2-218薬草採取前に野犬討伐とか
リウはノノ達3人と『白銀龍』で、『小鬼族』の集落の薬草採取場所を調べに草原を歩いていた
集落は麦畑に囲まれており、杭とロープで野犬や黒犬の侵入を防いでいるみたいだが・・・
実際に商業者ギルドの話では、ロープだけでは防ぐ事が出来ずに畑を荒らされているとこの事だった、確かにノノ達も周囲を警戒し、100m範囲内に数匹の反応を感じているようで、『風纏い』を唱え、棍や槍を構えている
「野犬や黒犬は発見次第討伐で!」
「「了解」」
「一応、アイテムボックスに保管するの?」
リウはココの質問に対し、少し考えてから
「一応、保管しようか、後でギルドに納品して食費にまわしましょ」
「わかった」
ココは頷き、反応のあった方へ棍を構えて駆けていく
ノノやジャンヌも棍や槍を構え、ココと同じ方へ駆けていく
リウと『白銀龍』は、ココ達の向かう方向に数匹の反応を感じていたが、数分後には反応が消えていた
リウはMAPを展開し、ノノ達の周囲の反応が消えた事を確認し、MAPで周囲1km圏内を調べはじめる・・・、麦畑には反応が無いが草原の方に多少の反応が確認できた
リウが「じー」と草原の方を見つめていると、ノノ達が戻ってきて同じように草原の方を見つめ始める、「じー」と見つめていても3人には何も知る事は無かった
「それでリウは向こうに何を感じたの?」
「麦畑の向こうに野犬の群れをね・・・」
「倒しに行くの?」
「んー、まぁ、いってみようか」
リウは棍を構え、『風纏い』を唱え、『白銀龍』と一緒に野犬の群れに駆けていく
ノノ達3人も同じく武器を構え、『風纏い』を唱えて、リウの後について行く
魔法の効果で数分で野犬の群れを目視で確認し、先頭の野犬に「ボルト」を数発放ち、群れの半数を減らす事に成功する、続けてノノ達も「ボルト」を放ち、数秒の後に野犬の群れの討伐を終える
リウとココは、直ちに野犬の群れをアイテムボックスに保管する
その間『白銀龍』は周囲に野犬や黒犬の反応が無いかを警戒していた
リウは野犬を保管し、背中のリュックから『白銀龍』を出してから休憩する事になる
戦闘行為があった場所では休憩が出来ないという事で、麦畑の方まで歩き土魔法でイスとテーブルを作成し、簡易コンロでお湯を沸かし紅茶の準備を始める
ココはアイテムボックスから林檎や焼串を取り出し、ジャンヌは土壁で周囲を囲み、ゆっくり休めるスペースを確保する
リウは『白銀龍』を抱きながら紅茶が飲み、ぼんやりしていた
ノノやココ・ジャンヌ達も紅茶を飲み、林檎や焼串を頬張っていた
『白銀龍』は林檎を丸ごと1個頬張り、次に焼串を美味しそうに頬張っていた
「薬草採取場所を調べる前に野犬討伐が先行しちゃった・・・」
「なんで野犬の数が多いのかな?」
「群れの移動とか?」
「もしくは、どこからか逃げてきたとか??」
『小鬼族』の集落は麦畑と草原に囲まれていたので、野犬は草原の向こうから移動してきたとか?
それとも赤目騒動の時に、野犬とか黒犬の群れが集団で移動したのか?
もしくは、集落に討伐する冒険者の数が足りないのか・・・
何にしても『小鬼族』の集落にしたら、いい迷惑なのかもしれないが・・・
「何にしても薬草採取前にある程度の野犬討伐をするしかないかな?」
「「「賛成」」」
リウは『白銀龍』に2本目の焼串を食べさせていた
MAPを展開し、薬草採取場所を調べると2ヶ所の薬草採取場所を確認できたが、3ヶ所とも採取場所の範囲は広く、1日で2ヶ所採取しても薬草400本も採取可能だとわかった
「休憩後に採取場所を回って場所の確認をするか」
「私達3人が場所を覚えれば、3組に分かれて討伐と採取と留守番が可能になるしね」
「それじゃ、紅茶も飲み終わったし、採取場所を探しましょ」
「『白銀龍』はどうする?一緒に走るか?」
『走る!』
「了解、それなら僕の後ろについて来てね」
『白銀龍』はコクコクと頷き、魔力を纏っている
リウとジャンヌは土壁とイスとテーブルを解除し、ノノとココは簡易コンロと紅茶カップを片付けた、焼串と林檎はマジックボックスに保管した
「それじゃ、薬草採取場所を探して、地図の作成をしよう」
リウはMAPを展開し、一番近くの採取場所に向け移動を始める
リウ達は『風纏い』をし、目的地まで一直線に駆け始める
『白銀龍』は魔力を纏うだけでリウ達について行った、それだけ『白銀龍』の基本性能が凄い事なのだが、リウ達は何も気にしていなかった
リウに至っては、「『白銀龍』は凄いな~」とのんきな事を言っていた
それは自分の子供をべた褒めする親バカにも見えたのでノノ達は何も言わずニコニコしていた
暫くするとリウが最初に薬草採取場所に到着する
リウは地図の作成を始める、地図の真ん中に集落と描き、次に街道をささっと書いて・・・、大体の薬草採取場所を書いて、採取可能な薬草の種類と数を書いてから、次の採取場所に向け移動を再開する
その日リウ達は2ヶ所の薬草採取場所を確認し、地図を完成する事になる
集落に戻る前に、3回も野犬の群れに遭遇し、リウ達は野犬17匹を討伐し、臨時収入を得る事になる
「薬草採取よりも野犬討伐の方が収入いいんじゃない?」
「野犬の毛皮は十分にあるし、丸ごとギルドに納品するしかないかな」
「野犬がいなくなれば、薬草採取を安全に行えるでしょ」
「やっぱり『アイギス』全員で野犬討伐を実施するしかないかぁ~」
リウはノノ達と歩いて集落へ戻る最中に、明日からの『アイギス』の事を話していた
これからリウ達はギルドに野犬を納品し、その報酬で今日の晩酌用の酒を購入してから戻るのだった
野犬の遭遇率が多めです、『アイギス』の薬草採取はもうすぐ後になります。
リウ達は『小鬼族』の集落という事で、『白銀龍』は人目?小鬼族の前に出しても平気と考え始めています。




