4-299巨木の森探索開始とか
『アイギス』の冬篭りは春まで続くのだが、リウは地上に巨木の森の探索をしていた
探索には猟犬ゴーレムの『アインス』に騎乗し、背中のリュックには『クロ』を背負い、巨木の森を縦横無尽に駆けて行く
リウはMAPを展開し、巨大な黒犬が出現する方向を重点的に探索をしていた
1ヵ月の間、黒犬は巨木の森の北東から現れていた
それは街道を進む方向とは多少ズレており、地下簡易陣地の周囲よりも巨木の木々が巨大化していた・・・
それは巨木の森の中でも魔力の濃度が濃いという事
そして、薬草も準じて巨大に成長しているという事
巨木の森は雪が積もる事が無いのでリウは探索の合間に薬草採取をして戻る事になる
巨大な黒犬が現れたと思われる場所の特定には至らなかったが・・・
冬期間でも薬草採取が可能なのを知り、リウはニコニコしながら帰宅する
『アインス』に騎乗中は『クロ』はリュックから飛び出し
リウに抱っこされながら森の中を駆けていた
リウが火属性の魔力を周囲に纏わせての移動だったので
寒さを感じる事無く駆けまくっていた
「今日は黒犬の情報を知る事は出来なかったけど、薬草の採取場所を発見できたのは良かった」
『リウは薬草好きなの?』
「まぁね、『アイギス』はポーション屋だし、薬草は自前で採取しなきゃね♪」
『さっきの採取場所の薬草・・・大きくなかった?』
「確かに大きかったな、しかも、魔力回復用の薬草が豊富だった♪」
『明日からは森の探索と薬草の採取するの?』
「そうだね、みんなと相談してかな・・・」
『明日もリウと一緒なら嬉しいな~♪』
『クロ』はリウに抱きつきながら頭を擦りつけている
リウは『アインス』に騎乗しながら『クロ』を抱きしめる
左腕で抱きしめながら右手で撫でまわしている
「まずは採取した魔力回復用の薬草を調合してみてかな?」
『ポーション作成するの?』
「そそ、通常の薬草と同じとは限らないし・・・」
『それは薬草が大きかったから??』
「それもあるけど、魔力過多な薬草でもポーションになるか検証が必要~」
『戻ったらポーション作成するの?』
「ん~、今日は『クロ』と一緒に昼寝でもしようか~」
『いいの♪』
「おぅ、運動場で昼寝もいいけど、地下菜園でゆっくり寝るのもいいかも~」
『リウと一緒ならどこでも良いよ』
「僕もだよ、それに今日は『アインス』とも一緒にいような~」
リウは騎乗している猟犬ゴーレムを撫で、今日はこのメンバーでゆっくりするつもりでいた
久しぶりにリウは『クロ』と『アインス』と仲良く一緒にいるのも大事と考えていたからなのだが・・・
リウ達が地下簡易住居に戻ると、クラシス達は地下菜園で仲良く野菜の収穫をしていた
葉野菜は勿論の事、トマトやナスなどお馴染みの野菜も収穫が始まっていた
『木魔法』の効果で短時間で収穫が可能になり
地下菜園は多種多様な野菜が収穫を迎えていた
『アイギス』の料理番であるアライズ達は、毎食に野菜を豊富に使い食卓を鮮やかにしていた
地下菜園にはノノ達の猟犬ゴーレムが菜園の端で仮眠をしているのが見てとれた
どうやら主人であるノノ達の側にいたいと思うのかもしれない
『ジン』と『白銀龍』は地下運動場で魔法の修練をしていた
最近では一角獣ゴーレムの『ゼクス』も一緒になり魔法の修練に力を注いでいた
魔石に付加した魔法の行使も修練により魔法効果が向上するという・・・
体内内臓の魔石による魔力量の消費を抑える効果があるので
『ジン』は勿論の事、一角獣ゴーレムの『ゼクス』や猟犬ゴーレムの『アイシス』なども
『白銀龍』や『クロ』を師匠と仰ぎ、地下運動場で魔法の修練を行っていた
まずは、『風纏い』を十全使いこなす様になるのが当面の目標だったが・・・
地下菜園で野菜の収穫を終えたクラシス達『お嫁さん達』は
調理場へ野菜を運び半分を調理し
残り半分をアイテムボックスに保管した
アライズ達は野菜たっぷりの野菜炒めや蒸し野菜を大量に作り置きしていた
今日のリウの森の探索もアライズ達の料理を弁当にして食していたほどだった
リウと『クロ』は蒸し野菜が好きみたいでサラダよりも沢山食べていた
蒸し野菜は煮込みスープにつけて食べたり
焼鳥や焼串のたれにつけて食べていた
リウ的には岩塩のみのシンプルな味付けでも蒸し野菜は美味しかった
『アイギス』の地下菜園はダンジョン住居で培った野菜作りの技術を存分に活用し
春までには大量の野菜を保管すると共に大量の野菜料理を保管する事になる
この地下菜園は一時的な畑という事で果樹を植える事無く
全て野菜で統一していった・・・種類は豊富すぎてリウの知らない野菜もあったのだが・・・
アライズ達『ひよこ亭』のみんなが調理を担当し絶品料理の数々を食卓に並んでいた
食事の事は『お嫁さん達』に任せリウは簡易陣地の周囲の警戒や
ポーション作成にゴーレム作成に精を出していく
ゴーレムの強化と進化はリウの趣味になりつつあって
時間があればゴーレムの造形を創りかけていった
猟犬ゴーレムも全体の8割を鉄製になったり
魔石の搭載数を増やし魔力の保有量も増加していく
『ジン』も同じく身体の7割を鉄製に強化され
更にシャープになり最初の『巨人型ゴーレム』よりもリウ好みのカッコイイ姿になりつつあった
鉱山で鉱物を運搬しやすい姿から
冒険者の様な鍛え上げられた姿に変わっていったが
戦士というよりも剣闘士の様に殴り一撃必殺のスタイルを確立しつつあった
最近では運動場で『ジン』達とリウ達『アイギス』との組み手を行うのが日課になっていた
リウ達は『風纏い』で機動力を上げ魔法障壁や『イージス』を展開し
ゴーレム達が攻撃を当てるというシンプルな組み手をしていた
また、リウ達の魔法障壁の強度を高める為に攻撃に耐える修練をしていた
『ジン』の一撃は魔法障壁1枚では耐えきれずにいた・・・
多重魔法障壁6枚でギリギリ耐えれるのだが障壁6枚という事は6人で唱える必要があり
実戦では多重魔法障壁よりも『イージス』を展開する必要があると考えていた
『アイギス』的には『イージス』の性能が凄過ぎて人前では使用を控えていて
リウの子供達にも『イージス』を使用する際の注意点をシッカリ決めていった
その『イージス』を使うほどの一撃を『ジン』は持ち合わせていた
そして、『ジン』は今以上に強くなる可能性もある・・・
リウ達も目標も『ジン』の攻撃に魔法障壁で耐える事・・・
攻撃する力は欲しない護る力を・・・みんなを護る力を求める
久しぶりに『アイギス』の実戦形式の魔法修練にリウ達は勿論の事
ゴーレム達も実戦形式の修練に満足気で体内の魔力量ギリギリまで魔法を唱えていた
その後の魔力の回復には2~3日かかるのだが・・・
それはそれとして『アイギス』一同満足いく修練を送る事に反対意見は無かった
「それじゃ、魔法の修練は3日に1回という事でいいかな?」
巨木の森の探索に薬草採取、ゴーレム達との実践形式での魔法修練始まる。
『ジン』最強伝説始まる・・・。




