表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
281/354

3-281冬期間のダンジョン住居⑧とか

リウの『銀細工』を創り続け、『細工』スキル修得後に『鉄鉱石』の『鍛冶』に取り掛かった

『鍛冶』道具は麓の街で購入済みだったので、『アイギス』の本拠地に『鍛冶場』を作り上げた

『鍛冶場』は火事の危険もあるという事で、ダンジョン住居内にも外にも『鍛冶場』の設置に反対され、『アイギス』の本拠地の隅の方にひっそりと『鍛冶場』を造った


「『鍛冶』も魔法でなんとかなればいいんだけど・・・」


リウは土魔法で『鉄』を「ぐにぐに」と形を変えていく

いあ、『鉄』を創り変えていく・・・プレート状にしたり、棒状にしたり、変幻自在に形を変えていくのだが、このやり方では武器や防具にするには無理があるな


「いっそ、具現化魔法で武器に変換すればいいのかな?」


久しぶりに具現化魔法を創るか・・・

モノを物に変える魔法、物質を変換する魔法、思い描いたものを形にする魔法か・・・

『イージス』や『ハルパー』とは違う具現化魔法・・・か・・・・

リウは『鉄』に魔力を込め、思い描く形に創り変えていく・・・


手の中の魔力は、『鉄』を柔らかくして形を整える土魔法・・・

次に『鉄』に思い描いた形に創生する具現化魔法・・・

気がつくとリウの手の中には1本の『ナイフ』が収まっていた

見た目はリウ達が使う『解体ナイフ』であるが、武器屋で見かける様な感じでは無く、一つ上の存在感を醸し出していた・・・


「これは『鍛冶』と言っていいものか・・・、魔法で武器を創っても大丈夫なのかな?」


リウは早速作り上げた『解体ナイフ』を持ちダンジョン住居に戻るのだった

さすがに自分で作った『解体ナイフ』を自分で『鑑定』するのは恥ずかしいし、第三者の意見を聞きたかったという方が大きいんだが・・・

ダンジョン住居に戻ると晩ご飯前という事で、『解体ナイフ』は晩酌時にみんなに見せればいいかと思い、リウはリンやアイズ達と一緒に晩ご飯の準備を始めるのだった

晩ご飯&晩酌はいつも通り美味しい食事に果実酒があった

リウは果実酒をちびちび飲みながら焼串を頬張っていた


「そういえば今日1本の『解体ナイフ』を創ったから見てもらえるかな?」


リウはアイテムボックスから創りたての『解体ナイフ』をテーブルに置く

クラシスやリズは子供を抱いていたので『解体ナイフ』に触らずに、テーブルの上の『解体ナイフ』を調べていく・・・

ノノやココ達も『解体ナイフ』に見入っていた、いあ、龍の巫女や『娘さん』達も『解体ナイフ』をじっくり見つめている


「これは『鍛冶』で鍛えたの?」

「初めての『鍛冶仕事』とは思えないんだけど・・・」

「綺麗な『ナイフ』・・・」

「形状は『解体ナイフ』みたいだけど・・・」

「これで解体するのは勿体無い気がする」


『鑑定』スキルで『解体ナイフ』の性能を確認し、クラシスとリズはお互いに性能を話し合い、「これはダメだ・・・」とか「やりすぎだわ・・・」と呟き、2人とも首を振るのだった

リウは創り上げた『解体ナイフ』が失敗したと思い、テーブルの上の『解体ナイフ』を仕舞おうとした


「ちょと待って、その『解体ナイフ』は性能過多よ・・・」

「ギルドにも武器屋にも卸せないわよ・・・」

「性能過多って?」

「『解体ナイフ』といってるけど性能は切れ味は中堅冒険者が所有する武具並の性能よ」

「それじゃ、『赤熊』も斬り裂けるほどの性能とか・・・?」


クラシスとリズの説明にリウとジャンヌが首を傾げて聞いている

ノノとココは指で『解体ナイフ』を突いていたし、アライズとアリサとアンナは『解体ナイフ』と同じ感じで『包丁』が出来ないかと思いはじめていた

シルキーとミルキーは『解体ナイフ』の切れ味が向上した事で、解体作業が捗ると思いアイテムボックス内に黒熊や大猪の解体がスムーズに行えると考えていた


「切れ味でいったら間違いなく武器屋でも高位の武具になるわね」

「それと『鑑定』スキルで見た感じじゃ、魔力の通りがいいみたいね」

「魔力の通りがいい・・・?」

「それは魔力を纏いやすいという事かな?」

「そうだね、魔力を纏えば・・・さらに切れ味が向上するね」

「この『解体ナイフ』は危なすぎるな・・・」

「それでこれはリウが初めて『鍛冶』で創り上げた物なの?」

「いあ、『鍛冶』では作って無い、魔法で創った・・・」

「「「「魔法?」」」

「そんな魔法あったかな・・・?」

「土魔法の応用と具現化魔法の発現かな」

「「「「「「「?」」」」」」


リウはアイテムボックスから1つの『鉄鉱石』の鉱石を取り出し、手の中で「ぐにぐに」と形を創り上げていく・・・

『お嫁さん達』は勿論、龍の巫女や『娘さん』達も『鉄鉱石』が、リウの手の中で粘土のように姿を変えているのを驚いて見ている

リウは『鉄鉱石』から不純物を取り除き『鉄』に変えていく


「ここまでが土魔法の応用かな・・・次に具現化魔法で・・・・こんな感じであっという間に『解体ナイフ』の完成♪」


リウは本日2本目の『解体ナイフ』を創り上げる

見た目も最初の『解体ナイフ』と同じ形状をしており、どちらも性能過多の無駄に切れ味が良かったりする


「確かに魔法で創ったみたいだけど・・・こんな魔法は見た事も聞いた事も無いわ」

「最初の土魔法の応用ってのも初めて知ったんだけど?」

「『鉄鉱石』って素手で加工が可能なのか・・・・知らなかったわ」

「いあいあいあ、普通無理ですから!!魔法で「ぐにぐに」出来ませんから!」


リズが何故か絶叫しながら『鉄鉱石』を加工したのを否定している・・・

目の前で加工しているのに信じてくれない・・・


「最後に魔法は具現化魔法って言ってたけど、その魔法は外部に知らせない方がいいわね」

「それに私達がその具現化魔法を修得するのも止めた方がいいわね」

「その技術が知り渡れば『鍛冶』の依頼が大量に来るでしょうね・・・」

「それは困る、僕は本業は『鍛冶師』じゃないし・・・てか、『鍛冶』出来ないし!」

「リウのその具現化魔法で『解体ナイフ』以外の物は創れないの?」

「創れると思うけど、武具は創る気無いぞ」

「それじゃ何を創る気なの??」

「最初は『解体ナイフ』で次は『包丁』かな・・・、追加で『中華鍋』とか『フライパン』も作りたい!」

「『包丁』はわかるけど、『中華鍋』と『フライパン』は調理器具なの?」

「鍋の一種だね、露店でも食堂でも見かけなかったし、僕が自作するのも面白いと思ってね」

「その鍋でリウが料理を作ってくれるの?」

「最初は僕が作った方がいいかな?簡単な物しか作れないけど1品作ろう♪」

「調理器具ならリウが大量生産しても大丈夫かな・・・」

「それでも性能過多になるのが目に見えてわかるから、リウの創り上げた物は外部には流失しちゃダメよ」

「それじゃ、『包丁』でも片手剣以上の切れ味になる可能性もあるの?」

「鍋が鈍器並の性能とか・・・?」

「「可能性はあるね!」」

「危険な調理器具を創り上げる『鍛冶師』ですか・・・」

「ちなみにその具現化魔法の名前はなんていうの?」

「そうだな・・・具現化魔法『創生』かな」

「「具現化魔法『創生』か・・・」」

「リウだけの魔法か・・・、そして、秘密の魔法・・・・具現化魔法『創生』ですか」


『鍛冶場』という名のリウの秘密基地が完成したのだが、そこはリウ専用の工房へと姿を変えていくのだった

その後、春までに『アイギス』メンバー分の『解体ナイフ』と『包丁』をリウからプレゼントしてもらうのだった、『トークさん夫婦』にもダンジョン住居の住人として特別に『解体ナイフ』と『ナイフ』を渡させ大事に飾るのだった・・・勿体無くて使えないとも言う


リウは『銀細工』を修得し『鉄鉱石』は魔法で『鍛冶』というより『錬金』っぽくナイフに創り変えた。

武具を創らないのはリウがヘタレだからなのだが・・・、もしくは、鉄杖使いが多き『アイギス』には武具が不必要と思ったのかは不明だったが・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ