表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
239/354

2-239危険な街道は黒犬ばかりとか

『アイギス』の箱馬車は森の中を静かに移動していた

商業者ギルドで聞いた通り、街道はギリギリ馬車が通れる広さしか無く、休憩する場所を探すのも困難になってきていた

リウはMAPを展開し、赤マーカーの反応を確認していたが、森に入ってからは箱馬車が停めれる空間があれば、箱馬車を停め馬達と一緒に休憩をしていた

街道を通る馬車や冒険者が通るかもしれないという配慮で、街道から逸れた場所で休憩を行い、馬達と箱馬車の周囲には、森側には2mの土壁を作成し、街道側には1mの土壁を作成し野犬や大猪などの襲撃に備えた

シルミルの2人は馬達に林檎や水や岩塩を与えていた

リウ達も箱馬車から降り、土魔法で作成したイスに座り、紅茶を飲んだり林檎を食べたりしている


「さすがに森の中は何かの反応があるね・・・」


「それに周囲の森が深い為に、野犬の反応があっても目視での確認は無理かな」


「常時『魔法障壁』を展開しておく?」


「それか馬達の周りだけ『魔法障壁』展開とか?」


「野犬や大猪は、『魔法障壁』でも大丈夫だけど、『赤熊』と『山虎』にも『魔法障壁』で大丈夫かは・・・わからないしな」


「その時は襲われたら即攻撃でか、接近したら即攻撃?」


「そうだな、『山虎』は動きが俊敏らしいから、接近したら即攻撃と『魔法障壁』を即時展開かな、馬達に関しては御者と助手が交代で『魔法障壁』を展開すれば大丈夫でしょ」


「箱馬車も増設した時に、外装を強化してあるから、野犬程度なら大丈夫だけど、大猪や黒熊相手では・・・破壊はされないけど破損に危険はあるかも」


「そりゃ、リウが馬車職人に要求したのが、襲われても壊れない馬車だったし・・・、増設して箱馬車の生活スペース拡張と、部分的に金属加工した外装だったから、馬車の車輪も特注で4輪から6厘に増えてるからね・・・」


「まぁ、見た目は箱馬車には見えないわな、箱馬車を2つ重ねて2つ並べた見た目だし・・・」


「知らない人が見たら馬達に凄い負担が・・・って、騒ぎそうな見た目だわ」


「近づいて見ると箱馬車が浮いていて、また、びっくりとか?」


「私達より箱馬車の方が防御力ありそうね・・・」


「防御力あった方が寝る時安心でしょ、それに目的地に到着できなかったら、箱馬車が僕らの寝室になるんだよ、すげー安心できない?」


「まぁあ、安心して寝れるのはいいかな」


リウ達は紅茶を飲み、久しぶりの箱馬車の移動に疲れを感じていた

『白銀龍』と『娘さん』達は箱馬車の2Fで昼寝をしている、アリサとアンナは仮眠をし夜の火の番に備えていた

今はリウとノノ・ココ・ジャンヌ・クラシス・リズ・アライズ・シルキー・ミルキーの9人が休憩をしていたが、昼頃からはリウとジャンヌも仮眠をするつもりでいた


「それじゃ、紅茶を飲み終えたら移動再開ね」


「「「「はい」」」」


「午後からは僕とジャンヌも仮眠するから、御者はクラシスが担当お願い」


「了解」


リウ達は箱馬車に乗り込み移動を再開する

昼ご飯まではある程度距離を進めたいが、周囲の反応が気になる

御者がリウが担当し、助手がシルミルが担当する、3人で前方を警戒する

もしもの時は、リウが箱馬車に『魔法障壁』を展開し、シルミルには馬達に『魔法障壁』を展開してもらう

『魔法障壁』を付加した魔石は、シルミルの2人に1つずつ持たせているので、いつもより堅甲な障壁を展開出来るはず・・・

リウはMAPを展開し、箱馬車の操縦をしながら周囲の警戒をしていた

シルミルの2人も前方を見つめながら僅かな反応を感じてはいたが、目視で確認できずにいた

箱馬車の2Fで待機中のクラシスとリズも同じく、「反応はあるんだけどなぁ・・」とか「木が邪魔だ、燃やす?」とか不審な声が聞こえてくる

森を燃やすのは、僕らも延焼するからやめてもらいたい


暫らく箱馬車が移動すると、MAP上の赤マーカーが箱馬車に接近してくる

隣のシルミルが接近する反応を察知し、馬達の周囲に『魔法障壁』を展開する

リウは箱馬車を静かに停め、箱馬車全体に『魔法障壁』を展開し、箱馬車が完全に停車すると同時に、森から街道を抜けは箱馬車目掛けて黒犬が襲いかかる


「前方から黒犬5匹、後続無し」


リウが目視で黒犬が箱馬車目掛けて駆けているのを確認し、馬達はシルミルが障壁を展開し守っている、箱馬車もリウが障壁を展開し完全に攻撃を防げるように守りを固めた

箱馬車の屋根にクラシスとリズが鉄杖を構え、前方の黒犬達に連続で「ボルト」と唱える


「「ボルト」」


ドドドドドォォォォ!!!!

クラシスとリズが連続で放つ魔法弾は、1つも外れる事無く黒犬の頭部を破壊していく・・・

通常の「ボルト」とは違い、圧縮し回転を加えた魔法弾は黒犬の頭部を貫通し、そのまま森の奥へ消えていく・・・

黒犬の完全な沈黙を確認してから、クラシスとリズは黒犬の回収に向かう

この場で解体すると他の凶暴な動物が寄ってきそうなので、すぐさまリズのアイテムボックスに保管し、箱馬車の移動を開始する


「2人ともお疲れさん、もうすぐ昼時だから休憩場所探しながらゆっくり進むよ~」


「「はいよ」」


リウはクラシスとリズが箱馬車に乗り込むのを確認してから街道を進む

先ほどの黒犬の襲撃で、リウの隣のシルミルは緊張した表情で前方の警戒をしている


「2人ともそんなに緊張しなくて大丈夫だよ、接近した時は声かけるしさ」


「「・・・はい」」


「そんな緊張した顔してると馬達も緊張するぞ~」


「はい、大丈夫です、リウの事信じてますから」


「それにみんなの事も」


シルミルは箱馬車の方を見ると、クラシスやリズが2人に手を振っていたので、慌てて手を振り返した、リウはそんな2人を見て「ほら、僕らの後ろにはベテランが待機してるんだから」と話すと、「誰がベテランか!」と口を揃えて怒鳴り返した


「クラシスとリズがいるから安心して御者席に座れるんだし、それに僕が仮眠出来るのも2人がいるからだよ」


リウは前方を見つめながらクラシスとリズに話しかける

シルミルの2人はコクコクと頷き、クラシスとリズの2人は照れながらも「そう言う事なら・・・」とか「まぁ、任せていいよ」と呟いている

リウはニコニコしながら箱馬車を駆け出していた

まずは、昼ご飯の場所を確保しないと・・・、MAPを展開しても広めの街道は・・・昼過ぎには着きそうだな


「これから休憩場所まで結構な距離があるから、アライズ達には食事の準備をお願い~」


リウは箱馬車に向かって声をかけると、クラシスが「わかった~、食事の準備は私とアライズに任せて」と答えてから、クラシスとアライズが調理荷台に向かう

これで休憩場所に到着と同時に食事を始めれるな


「さて、シルミルには休憩場所まで周囲の警戒をお願いね」


「「任せて」」


その後、休憩場所まで2度の黒犬の襲撃を受けたが、リウが『魔法障壁』を展開し、シルミルが「ボルト」を放ち撃ち抜いていく

もっとも箱馬車の2Fでは、クラシスとアライズがいつでも対応できるように待機していたが・・・


8日の更新日時を間違えた・・。

気がついたのは9日になってからだった、今度は間違えないようにしないと。

『アイギス』の戦闘スタイルは、守りを固めてからの遠距離狙撃か、守りを固めてからのゼロ距離狙撃か・・・。

近接攻撃は、革装備では被ダメが怖いので、勿論メンバー全員の総意で却下になりました。


次回、危険な森での野営について。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ