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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
249/354

2-249『種籾』購入と稲作資料とか

小鬼族ゴブリン』と『犬耳族コボルト』の種族混合の集落で、『アイギス』のメンバーは簡易陣地で気ままな野営生活を送っていた

購入した『米』はリウや他のメンバーも気に入り、商業者ギルドのクエスト報酬で『米』を追加購入していた


それ以外では簡易陣地の前で、アライズ達『ひよこ亭』の3人とシルキー・ミルキーは、焼串や焼鳥などの露店販売をし、簡易陣地の留守番兼料理の修練の場として、連日農場で働く人達に提供していた

『ひよこ亭』の価格設定は、商業者ギルドと相談し、他の集落の露店価格と同等にしていた

アライズ達は赤字にならない価格で販売していた


リウとココとジャンヌは、黒犬討伐や黒熊討伐を行い、黒犬だけをギルドに納品し、黒熊はココのアイテムボックスに保管し、『ひよこ亭』での商品として提供していた

3人は黒犬を納品し、報酬で調味料を購入し、討伐報酬が手元に残らないが、確実に調味料を手に入れれるので、『アイギス』としては『討伐=調味料』という方程式で、数カ月過ごす事になる


『白銀龍』と『娘さん』達は、簡易陣地の周囲で薬草採取を行い、クラシスとリズが簡易陣地でポーション作成を行い、ギルドに納品をして『米』を購入していった

本当は年間通して『米』を食べれる様になりたいが、今は食べる分だけを購入していた


リウは商業者ギルドの資料室で、『米』=『稲』の育成方法を調べ、いずれ自分たちで稲作を行えればと考えていた

一応、『種籾』もギルドで購入する事が可能だったが、リウの希望する量の購入が難しく、『稲』を育てながら『種籾』を増やすしかなかった

もしくは、毎年決まった量の『米』を麓の街へ移送してもらうしかないが・・・、『米』の生産量が少ないという事もあり、麦よりも高価であまり出回ってはいなかった

その為、新米よりも去年の古米の方が人気があるほどだった・・・が、リウは新米にこだわり美味しい『米』重視で考えていた

資料室で『稲』の育て方をメモし、実際に水田へ行き資料と照らし合わせ、解らない事は働いている『小鬼族』の作業員に教えを請うていた

今現在、水田の『稲』は田植えを終えている状態だった、これから3~4カ月で稲刈りとなるが、稲刈りまで集落に滞在するのは無理なので、資料の不明な部分は作業員に聞いてまわり、リウの『稲』のメモは最終的には、初心者でも『稲』を育てられる資料となる


リウは育成資料を読みながら、実際には水田作り、水を引くための水路の確保と排水の水路の設置、農具はギルドで販売していたから、水田の土地の確保だけ考えればいいかな?

畑や水田は土地購入が必須なのかは、クラシスとリズに相談してからでいいか・・・


リウが簡易陣地に戻ると、『ひよこ亭』の前には農場で働いている作業員が、焼串や焼鳥を頬張っていた、値段も安く設定していたので、食卓の1品として購入していく人達が大勢いた

もちろん、『ひよこ亭』の店先で食べてから帰る人達もいて、『ひよこ亭』の前には『ごみ箱』を設置し、串の投げ捨て防止に役立っていた


リウは『ひよこ亭』のアライズに手を振り、帰ってきた事を知らせ、簡易陣地の裏口から中へ入る

『ひよこ亭』ではアライズが販売員として忙しそうに働き、アリサとアンナが焼串と焼鳥を炙っていた

毎日忙しそうに焼串や焼鳥を炙っていたが、何より忙しいのは下準備をしているシルキーとミルキーの2人だった、肉や野菜を串にさし、焼串のたれの仕込みを作り、肉が無くなれば黒熊を解体し、野菜が無ければギルドに買いに行きと、裏方の2人は目に見えて疲れていたので、リウは2人にポーションを渡し、ぐびぐびと一気飲みするのだった・・・



この日の晩酌時、リウは稲作の資料が完成した事をみんなに知らせ、今後どうするかの話し合いをしていた


「『種籾』は数量だけど手に入れたし、今から麓の街に戻って頑張れば、来年は自分達で稲作をやれそう・・・」


「リウの言う『頑張れば?』ってどういう事?」


「その前にクラシスとリズの2人に聞きたい事があるんだけど」


麦酒を飲み、ほろ酔いのクラシスはリウに顔を向けながら聞いてくる

リズは酔ってはいたが、リウの話を聞き「?」という感じで、話を聞いていた


「畑とか水田とかって勝手に作っていいの?」


「それは集落の外に?中に?」


「出来れば集落の外にです」


「結論からいえば可能です、通常は集落の中に作るんだけど・・・、何故に集落の外に作りたいの?」


「作りたいのは水田で、集落の中には水路とか河川の水を引く事は不可能でしょ、なら河川から水路で水を引く必要があるから・・・」


「リウの希望は河川の付近で水路を水田まで作ると?」


「確か麓の街の簡易陣地から河川までは・・・歩いて30分の距離にあったかな?」


「エルフの集落では河川はあるけど、集落からは距離があるし・・・、森の奥の河川の周囲に作れば問題無し」


「それこそエルフの集落の森に勝手に水田は作れないでしょ・・・」


リウとクラシスとリズの話を『アイギス』のメンバーと『娘さん』達は黙って聞いていた

『エルフの集落』と聞いて、『娘さん』達は黙って話を聞いていたが、集落付近の森と聞き、『娘さん』の1人がリウ達の話に加わる


「エルフの集落の森ですが、長老たちに話を通せば大丈夫だと思いますよ?」


「そうなの?てっきりエルフの集落は森を大事にしてるから、木を切り倒して水田を作るのは不可能かと思った・・・」


「もし、エルフの集落の森に水田を作った場合、『アイギス』の本拠地もそこに作るんですか?」


「んー、麓の街の簡易陣地もあるし、ハルクさん達と相談して簡易陣地を解体するか、森の奥に新たに簡易陣地を作成するを決めましょ」


「それでリウはいつまでここに滞在するの?」


「すぐに出発でも良いけど、明日は隣の集落へ行って『赤熊』を納品してくるよ」


「何故に隣の集落へ?」


「この集落で収穫した農作物は全部隣の集落で取引しているみたいなんだし、それ以上にこの集落よりもギルドの規模が大きく『赤熊』を納品するのに問題無しと考えたのよ」


「そこでも『米』を購入?もしくは、麓の集落への『米』の配達をお願いしようと思ってね」


「ギルドのクエストボードで確認した感じ『赤熊』1頭でも半年から1年分の『米』を買えそうだしね」


「それじゃ、明日はリウだけが隣の集落へ行くの?」


「そだね、みんなは『ひよこ亭』で露店をお願いしたいし、クラシス達は麓の街までの薪や酒樽の購入、それに春になったのでメンバー分の着替えを購入ね」


「私とココとジャンヌはどうするの?」


「ノノ達は今日と同じく黒犬や黒熊の討伐をお願いね」


「「「はい」」」


「さぁー、今日は疲れたから飲んだら寝ような」


「「「「「はーい」」」」


リウは手元の果実酒を飲み、テーブルの料理を片付けてからお風呂に向かった

『白銀龍』やノノ達も眠かったのか、リウと一緒にお風呂でぼんやりと湯に浸かっていた


「はぁ~、きもちいい~~」


「もし家を建てる時は、大きいお風呂希望です!」


「私は地下室に修練場が欲しい!」


「寝室はみんなが寝れる広さで!」


「私は調理場と食堂は広い方が嬉しいな!」


「調理場には地下貯蔵庫を!!」


『毎食『赤熊』をお願い!』


「みんな、お風呂に浸かりながら欲望ダダ漏れ・・・」




「次に作る簡易陣地という『家』は、じっくり時間をかけて作りますか・・・、エルフの集落の森に『一軒家』と『農場』を作りたいし・・・」

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