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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
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3-265冬期間の『アイギス』⑦とか

『アイギス』の冬期間の生活は、朝錬に始まり、午前中はポーション作成をし、午後からは運動場で『木魔法』の修練をし、夜には子供達とお風呂を一緒に入り、嫁たちと仲良く寝る日々を送っていた

最近ではダンジョン地下3Fまで増改装し、遠距離魔法攻撃の修練が出来る様に改装を施していた

『遠見』スキルで1km先まで目視で確認できるので、冬期間中に1km先の的に命中する事を目標にしていた


ダンジョン住居は地上1Fに『アイギス』の住居スペースとし、地下1Fには修練場と運動場を作り、地下2Fと地下3Fは専用の修練場として増改装しつつあった

地下2Fには『木魔法』で成長過多で増えすぎた畑があり、冬期間にもかかわらず葉野菜が生い茂っていた、それにトマトやナスなど多種多様の野菜が生い茂っていた

リウのアイテムボックスに保管した野菜や乾燥野菜もあるのに、目の前に新鮮な野菜が・・・

春までに野菜の種を確保できれば、自給自足の夢じゃないな・・・


リウは『白銀龍』と『クロ』と一緒に地下2Fの畑で、馬達の為に餌用の葉野菜や人参を収穫していた

地下2Fの畑の管理はリウと『白銀龍』や『クロ』が担当し、食事番のリン達の為に1日数回収穫していた

新鮮野菜のサラダは、龍の巫女や『娘さん』達にも好評で、2Fの畑の管理も進んで手伝っていた


『アイギス』の食糧事情は、黒熊や大猪の精肉に加え、魚介類は干物を大量に所持し、野菜は乾燥野菜と2Fの野菜畑で賄えていた

乳製品と調味料と酒類は、露店で購入するしかないか・・・

乳製品に関しては、山羊か羊をしくするしかないが、馬達と同じように育てていいものか・・・

調味料や酒類に関しては露店で買うしかないわな


山羊や羊の飼育は、お嫁さん達と相談かな?


『リウ、どうしたの?』


『パパ?』


ぼんやりと思案中のリウを不安そうに『白銀龍』と『クロ』が見上げている

2人とも収穫籠には、ニンジンや葉野菜が大量に採れており、すぐにでも馬達に御馳走出来そうだった

リウは『クロ』を抱き上げ、背中を撫でながら「大丈夫だよ」と話し


「それじゃ、馬達に美味しいニンジンを御馳走しようか~」


『『おぅ』』


『馬さんたち喜ぶかな~』


「あぁ、嬉しいんじゃないかな」


『はやくいこう♪』


リウは『クロ』を抱きしめたまま、収穫籠を背中に背負い、運動場の馬達に会いに行くのだった


運動場では龍の巫女のアンリーとシンリーが、馬達に乗り乗馬を楽しんでいた

馬達も龍の巫女を乗せ、嬉しそうに駆けていた

アンリーとシンリーはリウ達が運動場に顔を出すと嬉しそうに馬から降り走ってくる

馬達のアンリーとシンリーの後ろについて来て、リウに撫でて欲しそうに見つめてきた

リウは収穫籠をアンリーとシンリーに渡してから、馬達を「今日も元気だな~」と声をかけながら撫でまわす

アンリーとシンリーは収穫籠の野菜を確認し、「今日は豪華な食事ですね」とニコニコしながら話しあっていた


「いつもありがとうございます」


「アンリーとシンリーも一緒に育てた野菜だからね、馬達にもごちそうしなきゃ」


「「えへへへ」」


どういう訳が2人とも嬉しそうに笑いあっていた

ここで馬達の世話をしてからなのか、2人とも前よりも表情が豊かになり、仕事を与えてからは生き生きと暮らしていた

運動場では馬達に加え、『白銀龍』や『クロ』も一緒に過ごしていたので、リウよりも最近ではアンリーやシンリーと一緒にいる事が増えていた

もっともクラシス達は子育てに忙しく、リン達は修練に食事の世話に忙しく、『娘さん』達はリウ達の見えない所で忙しそうにし、アンリーとシンリーの2人だけが『白銀龍』と『クロ』の相手をしていた


「そういえば馬達の世話は慣れた?」


「この子たちですか?」


「私達の言葉を理解しているみたいで、世話というより話し相手をしてもらってます」


「それに『白銀龍』様や『クロ』様も一緒に話し相手をしていただいてます」


「はい、毎日が楽しいです」


『毎日お話してる~』


『毎日林檎貰ってる~』


『白銀龍』と『クロ』もここでの事は楽しみにしている様だな

運動場には『白銀龍』や『クロ』の好物の、焼串や焼鳥を炙られる様に簡易コンロが置かれており、いつでも間食出来るようになっていた


地下1Fの運動場と本拠地の地下施設は開通されており、ゆっくり乗馬するのに十分な距離があり、アンリーとシンリーは弁当を持参し、乗馬を楽しんでいた

『白銀龍』や『クロ』と一緒に乗馬を楽しみ、冬期間なのに春先の陽気な室温の中乗馬をしていた


シルキーとミルキーも乗馬を楽しんでいたが、最近では馬に乗るよりも馬達を撫でながら話しかける日々を送っていた

子供と一緒に馬達に話しかけているのをリウは何度か見かけたが、なんともほんわかした感じで見ていてほっこりしていた

アンリーとシンリーも子供と一緒に馬達に話しかけているのを見かけ、馬達を初めて見た子供は驚きつつも「きゃきゃ」と嬉しそうに笑っていたのを覚えていた


「そういえば『アイギス』では馬達を増やさないんですか?」


「馬達ですか?2頭いますけど・・・」


「『アイギス』の箱馬車は大きすぎて2頭では少ない気が・・・」


「まぁ、見た目以上に馬達には過剰負荷にはなっていないんだけどね、実際には『浮遊』の魔法で浮かせているだけどね」


「馬達が飾りなのか、箱馬車が飾りなのか、それとも『アイギス』の実力が凄いのか・・・」


「それに子供達が大きくなるまでは、クラシス達と一緒に旅をするのは無理だしね」


「それではリウさん達はもう旅をしないんですか?」


「今のところ本拠地での生活をしっかりしていきたいし、果樹園や水田に畑の管理をしたいし、遣りたい事を全部やったら旅に行くかも・・・」


「その時は私達も同行していいですか?」


「アンリーとシンリーも旅をしたいの??」


「「はい、行きたいです!!」」


「そかそか、それなら今度の『米』の購入時にでも一緒に行くか?」


「それは『犬耳族』の集落にですか?」


「そうそう、本拠地でも育てる予定だけど、『種籾』の購入もしたいし、ついでに『米』の買い出しもね・・・いっぱい欲しいじゃん」


「それなら半年後楽しみにしてますね」


「勿論『白銀龍』様や『クロ』様も一緒に行けるんですよね?」


「そうだよ、少数精鋭で向かうつもりだし、急ぎの旅になるからそのつもりでね」


「はい、負けない身体作りの為に毎日の修練を頑張ります!」


「私も足手まといにならないようにします!」


「あまり気負い過ぎないようにね」


「「はい」」


「これで半年後の楽しみが増えたね、それまでに装備を整えたり、僕がいなくても大丈夫な様に本拠地の整備を整えなきゃな」


「『アイギス』では人を雇ったりしないんですか?」


「農場や果樹園での作業員って事ですか?」


「はい、仕事の分担は必要だと思いますが、無理な仕事は身体を壊すので・・・やってほしく無いです」


「その時は長老の『アスキーさん』や『ヘンリーさん夫婦』に相談します」


「それがいいです、人を雇えるなら収穫期前に旅に出れますし、雪が降る前に戻って来れます」


「無理な旅は馬達にも負担増で大変です、ゆとりある旅をお願いしますね」


「アンリーやシンリーの初めての旅が、心に残る最高の物になる様にしますね」


「「はい、楽しみにしてます」」


アンリーとシンリーはにこりと微笑み、半年後の旅の心躍らせていた

馬達と『白銀龍』『クロ』も半年後の旅の事を話し合っているみたいだ


さて、人を雇うにしろ、旅に行くにしろ、お嫁さん達と相談しなきゃなぁ

今度はクラシス達と初の別行動だし、リン達も本拠地に残るだろうし・・・、しっかり相談しなきゃなぁ



半年後にアンリーとシンリーとの箱馬車の旅を予定します。


『米』と『種籾』の購入旅行。

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