2-219野犬討伐と追加依頼とか
リウ達は野犬17匹を商業者ギルドに納品し、報酬額でこの集落特産の麦酒を購入した
各集落で麦酒にも違いがあるらしく、リウはノノやココと味見をし、飲みやすい酒を大瓶で購入し、少しだけ露店を周り焼串や焼鳥を5本購入し、簡易陣地へ戻る道すがら食べながら帰る事になる
「この焼串は野犬?黒犬??」
「肉質よりも味付けが絶妙」
「これは酒の肴にもなる」
『うまうま』
リウが何の肉か考えている間、ノノやココや『白銀龍』が美味しそうに頬張っている
ジャンヌも焼串をじっくり食べているみたいで、もぐもぐと口を動かしていた
「明日はアライズ達を焼串を試食してもらって、焼串の味付けを再現できるか聞いてみよう」
「そうですね、調味料の割合なのか・・・隠し味が解れば再現可能なのかな?」
「それが無理なら集落を離れる前に大量買いかな」
「何にしてもアライズ達は昼から飲んでるし、この話は明日の朝にしようか」
「アリサとアンナには、戻ってから話しましょ、購入した麦酒を飲みながら~」
「あんまり飲み過ぎないでね」
「わかってるって、野犬や黒犬の群れが気になるし、暫らくは簡易陣地の警戒を怠らないようにしよう」
リウがそう言うとノノとココが「少しだけなら・・・」と声を小さく呟いている、リウは2人の頭を撫で「いつも通り飲んでいいから・・」と話していた
「交代で夜起きてれば大丈夫でしょ、『娘さん』達にも手伝ってもらおう」
「集落に到着した初日だし、戻ったらゆっくりしましょ」
『ご飯ご飯~』
リウに肩車している『白銀龍』が嬉しそうにしっぽをぶんぶんと振っていた
ノノとココがリウと手を繋ぎながら簡易陣地へ戻る
簡易陣地へ戻ると、クラシスとリズとアライズが『ひよこ亭』で麦酒を飲み、サイコロステーキやホロホロ鳥の焼鳥を肴に晩酌をしていた
アリサとアンナは3人のリクエストに応える様に次々と料理を作っていた
麦酒を楽しんでいると思っていたら、どうやらアリサとアンナの料理の上達ぶりを確かめているようだった
アライズも2人の調理した料理を1つ1つ口に運び、「おいし~」と呟いていた
リウ達は「戻ったよ~」と声をかけ、『ひよこ亭』のテーブルの席についた
「それから麦酒を買ってきたから飲んでみて」
リウはアイテムボックスから先ほど購入した麦酒の大瓶をテーブルに並べる
ノノ達が飲みやすいと言っていた酒なので、クラシス達には不評かもしれないが、軽めに飲む分には十分な酒だと思い大瓶で購入したものだった
「それじゃ、まずは1杯もらいます」
クラシスがカップの酒を飲みほし、リウに買ったばかりの麦酒を欲していたので、大瓶の封を開けカップに注ぐ、クラシスは飲む前にカップの酒の匂いを確かめ口に含む
「うん、うまい!」
次の瞬間、水でも飲む様にゴクゴクと飲みほした
それを見たリズやアライズも麦酒が気になるのか、カップの酒を飲みほし、リウに「「こっちにも!!」」とおねだりしてきたので、2人のカップにも麦酒を注ぐ
2人はカップの麦酒の匂いを嗅ぎ、カップの酒をコクコクと飲みほしていく
「おいしい・・・」
「飲みやすいから飲み過ぎに注意しないと・・・」
リズとアライズは、この麦酒が飲みやすいのを知り、飲み過ぎそうだと思っていた
ノノやココ、アリサやアンナもクラシス達同様にリウの前にカップを差し出し
「「「「麦酒を頂戴」」」」
と、4人は声を揃え麦酒を要求してきた・・・
リウは「はいはい、お嬢さん方ご飯前なので1杯までですよ?」と言いながら、4人に麦酒を注いでいく
ノノ達4人は、カップの麦酒をコクリと飲み、「うまー」とか「おいし」とか呟いている
やはり4人とも飲みやすい麦酒なので、コクコクとカップの酒を飲みほして・・・
「麦酒は晩ご飯後に、晩酌の時に飲むとして、とりあえず、晩ご飯を食べましょ」
リウはニコリとそう言い、アリサとアンナが調理荷台に向かう、ジャンヌがシルキーとミルキーを呼びに向かい、リウは『娘さん』達に晩ご飯が出来た事を告げに向かう
シルキーとミルキーは、馬小屋で馬達の世話を嬉しそうに行っていた
『娘さん』達は、簡易陣地の『かまくら住居』の屋根の上で周囲の警戒をしていた
リウやジャンヌが戻るのと同時に、シルキーとミルキー・『娘さん』達が『ひよこ亭』のテーブルの席に着く、テーブルには数々の料理が並び、『白銀龍』もテーブルに置かれているサイコロステーキから目を離せないでいた
リウはテーブルにメンバー全員が席についたのを確認し、手を合わせてから
「それじゃ、いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
リウの食事の合図で晩ご飯が始まる、『白銀龍』が合図とともにサイコロステーキにかぶりつき、ノノやココもホロホロ鳥の焼鳥を頬張っていた、ジャンヌはパスタを頬張り、アリサとアンナは大猪の角煮を、シルキーとミルキーは野うさぎのトマトスープにパンをつけて食べていた
クラシス達、飲兵衛3人組は焼串と焼鳥を肴にちびちび飲んでいた
『娘さん』達も食事の時は、ノノ達にも負けずにステーキや焼鳥を頬張っていた、ただ違うのは酒を飲まずに食べる事に集中していた
食事が進みリウは午後に草原であった事を話し始める
『小鬼族』の集落の周囲に薬草採取場所が2ヶ所ある事、採取場所に向かう時に17匹の野犬に遭遇した事をメンバーに話した、クラシス達は野犬の多さに驚きつつも、麓の集落で赤目の魔物出現での野犬の群れの移動が原因かもと話すと、「そういえば・・・」とか「それならしょうがないか・・」と納得したみたいだった
『アイギス』は草原では野犬の群れの遭遇率の多さから、薬草採取よりも野犬討伐を優先的に行い、安全確保の後に薬草採取に取り掛かる事をこの場で決め、明日からはリウをリーダーにした簡易陣地の留守番組、ノノがリーダーの野犬討伐組、クラシスがリーダーの薬草採取組の3組に分かれて行動する事になる
野犬の討伐完了までは、『アイギス』として露店巡りをせずに、各組で露店を周りをお願いし、好きな物を買える様にリウは各リーダーに買い物資金を渡すのだった
この日から『小鬼族』の集落周囲から野犬や黒犬の出現率が下がり、『小鬼族』の農家のみなさんの野犬からの襲撃が減る事になる、それにともない商業者ギルドから『アイギス』に麦畑や畑の周囲に土壁の作成をお願いする依頼が多数寄せられる事になる
その依頼の話を聞くのは、野犬や黒犬をあらかた討伐した後だったので、集落到着7日後の事だった
『アイギス』の土壁の作成の事は、麓の街のギルドからの情報と、この集落での『アイギス』の簡易陣地の堅甲な土壁を見ての事だった
リウを始め、クラシスやリズも商業者ギルドからの依頼という事で、報酬に関しては2人に任せ、リウ達は簡易陣地に最低限の人数を残し、『小鬼族』の麦畑や畑を土壁で囲む作業を行う事になる
麦畑や畑と草原の境を土壁で囲うのだが、土壁の高さ1mの幅1mの土壁の土台のみの作成となった、これに関しては作物の日光や土壁の向こう側が全然見えないのは怖いという話が出たからである、土壁の土台の上には杭とロープで外部の侵入を防ぐようにした
杭とロープは『小鬼族』の農家の皆さんの力を借り、『アイギス』の土壁作成依頼は20日の長期間の仕事になり、これにより『アイギス』の旅の資金調達を確保する事になる
リウ達は土魔法を毎日使用した事により、リウを始めシルキーやミルキー、『娘さん』達も土魔法だけなら上級冒険者並みの実力を手にした・・・
上級冒険者何の力があっても、リウ達は土魔法を土壁や簡易陣地の作成でしか使わないので、あまり関係の無い話だった
「土壁がいつもより頑丈な気がする・・・?」
っと、言う感じでしかリウは思っていなかった
『小鬼族』の集落の野犬討伐と、追加の土壁作成をサクサク進めました。
ギルドからの依頼なので、報酬がいつも以上においしい事に・・・。
依頼自体『小鬼族』の手も借りていたので、ある意味共同での仕事という事で、リウ達は勿論の事『白銀龍』も『小鬼族』の顔見知りになる。
エルフ同様に『小鬼族』も龍の事を崇拝している事を知る。




