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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
263/354

3-263冬期間の『アイギス』⑤とか

次の日はリウは1人で麓の街を訪れていた

まずは商業者ギルドに野犬や黒犬を全部納品し、『アイギス』の活動資金を増やしていった

次に黒熊4頭の解体をお願いし、昼頃に精肉と毛皮の受け取りに来ると告げ、魔道具屋の『ハルクさん夫婦』に会いに行く事になる

昨日の夜にリン達に『結婚』を了承してもらい、今日は『ハルクさん』に『結婚』の報告に来ていた

それとクラシス達の出産の報告もするつもりでいた

リウは『結婚』の報告という事で、少しばかり緊張していた

魔道具屋の扉に手をかけ、リウは深呼吸した後に、魔道具屋の扉を開けるのだった


「おはようございます」


リウは魔道具屋に入ると同時に元気よく挨拶をしたが・・・、返事が無い?

店内は静かで人の気配は・・・、店の奥から人が近づく気配が・・・


「リウさんでしたが、お久しぶりです」


慌てた感じで『ハルクさん』がエプロンを締めながら現れた


「そうですね、今日は出産の報告と『結婚』の報告にきました」


「それはおめでとうございます、出産という事はクラシスさん達のお子さんですか?」


「嫁さん達が仲良く無事に出産しました」


「それは良かったです、リウさん達は魔力量が多かったので、子供が出来にくいと思ったのですが・・・、あまり関係無かったみたいで安心しました」


「それでも子供10人が一同に泣き出すと・・・、こっちが泣きたくなりますけどね」


「それは幸せな事だと思いますよ」


「確かに幸せが溢れていますね、子育てに関しては苦になる事は無いですね」


「それはリウさん達が愛されていたからじゃないですか?」


「そうなんでしょうか・・・自覚は無かったんですが」


「それなら今のままで子育てをしていけば大丈夫ですよ」


「わかりました、このまま育てていきますね」


「それで『結婚』の報告という事でしたが・・・?エルフの集落で誰か『結婚』するんですか?」


「リン達との『結婚』の報告です、彼女達には『結婚』の了承を頂きました」


「リン達・・・?リンさん達のパーティーメンバーとの『結婚』ですか?」


「はい、リン・アンズ・ヘンリー・ライム・ジルの5人です」


『ハルクさん』はヘンリーの名前が出た事に驚きこそすれ、反対する訳でもなく、納得した感じで頷いている、「ちょっと待って下さい」とリウに声をかけ、部屋の奥へ歩いていく

どうやら『ハルクさん』は『シルクさん』に『結婚』の報告をしてるんじゃないかな?

『シルクさん』に反対されたらどうしよう・・・、1人だけ『結婚』出来ないとかは避けたいけど


暫くすると『ハルクさん』は『シルクさん』と一緒に戻ってきて、2人ともリウに握手をしながら


「「ありがとう、これで魔道具屋は安泰です!」」


と声を揃えて話している、『魔道具屋は安泰?』と首を傾げていると


「はい、ヘンリーが店を継いでもいいし、リウさんとの子供が店を継ぐという事です!」


「それに関しては、要相談ですが・・・僕との『結婚』は了承したと考えていいんでしょうか?」


「「はい!」」


「お嫁さんが多いですが、良いんですか?」


「それについては反対では無いです、むしろ賛成です」


「ヘンリーは冒険者としては、中堅冒険者になれる実力はありませんでしたが、リウさん達『アイギス』と一緒に行動する事になってから、修練の大事な事を学び、本来の実力以上の力を身につけました、このままリウさん達を別れ冒険者として生活可能でしたが、あの娘さん達はリウさん達が旅をしている間も、日々の修練を怠らず、討伐依頼よりも薬草採取やポーション作成など、名声よりも堅実な依頼をしていました」


「それに簡易陣地での生活は、麓の街で暮らすよりも暮らしやすいのが一番だと思いますよ、私も魔道具屋をやっていなければ簡易陣地で暮らしたいほどですし・・・」


「何よりリウ達5人は、ずっとリウさん達の帰りを待っていました、実際『アイギス』加入をしても安心していなかったと思います、今回のリウさんとの『結婚』は私達も嬉しい事です」


「ありがとうございます、それと冬期間前に子供の顔を見に来てもらいたいんですが?」


「それは勿論、ヘンリーに『結婚』の事を祝福したいですし、リウさんの家族を見に行けるのなら、魔道具屋を休んでもエルフの集落に伺います」


「冬期間中はエルフの集落の『アイギス』の本拠地では無く、朽ちた崩れたダンジョン跡を改装した『ダンジョン住居』で冬を越します」


「奥の森のダンジョン跡ですか・・・?」


「はい、長老の許可を頂きましたし、それと『黒き龍=クロ』が『ダンジョン住居』で『白銀龍』と一緒に暮らしてますよ」


「『黒き龍』がエルフの森に戻ってきたんですね・・・良かった」


「『クロ』というのは『黒き龍』の名前ですか?」


「はい、ダンジョン跡の深層部で保護しました、記憶喪失で一時的に『クロ』と名付けて一緒に暮らしてます」


「その事はエルフの長老は知っているんですか?」


「勿論です、ダンジョンの深層部で微弱な反応を感じたので、許可を頂きダンジョン探索をして、現在はダンジョン内に部屋を作り暮らしてます」


「それは一度伺いたいですね、ダンジョンを住居に改装したという話を聞いた事が無いですし」


「エルフの集落の更に奥の森に住んでいるので、雪降る前に訪ねてもらった方がいいです」


「それではリウさん達は冬期間は麓の街に戻って来ないんですか?」


「子供もいるし、今日は色々買い溜めするするので、『ダンジョン住居』に篭る暮らしになると思います、冬期間はポーション作成や修練の日々になると思います」


「春になると大量のポーションが流通するんですか・・・、値崩れしそうで怖いですね・・・」


「その辺はギルドと魔道具屋の両方に納品するので・・・大丈夫じゃないか・・・」


「リウさん達のアイテムボックスに保管してもらった方がいいですね、それか他の集落のギルドに納品とか考えた方がいいですね」


「その辺は春になったら考えます、もしもの時は相談しに来ます」


「それが良いかも知れませんね、それと今日はすぐに帰るんですか?」


「買い物したら帰ります」


「それでは私達も一緒に連れて行ってもらっていいですか?」


「私達?2人ともですか?」


「はい、魔道具屋は休んでも良いので、まずはリウさん達の子供たちを見に行きたいです」


「私は『クロ』様に会いたいです」


「わかりました、買い物後に迎えに来ますので待っていて下さい」


「「はい、準備してますね」」


「それと『銀の指輪』と『藍色のマント』はありますか?」


「ありますよ、魔法付加に時間がかかりますが・・・どうしますか?」


「魔法付加は僕がしますので、『銀の指輪』を5つと『藍マント』は大量に欲しいです」


「少し待って下さいね・・・」


『シルクさん』はそう言い陳列棚から『銀の指輪』と『藍マント』の在庫確認をしている


「『銀の指輪』は5つありますね、『藍マント』も35枚ありますが、どうしますか?」


「それでは『銀の指輪』5つと、『藍マント』35枚いただきます、それと『藍色』のバンダナはありますか?」


「はい、それなら大量にありますけど・・・」


「『藍バンダナ』20枚お願いします」


「それではリウさんが迎えに来た時にお渡ししますね」


「お願いします」


リウは野犬や黒犬を納品した報酬がたっぷりあるので、すぐにでも支払い可能だったが、まずはクラシス達に頼まれた物を買ってからの方がいいか・・・

リウは魔道具屋を出て、露店を巡り頼まれた物を購入し、追加で焼串や焼鳥なども大量購入し、それ以外に乾麺なども大量に購入し、パスタなどの麺類も食卓に並ぶ事になる

食料に関しては、じゃがいもやさつまいもは箱買いをし、保存のきく干物も箱買いをし、ダンジョン住居での食糧過多の原因になるのだが・・・


一応、酒類も購入するのだが、麦酒は樽で1個購入し、果実酒は樽と大瓶で大量に購入した

『アイギス』の飲兵衛が子育てで酒断ちするとは思わないが・・・

酒はあっても邪魔にならないし、飲まないなら貯蔵庫やアイテムボックスに保管すれば大丈夫だろ


リウは魔道具屋に迎えに行く前に、商業者ギルドで解体した黒熊を受け取りしてから、『ハルクさん夫婦』と一緒にダンジョン住居へ戻るのだった


ダンジョン住居に戻ってから、来客用の部屋が無い事に気がつき、リウは戻ってから急ぎ部屋を作り上げるのだった

2人部屋という事で、10畳の部屋にベットを作り布団を敷き、テーブルとイスを作成し、部屋の隣にお風呂とトイレを設置し、宿屋の様な部屋を作り上げ、部屋の入口に『ハルクさん夫婦の部屋』というプレートを打ちつける


「これで『ハルクさん夫婦』の部屋が完成っと!」


ヘンリーの『結婚』報告とリウの子供を見に、『ハルクさん夫婦』がダンジョン住居』を訪ねる。


こっそり『ダンジョン住居』に『ハルクさん夫婦』専用の部屋が出来上がる。

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