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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
262/354

3-262冬期間の『アイギス』④とか

ダンジョンの増改装は『白銀龍』や『クロ』の手伝いもあって、ダンジョン宿泊5日後には本拠地のメンバー全員が寝泊まり出来るスペースを確保できた

地下1Fから本拠地の地下施設も新たに通路を作成し、馬達もダンジョン地下1Fの修練場兼運動場で元気に走り回っていた

運動場はダンジョン構造を無視した作りになっており、運動場は500mx500mの広めに作り馬達も気持ち良く駆けているのが見てとれた

運動場は『木魔法』で前面に草花を植え、ダンジョン特有の暖かさもあり、休憩や昼寝に最適な環境になっていた

修練場は運動場と兼用になっていたが、新たに12畳の修練部屋も作成し、個人での修練は修練部屋を使用し、団体での修練は運動場を使うようになっていた

運動場の管理は『娘さん』達が交代で管理を行い、シルキーとミルキーも子育ての合間に馬達とふれあいをしていた


ダンジョンで5日間の生活で、暖房無しで住めるという事で、クラシス達が子供たちと一緒に引っ越し作業をしていた

本拠地の地下施設とダンジョンの地下1Fが開通していたし、必要な衣服や道具などはマジックバックやアイテムボックスに保管して持ち運んでいた

調理場の食糧も一緒に運び、本拠地の扉は厳重にカギをし、冬期間の間進入不可能にした

それと引っ越しは、地下施設からダンジョン地下1Fへ移動し、安全に重点を置いた移動を心がけた


ダンジョンに到着後、クラシス達は子供たちと一緒に子育て用の部屋でまったりし、龍の巫女達や『娘さん』達も自分達の部屋の整理に向かい、リウとリン達は調理場で食事の準備を行い、この日最初の食事をするのだった


食事をしながらクラシス達は、ダンジョン内なのに本拠地並の生活空間に驚きつつも、子供をあやしながら食事をしていた


「それにしても暖房無しで暖かいのは不思議ね~」


「一応は暖炉も作ったんだけど、必要無いかも・・・」


「生活する分にはダンジョン暮らしでいいかも」


「雪降る前に麓の街へ行って、子供の衣服や必要な物を購入してくるから、欲しい物は教えてね」


「そうですね、子供服は欲しいですね・・・、それと自分達でも裁縫をしたいので、布と裁縫道具を一式お願いします」


「食料も肉ばかりでは困るので、野菜は・・無いと思うので、乾燥野菜や干物など欲しいですね」


「果物いっぱい欲しい、子供にも食べさせたいのでよろしく」


「在庫はありますが、調味料もお願いします」


「子供服と布と裁縫道具に、乾燥野菜に干物と果物と調味料と・・・了解」


「明日の午前中に麓の街に買い出しに行ってくるよ」


「お願いしますね、それと『ハルクさん』にも引っ越しした事を伝えて下さいね」


「『ハルクさん』にも?」


「もし『アイギス』の本拠地を訪ねても困るしね」


「それもそうか、それと食堂の壁にダンジョン住居の地図と、ダンジョン周辺の地図を書いておいたからね」


「ダンジョン周辺の地図?」


「リン達のお願いして、薬草採取場所を書き記してもらったんだ」


「「「「がんばりました!」」」


「冬期間中のポーション作成用の薬草類は、ヘンリーのアイテムボックスに保管してあるから、これでポーションの納品で暮らせそうです」


「それでも雪が降るまで薬草採取は・・・しないの?」


「薬草採取は雪が降るまでキッチリやります、採取場所は確保していたのでギリギリまで採取してもらいます」


リウのその一言で、リン達は元気に頷き、何故か『娘さん』達も一緒に頷いていた


「冬前に野犬や黒犬の毛皮もギルドに納品するけどいいかな?」


「野犬や黒犬だけ?黒熊の毛皮はどうするの?」


「黒熊の毛皮は部屋の敷物にするつもり、各部屋に敷ける分は保管してあるから、こっそり部屋に敷いておくね」


「「「「ありがとうございます」」」


リン達や龍の巫女や『娘さん』達は嬉しそうに答えてくれた


「冬期間前なので野犬や黒犬の毛皮でも、結構な報酬額になると思うので、この機会に解体前の野犬や黒犬もギルドに納品してみては?」


ギルド員だったクラシスやリズは、冬期間前のギルド内で需要のある物資を知っていたので、野犬や黒犬などでも毛皮や肉など、安値で出回る商品がギルドに集まる事を期待していたので、リウは野犬や黒犬をギルドに納品する事にした


「アイテムボックの整理も含めて、野犬や黒犬は全部ギルドに納品するとして、ココやリズのアイテムボックスには野犬や黒犬は保管してる?」


ココとリズはアイテムボックス内を調べて・・・、2人とも首を振り、「ないです」「私も持ってない」と教えてくれた

ヘンリーも同じくアイテムボックス内を調べ、「あります!」と手を上げたので


「それじゃ、食後に渡してもらっていいかな?」


「はい、食後にお願いします」


「これでアイテムボックスには、黒熊と大猪とホロホロ鳥と『赤熊』だけか・・・」


「それだけでも大したものですが・・・」


「黒熊などは解体する必要があるし、解体はダンジョンの外でやるから・・・、雪降る前に数頭は解体するか・・・」


「麓の街で買い物に行くなら、ギルドで解体をお願いしてもいいかも知れませんよ?」


「解体料はそんなにかからないはずなので、野犬や黒犬のギルド納品で賄えると思いますが?」


「黒熊4頭位なら買い物中に解体出来ると思います」


「明日の予定はこれでいいとして、みんなは午後からどうするの?」


クラシス達は交代でダンジョン住居の探索をするみたいだし、龍の巫女達も同じくダンジョンの中を地図を見ながら探索するみたいだ

護衛の『娘さん』達は、部屋の片づけをした後は、ダンジョン前の『塔』の補修をするみたいだった

リン達は引き続き薬草採取に出掛けるみたいだし・・・


「私達は子供を見ながらダンジョン内を歩いてみますね」


お嫁さん達はダンジョン探索を子供と一緒にやるみたいだが、子供たちの昼寝をするはずなので、実際はダンジョン探索よりも仲良く昼寝をしそうな気配が・・・


「私達は地下の運動場で馬達の世話をしていいですか?」


龍の巫女の2人は、本拠地にいたころからシルキーとミルキーに変わり馬達の世話を率先して行っていた、馬達も巫女の2人に懐いていたのでシルミルもニコニコしながら頷いていた


「冬期間中も『塔』を使えるように、暖炉や煙突を増設しておきます」


『娘さん』達数人は、『塔』の補修増設をするみたいだ


それとリン達は薬草採取をするし・・・


僕と『白銀龍』と『クロ』はどうしようかな・・・


「それでリウはどうするの?」


ノノは子供を抱きながらリウに聞いてきた

ココやジャンヌも子供を抱きながら話を聞いていた


「久しぶりに子供と一緒に過ごそうかな」


隣に座るノノの頭を撫でてから、『ノーズ』を抱きかかえ


「今日はパパと一緒にいような~」


と話しかけるのだった

『ノーズ』は嬉しそうにリウを見つめながらニコニコし、小さな手でリウの顔をペタペタさわり


「かわいいのぉ♪」


子供を抱きかかえるリウを、お嫁さん達はニコニコしながら見つめていた

さすがに一度に2人以上の赤ちゃんを抱きしめるのは無理なので、時間を決めて交代で子供たちを抱っこしていった

リウは子育ての部屋で黒熊の敷物を敷き、大きめの布団の上で子供たちをあやしていた


「そういえばエルフの長老や『ハルクさん夫婦』は、『アイシス』達に会った事は・・・」


「多分、『アイギス』メンバー以外は会った事無いんじゃ?」


「出産時に産婆さんとかエルフの主婦のみなさんは、『アイシス』達を見たはずですが・・・、大きくなった子どもたちには会ってませんね」


「やはり一度、長老と『ハルクさん夫婦』はダンジョン住居に招待した方がいいかな?」


「子供にも会ってもらいたいし、それにヘンリーの事も話し合いたいし・・・」


「リウはヘンリーというか、リン達の事も考えているんでしょ?」


「まぁ、彼女達の事は好きだけど、クラシス達はいいのかい?」


「んー、良いも悪いも彼女達の事は私達も好きだし、今よりも仲良くなると思うし・・・」


「リン達がこのままでは不憫すぎます、彼女達には子供が出来るまで我慢してもらいました」


「リウが思うより私達は、彼女達の事を気にいってます」


「今更お嫁さんが増えた所で『アイギス』に困る事は無いでしょ?」


「生活基盤もしっかりしてるし、『アイギス』の暮らしは他の集落よりも、財政面でも衛生面でも数段上ですし、何より魔力の修練や棍の修練により、今なら『氾濫』にも対抗できるほど実力を有してます」


「『氾濫』に対抗って、僕よりもクラシスやノノ達の実力が凄いんだけどね・・・」


「それはリウの教えがあっての事ですよ、リウはもっと自分の事を誇ってもいいんですよ?」


「そうですね、リウは自慢の旦那様です」


ジャンヌの『自慢の旦那様』の一言に、クラシスを始め他のお嫁さん達もコクコクと頷いている

リウは少しだけ嬉しくなり、ジャンヌを抱きしめながら耳元で「ありがと」とこっそりお礼を言い


「それじゃ、今日の夜にでもリン達に話をするよ」


「リン達もお嫁さんになるんだね!」


「『アイギス』がリウのお嫁さんパーティーになる!」


「もしくは、『アイギス』はリウの家族=ファミリーになるんだね!」


「ギルドに『アイギス』をパーティーからファミリーに変更をお願いするか・・・」


「それがいいですね、『アイギス』はファミリーに適していると思います」


「パーティーとファミリーの違いは?」


「個人の寄せ集めという形式から、家族で依頼を行うという感じかな?」


「『アイギス』の結束力は上がりそうだね」


「忘れちゃいけないけど、明日はリン達に『銀の指輪』と『藍マント』を渡してね」


「『銀の指輪』は結婚指輪だけど、『藍マント』は?」


「『アイギス』のお揃いのマントは渡した方がいいと思うよ、私達のはマントに刺繍をしてあるけど・・・」


「それならみんなの分も『藍マント』を新調しようか、『白銀龍』と『クロ』にも『藍のバンダナ』を渡したいしね」


「龍の巫女や『娘さん』達には『藍マント』は渡さないの?」


「彼女達も『アイギス』の一員と考えていいのかな・・・」


「それはリウ次第だと思いますよ、彼女達は私達と一緒にいますが、元は『白銀龍』や『クロ』を第一と考えていたみたいですが、今では仲間意識よりも家族意識が強くなったみたいですよ?」


「それじゃ、『藍マント』を渡しても迷惑じゃないのかな?」


「迷惑よりも『白銀龍』や『クロ』とお揃いと喜ぶんじゃないですか」


確かに出産や産後は凄く助かったし、今でも子供の世話もしてもらっている

クラシス達10人が冒険者として活動できなくなったのに、今まで通りの暮らしが出来るのは、龍の巫女達や『娘さん』達の御助力あっての事だし、リウの考え過ぎな気もするし、感謝の意味を込めてプレゼントするのもイイかもな


「それでは全員分の『藍マント』を用意します、龍の巫女達や『娘さん』達には日々の感謝を込めて贈ろうと思います」


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