2-233箱馬車増設完成と『米』の行方とか
今日も『アイギス』の一軒家では、晩ご飯からの晩酌=飲み会の準備中だった
晩ご飯は『ひよこ亭』のアライズ達3人に『娘さん』達数人で晩ご飯の準備をし、リウとジャンヌが晩酌の料理は簡易コンロで焼串や焼鳥を炙っていた
クラシスやリズは果実酒を昼頃から飲んでいたので、今は酔い覚ましを兼ねて馬車職人の所へ増設した箱馬車を取りに向かっていた
シルミル(シルキーとミルキー)も馬達と一緒にクラシスとリズに同行し、一軒家まで箱馬車を移動をお願いした
依頼完了のお祝いと言う事で、晩ご飯は大猪の角煮や串焼きを、黒熊のサイコロステーキや煮込み料理を、野うさぎの香草焼やトマト煮などを、ホロホロ鳥の焼鳥や唐揚げを用意した
それと果実酒や麦酒も大瓶や樽で用意し、晩酌=飲み会を満足いくまで堪能するつもりでいた
夕方になり、増設した箱馬車が一軒家へ戻ってくる頃、料理が完成した
『リリー』や『ガンガ』は晩ご飯前に一軒家を訪ね、いつも通りに『ひよこ亭』の定位置に座っていた、『リリー』や『ガンガ』はクラシスやリズにアライズと同じく、『アイギス』の中ではたくさん飲めるメンバーなので同じテーブルに座っていた、ノノやココ・アリサやアンナも酒は飲めるが多く飲めなかった
なお、シルミルや『娘さん』達は晩ご飯や晩酌時にも果実酒や麦酒を飲む事は無かったが、代わりにデザートを『白銀龍』と共にたくさん食べる事になる
『ひよこ亭』で晩ご飯を終え、晩酌を始めていた
クラシス達は麦酒を飲み、ノノ達は果実酒を飲んでいた
「明日の朝にギルドに寄るから依頼報酬お願いね」
酔い潰れる前にリウは『リリー』に声をかける、『ガンガ』は晩ご飯の時から飲んでいたので寝落ち寸前だったので、『ひよこ亭』の隅に転がされていた
「はい、1ヵ月間お疲れさまでした、報酬は箱馬車の増設費用を引いた金額をお渡しします」
「『リリー』さんのおかげで箱馬車の増設可能な馬車職人を紹介してもらったし」
「この一軒家も大変助かりました、部屋と調理場が広いのが良かったです」
「それは良かったです、広いおかげで私達も食事に同伴出来てますから・・・、美味しい食事ありがとうございます」
「『リリー』さんは訪ねる度に食材を持ってきてくれるじゃないですか、『アイギス』的にも食材を渡された方が助かります」
そういいながらリウは『リリー』の食材を調理した焼き串やサイコロステーキを指さしている
「この大皿の料理の一部は『リリー』さんの食材を調理して物ですよ」
「露店で購入した一般的な精肉を買ったはずなんですが、ここで調理されると宿屋の食事よりも美味しい料理になる・・・、これが料理スキルの恩恵なんですか?」
「恩恵というか、毎日の修練じゃないですか?」
「それは毎日料理を作るという事ですか?」
「はい、『アイギス』のメンバーは全員、『ひよこ亭』アライズ達3人から料理を教えてもらって、今ではみんなが露店以上宿屋未満の食事を提供出来ますよ」
「『アイギス』全員ですか??」
「もちろん♪」
「『アイギス』では森の中で泊りこみで薬草採取をしていたので、街に泊るよりも野営の方が気が楽ですね・・・、一応、野営でもお風呂と寝床はしっかり用意するしね」
「それも私達から言ったらおかしいんですが・・・、普通の冒険者は野営時は交代で火の番をし、食事は乾燥食のみでお風呂や寝る時は仮眠と決まっています」
「普通がそれでは食べる事も寝る事も不便すぎる気が・・・」
「『アイギス』が土魔法で、安全に泊る場所や食事の準備をするというのも考えられない事なんだが・・・、本当にランクEなんですか?」
「商業者ギルドで最初にギルドカードを確認したんじゃ??」
「確かに確認しましたが、『アイギス』の実力からいってランクC並の実力があるんじゃないかと・・・」
「『アイギス』はランクを上げるよりは、ある程度の生活資金が稼げればいいし、無理して討伐クエストをやるというのもなんだか嫌ですね」
「大猪や黒熊も平気で倒せるのにランクEって・・・」
「それ以前にランクEで箱馬車を所持するのもおかしいでしょ?」
「それは違いますよ、ランクが低くても馬車持ちの冒険者は結構いますよ、パーティーの移動に浸かったり、馬車を円滑に使う事で商品を遠くの街へ運ぶとかね」
「その辺は商業者ギルドらしいですね、運搬用に馬車を所持する・・か」
「『アイギス』は旅行用に購入したから、一般的では無いのかもしれないけど」
「前々から聞こうと思ってたけど、旅行に行くのは知ってましたが、何を目的で行動してたんですか?」
「んー、最初は『白銀龍』の故郷探しで旅をしてたんだけどね」
「それは麓の街周辺のエルフの集落と聞きましたけど?」
「エルフの集落の付近が『白銀龍』の故郷だったみたいです」
「それじゃ、『アイギス』の達の目的は無くなったの?」
「今は『米』という食材を探してるよ、『小鬼族』の集落にありそうな気がする、麦と同じく炊いて食べる食材なので・・・」
「『米』ですか・・・、聞いた事が無いけど?」
「『米』という名では無い可能性があるけど、出来れば早く見つかれば嬉しいな」
「『米』ですか・・・、麦と同じ食材と考えて大丈夫ですか?」
「炊けばわかりますが、麦よりも美味しく、僕の故郷の主食だったので、是非見つけたいな♪」
「そう言う事でしたら、明日ギルドに訪ねた時にでも資料室で『米』の事を調べてみれば?」
『リリー』の何げない一言で、『米』の生産地が見つかれば嬉しいし、『米』の種籾があれば自分達でも自給自足出来そうな感じがする




