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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
251/354

2-251麓の街に戻ってきたとか

麓の街を目指し箱馬車は山間部をゆっくり進む、道中襲ってきた『赤熊』や黒熊を倒し、新鮮な食材を集めながら移動していた

それと休憩をしながらの薬草採取も忘れずに行い、麓の街へ戻ってからポーション作成やギルド納品を考えていた

野営は簡易陣地を地上5mまで盛り土し、『赤熊』や黒熊・黒犬・大猪の襲撃を完ぺきに防ぎ、火の番無しで徹夜をしない生活を送っていた

それと『遠見』と遠距離狙撃で、箱馬車は一度も襲撃を受ける事無く、山間部を抜ける事になる

『アイギス』の箱馬車の旅は、討伐と薬草採取をしながら、2カ月かけて麓の街へと到着した

途中の集落に寄る事無く、夏ごろに到着したのは早めに『アイギス』の本拠地=一軒家を作る為だった


麓の街目前で、御者のリウは隣に座るクラシスとリズに


「どうする麓の街が見えてきたけど、簡易陣地へ直行で良いかな?」


「そういえば魔道具屋の『ハルクさん夫婦』は簡易陣地にいるんだっけ?」


「商業者ギルドに黒熊とか黒犬の納品は後日でも良いし、今はゆっくり布団で寝たい・・・」


「それじゃ、簡易陣地へ向かうか~」


「「はい」」


箱馬車は麓の街に寄らずに、『アイギス』の簡易陣地へ向け移動を始める

簡易陣地の四方の塔から『娘さん』が手を振ってるのが見えたので、クラシスとリズが手を振り返している

暫くすると『娘さん』が塔から見えなくなる、陣地内の『ハルクさん』達に知らせに行ったのかな?

箱馬車が簡易陣地へ到着すると、簡易陣地の扉が開き、中から『ハルクさん夫婦』を始め、リンさん達5人に龍の巫女のアンリーとシンリーと護衛の『娘さん』達が出迎えてくれた


リウは扉の前で箱馬車を停車し、馬車から降り『ハルクさん』とがっしり握手をし


「『ハルクさん』お久しぶりです、みんなも久しぶり!元気にしてましたか?」


「あぁー、リウさん久しぶり、箱馬車も増設して大きくなってるし、有意義な旅をしていると見える」


「えぇ、目的の食材も見つかりましたし、美味しい食材もたっぷり収集してきました」


「それはそれは、リウさん達は美味しい物を探して旅をしていたんだっけ?」


「そうですね、美味しい食材と食糧が第一ですね、次に美味しい料理が大事です!」


「それじゃ、目的の食材が手に入ったのなら、これからはこの場で暮らすのですか?」


「それについて『ハルクさん』に聞きたい事があるのですが・・・、中に入りません?」


「あぁーそうですね、いつまでも扉の前で話すとは・・・」


簡易陣地の扉を開け、『アイギス』の箱馬車は久しぶりに簡易陣地への帰還を果たすのだった

シルキーとミルキーは馬達を馬小屋へ移し、箱馬車も『馬車用のかまくら住居』に移動し、馬車全体を魔法で綺麗にし、食材を調理場の地下貯蔵庫に保管する

クラシスとリズは荷降ろしを終えてから麓の街へ、麦酒や果実酒などの酒の購入へ出かけた

ノノやココも露店で焼き串や焼鳥に出掛けようとしていたが、アイテムボックス内に大量の料理があるのを伝えると、「それなら寝室の掃除でもします」とか「風呂の準備をしますね」と話し2人とも掃除に向かう

ジャンヌはリンやアイズ達と無手で組み手をしていた、リンやアイズの上達ぶりを知る為と武器無しでどこまで戦えるかを知る為だった

アライズとアリサとアンナは、調理場で『赤熊』を使った料理をしていたが、後ろの方でシルクさんやヘンリー・ライム・ジルの4人がアライズ達の料理を静かに見つめていた

『白銀龍』と『娘さん』達は龍の巫女と護衛の『娘さん』達と、『はちみつ焼き林檎』を仲良く頬張っていた、『娘さん』達は旅先での出来事を身振り手振りで話し、『白銀龍』も一緒に身振り手振りで話していた


リウは簡易陣地についてから『エルフの集落』のさらに奥の森に1つの反応を感じていた、MAPを展開し反応の周囲に何があるか調べてみると、『白銀龍』の故郷に近い場所で崩れたダンジョン?の奥から反応を確認した、微弱するる反応にクラシスやリズも感じてはいないのかもしれない


「さて、どうするか・・・、これが『黒き龍』だとしたらエルフの長老に知らせた方がいいのかな」


遥か昔『呪い』を振り撒いた『黒き龍』が集落の側にいる事を知ればどうなるか・・・、『白銀龍』には教えた方がいいかもしれない、MAPで確認したら赤マーカーじゃないので『敵対』するモノじゃないようだが・・・


「1人でダンジョンに行って確かめた方がいいかな、龍と話せるのも僕だけだし・・・」


『黒き龍』と話して事情を聴く事が出来ればいいんだけど、遥か昔の事とか、なぜそこに眠っているのかとか、聞きたい事はいっぱいあるけど・・・、まずは・・・「おかえりなさい」って伝えないとなぁ



リウ達は久しぶりに簡易陣地でゆっくりと食事をし酒を飲み、のんびりと嫁たちとお風呂を楽しみ、嫁さん達と一緒の布団で寝る事になる

リウ達ははこの日から夫婦での生活、新婚生活をスタートしたと言える



次の日リウは『アイギス』の本拠地や一軒家の相談をしていた


「『アイギス』の本拠地を本格的に作りたいんですが・・・」


「本拠地ですか・・・、今の簡易陣地はどうするんですか?」


「新しい本拠地の位置によりますが、解体する可能性が高いですね・・・、それとも『ハルクさん夫婦』が引き続き使いますか?」


「それはエルフの長老と龍の巫女に聞かないとなんとも・・・」


「それなら本拠地完成までは簡易陣地はそのままにしておきますね」


「助かります、それでリウさんはどの辺に本拠地を希望しているんですか?」


「希望はエルフの集落付近の『龍の降りた場所』付近か、森のダンジョン跡が本拠地の候補かな・・・」


「・・・どちらも私の一存ではなんとも言えませんが、長老に聞くしかありませんが・・・、どちらもエルフの民が近づく者もいませんので、許可が下りると思いますよとしか言えませんね」


「明日はエルフの集落へ行くしかないか、『白銀龍』と2人で行った方が早いかもしれないな」


「『白銀龍』様と一緒に行けば長老もすんなり許可を頂けると思います」


「そっか、少し安心したよ」


「では、明日リウさんと『白銀龍』がエルフの集落へ向かうと伝えますね」


「お願いします、昼前にエルフの集落へ到着します」


「それで今日はどうするんですか?ギルドに収集品の納品ですか?それとも簡易陣地で身体を休めますか?」


「ギルドに黒犬や野犬の納品はしたいかも、アイテムボックスに大量にあるし、未解体なのでそのままギルドに渡したい、黒熊と大猪は食料として保管したいし・・・」


「それで黒犬や野犬はどれくらいの量あるんですか?」


「あわせて100匹以上かな?ココとリズのアイテムボックスからも集めたら150匹前後?」


「150匹以上って・・・溜め過ぎじゃない?」


「まぁ、黒熊や大猪がアイテムボックス内に大量にあるし、野犬や黒犬を食材にしなくても良くなっただけなんだけどね」


「それは贅沢な悩みといいますか、普通なら解体して肉は食料に、毛皮は加工して敷物などに使用するんだがな・・・」


「敷物は余るほど持ってます、肉としての食糧も下拵えして保管してますよ、それに昨晩の料理は『赤熊』と黒熊・大猪の食材で調理してましたし」


「『赤熊』のステーキとか贅沢すぎるんだけど・・・、本来ならギルドに納品してもらいたいんだがな」


「『赤熊』の納品はもう少し待ってくれ、僕らもあまり所持してないし、満足いくほど食べていないから、みんなに内緒でギルドに納品したら怒られちゃう」


「あぁー、それは止めた方がいいわな、私まで怒られる・・・」


「僕はこれから麓の街で行ってギルドに向かって、野犬と黒犬を納品して来ますね」


「わかりました、戻ってきたばかりで無理しないでくださいね」


「はい、では、あとで!」


リウはそう言い『ハルクさん』と別れて、麓の街の商業者ギルドに向け歩き出す

『アイギス』の他のメンバーは、リン達の留守中の修練の成果の確認と、旅先であった事を女性陣だけで話しあうという・・・、龍の巫女や護衛の『娘さん』達も一緒にクラシス達の話を静かに聞きていた

アライズ達は話し合いをしながら、おやつとして焼串や焼鳥・唐揚げを作り上げ、果実酒と一緒に振舞っていた

『白銀龍』は話を聞き流しながら、焼串や焼鳥を頬張っていた



リウがギルドに野犬や黒犬を納品し、簡易陣地へ戻るまで女性陣だけでの話し合い?飲み会?は続き、この日の昼ご飯と晩ご飯は、アライズ達が酔っていた事と焼串や焼鳥の食べ過ぎで、食事不要と言われた為に、リウは『白銀龍』と2人で『赤熊』の角煮や煮込みスープを食べていた、どっちの料理も美味しく2人はお代わりをし、その後木陰で昼寝をして過ごしていた

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