2-220次の集落へ向けてとか
リウ達は20日間の土壁作成という突発的なクエストを終え、『アイギス』は3組で薬草採取とポーション作成、それと簡易陣地で留守番に分かれて行動する
薬草採取もポーション作成も午前中に行い、午後からは簡易陣地に戻って休憩か露店で買い物をしていた、クエスト報酬で『アイギス』の活動資金も潤っていたので、クラシス達は酒を買い、ノノ達は焼串や焼鳥を購入し、アライズ達は調味料を追加購入した
薬草採取場所が広かった為、午前中だけでも薬草100本以上採取可能で、午後からリウを始め他のメンバーもゆっくり休む事が出来た
その中でも午後からシルキーとミルキーは、先月まで携わっていた土壁に沿って馬達を走らせていた、リウは2人だけだと心配でジャンヌが付き添ったり、『娘さん』が一緒に魔法強化し、乗馬したシルキー達と一緒に駆けていた
次の日リウは、ノノやココと一緒に草原の外れで、大猪と黒熊の解体を行っていた
リウとココのアイテムボックスには、野犬や黒犬以外にも大猪や黒熊が討伐状態のままで合計30匹前後保管されていた
野犬や黒犬は、商業者ギルドに定期的に納品し、旅の旅費の足しにしていた
大猪や黒熊は、ギルドに納品するのは勿体無く、『アイギス』で食糧にした方がいいという事で、納品せずに解体作業をしていた、今回はリウとノノとココが担当になり、草原まで来て解体を行っていた
「黒熊の毛皮は加工が難しいから、アイテムボックスに保管するとして・・・」
「骨はどうするの?」
「食糧にならない部位は埋める?」
「それだと骨と内臓は埋めるか・・・」
「「了解」」
黒熊を血抜きした後、内臓を取り出し、地中に埋める
すぐさま毛皮の剥ぎ取りをし、アライズ達が調理しやすい様に、部位にわけてアイテムボックスに保管する
リウ達は何度も解体作業を行っていたが、それでも1時間で1匹解体するのが精一杯だった
1匹解体後に魔法で各自身体を綺麗にし、休憩をするのだが・・・、午後から黒熊3匹解体するだけで心身ともに疲れ切り、簡易陣地へ戻る前にもう一度休憩をした
「やっぱり解体は疲れるね・・・」
紅茶を飲みつつ、連続3匹解体した疲れでリウ達は元気が無かった
ノノとココも同じくイスに深く座り、紅茶をゆっくりと飲んでいた
『白銀龍』は、解体中はリウ達の周囲に魔法障壁を展開し、野犬や黒犬の警戒をしていたが、解体中のリウ達に近づく者はいなかった・・・
今はリウの膝の上で焼串を頬張り、しっぽをぶんぶん振っていた
「それでも3匹解体出来たんだから、当分は解体しなくても平気そうだね~」
「これで数週間は食糧に悩まなくていいし~」
「大猪の肉は・・・アイテムボックスに在庫があるから・・・解体しなくても大丈夫そう」
「逆にホロホロ鳥は解体しなきゃ・・・、アイテムボックスにも解体した肉の在庫が無いかも」
「ホロホロ鳥は明日にでも解体するよ」
「「了解!」」
リウは勿論だが、ノノやココも食べる事が好きなので、解体作業は必須な事と捉えていた
その為、『アイギス』のメンバーは自ら討伐し解体をする、そして、『ひよこ亭』で調理し、リウ達の前に並ぶ・・・
美味しい料理を頂くには、その過程の事も考える、食べる事に対する感謝を込める意味もあるので、『アイギス』では食事の前に「いただきます」といい、食後には「ごちそうさま」と言っていた
リウは紅茶を飲み終えると、ノノやココも同じく紅茶を飲み終えていたので
「それじゃ、帰ろうか」
「「はーい」」
「戻ったらギルドに黒熊の毛皮3枚納品するよ」
「了解」「露店にも寄ろうよ~」
「それじゃ、ギルドに納品後したら露店で買い食いしよ」
『「「うん!」」』
商業者ギルド内は、夕方という事もあり冒険者が大勢いたが、クエスト報酬を手にし隣のギルド管轄の酒場へとなだれ込んでいった
リウ達はギルド内が静かになるまでクエストボードの前で新しいクエストが無いか調べていたが見当たらなかった、ランクEは薬草採取と野犬討伐か・・・
「目新しいクエストは無しっと・・・」
「受付カウンターが空いてきたから並ぼう」
「それじゃ、2人はここで待ってて」
「「うん」」
『白銀龍』はリウの背中に張り付き一緒に受付嬢の所に行く
「次の方どうぞ~」
リウは予めアイテムボックスから黒熊の毛皮を3枚取り出した
テーブルカウンターに黒熊の毛皮を載せ
「毛皮の買い取りをお願いします」
「はい、少し見せてもらいますね・・・」
受付嬢は毛皮を手に取り、品質をチェックした後に
「3枚とも品質は大変良いですね、すべて買い取りで?」
「はい、お願いします」
「では、こちらが毛皮3枚分の報酬になります」
受付嬢は毛皮3枚分の報酬の入った革袋をリウに手渡した
ギルドは一律で買い取り金額が決まっていたので、リウは一々革袋の中身を確認せずに
「ありがとう、また買い取りお願いしますね」
「こちらこそ」
受付嬢はニコリとリウに笑顔を向けてくれた、リウはぺこりと頭を下げ、『白銀龍』はリウの背中から手を振っていた
受付嬢はリウの背中にいた『白銀龍』に驚きこそしたが、リウがギルドを出るまで受付嬢は『白銀龍』に手を振っていた
「それじゃ、露店で何か買い物しよ~」
「焼串!」
「焼鳥!」
『焼串!!』
「『白銀龍』も焼串か・・・、2対1で焼串に決定!」
『「わーい」』
「残念無念、明日は焼鳥をお願いします」
1票差で負けたココは、ノノと『白銀龍』にお願いしていた
2人は『「了解!」』とイイ笑顔でココに向けていた
その後、焼串4本は帰り道で頬張りながら帰る事になる
『アイギス』の簡易陣地に戻ると、シルキーとミルキーが馬達に餌を与えていた
護衛役の『娘さん』達も午後からは交代で休憩を与えていたが、いつも通りに簡易陣地の警護をしていた、リウ達が戻ると同時に『娘さん』達も『ひよこ亭』に戻ってきた
黒熊の解体が済んだ事で、明日からアライズ達は焼串や角煮などを大量生産する事になる
調理後はマジックバックに保管後、ココやリズのアイテムボックスに保管し、旅先の食事となるか晩酌の肴になるのだった
リウ達は薬草1000本収集するまで『小鬼族』の集落に滞在する事になる
薬草採取とポーション作成を同時に行った結果、薬草1000本収集する頃には、ギルドにポーションを約500本ほど納品するのだった・・・
食費や酒代を支払っても、土壁クエストの報酬やポーション作成の報酬のおかげで、『アイギス』はランクEでは有り得ないほどの活動資金を得る事になる
しかも、宿屋にも泊らず野宿同然の生活だったので、収入ばかりが増えていった
それから2日後、『アイギス』は『小鬼族』の集落を後にし、次の集落へ向け移動を開始する
次の『犬耳族』の集落は、果実が有名だというし、林檎や梨など果物が美味しい集落らしい・・・、『アイギス』のメンバーは勿論の事、『白銀龍』や馬達も林檎が大好きなので、箱買いしてもいいとリウは考えていた
次は『犬耳族』の集落へ向け移動開始です。
『犬耳族』は茶色の髪に、犬耳が特徴の種族で手先が器用という事もあるが、土地柄で農業に従事している者が多く、集落の周りには果樹園があるという・・・。




