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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
247/354

2-247冬期間は遠距離狙撃を極めるとか

簡易陣地完成から1ヶ月後、『アイギス』のメンバーは日中の大半を地下施設の修練場で過ごし、食事や睡眠は地上の『かまくら住居』で過ごす様になった


土魔法で作成した壁も現在は3mの高さになり、幅も2mの厚みにし、そして、土製だった壁も石製になり、より強固になり黒熊や『赤熊』の襲撃にも耐えうる防御壁となっていた

『かまくら住居』も箱馬車を完全に囲った状態で、壁と屋根の厚みも増し、暖炉も部屋の中に2つ作り、寒さに負けない住居になりつつあった

簡易陣地の見張り台は、土壁が石壁に変わった事で使用しなくなり、今では簡易陣地の目印的な建物になりつつあった


料理は調理荷台で行い、追加で調理をする時は『かまくら住居』に簡易コンロを取り出し、焼串や焼鳥を炙ったり、鍋を温めたりしていた


お風呂の方も小型の『かまくら住居』に更衣室と浴槽の2つの部屋を作り、メンバー全員が一緒に入れる作りをしていたが、深酒組のクラシスとリズとアライズは翌朝にお風呂に入る事が多かった・・・


地下施設の馬小屋は暖炉完備で、シルミルの2人がすぐ近くで寝れる様に隣に小部屋を設置し、寝泊まりを可能にしていた、そして、馬小屋から修練場までは通路でつながっており、馬達を修練場で散歩させたり乗馬したり自由に過ごせる環境にしていた


修練場は最終的に高さを8mに広さは100mx100mとし、部屋の屋根を支える支柱で倒壊と崩落に備えていた、修練場も暖炉と換気口を数か所備え付け、修練場を温める事と換気=一酸化炭素中毒に備える事になる

修練場の地面は、馬達が散歩しても大丈夫な様に柔らかめの場所と、棍の修練をする硬めの地面にわかれていた

地下の施設という事で、日の光は皆無な事で、常時魔法で明かりを灯していた

また、地下施設が殺風景という事で『娘さん』達が『木魔法』を使い、地下施設の床に花や草を植え育てていった、

花や草が生い茂り、しかも暖炉の熱で地上よりも過ごしやすいという事で、『白銀龍』と『娘さん』達は土魔法でイスを作成し、暖炉の前で昼寝をするのが日課になっていった



リウ達は春までに簡易陣地でまったりする事無く、地下施設で棍の修練をしたり、『遠見』スキルで簡易陣地の周辺を『見る』て『命中』する修練をしていた

数人が組みになり、簡易陣地から100m・200m・300m・400m・500m・・・1000mと土魔法で土杭を数本作り、確実に魔法弾を命中するだけの修練を行っていた

この修練だけは地上で行う必要があり、1人が土杭に魔法弾を当て、2人が土杭に魔法弾が当たったかを『遠見』スキルで確認する

この修練は、クラシスやリズを始めメンバー全員が実施していたが、『娘さん』達以外は300mまでは何とか命中する事が出来たが、それ以上離れると命中する事は出来ずにいた・・・


『かまくら住居』の外、見張り台にリウ・ノノ・ココの3人が立ち、リウが魔法弾を土杭に撃ち放つ


ドォ!!

ドガァ!!!


リウは遠見』スキルで200m離れた土杭目掛けて魔法弾を放ち、土杭の真ん中に魔法弾が命中した音が簡易陣地まで響いていた


「魔法弾命中、土杭は命中しましたが、土杭は健在!」


「次は300mお願いします」


リウはココの次の300m先の土杭を狙うように進める、『遠見』スキルで300m先の土杭を魔法で目視し、魔法弾の魔力を維持圧縮回転を加え、土杭目掛けて放つ


ドォ!

ドガァ!

離れた土杭でも多めの魔力を込めた事により、土杭の中央付近に命中していた


「よし、命中?」


「土杭の上部に命中、魔力を込めすぎです」


「それでも300mは初命中です、もう少し魔力量を減らしても大丈夫です」


「それじゃ、もう1度300mの土杭を撃ち抜くよ・・・」


リウは再び300m先に土杭に照準を合わせ、魔法弾を撃ち抜く

魔力の維持圧縮回転を一瞬で行い魔法弾を放つ


ドォ!

ドガァ!

『遠見』スキルで土杭に命中した魔法弾を確認したノノとココは、土杭の中央に命中する魔法弾を確認し


「300m土杭、中央に命中!」


「今の魔法弾に込めた魔力の量を覚えておいてね、僅かな差でも実践では当たらないかもしれないし・・・」


「了解、魔力が多いと上部に当たり、少ないと下部に当たるか・・・、微妙な差は修練で埋めるしかないか・・・」


「それじゃ次は私が魔法弾を放つね~」


リウが見張り台から降り、ノノが見張り台に上がり200m先の土杭に照準を合わせる

リウとココが200m先の土杭を『遠見』スキルを見る


「それじゃ、200mの土杭から狙い撃つね~」


リウとココは200m先の土杭に視線を合わせて「「準備完了!」」と声を揃えてノノに教える

ノノは鉄杖を構え、魔力を維持圧縮回転を行い、200m先の土杭に魔法弾を放つ


ドォ!

ドガァ!

ノノが放った魔法弾は200m先の土杭に命中し、ニコニコしながら見張り台から降りるのだった


「200m先の土杭に命中!」


「土杭の中央に命中したので、次は300m先の土杭を狙い撃つ?」


「ココと交代・・・、寒くなってきたから300mは休憩後にお願い・・・」


「それじゃ、ココも200mの土杭目掛けて魔法弾を狙ってみて!」


ノノは200m先の土杭に命中する事が出来、ニコニコしながらリウの元へ行く

ココは見張り台の上に立ち、200m先に土杭に照準を合わせ、魔法弾を狙い撃つ!


ドォ!

ドガァ!

リウとノノが『遠見』スキルで魔法弾が土杭の中心に命中したのを確認し、「命中!」「これで3人とも200mは完璧だね」ココも200mの目標に命中させ、ニコニコしながらリウとノノに抱きつく


「まずは200mクリアだね♪」


リウは抱きつつくノノとココの頭を撫で、「寒いから部屋に戻ろうか~」「「はい」」3人は手を繋ぎながら『かまくら住居』へ戻り、急ぎお風呂の準備をするのだった

リウ・ノノ・ココの3人は紅茶を飲み、冷え切った体を温めてからお風呂場へ向かうのだった

この簡易陣地での生活では、リウと一緒に『遠見』スキルでの遠距離修練後には、一緒にお風呂を楽しむ権利があり、ノノ達を始めクラシスやアライズ達も日替わりで『遠見』遠距離修練に励むのだあった


一方その頃、地下施設ではクラシスとリズとジャンヌとアライズが棍の修練をしていた

旅の途中や『犬耳族コボルト』の修練では、土魔法ばかり上達し、棍の修練を怠っていたので、冬期間は鈍った身体を鍛え上げる事にしていた

地下の修練場は、明かりの魔法で照らされ、暖炉を複数使用した事により、初夏の様な温かさを維持していたので、棍の修練に加え、魔法で強化した状態で修練場を限界まで駆けたり、全力で身体を動かしまくる事になる

棍の修練と言っても、練習用の片手棍を使用するのではなく、リウ達の通常装備の『鉄杖』を使い棍の型を繰り返し繰り返すのだった

『鉄杖』は練習用の棍よりも数段重く、装備当初の時は振り回す事も難しかったが、今現在のリウ達は日々の修練と魔法での強化で、自在に振り回す事が可能になり、黒熊程度なら撲殺する事も出来た


調理荷台ではアリサとアンナとシルキー・ミルキーの4人は、本日の食事の準備をしていた

昼は食べやすく『赤熊』の角煮とサラダをはさんだサンドイッチとホロホロ鳥の唐揚げを作りあげる

リウとココとリズのアイテムボックスに加え、『娘さん』達のアイテムボックスにも解体前の黒熊や大猪などを保管しており、食事係りは解体と調理を行いながら、解体の上達と料理の腕前を向上していくのだった



『アイギス』のメンバーも『遠見』+遠距離狙撃は、冬期間中に400mまでの遠距離狙撃を成功させ、500mの距離成功はココとリズのみ成功させた

それから数カ月後、雪が融け山間部にも春の声が聞こえてくる頃に、『アイギス』は次の集落へ向けて移動を開始するのだった

次回、次の集落へ向け移動開始とか?

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