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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
305/354

4-305隙間の先は魔力過多とか

巨木の隙間調査はリウ達が最初に見つけた場所から始めた

隙間の入り口は猟犬ゴーレム『アインス』を先頭に

リウ・クラシス・リズ・シルキ・ミルキーの5人と1体で行われる事になる

隙間内部は魔力豊富でリウ達も魔力を纏わないと魔力酔いするほどの環境だった

それと隙間内部はダンジョンというより洞窟っぽかった・・・

やはり内部はクラシスやリズでも周囲の反応を知ることは困難で

『アイギス』のメンバー間でも20m離れるとどこにいるかを知る事が出来なかった

只その中でもリウのMAPだけは周囲の反応を知る事が出来た・・・

そして、MAPを見て最初に感じた事は・・・隙間内部は洞窟がダンジョンに成り掛けているという事と

内部が基本1本の通路になっているのと細部に細く短い通路がある事

階層的には地下3Fの構想である事だけだった

魔力過多な為に地下1Fよりも地下3Fに魔物の反応があり

どうやら洞窟内では魔物同士で競い合いが起きている事・・・

リウ達のいる地下1Fに反応が無いことから暫らくは魔物との遭遇は無いと思われた


「リウは隙間内部の魔物の反応は感じる?」

「ギリギリ魔物がいるかいないかは分かるかな・・・」

「それで接近する魔物の反応は・・・ある?」

「今の段階では周囲に魔物の反応も無いかな・・・離れている魔物がいるみたいだけど」


リウが見つめる先をクラシスとリズが目を凝らして見つめている

暫らくすると2人とも首を振り


「ダメだ魔力過多で反応を感じる事は無理っぽい」

「それでリウから見て魔物は襲って来そうなの?」

「暫らくは大丈夫じゃないかな・・・距離的な事もあるけど」

「反応の数はどんな感じなの?」

「群れで1~2つの反応があるけど何かおかしい気がする・・・」


リウが通路を見つめながら『ぼそり』と呟く

シルキーとミルキーも通路を見つめているが魔力過多に

ハッキリと反応を感じる事は出来ずにいたが

反応が少なくなっているのは感じていた


「リウがおかしいと感じているのは・・・反応が減っている事?」

「シルキーは微かに反応を感じられているか・・・確かに群れの数が減っているね」

「群れ同士で争いが起きてる・・・もしくは、群れの代表・・・ボスを決めているのか・・・」

「黒犬のボスを決めていると?」

「ミルキーは通路の先に何があるか分かる?」

「んー、反応があるけどこの階層にはいないんじゃないかな」

「それじゃ、1つ下の階層からの反応は分かる?」

「それならギリギリ感じられるかな・・・リウの言う群れの反応があるっぽいかな」


クラシスとリズが驚いてミルキーを見つめている

シルキーは「そうなの?」と首を傾げ

リウは「正解」とミルキーの頭を撫で撫でしている


「確かに魔物の反応は1つ下の階層から感じるね」

「それじゃリウが見つけた先は1つ下の階層の反応だったの?」

「そうだよ、この階層には魔物は現れてない・・・現れるとしたら地下2Fの勝ち抜いた魔物かな」


リウの広範囲の感知能力にクラシスとリズは驚くが

今までの事も相まって不思議と受け入れていた


「それじゃ、リウはこのダンジョン?洞窟?は階層はどれくらいだと考えてるの?」

「正確には分からないけど地下3Fまでの広さだけど、通路構成などは不明かな・・・」

「分かるのは階層の数と魔物の反応だけか・・・」

「今の段階で黒犬とか黒熊とかの区別は出来るの?」

「ハッキリとは分からんけど群れなら黒犬かなとしか・・・」

「単体なら黒熊と考えるしかないか・・・単体で行動している反応はあるの?」

「不確定だけど地下3Fにはいるね、数にして5つ」

「それともう1つ聞きたいんだけど、この階層の広さは分かるの?」

「巨木の魔力の溢れだす隙間の下を通っているから・・・森の3割の広さかな・・・」

「ダンジョンの広さでは有り得ない広大さだな・・・」

「それが地下3F構成という事はギルドの調査は大変かもな・・・」

「それはダンジョンが広すぎるのが問題なの?」

「それもあるけど魔力過多が1番の問題かな、魔力慣れしてない冒険者では探索するだけで命がけだ」

「私達の様に魔力を纏えば大丈夫だけど、普通の冒険者は常時纏うのは無理か・・・」

「周囲を魔力障壁を展開すれば多少は耐えられると思うけど・・・それで魔力枯渇になれば探索以前の問題だしね・・・」

「ランク上位の冒険者なら対応出来ると思うけど?」

「そうは言うけどランク上位の冒険者達ほど依頼を区分するからな・・・」


クラシスとリズはランク上位の冒険者達が依頼を必ずしも受理する事は無いと言っている


「まぁ、ダンジョンの調査は当たり外れが多いのが原因なのかもな」

「初めてのダンジョン調査は魔物が豊富で魔石採取も期待できるらしいからね・・・」

「このダンジョンでは低階層で広いだけでは・・・人気が出ない可能性があるね」

「黒犬と黒熊だけでは冒険者的に期待できないか・・・しかも、魔物の出現頻度も低いと・・・」


ダンジョン内部の調査を初めて半日経過したのに魔物との戦闘は無し

魔力過多でリウ達は無駄に魔力だけを消費している・・・


「稼ぎ的に人気は期待できないか・・・」

「それと魔力が溢れる原因は何なのかな?」

「魔力の原因か・・・魔力溜まりがあるのか・・・魔力が溢れだすほどの魔石があるのか・・・」

「もしくは、階層主から魔力が漏れているのか・・・」

「階層主とは戦闘は避けたいな」

「それは何で?このメンバーなら何とかなるんじゃない?」

「倒すだけなら問題なけど、倒すメリットが無いし」

「なるほど・・・リウ的に『アイギス』的にメリットがあれば討伐すると?」

「そだね、さっき言った様に特大の魔石があれば欲しいね・・・造りたい物もあるし」


地下1Fの調査では魔物との遭遇無しで終わる事になる

そのかわり通路の壁から多数の鉱物を採掘し

リウだけは地上に戻ってから色々造りたい物や

強化&改造したい事柄が多くニコニコしながら採掘していた


「やっぱり採掘はダンジョンに限るなぁ~」


リウはそう言いながら土魔法で鉱石を原石のままアイテムボックスに保管し

『鉄鉱石』に加え、『銀』『金』の他に『宝石』なども原石も入手していた


リウが採掘をしている間、クラシス達4人は休憩用に通路の壁を掘り休憩用の部屋を作っていた

魔力消費が激しく部屋には魔石と『紋章学』により小型の結界を展開し

クラシス達は魔力の回復に努めるのだった

魔力の回復には寝るのが1番だが、リウが戻るまでに寝る場所やお風呂にトイレを作り上げ

リウが戻ってすぐに食事が出来るようにテーブルとイスを準備していた

クラシスとリズは果実酒をちびちびと飲みながらまったりしている

シルキーとミルキーは『アインス』を撫でながらぼんやりしている


リウがにふにふしながら部屋に戻ってきたのは1時間後だった

もちろんクラシスとリズは酔っ払い、シルキーとミルキーは眠っていたが・・・


リウは部屋の内部を温める為に『アインス』に『火属性』の魔力を纏わせ始める

ダンジョン内部は外ほど寒さを感じなかったが寝ている間に寒さで起きる事が無い様に考えていた


「シルキーとミルキーは寝ちゃったか・・・クラシスとリズは飲み過ぎちゃダメだよ?」

「ん~、大丈夫~」

「鉱石はいっぱいあったの~?」

「原石のまま持ってきたから加工は地上に戻ってからかな・・・ゴーレムや箱馬車の改造&改良が出来る!」

「鉱石が豊富なのか・・・ダンジョンの使い方としては間違っては無いが・・・」

「森の中に鍛冶街があれば発展する可能性もあるか・・・」

「魔力過多に対応出来る採掘者がいればの話だけどね」

「「・・・そこが問題か」」

「まぁ、ここの調査は10日間と考えていたけど・・・片道5日間で地下3Fまで行けるかな?」

「リウが採掘をしなければ可能?」

「採掘場所は地図に書き記すから大丈夫、調査後に採掘すればいいだけだし♪」

「まずはダンジョン内の魔力過多の原因を調べるのを優先しましょ」

「それじゃ、明日は『アインス』に荷馬車を引かせて全力疾走するか・・・」

「地下2Fの階段か通路を探すのを1番の目標として・・・何があっても5日後には戻る事にするか」



「それはそうと晩ご飯どうする?」

「私達は酒の肴があれば十分よ~♪」

「焼串か焼鳥で食事よりも晩酌がしたい♪」

「シルキーとミルキーは僕が起すか・・・まだ、お風呂に入って無いんでしょ?」

「ん、まだ~」

「魔力回復がてらゆっくりしてた~」

「そかそか、ここでの探索は魔力修練よりも過酷だね・・・」

「それよりも得る物がありそうだし、『アイギス』メンバーは全員探索した方が良いかな?」

「1~2泊位なら推奨するけど連泊は止めた方が良いかも」

「やっぱりそうか~」


リウは『アインス』を抱き枕に眠りについているシルキ・ミルキーを「おきて~」と声をかける

シルキーとミルキーは「ん~、朝~?」「まだ眠い~」と呟いている


「晩ご飯もお風呂もまだでしょ?僕と一緒にご飯にしよ?」

「ん、おはよ~?」

「おかえり~?」


リウはシルキーとミルキーの頭を撫でながら「おはよ~、魔力は回復した?」と声をかけ


「ん、大丈夫~」

「おなかぺこぺこ~」


と言いながらリウに抱きつくのだった、リウも抱き返しながら


「さぁ~、探索初日は豪勢に果実酒飲みながら晩ご飯にしよっか~♪」

「「おぉ♪」」

「私達はすでに飲んでるけどね~」

「ね~」


テーブルに着き果実酒をカップに注ぎ

リウ達は「「「「「「いただきます・乾杯♪」」」」」と声を揃え食べ始めるのだった


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