2-217次の集落到着と簡易陣地作成とか
豪雨の日から3日後、『アイギス』は次の『小鬼族』の集落へ到着した
やはり集落の作りは同じらしく、街道の両側が麦畑が一面に広がっていた
違う点は、麦以外にもトマトやナスも多く見られた、それ以外でも唐辛子やニンニクなど調味料も確認できた
リウとアライズは、野菜を見てはどういう風に調理するとか話していた
アリサとアンナも一緒になり『アイギス』の食事の為に話し合いに参加していた
やはり麦畑は見受けられたが、水田は確認できなかった・・・、ここにも『米』は無いっぽい
リウはここでも『米』が無い事を、集落に入る前に気がつき「しょぼーん」としていた
集落に入る前に、各自ギルドカードを提示し、商業者ギルドの場所を聞き、まずはギルドを目指した、ギルドは集落の真ん中に冒険者ギルドと商業者ギルドが隣通しで建っていた
冒険者ギルドは、ギルドハウスの隣には修練場があるのに対し、商業者ギルドは隣に解体場とギルド倉庫が建ち並んでいた
冒険者ギルドに出入りするのは、鎧を着こみ武器を装備した冒険者に対し、商業者ギルドの方は、武器を持たない冒険者が出入りしていた
『アイギス』は商業者ギルドの前に停車し、シルキーとミルキーが御者と助手をお願いし、ジャンヌと『娘さん』達に箱馬車の警護をお願いした、アライズとアリサ・アンナは調理荷台で食糧の確認と調理済みの料理をマジックバックに保管していた
リウ達は商業者ギルドに入ると、クエストの発注に来た者やクエストを完遂した者、ポーションなどを納品する者がギルドの受付嬢の前に並んでいた
リウとココとリズが受付嬢の列に並び、クラシスとノノはクエスト掲示板の前でランクEのクエストを確認していた
「ランクEは薬草採取ばかりか・・・」
「こっちに野犬討伐があるよ?」
ノノが見つけた野犬討伐は常時クエストみたいで、討伐数に対して報酬額を支払うみたいだった
「常時クエストか・・・、ひょっとして野犬の数が多いのかな?」
「討伐数に対して報酬額が少ない気が・・・」
「初心者冒険者には適性かもしれないけど、中堅冒険者には厳しい報酬額なのかもしれないね」
「私達なら薬草採取しながら、野犬討伐も可能か?」
「どっちのクエストも常時クエストっぽいから、『アイギス』の資金稼ぎには丁度いいかも」
クラシスはそう言って、クエスト内容と報酬額を覚えていくのだった
ノノも薬草採取以外の事を最近やっておらず、久しぶりの野犬討伐にドキドキしているのだった
一方その頃、リウ達は受付嬢の列に並んでいた
リウ達の前には3組の冒険者がおり、背負い籠の中には薬草や野犬か黒犬の毛皮が籠に入っているのを確認できた
となりの列ではクエスト発注なのか、『大猪1頭の毛皮』や『黒熊1頭を解体せずに求む』など聞こえてきた、どちらもリズかココのアイテムボックスに保管されているが、毛皮ならいいが肉は食材として食べちゃうからギルドに納品する気は無かった
暫らく待っているとリウ達の番になり、リウから順にアイテムボックスからポーションを取り出し、ギルドに納品していく
リウ達はポーション作成時後に、ギルドに納品する事を伝え、数日後にまた納品する事を伝えギルドを後にするのだった
一応、受付嬢からは箱馬車も一緒に宿泊できる宿屋を教えてもらったが、やはり現在はどの宿屋も満室で、商業者ギルドの管理地の1つを貸してもらう事になる
ギルド前に停めていた箱馬車は、冒険者達がチラチラと見ていたが、ジャンヌと『娘さん』が武器を構えていたので近づく者はいなかった
どうやら冒険者達は箱馬車が気になったのではなく、シルキーに抱っこしていた『白銀龍』が気になっていたみたいだったが・・・
「それじゃ、ギルドに聞いたら宿屋は満室みたいだったから、ギルドの管理地の広場で休もう」
リウはそう言って、シルキーとミルキーの間に座る、クラシスやノノ達も箱馬車に乗車したのを確認し、一路ギルドの管理地へ向け箱馬車を移動するのだった
『小鬼族』の集落は、冒険者や商人よりも農家に従事している小鬼族の人達が多く、荷馬車が頻繁に通るので道幅が広く、雑貨屋や武器屋などに加え、農具を扱う商店や露店が目についた
それに露店では、各種野菜に加えて野菜の苗等も売られており、リウは野菜の苗もアイテムボックス内に保管できるかを考えていた
ギルドの管理地は、ギルドから箱馬車を10分走らせた所にあった
そこは『小鬼族』の集落のはずれにあり、周りは住宅街と言える場所で最低限の杭とロープで囲われた場所になっていた
リウは管理地の真ん中に箱馬車を止め、まずは馬達を箱馬車から外し、シルキーとミルキーが馬達に餌をやったりブラッシングをしていた
「暫らくはここで生活するから、馬小屋は大きめにして、箱馬車は寝床として活用しよう、『かまくら住居』を『ひよこ亭』として、食事やポーション作成をメインに考えて、トイレと浴槽も追加で作成・・・っと」
リウが大まかな簡易陣地の構想を考えていく、クラシスとリズが馬小屋を作成し、アライズとアリサとアンナが箱馬車を包むように『かまくら住居』を作成していく
ノノとココとジャンヌはアライズ達が作成した『かまくら住居』の手前に同じ大きさの『かまくら住居』を作成し、2つの住居を行き来できる通路を作り上げる
リウがトイレと浴槽を人目のつかない『かまくら住居』の奥に設置し、同じく2つの『かまくら住居』に通路を繋げる
最後にリウとクラシスとリズが、建物全体を囲むように土壁を作成し、高さ2mの幅1mの頑丈な防壁を作り上げる、防壁の入り口には木製の扉を取り付け、不審者の侵入を防ぐようにした
「離れてみると土壁の奥に丸い建物が2つ見えるだけで、何の建物か意味不明だね」
リウは見た目を気にしないので、一見人が住む様には見えないが、集落の中でギルドの次に堅甲な建物になっており、魔物の群れに襲撃されても破壊されない自信がリウにはあった
「見た目以上に頑丈なんでしょ?」
「まぁ、野犬や黒犬の襲撃にもビクともしないんじゃ?」
「それどころか黒熊の一撃にも耐えられるんじゃ?」
ノノやココ・ジャンヌが見た目以上に、防壁ととして堅甲な作りの簡易陣地を満足そうに見つめている
簡易陣地完成と同時に、アライズ達3人が昼ご飯の準備に取り掛かり、リウは『かまくら住居』=『ひよこ亭』内部に人数分のイスと大きめのテーブルを作成する
暫くすると、料理が完成しアライズ達が料理をテーブルに並べはじめる
料理が並び終え、メンバー全員が席に着き、リウの合図で昼ご飯を食べはじめる
「それではいただきます」
「「「「「「「「いただきます」」」」」」
リウの手を合わせての合図とともに、他のメンバーも同じく手を合わせ「いただきます」と言ってから食べはじめる
トマトソースパスタに大猪のサイコロステーキ、ホロホロ鳥の焼鳥に葉野菜のサラダ、ハッシュドポテトに揚げた皮つきジャガイモなど、好きな料理をアライズ達は作り上げていた
相変わらず、『ひよこ亭』の食事は宿屋以上の味わいに加え、常に新しいものを取り入れていくので、『娘さん』達は毎回食べるのが楽しみになっていった
『白銀龍』は、焼鳥を頬張りながら、ステーキやポテトも確保しており、リウは『白銀龍』に焼鳥やサイコロステーキを食べさせていた
食事も終盤になっていくと、リズが果実酒を取り出し、クラシスとリズとアライズが飲み始める
「そだ、食後に僕とノノ達は集落付近の薬草採取場所の確認をしようか」
「私とココとジャンヌ?」
ノノが自分に指をさし、ココとジャンヌを順に指をさしていく
リウは「そうだよ」と頷き、『白銀龍』も手を上げ『一緒に行く~』と声を上げるのだった
「本格的に薬草採取をするのは明日からとして、今日は分布地図を作るのが先かな?」
パスタを頬張りながらリウがノノ達に話しかけている
それを聞きノノやココは果実酒を飲むのを取りやめ、食事に専念し始める
「他のメンバーは食事の準備と簡易陣地の警備をお願い」
「「「「「了解」」」」
昼ご飯を終え、食後の紅茶を飲みながらリウはMAPを展開して、集落周辺の野犬や黒犬の反応を調べていた、それと同時に薬草採取場所も調べはじめる、集落の1km圏内には大型の約採取場所が2ヶ所あり、その2ヶ所を日替わりで採取する事になる
『小鬼族』の集落では、収穫期が近いのか各集落に馬車持ちの商人が集まり始め、宿屋に泊れない状態が続きます。
次回、旅資金確保の為に討伐&採取を行うのだった・・・。




