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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
286/354

4-286『アイギス』の同行者とか

街道を北へ進む『アイギス』の箱馬車は、草原を抜け深い森の中を進んでいた

薬草採取しつつ進んでいたので、リウ達は大量の薬草を採取しつつ、箱馬車で薬草を乾燥していく

森の中は野犬や黒犬よりも黒熊や大猪との遭遇率が高まっていた・・・

リウは常時MAPを展開しつつ御者席に座り、箱馬車の周囲や街道の進行方向を確認しながら移動していたが、薬草採取馬車があれば街道を外れ採取をしていたが・・・

犬型ゴーレムは箱馬車の周囲を護衛するように駆けていた

リウ・ノノ・ココ・ジャンヌの犬型ゴーレムには箱馬車の護衛を任せ、『アイギス』にメンバーは相変わらずのんびりと薬草採取をしていた


「採取場所に箱馬車を停車出来るのは嬉しいね♪」


リウはクラシスやリズ達が採取した薬草を箱馬車の2Fで天日干しをし乾燥薬草を作っていた

ノノ・ココ・ジャンヌも薬草から汚れを落とし、リウと一緒に薬草の天日干しをしている

箱馬車の2Fは薬草がまるでカーテンのように風にゆられていた


「箱馬車の2Fは乾燥薬草のカーテン♪」

「乾燥済みならアイテムボックスに保管する事無く保存可能だし、ポーション作成でも調合時間短縮にもなるし~」

「それにギルドの納品する時の報酬額は多少高値になるしね」


リウ達は薬草を10本1束にし綺麗に干していく、日の照る時間は天日干しをし、日が隠れたらアイテムボックス内に保存し、薬草を効率よく干していく

乾燥済みの薬草は箱詰めにし、調理荷台の2Fへ保管していく


「乾燥薬草は1箱に100束入りで4つ完成か・・・」

「冬期間前には10箱は完成しそう・・・」

「乾燥薬草1000束分・・・乾燥薬草10000本か・・・」

「毎日ポーション作成してても薬草が余りそうね、それよりもポーションの価格が下がりそうで怖いわ」

「冒険者に必須のポーションは価格が下がる事は無いんじゃないの?」

「ダンジョンがある街とか、前に赤目騒動の様に『氾濫』に似た現象が起きる可能性もあるし、ギルドでは多めにポーションや薬草の備蓄をしてるはず」

「それじゃ、ポーションをギルドの納品する前に乾燥薬草を納品した方がいいかな?」

「まぁ、次の街に着いてからギルド職員に相談してから納品しましょ」

「それに今もリン達が薬草を採取しているし、このままいけば乾燥薬草は10箱以上行きそうな気配」

「乾燥薬草なら保存も利くしギルドに箱で納品しても面白いかも♪」


リン・アイズ・ヘンリー・ジル・ライムは薬草採取をしながら、箱馬車に近づく気配を感じていた

距離にして結構離れている事もあり、暫らくは気にしていなかったが、一直線に採取場所に向かってくる気がして、採取を早めに切り上げ箱馬車へと戻るのだった


箱馬車内の調理荷台では、アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーは食事の準備をしていたが、食事前なのにリン達が箱馬車に戻る気配を感じ、調理の手を止め箱馬車の周囲を警戒するのだった

箱馬車の周囲の犬型ゴーレムも何かが近づく気配を感じ、準戦闘隊形でいつでも飛びだせる準備をしていた

クラシスとリズは箱馬車から降り、鉄杖を構え周囲の警戒を強めていた

リウ達4人も乾燥野菜の天日干しを切り上げ、箱馬車の周囲に土壁を作成して警戒を強めるのだった

薬草採取をしていたリン達が箱馬車に戻り、リウ達と共に箱馬車の周囲に土壁を作成し、クラシス達と同様に鉄杖を構え、『アイギス』メンバー全員で戦闘準備を整えるのだった


「何か近づいてきます、薬草採取時にも感じましたが、真っ直ぐこっちに来ます!」


リンが鉄杖を構え、接近する気配の方向を凝視し、警戒を強めるのだった

『アイギス』のメンバーは、箱馬車を守る様に配置し、リウ達の前には犬型ゴーレムが即座に攻撃に移れる様にしていた

『白銀龍』と『クロ』は箱馬車の屋根に上り、接近するナニカの方を見つめていた


『あれは・・・ゴーレム?』

『野生のゴーレム・・・?』

『多分、使役していた主人が無くなり・・・野生化したゴーレムかも・・・』

『そう言う事があるの?』

『あまりないというか、めずらしい事例かも・・・リウ達のゴーレムの気配につられて近づいてきた可能性がある』

『それじゃ、ゴーレムがリウ達を使役者・・・主人と勘違いしてる可能性があると?』

『可能性はあるね・・・』

『それじゃ、リウ達に知らせないと・・・』


『クロ』は箱馬車の屋根から降り、リウに今聞いた話を教えに向かうのだった

確かにリウ達も『遠見』スキルで接近するゴーレムを目視していたが、ゴーレムは接近こそすれ武器も持たずに、ただ近づいているだけだった

それに敵意見たいな気配は無く、箱馬車に近づいていた・・・

ゴーレムは人型の巨人型で、大きさは2階建ての建物よりも巨大で、近づくほどに存在感が凄い事になっていた


「これは存在感が半端ないな・・・」

「箱馬車よりも大きい・・・、『かまくら住居』二階建てよりも大きいか・・・」

「ゴーレムの人型というか、『巨人型ゴーレム』と言うべきか・・・」

「ゴーレムなのに敵意が無いというのもおかしい気がするけど・・・、確かに危険な気配は感じられないかな?」

「『白銀龍』と『クロ』が言った様に、ゴーレムはリウ達が使役者だと勘違いしていると?」

「それについては確かな事はわからないけど・・・ゴーレムと話せればいいんだけど・・・」

「『白銀龍』や『クロ』がゴーレムと会話出来たらいいんだけどな」

『犬型ゴーレムやゴーレム馬とは、何となく意思疎通は出来たけど・・・、実際には意思疎通できた気がしただけな気もするし」


リウ達が話している間にゴーレムは箱馬車のすぐそばまで近づいていた

リウ達は鉄杖を構えてはいたが、ゴーレムに敵意が無い事を感じ、鉄杖をアイテムボックスに保管し、いつでも魔法障壁を展開出来るようにしていた

箱馬車の屋根の上にいる『白銀龍』は『イージス』を展開出来るようにし、リウは1人でゴーレムに近づくのだった


「まぁ、何があるかわからないけど、僕がゴーレムと話してみるよ」

『一緒に話してみる~』

「なら一緒に行こうか~」


『クロ』はリウの頭に座りゴーレムに少しずつ近づくのだった

『巨人型ゴーレム』はリウ達が近づくのを感じ、その場で停止している

リウが近づくと『巨人ゴーレム』は膝を折り、片膝をつきリウにこうべを垂れるのだった


『ゴジュジンサマ、オカエリナサイ』


『巨人型ゴーレム』はリウに向かって嬉しそうに声をかけるのだった

それはリウだけに聞こえた声だったのだが、『白銀龍』や『クロ』は勿論の事、クラシス達にも『巨人型ゴーレム』の声は聞こえなかった

それでも『巨人型ゴーレム』がリウに向けていた『嬉しい』と言う感情だけは何となく感じていた

リウは少しだけ困った感じで『巨人型ゴーレム』に話しかける


「僕は君の御主人さまじゃないよ?」

『ゴシュジンサマガカエッテキタトバカリ・・・、ホントウニゴシュジンサマジャナイノ?』

「僕はこの辺に初めて来たはずだよ、それにゴーレム馬や犬型ゴーレムしか使役した事無いけど?」

『ソンナ・・・ゴシュジンサマガカエッテキタトオモッタノニ・・・』

「・・・君の御主人さまがいなくなったのは何時ごろなの?」

『・・・430ネンマエカナ』

「普通の人間なら死んでる可能性が・・・、それにしても君はそんな昔から稼働しているのか凄いね」

『ゴシュジンサマガイナクナッテカラハ、モリノオクデカミンシテマシタ、マリョクショウヒヲオサエルタメニ・・・』

「それじゃ、魔力を補充したら君の御主人さまが戻られるまで稼働出来るかな?」

『イイノ?メイワクナンジャナイ??』

「僕達にもゴーレムと一緒に旅をしてるからね、君の事をほっとけないよ」


『巨人型ゴーレム』はそう言って片膝の姿勢で右手をリウに近づける

リウは『巨人型ゴーレム』の右手を触り、魔力を流し込むのだった・・・

どれだけの魔力を『巨人型ゴーレム』に注げばいいのかわからず、リウは魔力枯渇ギリギリまで魔力を注ぐ事になる

『巨人型ゴーレム』は430年ぶりの魔力補充により、身体全体から魔力が漏れ始めている


『マリョクヲアリガトウ、アフレルマリョクデシンシントモニジュウジツシテイル』

「それは良かった、それで君はこれからどうする?このまま御主人さまの帰りを待つのかい?」

『ゴシュジンサマヲサガシタイガ、ドコヘイケバイイカワカラナイ・・・』

「それなら次の街へ行くまで一緒に行くかい?」

『ゴシュジンサマトワカレタノガコノヘンナラ、ツギノマチニイタキロクガアルハズダシ、イッショニイッテモイイ?』

「僕らの旅はのんびりした旅だけど、君の様に強そうなゴーレムと一緒なら安心できるし喜んで!」


リウは『巨人型ゴーレム』と仲良く話をしていたが、箱馬車の前のクラシス達は『巨人型ゴーレム』に敵意が無いのを感じていたが、このまま次の街へ行って大丈夫なのかと少しばかり不安気であった

『クロ』は『巨人型ゴーレム』と一緒に旅が出来るが嬉しいのか、『巨人型ゴーレム』の肩に乗り嬉しそうにしっぽをぶんぶんと振っていった



ゴーレム馬は箱馬車を引き、犬型ゴーレム4頭は箱馬車の護衛をし、巨人型ゴーレムは次の街まで一緒に移動をする事になる。

全長9mの人型ゴーレムは存在感だけで黒犬や大猪が逃げ出すほどだった。

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