4-302箱馬車・・・冬期間仕様に改造とか
巨木の森探索、1日目夜・・・
リウ達は半地下に簡易陣地を作り上げていた
最初こそ木々の上部に箱馬車を吊り上げての『上空簡易陣地』にするつもりだった
『上空簡易陣地』は探索を始める2日前に地下簡易住居の周囲で『具現化魔法『紐』』を使い箱馬車を吊るしてみたが・・・
実際に木々の上部に『紐』を結び箱馬車を固定して宿泊してみたが
冬期間の巨木の森の上部は地上よりも低温でとても寝れる環境では無かった
低温よりも強風似て『紐』をクモの巣の様に張り巡らせないと箱馬車を固定出来ないのも問題だった
そこで『アイギス』は猟犬ゴーレム4体と箱馬車を巨木の森で宿泊する術を考え
箱馬車を地中の空間に停車し、地下にお風呂とトイレを作り上げる
地下の空間全体を暖める為に暖炉を作り箱馬車全体が寒さで凍らない様にした
暖炉の薪はリウが専用の小型人型ゴーレムを作成し
30分おきに薪を燃べるだけのゴーレム『薪投げ1号』を作り上げた
これにより探索の旅は火の番をする事無く、みんなが平等に眠る事になる
周囲の警戒は猟犬ゴーレム4体にお願いし、ゴーレム達で対処できない時はリウ達が対応する事になるのだが・・・
「それじゃ、地下簡易住居からここまでの地図は完成っと・・・」
「やはり周囲が巨木なので猟犬ゴーレム達が全力疾走したのに遠くに来た感じがしないね」
「それ以上に周りの風景に変化が無いわね」
「風景に変化は無いけど・・・寒さは増した感じがするよ?」
「移動中は『火属性』の魔力を纏っていたから平気だけど・・・」
「寒いから猟犬ゴーレムに騎乗しての移動は控えた方が良いかもね」
リウは『アインス』を撫でながら「今日はありがとうな~」と声をかけていた
ノノ達もお互いのパートナーのゴーレムを撫でながら労いの言葉を贈っている
ゴーレム達は嬉しそうに頭を擦りつけ甘えていた
「明日も引き続き探索をするからね」
リウはそう言いながら『アインス』の魔力を注ぎ
ノノ・ココ・ジャンヌもお互いのゴーレム達に魔力を注いでいる
明日も朝から晩まで駆け抜けるので魔力は十全満タンにする必要があった
それに夜中の周囲警戒を任せているので
もしもの時の為に毎日の日課である魔力補充は必須であった
「箱馬車の半分を地下に降ろしたし、地上部も土魔法で箱馬車を覆う様に目隠ししたし」
「ぱっとみ土山か岩山に見えるんじゃない?」
「煙突からは控えめに煙が出ているはずだけど・・・夜なので煙は見えないはず・・・」
「そういえばゴーレム達は外で警戒させるの?」
「んー、外に出なくても警戒くらいは地下でも大丈夫でしょ?」
「それなら一緒に寝た方が良いかな・・・」
「何気に『アイシス』達は暖かいんだよね・・・抱き枕に丁度良い」
「それじゃ、探索中は寝る時は一緒に過ごそっか~」
「「「うん」」」
ノノ達の嬉しいという気持ちが伝わったのか『ツヴァイ』『ドライ』『フィーア』は全力で甘えてくる
ノノ・ココ・ジャンヌ達も笑いながら互いのゴーレム達を抱きしめニコニコしている
「探索初日だし晩酌を止めて早めに寝ましょ」
「『薪投げ1号』の魔力は十分にあるの?」
「大丈夫だよ、30分おきに起動と停止を繰り返してるから省エネしよう~」
「省エネ・・・?」
「魔力の無駄使いをしないって事だよ」
「明日からの朝錬はどうするの?」
「ゴーレム達に魔力を注ぐし必要はあるにしろ、探索中に魔力の使いすぎはダメな気がするし」
「それなら魔力を注ぐのと、この場の解体を魔力と魔法の修練としようか」
「「「了解」」」
「今日から10日前後は探索の旅をするから無理な事はしない方が良い」
リウ達4人と猟犬ゴーレム達は箱馬車内で仲良く眠るのだが
箱馬車内はギリギリでリウは急きょ箱馬車の拡張工事を始めるのだった・・・
ノノ達とゴーレム達は暖炉前に新たに部屋を作り先に寝てもらう
「『浮遊』スキルを付加した魔石を増やして箱馬車内部の床面積を拡張・・・」
リウは魔石に『浮遊』を付加し箱馬車の床に追加で備え付け
「箱馬車内部を広くするから幅と長さを拡張して・・・拡張部分は『鉄のインゴット』で代用し・・・そうするとゴーレム2体で引いた方が良いかな・・・」
箱馬車の屋根を外し、四方の壁を取り外し、拡張する部分を木材と鉄で拡張と補強をし・・・
宿泊時だけでも箱馬車を支える様に足場を新たに作り・・・
「猟犬ゴーレム2体で引くなら御者とゴーレムはその時決めれば良いか・・・」
箱馬車用の馬具は予備を含め多数所持していたので『アイシス』と同じ長さで3つ作り上げる
箱馬車内部を鉄で補強したので、室内用に『簡易暖炉』を作成し、箱馬車後方から煙突を設置し、箱馬車移動中でも部屋の中を温める様になる
「『簡易暖炉』で箱馬車が燃えない様にシッカリ補強しなきゃ・・・」
『簡易暖炉』の周囲を鉄と燃えにくい木材で組み上げるのだった
『簡易暖炉』用に薪を小さく切りだしコンパクトな薪を暖炉の前に積んで置く
「『簡易暖炉』用の薪はこんなもんで良いか・・・」
室内は寒くないけど御者席は寒いはずだから黒犬か黒熊の毛皮を用意しておくか
加工済みの毛皮があるから御者席に毛皮の敷物と
御者と助手の膝掛けに肩掛けを数枚用意してっと・・・
「まずはこんなもんか・・・これでも寒いようなら御者席に『簡易コンロ』を置くしかないけど・・・箱馬車が燃えそうで怖いな」
箱馬車の御者席を囲む様に作り変える必要があるか・・・
冬期間用に御者席に風避けを作ってみるか・・・
「御者席を1つの部屋として作り変えて・・・ゴーレム達の指揮はどうしよ・・・」
ゴーレム達には行き先の方向を示せばそのまま走るし
そういえば薬草採取場所を見つけた時も思った方向へ駆けて行ったな・・・
『アイシス』とは意思疎通が可能という事かな・・・
声をかける必要が無く思った事がそのまま『アイシス』に伝わる・・・
「よし、箱馬車の前方はガラス張りにしてって・・・ガラスは無いか・・・魔法障壁展開して風避けをするとして・・・」
箱馬車の前方に魔法障壁を付加した魔石に加え
箱馬車全体に『魔法障壁の紋章』を刻みこんでいく
魔石と紋章の多重展開で箱馬車前方は寒さを防げるはずだ・・・
「ガラスの代用品を探さないとダメだな・・・水晶の様な透明な鉱物でもあればいいんだけど」
この世界でもガラスは一部の街や集落も見かけたけど・・・
ガラス職人が作成する為に一部の商会のみでの販売でリウ達は見た事はあるが手に入れてはいなかった
「ガラスの作りからは・・・さっぱりわからんな・・・」
ガラス・・・透明な感じだから鉱物っぽい気がするけど
まぁ、何となくだが『具現化魔法』で代用品を創れそうな気もするし
今の生活で使わなかった者を今更欲しいとは思わないわな・・・
暫らくリウの箱馬車の改造&改良を終え
箱馬車は当初の1.5倍に拡張していた
しかも、冬期間専用の作りになっており
暖房に優れた箱馬車に姿を変えていた
「よし、これで明日は寒さを気にする事無く探索を続けられるな」
リウはそう言いノノ達が眠る部屋へ行き一緒に眠るのだった
箱馬車を猟犬ゴーレムが引く仕様にし、鉄と木材で補強をし、簡易暖炉を設置した。
世界的にコタツを作成するより、暖炉を搭載してみました。
そして、猟犬ゴーレムを温か仕様のな抱き枕に・・・。




