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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
287/354

4-287名前は『ジン』とか

『巨人型ゴーレム』は『ジン』と名乗った・・・

どうやらゴーレムには珍しい『名前あり』のゴーレムだった

『ジン』を創造した御主人は、『ゴーレム作成』時に通常よりも数倍の魔力を込め、ゴーレムにある程度の自我を持たせていた

それは単一命令しか記憶しないゴーレムが、自我を持ち自身の行動を考える事が可能となる事だった

『ジン』が最初に覚えた事は、『みんな仲良くしましょう』という命令だった

『ジン』は生みだされてから御主人と行動を共にし、一緒に暮らしながら『みんな仲良くしましょう』という教えを修練していくのだった

『ジン』の御主人は、『ゴーレム作成』で北部の鉱山で掘削作業用ゴーレムを作りだし、鉱山の作業員のサポートを請け負っていた

『ジン』はその中でも掘り出された鉱物を、鉱山から北の街への運搬を任されていた

御主人と『ジン』が鉱山で仕事をしていたのは・・・それから20年間にも及び、御主人の高齢を理由に現場から引退をする・・・

『ジン』は御主人の引退に合わせ、鉱山から森の中に住居を移し、余生を過ごしていたという

『ジン』は御主人の「少し疲れたから少し眠るね・・・、おやすみ『ジン』」という言葉を聞き、『ジン』は御主人と一緒に機能を停止し、一緒に眠る事にした・・・


それは今から430年前の出来事・・・、『ジン』がリウの魔力に気がつき再起動を果たした



『メガサメルト、モリノナカニイタ・・・、ゴシュジンノスガタモ、ゴシュジンノヤシキモナクナッテイタ・・・』

「それは目覚めた『ジン』の周囲が森に覆われていたという事かな?」

『ソウダ、メザメルトモリノナカニイタ・・・』

「何で僕達の方へ向かってきたの?」

『『ジン』トオナジ、ゴーレムノハンノウガアッタノデ、ゴシュジンガイルトオモッタ』

「そういえば『ジン』の御主人は・・・エルフなの?人なの?」

『エルフ?ヒト?・・・ドウイウコト?ゴシュジンハゴシュジンダヨ??』

「『ジン』・・・人の寿命は50~60歳なんだよ・・・、エルフなら600~700歳と長寿だけど」

『ソンナ・・・ゴシュジンシンデルノ?』

「『ゴーレム作成』を極めているならエルフの可能性があるけど・・・、それと『ジン』に1つ聞きたいんだけど良いかな?」

『ナニカナ?』

「さっきから『ジン』は御主人ととしか話していないけど、御主人の名前を教えてもらえるかな?」

『エ・・、ゴシュジンノナマエ・・・・・・』

「覚えてないの?それとも御主人の記憶が欠如してるとか・・・」

『ナマエ・・・ナマエ・・・・・オボエテナイ』


『ジン』は悲しそうに凹んでいた、『白銀龍』と『クロ』は『ジン』の肩に乗り、『ジン』の頭を撫でている

リウも『ジン』に触れながら「その内思い出すよ」と告げるのだった


「僕らはこのまま北の街へ向かうけど、『ジン』は箱馬車の後ろから歩いて旅に同行してね」

『ワカッタ、オネガイシマス』


『ジン』はリウ達に頭を下げ、『アイギス』の旅に同行するのだった



リウと『ジン』は意思疎通できたが、クラシス達『お嫁さん達』は『巨人型ゴーレム』を話し合うリウを眺めながら、北の街まで『巨人型ゴーレム』と一緒かなと思っていた

それに『白銀龍』と『クロ』が嬉しそうに『巨人型ゴーレム』の肩に乗り、ゴーレムの頭を撫でているのを目撃し、龍はゴーレムとも話せるのか・・・と思いはじめていた

箱馬車の周囲にいた4頭の犬型ゴーレムは、『巨人型ゴーレム』がリウ達に危害を加えない事を感じてなのか、警戒態勢を解きその場で座り始める

クラシス達も鉄杖をアイテムボックスに保管し、箱馬車を囲む土壁を解除し、アライズ達は晩ご飯の用意を再開するのだった


「『巨人型ゴーレム』がいるけど、夜の護衛は犬型ゴーレムは必須だよね?」

「それと最低限の土壁は必要か・・・」

「リウと龍が仲良く話してるから大丈夫だと思うけど・・・」

「それにしても巨大なゴーレムは初めて見たな・・・」

「どれ程の魔力を注ぎこめたのか・・・もしくは『ゴーレム作成』の達人なのか・・・」

「それ以上に会話が出来るゴーレムとは・・・ギルドでも聞いた事無いね」

「リウのゴーレムは・・・意思疎通は多少できるけど会話は無理だし・・・」

「『巨人型ゴーレム』はひょっとして凄いゴーレムなのか!」

「『白銀龍と『クロ』が懐いている段階で凄い気がするよ」


リン達が薬草採取を終え戻ってきた頃に、アライズ達の料理が完成していた

晩ご飯が完成してもリウと『巨人型ゴーレム』は話し合いを続けており、リウ達をほっといて食事をする訳にはいかず、クラシスとリズがリウ達を呼びに向かう


「そろそろご飯だよ~」

「話し合いの続きは食後にしては~」

「ん?もうそんな時間??」

『焼鳥!』

『焼串!』

『・・・ドシタ?』

「どうやらご飯みたいだ、『ジン』はご飯どうする?」

『ゴハン?サッキマリョクモラッタカラダイジョウブ』

「それでもみんなに『ジン』の事紹介するけどいいかい?」

『イイノ?コワガラレナイ??』

「大丈夫だよ、僕の『お嫁さん達』は『ジン』を怖がったりしないよ?」


リウは『ジン』の足を撫でながらクラシスやリズを手招きし、「撫ででみ?」と2人に話し『ジン』に近づき・・・撫でり撫でりと『ジン』を撫でていく

『ジン』はクラシスとリズが自分を怖がらない事が嬉しく


『アリガトウ、ウレシイヨ』

「クラシスもリズも僕の『お嫁さん』だよ、さっきも言ったけど『ジン』を怖がらないでしょ?」

『ウンウン、リウノオヨメサンハスゴイネ、ウレシイヨアリガトウ』

『リウの家族はみんな優しいから好き♪』

『僕らもリウの家族だからね、『ジン』の事もみんな歓迎すると思うよ♪』

「それじゃ、僕らも晩ご飯に行こうか」


『ジン』は立ち上がり『アイギス』の箱馬車へゆっくり近づくのだった

箱馬車の周囲は土壁で囲われており、『ジン』は土壁ギリギリの位置に座りこむのだった

箱馬車のノノやココ達は『巨人型ゴーレム』が近づいてきたので土壁を解除し、座りこんでから『巨人型ゴーレム』を囲むように土壁を作成する


リウは『白銀龍』や『クロ』を魔法で綺麗にし、自分自身も魔法で綺麗にしてからイスに座るのだった

『ジン』はリウ達が座る位置から見える場所に座っており、リウは全員がイスに座り食事を始める前に『ジン』の紹介をするのだった


「さっきからみんなの目の前に座っている『巨人型ゴーレム』は、名前を『ジン』を言います」

『ハジメマシテ『ジン』デス、ヨロシク』

「気がついたと思うけど、名前ありのゴーレムなので会話可能です」

『エヘヘヘ』

「「「「「・・・・・」」」」

「みんなどしたの?」

「多分だけどリウだけが『ジン』の声を理解していると思う」

「私達には「ゴゴゴゴ」としか聞こえない・・・」

「私にも「ゴゴゴゴ」としか・・・」

『ゴゴゴゴ?』

「『ジン』も無理やり「ゴゴゴゴ」と話さなくてもいいから!」

『ソッカ、コエガキコエナイノカ・・・ザンネン』

「それで『ジン』はこれからどうするの?私達と一緒に旅をするの?」

「まずは次の街まで一緒に行くよ、『ジン』の御主人事を知りたいしね」

『ゴシュジンイルカナ・・・アイタイナ』


『ジン』は既に次の街に気持ちが向いていたが、リウ達は我慢できず「いただきます」と呟き食事を始めるのだった

ゴーレム達は基本食事を必要として無かったが、犬型ゴーレムはリウ・ノノ・ココ・ジャンヌが晩酌前に魔力を注ぎ、ゴーレム馬も同時に魔力を補充し、『ジン』もゴーレム達と同様に魔力補充しそうにリウと見つめていたので・・・・リウは『しょうがないな』と呟き『ジン』の足に手を置き魔力を補充するのだった


リウ達は晩酌をしながら『ジン』達がいれば『火の番』不要だな・・・と呟き


「晩酌でお代わりし放題・・・」

「焼串と焼鳥食べ放題・・・」

『焼き林檎食べ放題・・・』

『角煮もお代わりしていいですか!』

「果実酒もあるけど、『はちみつ酒』も飲み放題?」


「今日くらいは飲み過ぎてもいいよ、『ジン』と出会いたし今日は記念日と言う事で!!」


期間限定?でゴーレムが『アイギス』に合流しました。

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