0-29ポーション作成はなんとかとか
ポーション作成から3日目、休憩をはさみつつではあったが
1000個以上のポーションを製作し、冒険者ギルドへ納品した
1日3回ギルドからは薬草と瓶を運んでもらい、作成したポーションを受け渡していた
その為、クラシスさんかリズさんが運搬を請け負っており
受付の2人とはご飯の時は一緒に食べるというのが恒例になっていた
ノノとココも嬉しそうに食事をしていた
『アイギス』の3人はステータス『器用』の数値が倍近く向上し
リウとココはスキル調合Lv1になり
ノノはスキル調合Lv2にとなった
これにより『アイギス』はポーション屋の初心者調合師なみの技術を持つ事となる
・・・冒険者というより副業のポーション屋でも生活できそうな
ポーションの作成はリウの部屋で行っていた
もともと部屋の中は物が無かったために3人での作業に適していた
ポーション作成で部屋に匂いがつくと思ったが生活魔法で消臭する事が出来たので問題なかった・・・
ポーションは20個を1組とし木箱に保管していた
1組完成したら1Fの喫茶店の階段前へ積み上げていた
常時『身体強化』『速度強化』を3人に使用していた
1日目はリウが2日目はノノが3日目はココが唱えていた
クエストに行けないという事で室内での修練として実施していた
3人は疲れにくい身体でギリギリの作成を行っていた
一応、睡眠時間は確保していたはずなのに3日目の夕方にもなると疲れが抜けなくなっていた
冒険者ギルドから運ばれた薬草と瓶は箱詰めして部屋の中は散乱していた・・・
「おつかれまさ~、今日はケーキを食べながらゆっくりしよ~」
「はい~、つかれました~」
「・・・がんばったケーキを~~」
っと、ノノとココも疲れが身体全体で表しているかの様だった・・・
2人にはリフレッシュして欲しかったので「清潔」を唱えた
「「ふぇ~」」と目を閉じてスッキリしてみたいだ
リウも自身に「清潔」を唱えて身体の汚れと汗のにおいを消した
「それじゃ、行こうか~」
「「はい」」
リウはポーションの入った木箱を持ち部屋を出ていく
ノノとココと一緒に1Fの喫茶店へと向かっていた
木箱を階段前へ置き、3人でテーブルに座って紅茶とケーキをお願いした
「・・・紅茶がうま~」
「・・・ケーキうま~」
「・・・ケーキうまうま~」
3人とも遠い目をしながら紅茶とケーキを食べていた・・・
『ひよこ亭』での中では浮いている感じなのは気が付いてないみたいだった
「やっぱりノノはポーションの扱い上手いよな~」
「まぁ、慣れといいますか。少しだけ経験者という事で~」
「・・・少しだけ上手になった~」
やっぱり経験が大事という事なんだな
もしくは、ステータスの向上が作成結果に結んだという事か・・・
夕方にはポーションを納品してクエスト終了なはずなので報酬が楽しみである
・・・報酬の事聞いてないな
「明日から暫くクエストを休もうと思うけど2人ともどうする?」
「ならココと買い物してきます~」
「・・・露店買い食い~」
2人とも仲良くなったみたいでよろしよろし~
「そかそか、露店を廻るのはおもしろそうだな。料理で使えそうな食材とかを買いあさるのおもしろそうだ・・・」
「なにか料理をするんですか?」
「・・・おいしい?」
材料が揃っているわけじゃないけどフレンチトーストを作れそうな気がするんだよな
パンと卵とミルクとバターで・・・あれ、砂糖が無いか?
アライズさんに聞いて購入するか~
「そうだな、一斗缶コンロを使って料理してみるか~」
「何の料理なんですか?」
「料理としてはパンなのかな、卵とミルクで甘めの料理だね♪」
「「おぉ、食べたい!!」」
2人とも食べる気満々だな
食材を揃えておやつの時間にでも試食してもらおう
「それじゃ、明日のおやつの時間にでも試食会しようか?」
「「はい」」
いい返事だ、3日間頑張ったご褒美としては安い感じがするかいいか~
フレンチトーストのレシピを脳内でシュミレーションしてみても
卵と溶いて、ミルクを少量たして、砂糖少々にパンを浸して、両面を弱火で焼くだっけ?
自分では何度か作ってみたレシピなんだけど材料が知ってるものじゃないのがネックだな
紅茶を飲みながらまったり3人で過していると
「こちらにいましたか~」
っと、クラシスさんに声をかけられた
今日もリズさんと一緒で2人で『ひよこ亭』に訪れていた
「作成終わりましたよ、今は3人で休憩中です~」
こくこくと2人も頷いてケーキを食べながら話を聞いていた
「それではポーションの納品ありがとうございます、これで暫くは品薄状態にはならないと思われます」
「報酬に関しては、明日にでも冒険者ギルドでお渡しします」
「報酬の事は事前に聞かなかったんですけど・・・」
「それについては冒険者ギルドの方から提示があると思います」
クラシスさんとリズさんは報酬の事については知らないみたいだった
木箱はクラシスさんのアイテムボックスに保管してギルドへ運ぶらしい
この後は5人で夕食を食べることになった
ノノとココは疲れていたのか睡魔を我慢して食べているみたいだった
「うつら~うつら~」としてるな
「そういえば、クラシスさんとリズさんは料理とかはどうなんですか?」
「・・・え?」
「・・・料理ですか?」
2人はさっと目を逸らした・・・、なんだノノとココと同じリアクションだな
「じー」と2人を見ると顔をあからめて
「料理は『ひよこ亭』で食べれますから大丈夫です」
「料理のできる旦那さんを見つけますから大丈夫です」
まる投げですか、こっちの女性は料理スキルは無いのかな?
まぁ、食事を楽しく文化が無いのかもしれないし
それについては後で考えるとしよう
「料理の事も気になったんですが、砂糖とか調味料を探しているんですけど知りませんか?」
「調味料ですか?」
「露店か道具屋で探すのが一番だと思うんですけど・・・?」
「露店で探すのは結構面倒でね・・・、道具屋にも売ってるんですか?」
「そういえば、遠征する冒険者とか常備するとか聞いたことありますね」
「いい事を聞いた、道具屋へ行ってみるのもおもしろいかもしれません。見つかれば野営の時に料理の幅が広がる可能性もありますし~」
「『アイギス』は遠征してのクエストとかご予定が?」
「拠点の移動ですか?」
2人は悲しそうにリウを見ているが・・・
「拠点の移動ってなんです?」
「拠点の移動とは、活動している街を離れ、違う街での生活を行う事です」
拠点の移動ね~、『ひよこ亭』以上の環境は無いと思うから・・・それは無いな
ノノとココもいるし、2人も置いて離れるのもしたくない
今の環境に不満も無いから、このまま生活していきたいなぁ
「このままここで生きますよ。ノノとココとも離れたくありませんし。『ひよこ亭』以上の環境は無いでしょ」
クラシスさんとリズさんは「ほっ」とした表情をしていた
ノノとココもにこにこしながら話に耳を傾けている
「それに冒険者として名声を得ようとは思いませんし、一緒にいる仲間と家族が仲良く過ごせれば大丈夫です。今はポーション作成だけでも生活できそうですしね~♪」
ノノとココを見ながら話しかける、見たりもコクリと頷いている
「リウさんは高ランク目指せると思うんですがね~」
「なんかもったいないです」
ギルドの受付の2人は不満みたいだな
無理しても良くないと思うんだけどなぁ
やっぱり強い男がいいのかな?
それとも1人でも多くの冒険者を求めているのかも知れない
「あの、山間部への調査の方はどうなりましたか?」
「実はまだ帰還しておりません、先行して何名かは戻っているみたいなんですが・・・」
「先行した冒険者の話では、山間部に予想以上の群れを発見したと事です」
「それと群れから外れた集団も森の数か所で発見殲滅をしながら街へ戻っているとの事です」
「山間部の群れは手を出さずに撤収したんですよね?」
「そうです、群れの総数は300匹を超えるとの事です。森の中では10匹前後の集団を4組発見との事です」
「先行が街に着いたと同時に森の周囲を警戒していた冒険者も討伐の為に森に向かいましたので、朝方には好い報告をすることができると思います」
クラシスさんとリズさんは調査隊の報告を簡潔に教えてくれた
森の中の集団は殲滅可能として・・・山間部の群れが気になるな
野犬の集団なのか、それとも別の群れなのか・・・
「あの、山間部の群れは野犬でした?」
「それはどういうことですか?」
「いえ、同じ野犬なら全体で1つの群れになると思うんですけど・・・」
「それについてはギルドの中でも意見が二分してますね、野犬以上のヤツが来たとか、群れのボスが変わったとかね・・・」
「それも調査隊の報告を聞けばはっきりするから・・・そのときにでも」
未確認なことが多いな
300匹の群れを相手にするには『アイギス』は強くもないから
できれば後衛支援で対応できたらいいんだけどな
晩ご飯も食べ終わり、3人は紅茶を飲んでいた
3人・・・ノノとココは睡魔に勝てず食事の後は部屋でお休みです
「2人に相談なんですが、『ひよこ亭』の周辺で空き家とかはありませんかね?」
「家を買うんですか、それとも購入ですか?」
「ん~、『ひよこ亭』の裏の家は空き家だと思いますよ。裏庭に面した一軒家ですけど」
「借りるとしたら月額の相場は知ってますか?」
「この辺はギルドの所有の物件なはずなので格安で借りれると思いますよ」
「とはいえ、月額5500L前後だと思います。相談でしたらギルドの受付においで下さいね」
「ポーションの作成するには部屋が狭くてね、やりたい事が多くて大変です~」
「リウさんは他の冒険者さん達とは違うんですね、討伐クエストをしたり、ダンジョンで深層域を目指したりしないんですね」
「そういう人たちは一部を除いて無理がもとで引退したりするのが現状ですが・・・」
「今できる事とできない事との線引きはわかるつもりです、第一線で頑張るよりも裏方でひっそりと頑張りたいですね・・・。怖いのと痛いにはイヤです」
「冒険者は勇敢慣れといいますが、多少は臆病な方が好いのかも知れませんね」
「リウさんには無理して前線には出て欲しくないというのが私たち2人の考えですが・・・」
「まぁ、前線で剣を振る事は出来ませんね、なんせ各剣スキルを未修得だし。臆病者は後ろから魔法で狙撃しかできません」
「それでも、もしもの時はよろしくお願いしますね」
「せめてノノとココの2人を守ってやて下さい」
「ノノとココは優秀な冒険者になりますよ。3人で森の深部にも行きましたし、ポーション作成では初期調合は覚えたので初級ポーションの作成は完璧です!!」
「知らない間にあの子たちも冒険者やってたんですね~」
「てか、育ちすぎでしょ。2人はGランクなのであまり無理な事はやめてくださいね」
「大丈夫です。クエストの合間には『ひよこ亭』でのケーキを食べつつまったりしてますから~」
「明日はクエストをお休みするつもりなので露店巡りをするそうです。2人にはおやつを作ってやる約束もしましたし」
「リウさんのおやつですか・・・食べに来てもいいですか?」
「食べたいです!」
「2人とも忙しいんじゃ?調査隊の報告は午前中でなんとかなります。その後なら『ひよこ亭』に来れると思います」
「すぐに用件を済ませて戻ってきます、『アイギス』の報酬の事もありますから来ます」
「・・・わかりました、午後に来ていただければ大丈夫なので無理しないでくださいね」
「「まかせてくだい」」
今日一番の返事が返ってきたな、余程おやつが楽しみみたいだ
砂糖を確保して午前中にも練習して完璧なフレンチトーストを完成させないと・・・
ポーション作成よりもハードルが上がった気がする(>_<。
リウとココは調合Lv1を修得
ノノは調合Lv2を修得
明日はフレンチトーストの試食会「ノノ・ココ・クラシス・リズ」




