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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
221/354

2-221リウの付加魔法講座とか

『アイギス』の一行は、箱馬車を『浮遊』で浮かせ、馬達に負担をかけない様にゆっくりと街道を進んでいた

『小鬼族』の集落を発ってから2日後、麦畑が広がる景色から一転、街道側には木々が植えられていた、リウはMAPを展開し周囲の反応を調べていた


「この周辺は野犬や黒犬の反応があるね・・・」


リウの見つめている方向には、野犬4匹の群れの反応を感知していた

ノノやココもリウの見つめる方向を見つめている、2人も同じように群れを感じていたが、距離があるので警戒していた


「どうするの?」


「4匹の群れか・・・」


「んー?距離もあるし大丈夫じゃない?一応、警戒だけはよろしくね」


ノノやココが野犬の反応を確認し、リウが2人に警戒をお願いし、御者のリウはのんびりと箱馬車の操縦をしていた

野犬4匹の発見で、箱馬車内の『娘さん』達は箱馬車の2Fで警戒し、いつでも魔法障壁を展開できるようにしていた

箱馬車の中ではジャンヌとクラシスとリズは交代で『浮遊』を唱えていた、戦闘に突入してもこの中の1人は留守番となる

シルキーとミルキーは、『娘さん』と一緒に箱馬車の2Fで野犬発見と同時に魔法を放つ準備をしていた

アライズとアリサ・アンナは、箱馬車の2Fで仮眠中で野犬発見の事を知らずに眠る事になる


それから暫らく箱馬車を走らせたが、野犬の群れが近づく事は無かった・・・

リウはMAPを展開し、野犬の動向を見守っていたが、一定の距離から近づく事をしなかった


昼ご飯や休憩の時も、野犬の反応を感じていたので、リウ達はいつも以上に緊張しながら休憩していた、ノノやココは迎え撃つ気でいたが、今は危険が無いという事で待機していた


「そう言えば、次の『犬耳族コボルト』は林檎などや有名だっけ?」


「そそ、果樹園があるって」


「今の時期は林檎の収穫時期だっけ?」


「早取りの林檎があれば収穫してると思うけど?」


「梨や桃は収穫期だと思うよ」


「そっか~」


「どっちも好き~」


「露店を回るのが楽しみ~」


リウを始めノノやココ達も林檎や梨、桃などの果物は好きだった

アライズ達も林檎でパイを作ったりと、果物をメインにしたお茶菓子も『ひよこ亭』では定番のメニューになっていた

食後の休憩後に再び箱馬車で街道を移動したら、野犬の反応は離れていき、シルキーやミルキー・『娘さん』達は警戒態勢を解除し、箱馬車の2Fでまったり過ごしていた


御者のリウはMAPを展開し、野犬の群れが離れているのを確認し、ノノやココにも警戒解除をしてもらう事にした、『白銀龍』はリウの膝の上に座り少しだけ眠たげにしていたので、ノノを呼び『白銀龍』を箱馬車の2Fで仮眠中のアライズ達の所で眠らせる事にした


リウは御者席に1人で座っていると眠くなるので、隣にノノとココが座り、麓の街の魔道具屋ハルクさんから聞いた魔石に魔法を付加する方法を教えていた

2人はリウから小さな魔石を手渡され、魔石に『魔法障壁』を纏わせていた・・・が、中々上手くいかず、次の休憩までに魔力枯渇でふらふらになっていた


「リウ、凄く難しいんだけど・・・」


「薬草とは感覚が違うからか魔力の消費が激しい・・・」


「やっぱり薬草とは違うのか・・・、『聖属性ポーション』の作成よりも格段に修練が必要みたいだね・・・」


「それでリウは魔石に魔法を付加して何をするつもりなの?」


「目標は『アイギス』専用の装備向上かな」


「装備向上?」


「魔石に『魔法障壁』を付加するのが?」


「自分で『魔法障壁』を唱えるのと同時に、並行して魔石の『魔法障壁』を展開して、実質『魔法障壁』の重ね(かさね)を目指しているんだよ」


「重ね(かさね)・・・、二重展開にじゅうてんかいかな?」


「まぁ、名称はどっちでもいいけど上手くいけば、少量の魔力で『魔法障壁』を展開できる、それにそれ以外の魔法を付加しても面白いし」


「まずは『魔法障壁』の付加を試すのね?」


「そそ、『魔法障壁』は討伐でも採取でも共通に展開できる万能魔法だし、魔石に『イージス』を付加出来たらいいんだけど、小さな魔石に『イージス』を付加できるとは思えないしね・・・」


「リウは魔石に魔法の付加は成功済みなの?」


「いあ、まったく失敗ばかりだね」


何度か火の番の時チャレンジしていたが成功はしていなかった、今のノノやココと同じく魔力枯渇で何度もふらふらになっていた、やはり日々の修練が大事だと思い、リウは毎晩の日課で魔石に魔法の付加を行っていた


「魔石に魔法の付加を覚えたら、武器や胸当てにも魔法を付加したいし、やりたい事ばかりワクワクするね」


リウはにこにこしながら魔法付加の話を2人していた

ノノとココは「むむむ・・・」と、魔法付加の難しさに頭を抱えていたが、リウの魔法付加を修得するという意気込みが凄く、これは是が非でも修得するしかないと考えていた

この魔法の付加については、クラシスやリズも修得していない為、『アイギス』のメンバーは時間があれば付加の修練につぎ込んでいた


この日は晩ご飯までに数回の休憩をはさみ、ジャンヌやクラシスなどにも魔石に魔法の付加についての話をし、1人ずつ小さな魔石を手渡していた、最初は魔石に『魔法障壁』の付加をお願いした

やはり『アイギス』で一番の魔法の使い手でもある、クラシスやリズでも魔法付加を使用する事が出来ずに、魔力枯渇まで頑張りふらふらになっていた


リウの魔法の付加の話を聞いた『アイギス』のメンバーは、箱馬車の『浮遊』役以外が魔法付加の修練に専念し、いつも以上に魔法=魔力の修練に励む事になる


そして、次の『犬耳族コボルト』の集落につくまでに、付加を修得したのは『白銀龍』だけだったが、クラシスとリズはもう少しで修得出来そうな状態であった

リウ達は、魔力枯渇まで『魔法障壁』を唱えていたので、『魔法障壁』だけは即時展開出来るようになっていた


それから2日後には『犬耳族コボルト』の集落に到着する

リウの付加魔法講座でした。

次回、『犬耳族コボルト』の集落に到着予定、梨狩りとか桃狩りとかの話しを書きたいなぁ」

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