4-290旅再開は採取の旅とか
リウ達『アイギス』は北の街に、乾燥薬草やポーションをギルドに納品し、調味料や食糧に酒を大量に購入し、1ヶ月後には街道をさらに北へ移動する事になる
時期的に数カ月後には冬期間になるはずなので、『アイギス』は街の宿屋で冬を越すか、森の中で簡易陣地暮らしになるか・・・考えなければいけなくなる
ゴーレム馬が引く『アイギス』の箱馬車は、通常の箱馬車3台連結で運搬用の荷馬車と言うより、馬車に宿屋が搭載している感じであった
それと北の街では、犬型ゴーレム用の小型馬車を作ってもらっていた
犬型ゴーレムが引く2~4人用の馬車と言う事で、車輪を外せば犬ぞりに早変わりする仕様になっていた、冬期間中の移動に森の中を駆けるより、犬ぞりの乗って移動したいと思ったからだったが・・・
箱馬車の御者席に座るリウはMAPを展開し周囲の警戒をしながら箱馬車を移動していた
リウの隣にはシルキーとミルキーが座り、シルキーの膝には『白銀龍』が座り、ミルキーの膝の上には『クロ』が座っていた
今日の箱馬車を浮かせるのは、ノノ・ココ・ジャンヌが箱馬車内部で魔力を注いでいる
アライズ・アリサ・アンナは調理荷台で朝からパンを焼いているし、クラシスとリズはリンとヘンリーと箱馬車2Fで薬草を干している
アイズ・ライム・ジルは、『ジン』の肩に乗って周囲警戒と箱馬車の護衛をしていた
箱馬車の周囲には犬型ゴーレム4頭が護衛をし、野犬や黒犬などは警戒して近づいて来ない
たまに黒熊や大猪が箱馬車に向かってくるが、ライムやジルが遠距離狙撃で魔法弾を撃ち込み、犬型ゴーレムがキッチリ回収していた
リウはMAPに薬草採取場所が近くにあるのを確認し、ゴーレム馬に薬草採取場所に向け移動を始める
「採取場所発見、今日は薬草採取しよっか~」
「「は~い」」
「『白銀龍』と『クロ』は『ジン』に薬草採取をする事を伝えてもらえるかな?」
『わかった~』
『任せて~』
『白銀龍』と『クロ』はシルキーとミルキーの膝の上から飛びだし、『ジン』に向かって飛んでいく
『今日は薬草採取するって~』
『箱馬車について行ってね~』
『了解、薬草採取するのね』
箱馬車が街道を逸れて森の中へ入っていく
アイズ・ライム・ジルは度々箱馬車が街道から逸れて移動していたので、「薬草採取場所へ向けていどうしたのかな?」と考えていた、普通は薬草採取場所をこんなにあっさり発見する事は無いんだが、長年のリウの行動に疑問を持つ事無く受け入れていた
「何種類の薬草見つけれるかな~」
「熱さましの薬草があれば嬉しいな~」
「風邪薬があればいいんだけど・・・そういうポーションは知らないな・・・」
「万能薬は風邪薬の代用になるのかな?」
「代用になるけど、薬草の調合のみでは作成不可じゃなかったっけ?」
「それ以前に万能薬の調合は・・・ポーション屋の秘匿じゃない・・・の?」
「万能薬の調合レシピは秘匿というけど、噂とか伝承の類いだし・・・」
「やっぱり熱さましのポーションと、咳どめのポーションの併用で対応するしかないか・・・」
「その2つは薬草からの調合でポーション作成可能だな、問題は採取量の少ない事かな」
「少ないと言えば、魔力回復用の薬草も採取量少ないよね?」
「通常の森では魔力回復用の薬草が育たないというし、魔力過多な森とか洞窟なら大量に収集出来るはずだけど・・・」
「『アイギス』のメンバーは、魔力修練で魔力向上で最近では魔力枯渇には・・・ならないね」
「それに最近は平和だし、魔力消費も修練時と箱馬車の『浮遊』時だけ・・・」
「ダンジョンには10年以上攻略してないね・・・」
「『アイギス』の中でダンジョン攻略できるのは、私達5人だけじゃなかった?」
「リウとかノノ達は商業者ギルドのギルド員だったか・・・」
「今から冒険者ギルドに加入するのも面倒だろうしね・・・」
「「確かに・・・」」
「今から冒険者ギルドに加入してギルドランク上げるのはイヤだな・・・」
暫らくすると箱馬車が停車し、『ジン』も一緒に動きを止める
『ジン』の上からでも前方一面に薬草採取場所が見える
今日の午後から採取しても終わりそうにないほど大量の薬草が見てとれた
箱馬車の御者席に座るリウ達は、箱馬車を囲むように土壁を作成している
『ジン』は土壁内に座り、両肩に『白銀龍』と『クロ』がちょこんと座っている
クラシスとリズは箱馬車の後方にお風呂とトイレを作り、ノノ・ココ・ジャンヌは『かまくら住居』を簡易陣地中央に設置した
リン達5人は簡易陣地周辺の薬草採取をし、護衛役に犬型ゴーレムがリン達の側に座り、周囲を警戒している
「この採取場所は体力回復系の薬草か・・・」
「少量だけど虫除けと熱さまし用の薬草もあるよ?」
「少量って・・・1割も無いじゃないか」
「まずは、薬草をキッチリ採取しましょ」
「雑草や毒草は厳禁ね、薬草っぽい雑草は多そうだけど・・・」
「毒草は解毒のポーションにならない?」
「・・・なるはずだけど、この毒草は低級解毒ポーションにしかならないはず」
「一応、採取するね・・・」
「リウに解毒ポーションの作成をお願いしよう」
「「それが一番か~」」
リウ・アイズ・ヘンリー・ライム・ジルの5人が薬草採取している頃、調理荷台のアライズ・アリサ・アンナはパンを焼いたり、黒熊の煮込み料理を仕込んでいた
クラシスとリズとジャンヌは天気がいいという事で、簡易コンロで焼串や焼鳥を炙っていた
リウ・ノノ・ココは簡易陣地から離れた場所で大猪の解体をしていた、毛皮の加工は商業者ギルドに任せる事にし、アイテムボックスに即保管した
大猪の食材は部位に切り分け、食糧に不向きな部位は穴を掘り埋める
新鮮なら内臓も美味しいから、リウは直ぐにアイテムボックスに入れ、今日の晩酌用にする
「新鮮な内臓は、そのままで酒の肴になる」
「美味しいから酒が進むのが問題だね」
「酒が美味しいのか、肴が美味しいのか」
「アライズ達の料理が美味しいのがいけないな」
リウ達3人は大猪2頭を解体し、半月分の食糧を確保する事になる
半月分の肉・・・、焼串やステーキに煮込みに角煮・・・
アライズ達の料理の腕にかかれば、宿屋や食堂並の料理に早変わり
「やっぱり晩酌には焼串かな?」
「角煮や煮込むも美味しい」
「シンプルにステーキが美味しい」
「ご飯時はステーキでも良いけど、晩酌でステーキはお腹いっぱいになるよ」
「サイコロステーキならありだけど」
「今日の晩酌はなんだろうな~」
大猪解体後はリウがMAPを展開し、箱馬車への帰りながら森の中で『キノコ』採取をしていた
ノノとココはリウが『キノコ』採取を横目で見ながら、同じような『キノコ』を採取していたが、同じように見えてノノとココの『キノコ』は毒キノコばかりで食材としては不向きなモノばかりだった
「ノノとココは『キノコ』採取禁止ね」
「「わかった・・・」」
「今回は試しで採取しただけだからね」
「リウの採取した『キノコ』は食用可?」
「一応、『鑑定』スキルで確認したけど大丈夫みたい」
「調理方法は・・・やっぱり焼キノコ?」
「煮込み料理に入れても美味しそうだけど・・・」
この後、アライズ・アリサ・アンナの3人はリウの採取した『キノコ』の調理方法を話し合い、数種類の『キノコ』料理を完成させるのだった
食卓に並んだ『キノコ』料理はどれも美味しく、採取した量が少ないことあり、1人1口しか料理を味わう事になる
もっとも短時間で採取した『キノコ』だった為に、後日追加で『キノコ』採取をお願いされる事になる・・・もちろんリウ限定で!
薬草採取はリン達5人がメインで行い、アライズ達3人が料理番になり、シルキー・ミルキーが箱馬車でポーション作成を行い、クラシス・リズは薬草を天日干しをする
リウとノノ・ココ・ジャンヌは、犬型ゴーレムに乗り込み森の中を駆けながら『キノコ』採取をしていくのだった
箱馬車と言うより、簡易陣地周囲は『巨人型ゴーレム』は周囲を警戒し、接近する山犬や黒犬が接近したら、犬型ゴーレムや『白銀龍』や『クロ』が討伐していった
この採取場所では、体力回復用薬草を10本1束で合計60束採取し、20束をポーションに調合し、40束を乾燥薬草にした
虫除けと熱さまし用の薬草は20本2束ずつ採取し、全部ポーション作成してキッチリアイテムボックスに保管した




