2-246やはり簡易陣地作成とか
リウ達が朝起きると、簡易陣地の周囲は雪が積もり始めていた
馬達も寒そうに暖炉の前で互いに寄り添っていた、シルキーとミルキーは暖炉に薪を投入してから、簡易陣地へ向かう
簡易陣地では、暖炉の前でリウ達が紅茶を飲んでいた
アライズ達が調理荷台で朝ご飯の準備をし、『白銀龍』や『娘さん』達は簡易コンロで暖をとっていた
「シルキー、ミルキーおはよう」
「おはよう、寒いね・・・」
「おはよう、馬達が寒そうにしてる・・・」
ミルキーの馬達が寒そうと聞き、リウとクラシスとリズが馬小屋へ向かい、地下へ向かうスロープを土魔法で作成し、簡易陣地の地下に馬小屋を作り上げる
リウは最初に馬小屋を作り、シルミルに馬達の移動をお願いする
地下という事で常時魔法で照らす必要があるが、地下の馬小屋には暖炉と換気口を作り上げ、地上にある馬小屋よりも快適に過ごせそうだった
「馬小屋できたし、まずは、朝ご飯にしよう」
「はいよ~」
「馬小屋は完成したけど、地下に私達の部屋も作る?」
「このまま雪が積もるなら・・・簡易陣地の拡張と地下施設の構築かな」
「そっか、難しい話は朝ご飯食べてからにしよう」
「シルミルも馬達のご飯にしてね」
「「はーい、すぐに上に行きます」」
シルミルは馬達に餌や水を与え、暖炉に薪を投入し部屋の温度を下げない様にしてから、上の部屋に戻るのだった
上の部屋では、テーブルにアライズ達が調理した朝ご飯が並べられ、シルミルは慌てて魔法で身体を綺麗にし、イスに座る
リウはテーブルにメンバー全員が座っているのを確認し、手を合わせ「いただきます」と合図をすると同時に、メンバー全員が声を揃え「「「「「いただきます」」」」と同時に食べ始める
みんな寒かったのか、スープ体の芯まで温めている
身体が温まってから、焼串や焼鳥を食べ始める
リウは静かに手を合わせ、「ごちそうさま」と呟き紅茶を飲み始める
リウはイスに座りながらMAPを展開し、簡易陣地の周囲及び山間部の赤マーカーの反応を調べる
雪が降った事で、赤マーカーは山間部から森の方へ移動しており、簡易陣地の周囲には黒犬と思われる赤マーカーの集団が確認できた
「簡易陣地の周囲に黒犬の群れを確認・・・」
「土壁を突破できないでしょ?」
「あぁ、食後に土壁と簡易陣地をより強固にしないとな」
「それじゃ、土壁の高さを3mに厚さは2mに補強すれば大丈夫かな」
「土壁を3mに2mって・・・土壁はそれでいいとして、簡易陣地はどうするの?」
「積雪量にもよるけど、雪の重みで簡易陣地が潰れるのが怖いから、箱馬車を囲む『かまくら住居』を拡張し、暖炉と煙突を増設かな・・・」
「その後に地下施設を作るの?」
「そだね、修練する場所と馬達を歩かせる場所は欲しいね」
「食後は地下施設の作成?」
「そそ、麓の街で作った簡易陣地よりも過ごしやすく、暖房を重点に置いた陣地を作ろう」
「薪は十分にあるから暖炉を増設してもいいしね」
「「「了解」」」
「地下施設はこの部屋から階段で下りるの?」
「その方が過ごしやすいんじゃない、この部屋から寝る場所も風呂場もトイレも一番近いしね」
リウはそう言いながら部屋の隅に土魔法で地下へ通じる階段を作成していく
階段は地下10mまで作り、同時にクラシスとリズが階段の補強を行っていく
地下10mに到着するとノノとココとジャンヌが、土魔法で補強と掘削をし、リウとクラシスとリズが地下に修練場を作り上げる
シルキーとミルキーの2人は修練場と馬小屋に通じる通路を作り、馬小屋と地下の修練場と地上へと通じる道を作り上げる事に成功する
アライズとアリサとアンナは、修練場に暖炉と煙突と換気口を作り、煙突と換気口は地上の『かまくら住居』を避けて設置していく
『白銀龍』と『娘さん』達は簡易陣地の警護と、食事の準備をお願いし、リウ達は地下施設の作成をする事が出来た、昼休憩時に食事を済ませ、食後直ぐに地下施設の作成をしていたので、簡易的ではあるが地下施設が完成した
「粗方完成か・・・、細かいところは明日以降でいいか・・・」
「地下施設作成は土魔法の修練にもなるし」
「地下を照らす明かりの魔法も使用してるから、生活魔法の修練にもなるか」
「それと修練場には花も植えたいから『木魔法』の修練もやりましょう」
「魔法の修練と棍の修練は地下施設で、ポーション作成と料理の修練は地上の『かまくら住居』でかな?」
「まぁ、地下施設の完成は数日後じゃない?」
「山間部での野営だから、夜は火の番も考えなきゃいけないし、雪の量によって土壁と『かまくら住居』の高さも変える必要もあるしね」
「積雪量が予想よりも積りそうなら、簡易陣地全体を5m盛り土して『砦』とするのも面白いかも」
「盛り土5mなら『赤熊』や大猪・黒犬などは進入不可になるしな、『砦』として活用した方が夜はゆっくり寝れるかな?」
「地下施設完成後に盛り土をした方がいいか・・・」
「7日もあれば盛り土も終わり、簡易陣地での生活を始められそうだね」
「まずは、晩ご飯後を頂いて、晩酌前に火の番を決めましょ、今日は仮眠もして無いので、火の番も交代でやる必要があるね」
山間部での最初の夜は、『リウ・ノノ・ココ・ジャンヌ』が担当し、2人ずつにわかれ交代で火の番をする事になる
リウ達4人は暖炉の前に座り、周囲を警戒していたが、土壁の高さを突破できずに簡易陣地の周囲を走り回っていた
土壁を突破できないのを確認し、リウ達は黒犬の事を放置する事にする
リウとノノは、火の番をしながら、土壁の補強をしていた
「まずは土壁の厚さを2mにすれば、黒犬や大猪の突進程度では破壊不可でしょ」
「ここまで頑丈な作りは防壁というより、城壁っぽいね・・・頑丈な上に堅甲」
「簡易陣地としては厳重すぎる防壁だね」
「見張り台を四方に作成すれば、簡易陣地で砲台として黒犬や『赤熊』を撃ち抜く事が出来そうだし」
「その前に見張り台は寒そうだから、簡易コンロも持ち込まないと寒さに負けそう・・・」
「地下施設からの煙突に見張り台を作っていけば、多少は見張り台も温かいのかな?」
「見張り台の高さ次第じゃない?あまり煙突が高いと煙たいだけで、さっぱり温かくない可能性があるしね」




