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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
269/354

3-269冬期間の『アイギス』⑪とか

次の日、麓の街の黒熊が姿を消した・・・

リウは簡易陣地の防壁から周囲を見渡しても見つける事が出来なかった・・・

ただ、リウのMAPでは麓の村の向こう側の草原地帯に赤マーカーが固まっているのを確認していた

リウの隣の『娘さん』も赤マーカーが固まっている方向を見つめている


「向こうに何かいるね・・・」


「はい、固まってますね」


「その中に1つ大きな反応があるけど『闇熊』なのかな?」


「どうでしょう、強そうな反応な気がしますが、『闇熊』を実際に見た事が無いので・・・」


「そっか麓の街の冒険者が対応できればいいんだけど・・・、『娘さん』から見て『闇熊』は勝てそう?」


「どうでしょう?ここからでは強敵という感じしかわかりません」


「今日の僕らは簡易陣地で様子見してよっか」


「『闇熊』の確認に行かないんですか?」


「それは冒険者ギルドの冒険者が率先してやってるんじゃないかな?」


「それもそうですか・・・、何かあれば『ハルクさん』の方から連絡が来ると思いますし」


「それじゃ、ご飯にしようか」


「はい!」


朝錬後に周囲の警戒中に発見した黒熊たちの集団、その中の強そうな反応・・・

麓の街の冒険者ギルドが気がつけばいいんだけど・・・、集まった黒熊が一斉に麓の街を襲う事になれば、冒険者たちで太刀打ちできるかどうか・・・


朝ご飯はリウが担当し、黒熊の焼串や角煮など肉料理がいっぱいで、『白銀龍』と『クロ』が美味しそうに頬張っている

『娘さん』達も葉野菜と焼肉をはさんだサンドイッチを美味しそうに食べているし、ダンジョン住居の時よりも食欲があるようで、料理番のリウは大変満足気であった


リウと『娘さん』達は食後は紅茶を飲みながらまったりしている

『白銀龍』と『クロ』は食後に『はちみつ焼き林檎』を頬張っている


「今日は防壁の向こうに黒熊がいないけど警戒だけはしておこう」


「「「「はい!」」」


「黒熊の解体を済ませた方がいいかな?」


「交代で解体を済ませましょうか」


「それじゃ、見張りと解体を交代でしようか~」


「「「了解!」」」


『なにすればいい?』


『一緒に見張りかな?』


「『白銀龍』と『クロ』は、防壁から見張りをお願いしてもいいかな?」


『『任せて!』』


この後に防壁での見張りと黒熊解体を交代をし、黒熊の解体作業を終える事になる

肉と毛皮以外の素材は、土魔法で地中奥底に埋めて処理し、肉は角煮と煮込みスープに姿を変えるのだった、時間のかかる料理なのでリウは『白銀龍』と『クロ』の3人で煮込むのだった

3人は料理完成まで焼串を頬張りながら調理場に篭るのであった

『娘さん』達も焼串を頬張りながら防壁の上で警戒をしている

『遠見』スキルで『娘さん』達は麓の街の様子を見ている

麓の街の周囲ではギルド員総出で黒熊の解体作業を確認していた

暫くすると料理の完成したリウ達も防壁で警戒作業に参加し、焼串と果実酒でまったりしながら警戒作業をする事になる


「ここからでも黒熊の討伐した数の多さが見てわかるね」


「解体作業をしているギルド員の数も凄いですが、討伐した黒熊の数が多すぎて今日では終わらないかもですね・・・」


「それにギルド員の周囲の冒険者は警戒用員ですかね」


「黒熊の反応があった方に集中して集まっているのを見るに警戒と討伐が目的じゃないですか?」


「あの中に上級冒険者のパーティーがいるのかな」


「ここからでは冒険者の強さはわからないけど、黒熊の集まっている数より冒険者の数の方が多い感じがするから、黒熊の襲撃にも何とかなるかな・・・」


「もしもの時は、僕らも討伐に参加するから・・・今日は麓の街の動向に注目してようか」


「「「はい」」」


『『うん』』


防壁の上に土魔法で小屋を作り、リウ達は焼串と果実酒で早めの晩酌を始めるのだった

一応リウはMAPを展開し、黒熊の動きを注視していた

MAPで確認したが赤マーカーが少し増えているのを感じていたが、多少の誤差と思い果実酒をちびちびと飲み始めるのだった

『クロ』はリウの膝の上で焼串を頬張り、『白銀龍』は『娘さん』の膝の上で同じく焼串を頬張っている

『娘さん』達は黒熊の方向を見つめながら果実酒を美味しそうに飲んでいる

リウは少しだけ酔いはじめたのか、『クロ』を抱きしめながら仮眠を始める

『クロ』もリウに抱きしめられながら仮眠を始める


『娘さん』はリウと『クロ』に寒くならない様に毛布をかけ、『娘さん』達も交代で仮眠を始める

『白銀龍』はリウと『クロ』の代わりに仮眠せずに周囲の警戒を始めている


この日は防壁の上で過ごす事になる

久しぶりに休日っぽく身体を休めるリウ達だった・・・





麓の街では黒熊の集団に偵察を行い、その集団の中に大型黒熊を確認し、冒険者ギルドに報告するのだった

冒険者ギルドでは防壁の外での解体作業を一時停止し、街の防壁を強化する為に土魔法の使い手に防壁の補強を始めていた

商業者ギルドではポーションを冒険者に有料配布したり、黒熊の襲撃に備えるのだった

冒険者も黒熊が草原の向こうに集まっているのを知り、黒熊討伐で稼いだ資金で装備を整えたり、これから起こるであろう黒熊との戦いに備えるのだった

冒険者ギルドの上級冒険者と中堅冒険者は、防壁の外側にも防壁を新たに作り、大型の黒熊の対応に当たるのだった

防壁上には『遠見』スキルを修得した冒険者が黒熊を警戒している

その他に遠距離で魔法を放てる冒険者も防壁に待機している



麓の街での大型黒熊と冒険者との戦闘はもうすぐそこまで来ていた


リウ達は簡易陣地でのんびりと酔い潰れていたが、麓の街での戦闘が近づいている事をまだ知らなかった

『白銀龍』だけは麓の街に迫りつつある黒熊を感じていたが、簡易陣地にすぐさま危険が無いので、気にしないで焼串を頬張っていた

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