3-259冬期間の『アイギス』①とか
新年最初の投稿です。
今年もよろしくお願いします。
『クロ』とリン達が『アイギス』に加入してからは、リウは夜はクラシス達と妊活に励み
日中はリン達5人と薬草採取や黒熊や大猪の討伐に励んでいた
住まいもリウはクラシス達と一緒だが、リン達とは食事などは一緒だが寝室は別にしていた
これはクラシス達お嫁さんの事を第一に考え、リウが決めた事だが実はクラシス達とリン達の間に密約があったのをリウは知らないだけだっだ
密約の内容は、「クラシス達10人に子供が出来たらリン達5人もお嫁さんとして認める」という事だった
これにより、リン達はリウに必要以上に接触を避け、お嫁さん達との時間を多くとるように努力する事になる
この密約は龍の巫女や『娘さん』達の間でも噂され、『アイギス』の本拠地ではリウの子供の誕生を心待ちにしていた
リウ達は妊活という事で最近では酒も飲まずに、夜は眠る日々を過ごしていた
クラシス達もリウを独り占めできるという事で、毎日楽しそうに過ごしているのを龍の巫女や『娘さん』達が見ていた
暫らくしてクラシスとリズの妊娠が確認されると、アライズやアリサなど次々とお嫁さんの妊娠が確認され、妊活半年でお嫁さん全員がリウの子供を身籠る事になる
クラシスたアライズは泣きながら喜び、ノノやココ・シルキーやミルキーは自分の中の新しい命に不思議な気持ちと嬉しい気持ちが合わさり、やはり泣きながら喜んでいた
それからの『アイギス』の本拠地では、エルフの産婆が数人住み込みでお嫁さんの世話を始め、リウやリン達は産婆さんの住居を急きょ作成し、出産用の『かまくら住居』を作り、お嫁さん10人が同時に出産しても大丈夫な様に対策をしていった
流石に10人同時出産は無いと思われたが、それから半年後にはクラシスの出産から7日後の間に、出産ラッシュになり子供の世話に手が回らないという事で、エルフの主婦数名に出産後の子供の世話をお願いしながら、クラシス達の体調回復を務める事になる
クラシスは男の子を出産し、『アイシス』と名付け
リズは女の子を出産し、『ライズ』と名付け
ノノは男の子を主産し、『ノーズ』と名付け
ココは男の子を出産し、『コメット』と名付け
ジャンヌは女の子を出産し、『ダルク』と名付け
アライズは女の子を出産し、『クラス』と名付け
アリサは男の子を出産し、『カリス』と名付け
アンナは男の子を出産し、『カンヌ』と名付け
シルキーは女の子を出産し、『アール』と名付け
ミルキーは男の子を出産し、『カール』と名付けた
子供の名前はお嫁さんの希望によりリウが名付けたのだが・・・一度に10人の名前を思いつくはずも無く、リン達や龍の巫女達にも協力してもらっていた
子供の誕生により、産婆達が住み込みで住んでいた住居を増改築し、子供たちの部屋として活用する事になるのだが、子供部屋を使う年になるまでは、お嫁さんと子供は一緒に寝るので、リウは子供たちのお風呂係りとして、毎日1時間以上浴槽で子供とのスキンシップをとるのだった
リウの子供たちは、生まれた時から魔力が高いのは『アスキー』を始め、エルフの産婆も確認していたが、そんな事はリウ達には関係なく、ただ健やかに育てばいいと思っていた
流石に一度に10人の世話はクラシスやリズには無理なので、『娘さん』達にもお願いし子育てに励む日々を送っていた
今日は子供達のお風呂を終え、久しぶりにクラシス達と一緒のお風呂を満喫していた
10人とも出産後には、お母さんになり一段と綺麗になっていた
「みんな何事も無く出産出来て良かったよ、ありがとう元気な赤ちゃんを産んでくれて」
リウはお風呂に浸かりながら、クラシス達10人に頭を下げていた
クラシスやリズは泣きながらニコニコし、アライズも涙ぐみながら笑顔で答えていた
「こちらこそ、本当なら子供の出産は危険事なんだけど、エルフの産婆さん達のおかげで、無事に出産出来たよ」
「それもリウのおかげだよ、リウがい無かったらここまで安心して出産出来たがどうか・・・」
「私も同じ意見だよ、街や村には産婆さんはいるけど、エルフの集落の様にベテランの産婆さんはいないからね・・・、出産を安心して迎えられたのは、リウがエルフのみんなに認められたのが大きいだよ」
「だから私達は、リウにはありがとうと伝えるんだよ」
「それと子供に素敵な名前をありがとう!」
「帰れる場所を作ってくれてありがとう!」
クラシス達は出産の厳しさや出産の難しさを知っていたので、10人全員が無事に出産出来たことの喜びをリウに伝えたかった、感謝を伝えたかった、素敵な名前を子供に贈ってくれた事も、帰れる場所を作ってくれた事も、全部感謝してもしきれない事をリウはしてくれた事を・・・
リウはお嫁さんの事が好きで大事にするのは当たり前だし、子供の事を第一に考えるのは当然だと思っていた
「お嫁さんを大事に思うのは当たり前だし、子供は僕らの宝なんだからさ」
リウはクラシスやリズを抱きしめながら話しだすと、クラシス達は又泣き出し
「ありがとね、うれしいよ・・」
「うんうん、ありがと・・」
「そだね、宝物だね」
ノノ達もリウに背中から抱きしめ、リウを中心に11人で浴槽で抱きしめ合うのだった
この日は、11人で心身ともに温め合い、そして子供たちを『娘さん』達に任せ、夫婦水入らずに眠るのだった
『娘さん』達は、リウ達の子供を世話は『白銀龍』や『クロ』と同等と考え、慎重に扱うのだが、リン達や龍の巫女達と一緒に過保護に世話をしていくのを、リウ達が知ったのはかなり後になってからだった
出産が冬前という事もあり、リウ達は本拠地で過ごすか、ダンジョン跡地で過ごすかを悩んでいた
冬の本拠地は雪が積もり、外に出るのも一苦労するので、地下施設で暮らす事になる
子供用品購入時に冬場の薪や調味料などは大量に買い込んであり、食料には問題無いのだが、毛皮の加工が出来ていないので、黒犬のみギルドに納品し加工済みの毛皮を大量に受け取り、敷物や毛布として本拠地のメンバーには配っておいた
「それで冬期間中はどこで暮らすの?」
クラシスがアイシスを抱きしめながら聞いていたので
「本拠地でも良いけど、冬の寒さは去年以上だし、ダンジョン跡地の地下施設に行こうと思う」
「そこは寒くないの?」
「何故かダンジョン内は一定の温度を保っていて寒くは無かったはず・・・」
「ダンジョン内の整備をしていて気がついたんですが、地下1Fと5Fでも室内の温度に変化は無かったと思います、地下熱で下がらないのかと割れますが・・・」
「地下熱か・・・、この山は火山という事は無いよね?昔に噴火してとか・・・聞いた事無い?」
「火山で噴火ですか・・・、そのような話を聞いた事はありませんね」
リズの火山噴火について、『娘さん』達も聞いた事が無いか・・・
ダンジョン特有の効能とか効果が原因なのかな・・・
朽ち崩れたダンジョンのはずなので、ダンジョン機能が生き残っているとは考えたくないが・・・
「それじゃ、明日から僕とリン達でダンジョンの整備と調査をしてくるよ、子供の事はクラシス達に任せるけどいいかな?」
「任せて、本拠地で冬期間過ごす可能性のあるから、本拠地の冬支度をするね、それ馬達は明日から本拠地の地下施設で暮らすからね、寒さが本格化する前に寝床を変えた方がいいし、それに馬達は今まで頑張ってもらったけど、そろそろ引退を考える年だし・・・、」
「そっか、明日は馬達に挨拶してからダンジョンへ向かうよ、確かに馬達がいてくれたからここまで来れたしね・・・、地下施設では乗馬や散歩も十分にできる広さを確保してるから、もしもの時は、本拠地を留守中に人を雇って馬達の世話をお願いするのもいいかも」
「冬期間中ならエルフの長老にお願いして、働き手を紹介してもらいましょうか」
「その辺は、龍の巫女達や護衛の『娘さん』達に相談して決めましょ、ダンジョン暮らしの場合はお願いするという前提でお願いすればいいでしょ」
「ダンジョン暮らしをするにあたって、地下5Fまであるけど調理場と食堂と、各寝室はどれくらい用意したらいいかな?」
「調理場と食堂はダンジョンに1つあればいいと思うけど、メンバー全員で食事をするとして・・・、420畳の食堂と5人くらいが調理できる、広めの調理場と貯蔵庫は欲しいし、寝室は子供たちを一同に寝れる広さも欲しいなぁ・・・、部屋の数と広さはリウ達に任せるからお願いね」
「了解、今の構想では地下1F~5Fまでに調理場と食堂と寝室は完備して、寝室とトイレお風呂は各部屋に作るつもり、暖房に関しても地下1Fと地上1Fにだけ作っておけば大丈夫だと思う」
「それと、明日はダンジョンに泊ってね、リウとリン達5人で各階層に寝泊まりして、部屋の温度の変化と各部屋の安全性を確かめて下さい、部屋の中で寝てもいいし、夜通し起きていてもいい、やってもらいたいのは冬期間中でも安心して過ごせるかどうか・・・・、明日の調査次第ではダンジョンの本格的な住居作りと引っ越しと行います」
「もちろん、ダンジョン暮らしになったらシンリーとアンリーの巫女達は勿論、『娘さん』達も一緒に行くからそのつもりで!」
「「喜んで!」」
「「「「「勿論です!!」」」」
「時間があれば、本拠地の地下施設とダンジョンを結びたいんだけど、それは冬期間に突入してからでも大丈夫でしょ♪」
「冬期間は日長一日ゆっくりまったり地下道を作るのも楽しいかも~」
この日から、本拠地の冬に向けての整備が始まる
ダンジョンもまた安全性の確認を行う事になる、ダンジョンはエルフの集落の更に森の奥という事で、土壁を高く厚くする必要もあるし、外敵からの侵入を防ぐにあたり、常備『塔』からの監視も必要とするので、ダンジョンと『塔』とを結ぶ地下通路の確保も実施する事になる
尚、『娘さん』達は本拠地でもダンジョンでもどちらで暮らしても大丈夫な様に、地下施設には草花を咲かせ、ダンジョン内にも草花を咲かせる為に頑張るのだった
一方その頃、馬小屋では『白銀龍』と馬達から、これまでのリウ達との旅の話を聞かせれ、『クロ』は目を輝かせていたのは秘密である
リウと10人の子供たち、そして、本拠地完成と共に冬期間直前で、ダンジョン内部を住居にできるか・・・。
エルフの集落の外れで『アイギス』の冬越えが今始まる。




