間探索はダンジョン探索と呼び名を変えリウ達は地下2Fへ続く通路&階段探しを探していた
探索2日目にリウは『アインス』の荷馬車を急きょ作り上げていた
リウが『アインス』に騎乗し魔法障壁を展開しながら荷馬車を引き
御者席のクラシスとリズが座りながら荷馬車全体に魔法障壁を展開し
荷馬車のシルキーとミルキーは『浮遊』を唱え移動速度向上に努めていた
探索を始める前にリウは今日中に地下2Fに続く通路を探す為に
最低限の休憩以外は移動する事を決めた
食事休憩とトイレ休憩はある物のそれ以外は移動し続けた
リウも騎乗しながら『アインス』に魔力を注ぎつつ全力疾走していた
箱馬車はリウ・『アインス』・クラシス・リズの多重魔法障壁により
走行中にダンジョンの壁に接触しても無傷でいた
無傷であっても接触時に箱馬車の揺れだけはどうしようもなく魔法障壁で体制を整えていた
「流石に『アインス』の全力疾走は早いね~」
御者席のクラシスが薄暗いダンジョン内で全力疾走する『アインス』とリウに声をかける
『アインス』は度重なる強化により悪路でも通常通り走り抜ける個をが可能になり
『浮遊』した荷馬車程度で『アインス』の全力疾走に何ら抵抗を見せる事は無かった・・・
「森の中と同じ速度を維持するとは・・・魔法障壁無しでは荷馬車は耐えきれないんじゃ・・・」
「・・・安全運転と言えないので最初の壁の接触で破損または全損したと思うね・・・」
「うちの箱馬車での全力疾走は禁止だな・・・多重魔法障壁は可能でも調理荷台内部がめちゃくちゃになりそうで怖い・・・」
「確かに鍋とか零れそう・・・料理どころじゃないかも」
「一角獣ゴーレム『ゼクス』は『アインス』よりも駆け足はどうなの?」
「『ゼクス』の方が1.5倍移動速度向上してるよ、箱馬車を引くくらいで余裕のはず」
「『ジン』専用の荷馬車も猟犬ゴーレム達が頑張れば同様の速度になるよ」
「荷台の『ジン』が大変そうだけどね・・・」
リウは騎乗しながらクラシスとリズと話をしていたが
『アインス』といわば同期している状態なので向かう先を間違える事無く通路を駆けている
リウはMAPを展開しながら地下2Fの通路を目指していた
そこは地下1Fの西側にあり現在地からギリギリ今日中に到着可能な場所にあった
「このまま何も無く地下2Fの通路まで行ければ良いんだけど・・・」
「地下から魔物が現れる可能性もある訳か・・・」
「この場で巨大な黒犬が現れても怖くは無いけど・・・威圧感は半端ないだろうな」
「まぁ、この通路の幅を考えれば黒犬1体しか通れないからね、順番で倒せばいいから楽勝かな?」
巨大な黒犬が現れても御者席のクラシスやリズに荷馬車のシルキーやミルキーが魔法弾で瞬殺か・・・
「怖いのは黒犬が溢れ出したらかな・・・通路いっぱいに黒犬まみれになったら物量に押し潰されるかも」
「それに巨大な黒熊が連続で襲ってきたら・・・逃げるしかないな」
「倒しきれるけど押し潰される可能性を考えれば色々手を尽くすしかないか・・・」
リウ達は数回の休憩を経て地下2Fの通路に到着するのだった
ダンジョンに2日間籠っていたのでクラシスやリズも魔力過多の中でも反応を感じ取れる様になっていた
シルキーやミルキーも同様に細かな周辺感知能力を向上させていくのだった
地下2Fの通路の前で荷馬車を停車させ
リウ達は一度地下へ続く通路の調査を始めるのだった
通路の先からは今まで以上に魔力が溢れ出していた・・・
ここでの生活をしてきた影響なのかクラシス達は魔力酔いにならず平然としていたが
普通なら近づく事も難しい環境だとクラシスとリズがリウ達に教えていた
「魔力過多とうか魔力豊富というか・・・魔力に溺れそうな環境だ・・・」
「魔力豊富なら鉱石も魔力を帯びてる可能性もあるか・・・」
「確かにダンジョンから採掘される鉱物で有名な『魔鉄』があったね」
「『魔法鉄鉱石』を加工して『魔鉄』だったかな?」
「ダンジョン都市では『魔鉄』の装備が高値で取り扱っていると聞く」
「それなら地下2Fにも、それに近い鉱石を見つけられる可能性があると?」
「まぁ、可能性はあると思う」
「さっさと地下3Fの探索を済ませて『魔法鉄鉱石』の採掘に挑戦したい!」
「『魔鉄』をゴーレムに活用すれば今以上に魔法との相性を向上できる!」
「魔力の軽減にも繋がるし是非ともゴーレム全員に行きわたるだけの量は確保したいね」
「採掘は帰る時にお願いね?」
「任せて~キッチリ地下3Fの調査を終わらせるから♪」
時間的には昼過ぎだったがリウ達は地下2Fへ続く通路で1泊する事になる
それは地下2Fの通路の先で魔物たちが争っているのを感じ
お互い競い会えば良いと考えていたリウ達は早々にダンジョンの壁に部屋を作り休む事になる
魔石と『紋章学』により結界を展開し早めの晩ご飯とお風呂を済ませ
ゆっくりとしながらもまったりと晩酌を始めるのだった
晩酌をしながらリウはMAPを展開しながら地図を描き上げていく
地図にはリウ達が通った通路を書き記し
途中で鉱石を採掘した場所もキッチリ書き記し
その中でも採掘した鉱物の種類も詳細に書き出していく
「確かここは『鉄鉱石』っと・・・こっちは『銀』だったな」
次に本筋の通路に分岐の通路を書き出していく
「『鉄鉱石』の採掘場所まで・・・分岐は3ヶ所で・・・そこから次の分岐2つあって・・・『鉄鉱石』の採掘場所があったはず・・・」
クラシス達が晩酌を始めている中、リウだけはテーブルに地図を書き記していく
クラシスらには記憶を頼りに地図を描いているように見えるが
実際にはリウはMAPの情報を地図に写しているだけであったが・・・
採掘場所はMAP上に書かれていたが採掘される鉱物はリウの記憶に頼るしかなかった
「よし、採掘場所はこれで大丈夫なはず・・・『鉄鉱石』が全体の8割とは・・・」
リウの地図を書き終え、クラシス達の晩酌に再び参加する
完成した地図を横目で見ながらノノとココは
「相変わらずリウの作る地図は丁寧です」
「普通は採掘場所までは記さないし、何よりここまで詳細には作らないよ?」
「リウは地図専門の冒険者になれそうね」
「売れば良い値がつきそうだけど・・・あまり外部に流出しない方が良いかもね」
「それよりもギルドに売りつけるという手もあるけど・・・無理やりギルドランクを上げられそうでイヤだな」
「そういや、ダンジョン攻略して自分の物にした方が採掘し放題なのかな・・・」
「エルフの集落にある『ダンジョン住居』の様に?」
「んー、攻略するのは無理かな・・・ダンジョン成り掛けの状態では攻略する条件が分からない」
「それに採掘を考えているなら、採掘場所だけを隔離した方が良いんじゃない?」
「それは土魔法で通路を改変して魔物の侵入を防げば完璧かな」
「魔石と『紋章学』の応用で採掘場所を結界で囲み自分の物にするか・・・面白い!」
この日からリウはMAP上の採掘場所を眺めながら隔離する範囲を考え始めるのだった
「欲しいのは『魔法鉄鉱石』の鉱物か・・・出来れば通路の本筋から外れた場所が良いな」
「それは本筋を壊す事無くダンジョンから隔離する為かな?」
「そうですね、本筋以外なら魔物の侵入を気にする必要も無いし、何より自分たちで通路を開通できる」
「個人で管理するには広すぎるのは無理があるしね」
リウはMAPを見ながら鉱物の多い場所を確認し書き記した地図に印をつけていく
本筋からは離れていて階層全てで採掘場所が豊富な場所を見つけ
「この場所が良いかも・・・四方100mを隔離すればいいかも」
リウが地図に記した場所は地下2Fの通路と地下3Fに続く通路の真ん中にあり
魔力の溢れだす場所に近くだった・・・
常時魔力が流れているから『魔鉄』が生成されている可能性も期待出来る
「通路の近くだからダンジョンの魔物を倒す時にショートカットで討伐に行ける」
明日から地下2Fの探索だから魔物との遭遇になるだろうし多少は魔石を入手出来る筈
ダンジョンを隔離するほどの魔石は・・・手元の魔石でなんとかなるかな?
「地下2Fの探索はどうする?すぐに地下3Fへの通路の確保を考えた方が良いのかな?」
「地下3Fへの侵入は魔力の濃さによるんじゃないかな?」
「今以上に魔力過多なら探索は無理だし、無理をしてまで探索をする意味は無いよ」
「それなら地下3Fへの通路を探しながら採掘場所を見つける・・・で良いかな」
「魔物の反応があるから戦闘は覚悟するとして・・・発見はリウに任せてのシルキー・ミルキーによる魔法弾の狙撃で討伐かな・・・群れによっては私とリズも狙撃で対応で良いかな?」
「僕と『アインス』とで多重魔法障壁の展開が1番効率よく討伐出来るか・・・」
明日は採掘よりも地下3Fへの通路探しか・・・魔物討伐もあるしやることいっぱいだ~
明日やる事は明日考えよう、今日は今できる事をやりますか・・・
「今日は飲みますか♪」
「焼串と焼鳥は豊富にあるし、英気を養うという点では程良い晩酌は良いね♪」
「『アイギス』だけだよダンジョン内で晩酌が出来るのは・・・普通じゃあり得ない」
「魔物を気にしないで寝れるというのもね、普通は火の番をしたり魔物の襲撃に備える必要があるからね・・・満足に寝れるのは考えられない」
「土魔法を得意としている冒険者が多いのとアイテムボックス持ちの冒険者が多いなら当たり前なんじゃないの?」
「前にリウに教えたけど土魔法を修得している冒険者は少ないんだよ、アイテムボックス持ちに関してもだけどね・・・通常パーティー内にアイテムボックス持ち1人いるかいないかだよ・・・」
「『アイギス』のメンバーはリウが魔法を教えたり、魔力の修練や修得を日課としているのが問題だね・・・問題というか利点だね」
「『アイギス』メンバーは魔法に関して言えばランク上位と言っていいほどの実力があるしね」
「それでも『アイギス』はポーション屋なんだけどね・・・ランクEの」
「実力とランクがかけ離れている気がするけど?」
「実力は人に見せるものじゃないし、ランクはギルドが決めている事だし、僕らにはどちらも気にするものじゃないよ」
「冒険者になって頑張って手に入れた力は生き残る為に使うものだし、ランクによって実力を計るものじゃない、強くなければ生き残れないなら、生き残る為に修練をし力をつける・・・只それだけだよ」
「私達は強くなると同時に魔力量を増やして、若さを手に入れたけどね♪」
「永遠の若さじゃないけど、肉体年齢が若々しいのは嬉しいね♪」
クラシスとリズの日々の修練による若さを手に入れた事に
シルキーとミルキーはコクコクと頷き同意している・・・
「魔力量が年齢を引き上げているのは後で知った事なんだけどね、結果的にはいい方向に向いたみたいで嬉しいよ」




