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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
284/354

4-284旅再開の『アイギス』とか

『アイギス』の箱馬車での旅は、本拠地で暮らしてから20年以上続いていた

『お嫁さん達』は子育てと自己の修練をきっちりこなし、出産前よりも若々しく見えていた

それは魔力の増加に伴い、身体的にも充実している事であり、ハルクさんいわく『魔力もエルフ並みになった・・・』との事だった

エルフ並みの魔力量=長寿という事で、少なくとも400~500歳は生きれるという話だった

ちなみにリウの子供たちも同様に魔力量が高く、ハーフエルフと同じくらいの魔力量との事だったので、150~200歳は寿命が延びた事になる


さて、クラシス達『お嫁さん達』が子育てをしていた頃、リウはエルフの長老『アスキー』と麓の街の魔道具屋『ハルク・シルクさん夫婦』から色々な魔法や知識を学んでいた

その中でも土魔法の1つ『ゴーレム作成』と『紋章学』だった

『ゴーレム作成』は土魔法でゴーレムを作ったりする魔法だった、リウは『ゴーレム作成』で箱馬車を引く馬達をゴーレムで創り上げていた

『紋章学』は魔法陣を用いて魔法の行使する物で、今回の旅で使用する箱馬車は『紋章学』の知識を詰め込んだ最高の箱馬車になっていた


馬型ゴーレム2頭は見た目生きている馬と遜色なかったが、箱馬車は『紋章学』により搭乗した者達から微々たる魔力で『浮遊』する事を可能になっていた

箱馬車は今回新たに箱車を3つ繋げた大きな作りになっていた

1つ目の箱馬車は内部をソファーとテーブルを設置してあり2Fにもイスがあり、2Fから狙撃可能な作りになっていた

2つ目の箱馬車は調理荷台になっており、前回よりもキッチンを拡張し4~5人が並んで調理可能になっていた、2F部分は倉庫になっており保存可能な干物や乾燥野菜を保管していた

3つ目の箱馬車は内部を宿屋の一室の様な作りになっており、寝る為だけの箱馬車になっていたが、旅先ではメンバーの半分は『火の番=徹夜』に備え仮眠する必要があり、3つ目の箱馬車だけで10人が寝れる広さになっていた


『アイギス』の本拠地を離れ1ヶ月後、箱馬車は街道を北に進んでいた

小鬼族ゴブリン』の集落や『犬耳族コボルト』の集落を更に来たに進み、各集落では黒犬や黒熊をギルドに納品し、『アイギス』の活動資金になっていた

当初『アイギス』では、リウ・ココ・リズがアイテムボックスを修得していたが、現在はメンバー全員がアイテムボックスを修得し、各々で討伐した黒熊や大猪を保管していた為に、『アイギス』全体でどれ程の黒熊や大猪を所持しているか分からなくなっていた・・・

各集落ではノノとココが主だって焼串や焼鳥を購入し、『白銀龍』や『クロ』が主だって果物を購入し、アライズやアリサやアンナにより調味料を購入していった

野菜はリウ達のアイテムボックスに、採れたて新鮮野菜がたっぷり保管されており、『米』や『小麦』などもアイテムボックスに大量保管されていた


箱馬車の御者にはリウが座りノノとココが隣に座っていた、『白銀龍』と『クロ』はノノとココの膝の上に座り、のんびりと箱馬車の度を堪能していた

ゴーレム馬はリウが魔法で創り上げた高性能なゴーレムな為に、リウの意識でゴーレム馬が速度を調節していた


「馬無しの馬車の旅は最初こそ不安だったけど、ゴーレム馬も慣れれば快適かな?」

「餌代とか色々手間がかからないのは楽ではあるけど・・・」

「リウはゴーレム馬以外でもゴーレムを創れるの?」

「創れるよ~、馬型に牛型に熊型とかも作れるね!」

「牛と熊・・・、泳げる動物型は無いの?」

「泳げる動物・・・?」

「そそ、船代わりに泳げる型を作れれば船要らずで旅が出来ると思ってね」

「泳げる動物型か・・・亀とか鯨を創ればいけるかな?」

「今度は海底トンネルじゃなく、海を渡る船を創るか・・・面白いかも」

「今は街道を北に進んでいるから海に出るには・・・早くても来年以降じゃない?それまで今の事を覚えてればいいけど・・・」

「そういやそうだった、海を渡るのは暫らく後になるな・・・、今回は街道に沿って各集落を巡る旅だし、野犬や黒犬は発見後に即討伐したから、旅の資金はアイテムボックスにたっぷりあるし」


街道を北に進むと草原ばかりで木々が少なく、薬草採取場所が多少確認できた

リウはゴーレム馬での移動になった事により、街道から外れ直接薬草採取場所付近へ向かう事が可能になっていた

薬草採取も採り尽くすギリギリの量を採取し、冬期間へ向けて薬草を大量に保管する事になる

ポーション作成は『火の番』の時に少しずつ調合したり、箱馬車での移動中に2Fで調合したりしていた


「この辺は野犬や黒犬しかいないのかな?」

「もう少し北へ行けば狼とか出現するらしいけど・・・」

「狼ですか・・・黒犬よりも凶暴な犬型の・・・だっけ?」

「集団で行動する肉食獣だったはず、遠距離から狙撃可能なら対処できるけど・・・」

「北へ行けば行くほど冬期間が長いと聞く、それ以上に北の酒は美味いとも聞く・・・」

「北へ行くほど鉱物の加工に長けた種族がいるとも聞くね」

「私は北に行けば行くほど食べ物が美味しいとも聞いたね、野菜に加えて海産物も美味しいと聞く・・・」

「海の幸が美味しいのは・・・嬉しいね」

「新鮮な魚介類が大量に手に入るチャンスかな?」

「最近は干物ばかりだったから、新鮮な魚介類が手に入るなら・・・刺身は無理でも煮込みや鍋にしても美味しく頂けるかな?」

「そういや、街道を北へ向かっても海へ出るには・・・数カ月後?」

「今から向かっても海の見える頃には・・・冬期間になるのかな・・・冬の海は寒すぎる気がする」

「冬期間はどうするの?街で宿屋暮らし?森で野宿??」

「宿屋暮らしは所持金の消費が気になるから、街の近くで野宿かな・・・、森の中で簡易陣地を作成すれば問題無いでしょ」

「消耗品や調味料以外はアイテムボックス内にあるしね」

「今日はこのまま街道を北へ進めばいいの?」


リウはMAPを展開し、この先の街道を確認していく

それと同時に赤マーカーが周囲に無いかを調べ、安全な旅路を確保していった


「このまま街道を進めば・・・2~3日中に次の街に着きそう」

「それなら暗くなる前に簡易陣地を作成する場所を探す?それとも薬草採取場所で薬草採取する?」

「採取場所はこの辺にあるの?」


リウはMAPで近くの薬草採取場所を調べ・・・、ゴーレム馬に指示を出し採取場所に向け移動を始める

採取場所は街道を外れ、草木のまばらな場所を移動していた・・・


「もう少し移動したら薬草採取場所があるはず、そこが今日の簡易陣地予定地かな」


草原の外れの薬草採取場所、そこは街道からも外れ、人目につかない場所になっていた

それもそのはず、リウはMAPで確認した限り野犬や黒犬の群れが多数確認できた

採取前に大量討伐をしなきゃダメっぽいな・・・


「ねえ、この先に大量に野犬か黒犬の反応がある様なんだけど?」

「しかも、群れで結構な数がいるんじゃない?」

「そうだね、人目がつかない採取場所なんだけど、野犬や黒犬の群れが占拠してるっぽいね」

「箱馬車で休んでいるジャンヌたちにも声をかけてね・・・てか、気がついてると思うけど・・・」

「それじゃ、箱馬車を止めて周囲を土壁で囲みつつ殲滅戦かな?」


リウはゴーレム馬を止め周囲に堅甲な土壁を創り上げる

リウとノノとココは、御者席から降り箱馬車の屋根に乗り、接近してくる野犬の群れを目視で確認する

ジャンヌやクラシスも箱馬車から降り、土壁越しに野犬の群れを目視で確認していく


「まずは野犬の群れの討伐を始めます」

「後方からも野犬の群れ多数、順次追撃お願いします!」


リウはMAPを展開し、追撃の指示をし、各個撃破していく

リウは野犬や黒犬の群れの動きを的確に読み、確実に殲滅していく

それから2時間後、箱馬車の周囲に野犬や黒犬の反応は消えていた

リウとノノとココは、野犬と黒犬をアイテムボックスに保管していく

全て終わった頃には周りも暗くなり、薬草採取は明日にする事にし、今日はこの場で一泊する事になる

食事の準備はアライズ達がしていた

クラシスとリズとジャンヌは、箱馬車の周囲の土壁を補強したり、お風呂やトイレを作り出していた

それとテーブルやイスも箱馬車の前に作り、晩ご飯の準備を終えていた


「さぁ、手を洗って晩ご飯にしましょ♪」

本拠地暮らしから20数年後のリウ達の旅再開・・・。

見た目も変わらず変わったのは、微かな冒険者としての実力向上。

ゴーレムを駆使して快適箱馬車生活、結婚生活20年目のリウ達の生き方は・・・何も変わらずかな?

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