2-252『アイギス』の本拠地の作成①とか
次の日、リウと『白銀龍』はエルフの集落の『アスキー』を訪ねていた
『白銀龍』と一緒という事もあり、集落で暮らすエルフ達には歓迎されていた
やはり見た目が女子中学生にしか見えない『アスキー』はリウと『アイギス』の本拠地について話し合いを始めていた
「『アスキー』さん、ひさしぶり♪」
「久しぶりに会いに来たのぉ、『白銀龍』様も久しぶりです」
『おひさ♪』
「それでエルフの集落の近くに『アイギス』の本拠地を作るという話を聞いたんだが?」
「昨日『ハルクさん』にも話したけど、一軒家と農場を合わせた本拠地が欲しい」
「農場・・・?麦や畑でもやるのか?」
「今の考えているのは、『稲』と『林檎』は育てたい」
「『稲』・・・?『林檎』・・・??」
「『稲』は脱穀すれば『米』になり僕が大好き、『林檎』は『白銀龍』が大好き」
『林檎好き♪』
「『白銀龍』の林檎好きって言ってます」
「『ハルク』の手紙に書いてあった場所に本拠地を作るのはいいが、『白銀龍』様も『アイギス』の本拠地に住むのか?」
「そういや、どうなんだろ?『白銀龍』は一軒家が完成したらどうする?僕らと暮らすか?」
『もちろん、リウ達と一緒に暮らす♪』
「そかそか、『白銀龍』も一緒に僕らと暮らすってさ」
「そうか・・・、この集落で暮らしてもらいたかったんじゃが・・・」
「麓の街の簡易陣地より近所になるんだから気にすんな~」
『気にすんな~』
「それとこれから話す内容は秘密でお願いね、森の奥のダンジョンの深層部に微弱の反応がある・・・、今は反応が小さすぎて外部に漏れてないけど、出来ればエルフ達は近づかない方がいいかも」
『アスキー』は頭を抱えながらリウの言った事の意味を考えていた
朽ちたダンジョンの奥にいるモノ・・・、『アスキー』は遥か昔にいなくなった『黒き龍』かと思ったが、数百年のも間探しても見つからなかった『黒き龍』が見つかるかもしれない
それは嬉しい事でもあり、悲しい事でもあった
「森の奥の朽ちたダンジョンの付近は、『アイギス』の本拠地として構いません、出来ればダンジョンの入り口は進入不可にして下さい」
「一軒家と農場は土壁で囲いますので、ダンジョンも一緒に囲います、それと『稲』は水田を作る必要があるので、森の小川から水路を引くし、明日からメンバー全員で取り掛かるにして、秋ごろまでには本拠地を完成させたい」
「なぁ、本拠地を作るんだよね?話を聞いてると本拠地の敷地面積が広すぎる気が・・・」
「水田と果樹園もあるし、それに『アイギス』メンバーが住む一軒家が小さなわけがない」
「私達も『アイギス』の一軒家を作るのを見学してもいいかな?」
「いいですけど、見ていても地味だと思うよ?」
「リウさんは気がついてないかもしれませんが、『アイギス』のみなさんの土魔法は、私達エルフよりも凄いと思いますよ」
その後、リウと『白銀龍』はエルフの集落でゆっくりしてから、麓の街の簡易陣地へ戻るのだった
簡易陣地に戻ってからは、クラシス達やリン達を始め、龍の巫女や護衛の『娘さん』達に、エルフの集落の奥の森に『アイギス』の本拠地を作る事を告げる
そして、今住んでいる簡易陣地の事はどうするのかという話もあり、『ハクルさん夫婦』に管理を任せるか、エルフの商隊の為に簡易陣地をエルフの長老に譲るかを明日話し合う事になる
次の日、『アイギス』のメンバーと『ハルクさん夫婦』とで、簡易陣地の管理についての話し合いを設けたが、誰が使用してもいい様に簡易陣地を解体せずに現状維持という事になった
簡易陣地には、住居スペースの『かまくら住居』と地下施設の地下修練場があり、冬場でも修練が出来るので冒険者達が使用してもいいと考えていた
また、エルフの商隊が寝泊まりで使用しても大丈夫な様に、商隊の移動時には『ハルクさん夫婦』が一時的に管理をする事になる
龍の巫女たちが使用していた住居も解体せずに現状維持するという事で、エルフ達が簡易的に住む施設として活用する事になる
若いエルフは麓の街に降りて、冒険者になったりする者達がいるという事で、彼や彼女達の為に使える様にそのままにしておく
リウ達は話し合いが終わり、午前中の内に箱馬車はエルフの集落の奥の森へ向け移動を開始する
箱馬車には、『アイギス』メンバーの他に龍の巫女たちや護衛の『娘さん』達が乗り込み、ゆっくりと木々を避けながら移動していく
箱馬車を増設し通常の馬車よりも大きいので、護衛の『娘さん』達が『木魔法』と『森魔法』を使い、木々の枝などを動かし箱馬車との接触しないように森の中を駆けていく
御者のリウは、箱馬車の前方を歩く『娘さん』達の魔法の誘導に従い移動していた
「やっぱり『木魔法』と『森魔法』はすごいな・・・、シルミルの2人はどっちの魔法も使えるんだっけ?」
「『木魔法』を少しだけ・・・」
「同じく、『娘さん』の様には使えないよ」
「本拠地が森の中になるし、これからみんなで『木魔法と『森魔法』を修得すればいい」
「ねね、目的地は今日中に到着するの?」
「この速度では・・・2日間で到着するか微妙だね」
「エルフの集落のさらに奥だっけ?」
「そうそう、集落から離れてるから本拠地は土壁で囲むか、茨の森で囲むしかないね」
「本拠地か・・・、簡易陣地とは違うの?」
「基本的には同じだよ、馬小屋があって『かまくら住居』があってトイレやお風呂もある、地下施設も完備予定だから、地下修練場や地下馬小屋も作るし」
「豪華版の簡易陣地?」
「それに水田と果樹園も敷地内に作る・・・?」
「土壁で囲むけど敷地内と言えば・・・少し違うかな、住居スペースと農場スペースを土壁で区切るつもりだし、馬達が散歩や乗馬できる場所も欲しいから、頑丈な土壁でぐるりと奥の森を囲むつもり」
「ねぇ、リウは『アイギス』の本拠地が完成したら、もう旅をしないの?」
「もちろん旅はするよ、本拠地は僕らが帰れる場所だし、なにより僕は新婚生活をここで送りたい、幸い『赤熊』を1頭納品したから暫らくは生活費に困る事も無いし、アイテムボックス内の『赤熊』はまだいっぱい保管してあるからね、今は無理に討伐や採取をする必要も無いから、冬までに本拠地作りをしよう」
「それは毎日土魔法を唱えるという事?」
「毎日土魔法の修練をするという事?」
「そそ、まずは敷地を囲む土壁の作成と住む場所の作成を考えないとな」
「住む場所が完成したら、果樹園と水田の作成・・・?」
「そうだね、林檎の苗木とか植えたいし、来年には自分たちで田植えをしたいし、なによりみんなと一緒にのんびり生活出来たらいいと思うよ」
「そっか、ねぇリウは私達の事もお嫁さんにしてくれる?」
シルキーとミルキーはそう言いながらリウを見つめている
リウは2人の話を聞きながら、「もちろん」とはっきり声を出しながら2人に伝えた
シルキーとミルキーはニコニコしながら、「「それじゃ、私達とも結婚しようね♪」」と話し、リウにキスをするのだった




