2-231ギルド依頼完了はもうすぐ終わりとか
『アイギス』が果樹園の土壁の作成を初めて1ヶ月後、全体の80%を終了していた
果樹園の方は、桃の収穫期を終え、梨の収穫期を終盤になろうという頃に、『白銀龍』の好物の林檎の収穫期を迎えていた
林檎は土壁を作成した果樹園から直接交渉で購入し、露店よりも安く大量に購入していた
アライズ達『ひよこ亭』の3人はリウと一緒に、はちみつ焼き林檎や丸ごと焼き林檎に林檎パイなど、調理場では連日林檎の試食会を開いていた
『白銀龍』やノノ達は勿論『娘さん』達も、『ひよこ亭』とリウによる調理場での『林檎を使ってお菓子作り』に注目していた
『ひよこ亭』の『お菓子レシピ』は『アイギス』での定番のおやつになる、新鮮な林檎が好きな『白銀龍』だが、甘く調理した『はちみつ焼き林檎』が好きだったので、『娘さん』達はアライズにお願いし、『はちみつ焼き林檎』だけは調理できるようになるのだった
また、『犬耳族』の集落にいるうちに、箱馬車を増設していた、箱馬車2F仕様に調理荷台だった『アイギス』の箱馬車を、箱馬車を1.5倍増設し調理荷台を合わせて、新しくなった箱馬車は全長が2倍近くになり、箱馬車を浮かせる為の『浮遊』を2人がかりで唱える事が要求された
クラシスとリズとリウは、常時2人で『浮遊』を唱えるのは大変という事で、3人は数個の魔石に『浮遊』を付加し、『浮遊』を1人でも唱えても大丈夫な様にした
『アイギス』は、休日を上手に使いポーション作成をしたり、魔道具屋から魔石を購入し魔法を付加したり、『娘さん』達から『木魔法』を教えてもらったり、『お菓子作り』以外でも色々な事をしていた
薬草採取をしていなかったので、アイテムボックス内の薬草だけでポーションを作成し、寝不足や疲労回復の為にリウが毎朝飲むことになるのだが・・・
魔道具屋から購入した魔石には、『浮遊』『魔法障壁』『身体強化』『速度強化』を魔石1つに魔法1つ付加していた、1つの魔石に複数の魔石を付加する事が出来ずに、2つ以上の魔法を付加すると魔石の方が耐えれずに魔石は破裂していた
『木魔法』については、アライズ達3人とシルキーミルキーだけが修練済みだが、リウやクラシス達は修練すれども修得する事は無かった・・・
『お菓子作り』はリウと『ひよこ亭』の3人以外に、『娘さん』達が頑張って覚え、林檎のみではあるが数種類のお菓子を調理可能になっていた
「『アイギス』の依頼の土壁の作成はもうすぐ完了だね」
「今日までで1ヵ月土壁作りしてたのか・・・」
「休日に息抜きで色々な事をしてたから充実してた」
「魔石に付加する事を覚えたから、魔道具屋で魔石を売る事も出来るんじゃない?」
「あまり魔石を売りたくないなぁ、『アイギス』で使った方がいいかもしれないよ」
「『魔法障壁』はメンバー全員に持たせたいし、『身体強化』と『速度強化』は前衛役に2つセットで持たせて、『風纏い』と同時使用で効果を倍増すれば面白いと思うよ」
「それに土壁に関しても、早ければ3日位で終わるんじゃない?」
「最短でなら3日かな・・・」
「ここまできたら無理しないで終わらせよう」
「食糧はたっぷりあるし、一軒家の使用期間は・・・残り1ヵ月?」
「多分1ヵ月は一軒家を使えるはずだよ、明日あたり商業者ギルドの『リリー』さんに聞けばいい」
「『リリー』さんなら夜に来るんじゃない?休日の晩酌には毎回来るし・・・」
「どういう訳か休日の夜には晩酌からのシルミル(シルキーとミルキー)の部屋に泊っていくね」
「酒と肴に誘われて一軒家に来るのかな?」
「『ガンガ』さんはギルドに放置したから一軒家に来なくなったね?」
「そのかわり土壁作成時の昼ご飯には必ず参加してるか・・・」
「昼ご飯には『リリー』さんは来た事無いね」
「あー、それは前に『リリー』さんに聞いたわ・・・、どうやら食事が美味しすぎて食べ過ぎて困るって言ってたよ」
「食べ過ぎて困る?なんで??」
「『リリー』さんは基本ギルドでの受付嬢でしょ、私達の様に食べても魔法を唱えているからなのか、いくら食べても太る事がないでしょ」
「あー、どういう訳か太らないね・・・、むしろ魔法を唱えた後はお腹が減るし」
「アライズ達3人にも太りにくい料理と言うものは調理不可だったし・・」
「リウにも作る事は出来なかったの?」
「太りにくい料理?どちらかと言えば美味しい食事はいっぱい食べたいと思う方だしなぁ」
「クラシスやリズだって、美味しい料理は好きでしょ?」
「「もちろん」」
「美味しい料理は太りやすいってわけじゃないけど、僕達の様に食べて動く事もすればいいんだけどね・・・」
「『ひよこ亭』の林檎のデザートは最近の一押しだったけど、林檎は何箱購入したの?」
「僕とココのアイテムボックスに2箱ずつ保管してるよ、調理場の地下貯蔵庫に1箱と『白銀龍』と『娘さん』達のマジックバックにそれぞれ保管してあるかな?」
「それは買いすぎでは・・・」
「言い忘れたけど、林檎の苗木も数種類数本購入したよ、これは僕らが安住する土地に植えるつもりだからね」
「梨や桃の苗木は無いの?」
「梨や桃も数種類の苗木を購入してあるよ、苗木は僕のアイテムボックスに保管してある」
「ねえ、リウは果樹を育てた事があるの?そんなに苗木を購入して・・・」
「果樹は育てた事無いよ、一応『木魔法』を修得するつもりだし、何よりエルフの『娘さん』に育て方を聞くか、育てるのを任せた方がいいかも」
「リウは『アイギス』の安住の地にまで『娘さん』達を連れ回すの?」
「それなんだけど安住の地は、エルフの集落か麓の集落の近くが良いと思う、『黒き龍』の事もあるし、何より河川もあり山間部もある、冬期間が長い事を除けば最高の立地条件だと思うよ」
「次の集落では、ギルドでクエストを受けずに露店で買い物だけして、すぐに移動するつもりお願いね」
「・・・それはなぜに?」
「次も『犬耳族』の集落だけど、林檎の収穫も終盤だし、ここで購入した商品以上の物は無いでしょ、それならその先の集落へ向け移動した方がいい」
「その先の集落・・・?」
「『小鬼族』の集落があるらしい・・・、多分2つ目の集落到着が冬期間前のギリギリ移動範囲だと思うよ」
「その集落で冬期間を過ごす・・・か、森の中で簡易陣地で春まで籠るとか?」
「その辺は集落についてから考えましょ」
「さぁー、もうすぐ夕方だし晩ご飯の準備をしましょ、『リリー』さんもそろそろ来そうだし」
アライズ達『ひよこ亭』の3人は調理場へ向かい、リウとノノ達はポーション作成の手を止め、テーブルの上を片付け始める
クラシス達は魔石に魔法を付加作業をし、魔法ごとに革袋に保管する
晩ご飯の準備を始めると同時に、シルミルの2人は馬達の世話をしている
「今日は林檎のデザートの新作は、黒熊の角煮と野うさぎの香草焼に焼串に焼鳥、焼きたてのパンと麦ご飯です、食事中は果実酒のみなので、酒類は晩酌時にお願いね」
暫らくして『リリー』さんが一軒家を訪ねて来て、いつも通りの食事会と晩酌を開催するのであった
依頼終了目前とこれからの事とか。




