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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
294/354

4-294巨木の森の狩り場とか

巨木の森に簡易陣地を築いてから5日後、リウ達は小さな魔石を20個以上入手していた

1日1回は巨大な黒犬の群れが森の中に現れ、リウ達は追撃をしていた

巨大な黒犬は4~5頭の群れで、多い時は10頭で簡易陣地に襲ってきた

簡易陣地は周囲の木々に『具現化魔法『紐』』を張り巡らせており、巨大な黒犬達は一定の距離から近づく事が出来ずに、リウ達の魔法弾や鉄杖の一撃で葬られていた

リウ達が巨木の森で遭遇した魔物は、巨大な黒犬のみで黒熊や大猪などは一切現れる事が無かった・・・


黒犬だけしか現れないという事は、ダンジョンから溢れ出る魔物が黒犬だけという事で、巨木の森にあると思われるダンジョンは階層が浅いか、ダンジョンとしては初級のタイプではないかとクラシスとリズが教えてくれた

それでも巨大な黒犬は大きさが黒熊サイズに大きく、動きも通常の黒犬よりも俊敏であった

今は『紐』に絡め取り、動きを封じてから倒しているが、素早い動きに対応するには『風纏い』を唱えるか、犬型ゴーレムに騎乗するしかなかった

もっとも騎乗できるのは、犬型ゴーレムを作成したリウ・ノノ・ココ・ジャンヌのみで、他のメンバーは簡易陣地から遠距離狙撃で巨大な黒犬を撃ち抜いていた

一度だけ『ジン』が巨大な黒犬を倒そうとしたが、動きについていけず肩に乗っていた『白銀龍』と『クロ』が魔法弾で黒犬を倒していた


リウ達は本日の巨大な黒犬討伐を終え簡易陣地でゆっくり食事をしていた

簡易陣地の周囲には『紐』が展開し、それ以外でも堅甲な土壁で侵入者を防いでいた

それに簡易陣地の中から『ジン』が周囲を警戒し、犬型ゴーレム達は土壁の外で周囲を警戒していた

この森が巨大な黒犬以外に魔物がいないと限らないので、犬型ゴーレム達には魔物の討伐よりも発見をお願いし、見つけ次第リウ達に知らせる様にお願いしていた


簡易陣地の食堂では、『ひよこ亭』のアライズとアリサ・アンナが調理した、焼串や焼鳥や煮込み料理をテーブルに並べていた

シルキーとミルキーは簡易コンロで追加の焼串や焼鳥を炙り、さっきまで巨大な黒犬討伐をしていたリウ達は、お風呂で汚れと疲れを落としていた・・・

汚れは魔法で綺麗に出来るが、戦いの疲れを取るのはお風呂が一番だった

暫らくするとリウ達がお風呂から上がり、クラシスとリズは果実酒を飲み始める


「それにしても1日1回の戦闘というのも疲れるね・・・」

「それは相手が巨大だからかな?」

「普通の黒犬の群れだけなら・・・こんなに疲れる事無いよね」

「今日で5日目だけど、毎日1度必ず巨大な黒犬が現れるというのも・・・おかしい気がする」

「何かの法則性でもあるのか・・・」

「それよりも魔石が20個以上になった~」

「それじゃ、ゴーレムを強化するの?」

「まずは、僕の犬型ゴーレムで身体強化をしてみるよ」

「リウの騎乗する犬型のゴーレムの事?」

「そそ、まずは材質の強化かな・・・」

「前にリウが話した、土ゴーレムから石ゴーレムに身体強化だっけ?」

「『ゴーレム作成』を修練時に聞いただけだから上手に身体強化できるかはわからないけどね」

「ゴーレムの身体強化に魔石は必要だっけ?」

「魔石を使うのは僕のオリジナルかな、魔法を付加した魔石をゴーレムに取り込んでの身体強化・・・上手くいけばゴーレムに魔法を付加できる可能性もあるし・・・」

「それでリウはゴーレムの身体強化はいつするの?」

「明日の朝かな・・・魔力が充実している時の方がいいし、何より今からではなんかイヤだ」

「それじゃ、今日はゆっくり食事をし、晩酌して寝ますか~」


テーブルには焼串や焼鳥に、角煮や煮込みスープなど肉メインの料理が並んでいた

この森に入ってから食糧を得る事が無くなり、アイテムボックス内の食糧だけで調理していった

小麦粉などはアライズ・アリサ・アンナなどがアイテムボックスに大量に保管しており、焼きたてパンは時間がある時に大量に焼き上げ、シルキーとミルキーのアイテムボックスに保管してあった

リン・アイズ・ヘンリー・ライム・ジルの5人は新鮮野菜や果物をメインにアイテムボックスに保管し、ヘンリーは林檎と桃を箱買いしていたり、リンとアイズは干し柿を大量に保管し二日酔いの度に食べていた・・・

ライムとジルは梨や葡萄、それにトマトなどを休憩時に食べれる食材を豊富に保管していた

ノノやココは相変わらず露店で購入した焼串や焼鳥を所持しており、食事の時より晩酌時や休憩時にパクパク食べていた

リウとジャンヌのアイテムボックスは、食糧以外に鉱物や装備品や衣服の着替えなどを保管し、替えの布団や衣服用の布や裁縫道具も大量に保管していた


食事時だけは『白銀龍』と『クロ』はリウの膝に乗り食事をするので、その時ばかりはリウは2人を思いっきり構っていた

この巨木の森では『白銀龍』と『クロ』は『ジン』の肩に乗り周囲を警戒しており、リウに甘えられるのは食事中のみとなっていた

もっとも寝る時は警戒を『ジン』と犬型ゴーレムに任せ、『白銀龍』と『クロ』はリウに抱きつき寝ているのだが・・・


リウ達は晩ご飯を済ませ、晩酌を始めている

クラシスとリズとアライズは麦酒を飲み、リウ達は果実酒を飲み始める

ジャンヌも最近では果実酒だけで酔う事も無くなり、ちびちびと飲めるようになっていた

リウは『白銀龍』と『クロ』に『はちみつ焼き林檎』を食べさせながら果実酒を飲み始める


『『焼き林檎』うま~』

『やっぱり林檎は美味し』

「林檎はヘンリーがいっぱい買ってあるから、食べたい時はキチンと言ってね」

『『わかった~』』


リウは林檎を頬張る『白銀龍』と『クロ』を撫でながら果実酒をちびちび飲む

クラシスとリズが麦酒を樽から飲み始めると、アライズが簡易コンロで焼串と焼鳥を炙り始める

シルキーとミルキーの2人はアイテムボックスから果物を取り出しテーブルに並べていく

ライムやジルも飲み過ぎたのか果実酒を飲むのを止め、もぐもぐと桃や葡萄を頬張り始める


「晩酌は好きだけど、いくらでも飲めるという訳じゃないし」

「何より酒の肴でお腹いっぱいになっちゃっう・・・」

「私は肴よりも果物を頬張った方が好い」

「私は桃が好き~」

『林檎~』

『焼き林檎~』

「酒は苦手ですが、炙った干物が好きです・・・」


顔を赤くしリウの肩に頭を乗せたジャンヌが寝ぼけながら「干物好き~」と呟いている

昔は果実酒1口で酔っていた頃が懐かしい・・・


この日の晩酌もジャンヌが寝落ちし、シルキーとミルキーも同じく寝落ちしそうになりお開きとなる

リウ達は寝る前に、犬型ゴーレムと『ジン』に魔力を注ぎ「周囲警戒お願いね」と告げ眠る事になる

『ジン』はリウにだけ『マカセテ、オヤスミナサイ』と声をかけるのだった


巨木の森での生活5日目は静かに過ぎていく

明日は犬型ゴーレムの身体強化を予定しており、リウは今からどんな感じに強化出来るか考えていた



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