0-27『アイギス』という名とか
「では、パーティー名『アイギス』っと・・・はい、完了です。お疲れまさでした」
次の日、クエスト前に冒険者ギルドにてパーティー名の申請に来ていた
ギルド内はクエスト前の冒険者が大勢いた、周りを見てもみんなイイ装備してるなぁ
革の鎧なのに部分的に金属で補強してたり
武器にしても業物らしき大剣やら戦斧装備してるし
あの武器とかは力が足りなくて装備できそうにないなぁ
「そういえば、今日はギルド内混んでいますね?何かあったんですか??」
ふと疑問にあった事を受付のリズさんに聞いてみた
最初は何を聞かれているのかわからない様子だったみたいで「あぁ~」という風な感じで話し始めた
「実は最近の森の深部のその先、山間部にて野犬の群れらしき集団を見かけたという報告があり、山間部方面と森の深部方面の立ち入り規制についてギルド内で会議を行っております」
「・・・森の立ち入りも禁止ですか、これから薬草採取に向かおうと思ったんですけど・・・」
「いえ、森の奥深くまで立ち入らなければ大丈夫です。もしくは、街道沿いの森の入り口とかなら規制も発生しませんの採取を行うのであれば街の周囲でお願いします」
思いのほか自体は深刻なようだ、ノノとココをみても不安そうにリズさんの話を聞いていた
「わかりました、今日は街の周囲で採取しようと思います。会議の詳細については後日伺いますのでよろしくお願いします」
「はい、了解です。それと小耳にはさんだんですがリウさんはポーションの作成も出来ると聞いたんですが・・・本当ですか?」
「少しだけですが・・・何かありましたか?」
「ギルドとしては少しでもポーションの確保に努めたいと申しますか・・・、もしもの時の為に作成可能な冒険者さんにポーションの作成をお願いしてまして・・・」
はて、ギルドではポーションを作れる事は言ってない気もするが・・・
魔道具屋か道具屋の店主からでも聞いたのかな?
買い取りしてもらえるなら冒険者ギルドでもいいか
「ポーション作成に関しては大丈夫ですけど、下級ポーションしか作成できませんよ?それと確保に動いているなら瓶とか品薄じゃないんですか?」
「瓶に関してはギルド内に保管しております、使いきったポーションの瓶を洗浄しておりますので、必要な分を持って行って大丈夫です」
瓶はリサイクルしてたのか、それなら瓶代は気にしなくていいな・・・
薬草を採取した分だけ作成して販売した方が報酬としては十分いけるだろ
ノノとココを見ても薬草採取より報酬がいいと理解している様子だ
ノノもポーション作成を少しだけ出来るという事だし
3人で作成していけば1人の時よりは効率よくポーションを作れるはずだ
「2人とも薬草採取からのポーション作成を今日のクエストとするけどいいかい?」
「大丈夫です、やれます!」
「・・・手伝う」
よし、3人ならかなりの数を確保できそうだな
採取に時間がかかりそうな気もするので瓶を貰って草原に向かいますか~
「それでは、瓶はどこにありますか?」
「こちらの倉庫にありますので、案内します!」
リズさんが倉庫まで案内してくれるみたいだ
ノノとココも後ろからついてくる、ギルド内での留守番は苦手のようだ
倉庫は階段の裏、デッドスペースの一画にあった
「倉庫・・・?」なのかな??
「すいません、ここは小物の倉庫です。瓶とか革袋とか洗浄して使えるものを保管しています」
「それで倉庫内には何個の瓶が保管しているんですか?」
「500個以上は保管していると思います。ポーションの作成依頼も瓶が無いと渋る方もいますから」
「なるほど、では、瓶は200個ほど貰ってもいいですか?200個を一度にポーションに作成するのは無理ですけど、50個ずつなら持ってこれると思います」
「わかりました、ポーション作成の報酬は通常時よりも少しだけ高めになっていますのでよろしくお願いします」
アイテムボックスに瓶を200個を保管する
今日はやる事が増えたな・・・さっそく出かけないと時間が足りないかも
リュックを背負いなおし
「それでは薬草採取に出かけますね、2人とも行こうか~」
「「はい」」
2人は早く採取に行きたいみたいで、うずうずしていた
もしかしたら、冒険者ギルドの雰囲気が嫌なのかもしれないな・・・
倉庫からギルドの中は冒険者の皆さんがたむろっていた
会議はまだ終了していないみたいだな
「街を出る前に少しだけ露店で買い物してくよ」
「何か必要なものでもありましたっけ?」
「・・・?」
2人とも不思議そうにリウを見ていた
昨日のクエストの時も装備しているものと弁当しか持っていなかったので・・・
何が必要なのかを理解はしていなかった
・・・もっとも理解よりは必要と言われれば首をひねるような事であったのだが
「露店で果物を買おうと思ってな、弁当だけだと小腹がすくんだよ。何かお勧めがあったら教えてもらえるかな?」
「それはおやつとかいうやつですか?それなら林檎とかオレンジとかいいですね」
「保存食の黒パンとかチーズとかかな?」
「おぉ、いっぱいあるんだな。なら2人には果物と保存食を選んでもらえるかな?」
「「はい」」
露店を周り、果実や保存食を1カ月分買い取った
緊急クエストの可能性があるので食料だけは自分で確保したいという思いからの買い物だった、それと少量の調味料も購入した
「ふぅ、こんなものかな?リュックにはぎりぎり入れる量だったな」
「それでも保管できるだけすごいですよ、マジックバックとしては優秀です」
「・・・いっぱいはいった」
「保存食の半分は『ひよこ亭』で保管してもらえば、採取した薬草もリュックに保管できるでしょ」
うんうんと2人は頷いていた
まずは『ひよこ亭』でリュックの中の保存食を半分預かってもらおう
それから薬草採取をする為に3人街道沿いの草原へと出かけた
やっぱり門番のライキスさんにも森での異変について色々聞く事が出来た
森の奥での異常は何カ月か前から少しずつ、本当に少しずつあったという事らしい・・・
「それじゃ、今日は街道沿いの草原で薬草採取しようか~」
「「はい!」」
昨日と同じ並びでリウ・ココ・ノノの順で草原を歩いていた
MAPを展開し、ココとノノが周囲を警戒し薬草を探す
赤マーカーの反応は少なからず反応はあるが、1~2匹の野うさぎらしき反応しかないのであえて助言も無しで歩いていた・・・
MAPで確認すると前方300m先に反応あり
さて、2人は気がつくかな?
少しゆっくりと歩みを勧めていくとノノがいきなり
「まって、前から何かいます」
「・・・野うさぎ・・2匹?」
リウは歩みを止めて、2人にしゃがむように指示を出す
「しゃべらないように」と合図を出し
「よく気がついた、あの草むらの先150mくらい先に野うさぎが2匹いるね」
「なんとなく気がついた感じかな?」
「・・・なんとなく感じた」
よしよし、2人とも漠然とだが危険回避の糸口を感じ始めているのかもしれないな
2人に小声で「ここから魔法と弓で倒そう・・」と指示を出す
2人とも「了解」を合図を出す
ノノは右の野うさぎを、ココは左の野うさぎをターゲットに狙い撃つみたいだ
リウは外した時の保険として両手に小型杖を装備して『ボルト』の準備をする
ノノとココは目で合図をし、同時に「シュッ!」「ボルト!」と野うさぎ2匹を討伐した
150mの距離からの遠距離攻撃は問題なくいける事がわかった
MAPを展開し、赤マーカーが1km圏内にいない事を確認し野うさぎを回収した
「2人ともナイス!周囲に反応が無いから野うさぎを回収しよう!」
「「はい」」
「そいうえば、2人は料理とかは出来るの?」
2人はさっと目を逸らした・・・うむ、料理スキルは無しか
これは『ひよこ亭』で晩ご飯の1品にしてもらった方がいいな
アイテムボックスにも大きめの野うさぎが2匹いるし・・・
料理スキル欲しいなぁ
「了解、『ひよこ亭』に進呈して晩ご飯に1品付けてもらおう」
「「おぉ~、焼き肉ですね♪」」
2人とも肉好きのようで嬉しそうに手を合わせていた
「それじゃ、薬草採取しましょう。この辺に薬草が多そうなので見張りは1人で十分でしょ」
「・・・見張りします」
ココが手を上げて最初の見張り役をかってくれた
自身に『身体強化』を唱え、万全の状態で見張りを行うみたいだった
リウとノノはスコップを使い、根を傷つけないように1つ1つ採取していく
昼ご飯までには薬草は130個くらいは収集を終えていた
「100個以上になったから休憩とご飯にしよう~」
「はい、いっぱい集めましたね~」
「・・・つかれた」
薬草をリュックに保管し、2人に「清潔」を唱えてからサンドイッチを食べまじめた
それと露店で購入した林檎も1つずつ配っていた
「クエストの時でもお茶を飲む時はどうしたらいいと思う?」
「水筒に水とかじゃなくですか?」
「・・・水なら魔法で出せる」
「魔法でなら水は出して飲めるけどね、温かいお茶を飲むとするとどうすればいいのかと思ってね?」
「よく聞くのはクエストの時は1泊とかする時は火のそばにポットを置いて温めるとか聞きますけど・・・」
「・・・小型の鍋でお湯を沸かす?」
「ポットとお鍋か・・・もしもの時の為に購入するのもありだな。携帯できるコンロかストーブを作るのもありだな」
「コンロとストーブってなんですか?」
「・・?」
「簡単に言うと鉄製のバケツかな、下の方に空気穴をつけたり、木を燃やして暖をとれるヤツだね、ポットや鍋も上に置いたりできるから多少の料理も出来るはずだし」
「道具屋で売ってますか?」
「・・・特注する?」
「街へ戻ったら道具屋で見てみるか?無かったら自作してもいいからさ」
「道具の自作もやるんですか?」
「・・・なんでも屋?」
「材料を組み合わせるだけで使えるようにするから大丈夫じゃないかな、見た目は期待しないでね」
「楽しみがふえました~♪」
「・・・完成したら1泊しましょ」
「あぁ、期待にこたえられるように頑張るよ。それじゃ、街に戻ろう~♪」
3人とも周囲を警戒しつつ、林檎を齧りながらの帰宅となった・・・
街へ戻ってから一度道具屋へ行ってコンロとストーブを探してみたがそれらしい品は置いては無かった
しょうがないので店主に鉄板仕様のストーブの注文をした
本来なら折りたたみで使うストーブをアイテムボックを使う前提で注文してみた
見た目は一斗缶コンロかな、
鉄板の箱の各側面の下から1~2cmの空気穴を3ヶ所開けて
上の方1/4に水平に各2ヶ所ずつ穴を開け鉄棒通す
箱の内部でクロスするように固定し
クロスした鉄棒の上に金網を載せる仕様にした
使用時に燃えカスは箱をひっくり返して掃除できるようにした
道具屋の店主は店での取り扱いとの事だったので無料で一斗缶コンロを作ってくれる事となった、急な依頼にもかかわらず明日には仕上げるとの事だった
それとは別途にポットと鍋、食器類を人数分購入した
どういう訳か別途分もサービスしてもらった・・・はて、無料は嬉しいが何かいい事でもあったのかな?
全ても道具は一斗缶コンロが完成した時に受け取る事にして『ひよこ亭』へ戻る事にした
「安く一斗缶コンロが手に入りそうだし、今日はポーション作成しよう」
「「はい」」
ノノとココはあやしい視線で道具屋の店主を見ていた気がするが・・・まぁ、いいや
一斗缶コンロは誰でも考えられるコンロだし
そのうち冒険者の1人が開発していた商品だと思いたい
「2人ともどうした、さっきの一斗缶コンロの事が気になるのか?」
「よかったの?一斗缶コンロのアイディアを店主に教えちゃって」
「・・・いいの?」
「一斗缶コンロの事は昔の人が考えたコンロなんだよ、それにアイディアとしては基礎の部分しか教えてないからね。大丈夫だよ完成したコンロはあれとは違う形なんだよ」
「「ほぇ~」」
と何かを考えているみたいだった
ひょっとしたら一斗缶コンロの改良でも考えているのかな?
「今日は限界までポーション作成してからじゃないと寝れないと思ってね!」
「「・・・はい」」
「明日はポーションをギルドに受け渡しだけにするから頑張ろう!」
「「はい!!」」
ノノとココはやる気を出したみたいだな
明日の休日は、まったりケーキを食べながら過ごせばいいだろう
それに3人で分担して作成したら、一晩かからず200個作れると思うんだけどなぁ
野うさぎの1品も晩ご飯に出してもらう手配もしておかなきゃ
パーティー名『アイギス』結成
一斗缶コンロの発注




