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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
295/354

4-295ゴーレム強化と進化とか

次の日リウは犬型ゴーレム4頭と『ジン』に、ゴーレムの身体強化について話をしていた

『ジン』はリウと会話が出来たが、犬型ゴーレム達はリウの言葉に「コクリ」と頷いている


「今日は犬型ゴーレム1頭を身体強化するけど、最終的にはみんなを強化する予定だから」

『キョウカ・・・?』

「そそ、今の土ゴーレムから強化しようと思ってね」

『ソレデ ツヨクナルノ?』

「なるよ、今よりもゴーレムとしての格も上がる」

『カク・・?』

「今は土ゴーレムでも最終的には鋼ゴーレムに強化したい」

『ハガネデスカ』

「僕が持っている鉱石では鋼までしか強化出来ないからね」

『シンカハ スグニスルノ?』

「まずは、僕のパートナーのゴーレムから始めます」

『ワタシハ イツ ハジメルノ?』

「『ジン』の身体強化は最後かな、『白銀龍』や『クロ』にも手伝ってもらいたいし、何より『ジン』の場合は強化というより、進化に近いかな?」

『シンカ・・・』

「そうだね、『ジン』は強化&進化により、今の身体の大きさが変化する」

『オオキクナルノ?』

「今の身体が強化により、全体が引き締まるから10~20%は身体が小さくなるかもしれない」

『チイサクナッテモ ツヨクナルノ?』

「あぁ、『ジン』は勿論だけど、犬型ゴーレムも間違いなく強くなる」

『!』


犬型ゴーレム達は嬉しそうにしっぽをぶんぶん振り

『ジン』は強化による変化がどんなものかわからないみたいだった


『ワタシハ ツヨクナルノカ』

「『ジン』は強くなるのは嫌なの?」

『ソウジャナイケド キョウカシテ ムカシノコトヲワスレナイカ・・・シンパイ』

「『ジン』の記憶はそのままだよ、僕が強化するのは身体だけだしね」

『ソウナノカ・・・』


『ジン』は記憶に変化ない事を聞き、少し「ほっ」としていた

リウは身体強化に不安があるみたいなので、身体に触りながら


「大丈夫だよ、『ジン』の嫌がる事はしない、約束する」

『リウノコト シンジテル』

「ありがとう」


リウは気を取り直して、犬型ゴーレム1頭に身体強化の準備を始める

今回のゴーレムの身体強化は、『ゴーレム作成』と違い、基本的にゴーレムを作るのではなく、創る事にあった

もしくは、創り変える事にあった


リウは自分の作成した犬型ゴーレムに触り、ゴーレム全体に魔力を纏わせてから、ゴーレムの材質を土から石へ創り変えていく

それは犬型ゴーレムの身体が引き締まり、全体的にシャープなゴーレムに変化していく

ゴーレムの身体強化はこれで大丈夫だが、リウは魔石に魔法を付加し、ゴーレムの体内に保存していく

リウが魔石に付加した魔法は、『アイギス』専用魔法『風纏い』だった

本当はリウの修得している『世界標準語』というスキルを付加しようと思ったが、犬型ゴーレムは会話が出来ないという事で、犬型ゴーレムには『風纏い』を付加していた

『ジン』の魔石には『世界標準語』スキルを付加する予定であったが、その事は『ジン』には秘密だった


「さて、これでゴーレムの身体強化は終了だけど・・・、どこかおかしいところはあるか?」


リウは身体強化したゴーレムに話しかけるが、ゴーレムは自身の引き締まった身体で駆けだしている

駆けだした速度は強化前よりも俊敏であり、尚且つ『風纏い』を唱えて駆け始めていた

ゴーレムの身体に風が纏い、体当たりだけで巨大な黒犬を倒せそうな勢いがある

暫らく犬型ゴーレムは簡易陣地内をかけていたが、強化後の身体能力に満足したのか、嬉しそうにリウ近づき甘えてくる


「なんか前より感情豊かになったなぁ、それと『風纏い』の魔力は毎日の魔力注入で補充だからね、あんまり多用しちゃダメだよ」


リウがそう言うと、コクコクと頷きしっぽをぶんぶんと振っている

犬型ゴーレムというより、猟犬ゴーレムになった感じだな


「ゴーレムも無事に強化出来たし、名前も無いと不便だから・・・お前の名前は『アインス』な、よろしく『アインス』」


リウは猟犬ゴーレムに『アインス』と名をつけ撫でまわしていく

最初こそ『アインス』と呼ばれて「キョトン」としていたが、リウが『アインス』『アインス』と呼んでいるうちに、自分の名前と気付き嬉しそうにリウに甘えている


リウのゴーレムの身体強化を遠巻きで見ていた『アイギス』のメンバーは、犬型ゴーレムが魔力を纏わせてから、姿形が変化したのを見ていた・・・

見てはいたが、どうやってゴーレムの姿が変化したかは、クラシスを始めリズも分からずにいた

リウがゴーレムに魔力を纏わせた事はわかったが・・・その後に姿形が変わった事になっていた


「あれはゴーレムの身体強化なのかしら?」

「リウの話では・・そうらしいけど・・・」

「実際に姿が変わりましたね」

「それ以上に魔石を体内に入れましたよ?」

「魔法を付加したんだろうね・・・風を纏っていたから『風纏い』かしら」

「もはや、犬型ゴーレムとは言えませんね」

「てか、『アインス』と名前をあげてますが・・・」

「名を得てゴーレムは更に強くなるし、リウとの繋がりも強固なものになるね」


クラシス・リズ・ノノ・ココ・ジャンヌは、リウの後ろでゴーレムの身体強化について話し合っていたが、どうしてリウはゴーレムの身体強化が成功したのかわからないでいた

『ゴーレム作成』はリウと一緒に修練し修得したが、ゴーレムの強化と進化は教えてもらってはいなかった・・・

いあ、教えてもらわなかったのでは無く、ゴーレムの強化や進化という概念が今まで無かった

そのためリウのゴーレムの身体強化の話を聞いた時も、最初は何の事かわからずに聞き流していたが、先ほどのゴーレムの強化を見てしまい、クラシス達は混乱していた・・・


「さっきのリウの魔法は・・・『具現化魔法』の1つなのかな?」

「確かに『ゴーレム作成』とは違う魔法の様に見えましたね」

「ゴーレムが魔石に付加した魔法を唱えるのも初めて見ました」

「リウは残りの犬型ゴーレムも身体強化するのかなぁ・・・」

「リウの事だ、全ての犬型ゴーレムとゴーレム馬も身体強化するんじゃない?」

「それで最終的に『ジン』も身体強化か・・・」

「『アインス』の名を得たゴーレムは単体で巨大な黒犬も倒せそうな勢いだった」

「あの『アイシス』が最終形態なのかな?」

「リウは最終的に鋼ゴーレムにするとか言ってなかったっけ?」

「行ってた気がする、『アインス』は鋼の身体を手に入れたのかな」

「ここからは見えないけど、鉄っぽさは感じれないな」



「『アインス』はこれから更に強化していくよ」


リウが『アインス』を連れてクラシス達の所に歩いて行く

クラシス達の前で、リウは地面に座りながら『アインス』を撫でている

『アインス』は嬉しそうにリウに甘えているのがクラシス達にはわかっていたが・・・


「それにしても感情豊かなゴーレムになったね」

「ここまで上手くいくとは思わなかったよ~」

「それで更に強化だっけ?」

「次に鉱石を用いて『アインス』に鉄の身体を!」

「最終的には鋼の身体を?」

「そそ、鋼の身体を持つゴーレムに!!」

「この後もゴーレムの身体強化するの?」

「身体強化は1日1回かな・・・結構魔力も消費するし、何より巨大な黒犬討伐に『アインス』は参加できそうにないし・・・」

「『アインス』の調子が悪いの?」

「強化後で身体に馴染む時間が欲しいね、僕も今日の討伐は休むから・・・みんな頑張って」

「「「「任せて!!」」」

「良い物が見れたのでリウは私たちの戦いを見てて欲しい」

「うん、後ろでしっかり見ているよ」


リウが『アインス』を撫でまわしていると、『白銀龍』と『クロ』もリウに抱きつき、3人と1頭にもみくちゃになっていた

リウのゴーレムは『アインス』という名を得ました。

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