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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
215/354

2-215次の『小鬼族』の集落へ向けてとか

『アイギス』は『小鬼族』の集落に5日程滞在し、次の集落に向け箱馬車の周りの土壁を解除し、簡易

陣地を解体し綺麗な更地にしてから、リウ達は商業者ギルドに広場の使用料を支払い、集落を後にした

滞在中は午前中に薬草採取をし、午後にポーション作成をし、少しずつ『アイギス』の活動資金を蓄えていた

最初の『小鬼族』の集落では、ジャガイモ料理の「ポテチ」にメンバー全員が好きになり、食糧購入時には必ずジャガイモを大量購入していった

それと地酒という事で、麦酒も樽で数量購入していた

また、商業者ギルドのギルド員からは、新しい料理のレシピの公開を求められたが、「ポテチ」の公開により揚げ料理が露店でも見られ始め、串揚げを扱う専門店が数店舗見かける様になった

これにより『菜種油』や『ごま油』の購入者が増え、農家のみなさんも来年度からの作物の生産に少なからず影響を与えた事になった

串揚げの専門店では、一口サイズにカットされた大猪の肉やホロホロ鳥の肉に加え、ジャガイモや茄子などの野菜も揚げられているのを確認した、リウ達も一度串揚げ専門店で食事をした、その後、『ひよこ亭』風にアレンジされた串揚げで『串揚げ祭り』を開催した、肉に魚に野菜と種類も豊富にし、味付けも塩やソースなど揚げものに合わせた串揚げを披露した

ソースは数種類の野菜と調味料で合わせ、串揚げのみならずステーキや焼串にも合う味付けになっていた

この『ひよこ亭』のソースは、商業者ギルドにもレシピは公開しない『アイギス』だけの味付けとなった、ソースは調理荷台のマジックバックに保管され、風味が落ちない様に管理される事になる


久しぶりに御者席に座るリウは、箱馬車を走らせのんびりと街道を進むのだった

助手はジャンヌが担当し、昨晩リウが手書きした地図を見ながら次の休憩場所までのナビゲートをするのだった、ジャンヌは地図を見ながら休憩場所はどこがいいとかリウに聞きながら箱馬車の旅を楽しんでいた、リウに肩車していた『白銀龍』もしっぽをぶんぶん振りながら楽しそうにしていた


「もうすぐ休憩場所に着きます、そこで休憩と薬草採取をしましょう」


地図に書かれた薬草採取場所の付近を休憩場所に決め、リウは地図とMAPを照らし合わせ、箱馬車を誘導していく、休憩場所は一面の草原で通行の邪魔にならない様に街道から外れた場所に停車し、まずは、馬達を休ませた

リウは地図をノノ・ココ・ジャンヌ・リズに見せ、休憩後に薬草採取をお願いした

シルキーとミルキーには馬達の世話をお願いし、クラシスとアライズ、アリサにアンナは箱馬車の残り、箱馬車の警護と食事の準備をお願いした

リウと『白銀龍』と『娘さん』はノノ達とは違う薬草採取場所へ向かうつもりでいた

これからの予定を決め、箱馬車の周りには土魔法で土壁を作成し、野犬や不審者の侵入を防ぐようにした


「まずは、休憩してから薬草採取をしましょ」


土魔法でテーブルとイスを作成し、簡易コンロでお湯を沸かし、リウが人数分の紅茶を淹れ、ココがアイテムボックスからお菓子を取り出し、軽めのお茶会が始まる

クラシスが紅茶を飲みながら


「なんか久しぶりにゆっくりお茶を飲んだ気がする」


「そりゃ、最近はお茶会をしてないのと、のんびりとした旅が久しぶりだったからじゃない?」


「集落までの移動は山間部でゆっくりと休憩は出来なかったしなぁ・・・」


「『小鬼族』の集落でもお茶会はしてなかったかな・・・」


「たまにはのんびりするのも好いね~」


紅茶を飲み、お菓子を頂き、「はふぅ~」とゆっくりしていると眠くなるので、紅茶を飲みリウは『白銀龍』と『娘さん』との3人で薬草採取に向かう


「僕らは薬草採取に行くから、ノノ達も紅茶を飲んだらお願いね」


「「「「はーい」」」


「薬草の数よりも昼前には戻ってくる事、それと安全第一でよろしく」


「任せて」


ノノは笑顔でリウに答えていた、ココやジャンヌはコクコク頷きながら手を振ってくれた


「命大事に!」


「安全第一!」


「ノノ達の事は任せて」


ノノ・ココ・ジャンヌはリウの言いつけを理解しているが、リズは薬草採取よりもメンバーであるノノ達の事を守る気まんまんだった



「クラシス達も箱馬車と馬達の事よろしくね」


「箱馬車やみんなの事は任せて」


「昼ご飯には遅れないでね」


クラシスとアライズがリウに箱馬車の守りを担ってくれた

アリサやアンナも「任せて」「怪我しないでね」と声をかけてくれた

シルキーとミルキーも馬達を撫でながら、「「いってらっしゃーい」」と手を振ってくれた


リウ達は「身体強化」「速度強化」を唱え、草原を駆けていく

『白銀龍』は魔法を唱えなくても、リウの速度についていけたが、『娘さん』はリウの全力の速度に何とかついていける感じだった、『娘さん』は未だ『風纏い』を修得していなかったが、その内『娘さん』達に『風纏い』と本格的に修得する時間を設ける必要があると考え始めていた

魔法で強化したリウが先頭を走り、次に『白銀龍』が、最後尾に『娘さん』がついて来ていた


「もうすぐ目的地だから頑張って!」


『わかった~』


「はい!」


それから5分後、3人の目の前には魔力草と回復系薬草の花畑が一面に広がっていた

『娘さん』は息を整え、目の前の花畑に目を奪われていた


「それじゃ、『白銀龍』が周囲の警戒をお願いするね、野犬や黒犬は排除して大丈夫だから」


『わかった、討伐後はマジックバックに保管する?』


「そだね、マジックバックに保管して、後でギルドに納品しよう」


『任せて』


まずはリウが魔力草の採取をしてみせて、次に『娘さん』が見よう見まねで採取をやってみる

何度かリウが採取方法を教えて、魔力草10本1束を採取した段階で、1人でも採取できるようになる

ここでは、リウと『娘さん』は魔力草だけを250本25束を採取し、クラシス達のいる箱馬車へ戻る事になる

『白銀龍』は採取場所に接近してきた山犬7匹を討伐し、マジックバックに保管していた、次の集落に到着した時に山犬7匹分の焼串を報酬として『白銀龍』に渡す事になる


「『娘さん』は薬草採取は・・・初めてじゃないね?」


「はい、エルフの集落でも薬草採取はやってました」


「それにしては慎重に採取していた気がするけど?」


「エルフの集落でも、ここまで丁寧に採取した事が無かった物で・・・緊張しました」


「そかそか、薬草採取を丁寧にするのは昔からの癖だったから気にして無かったよ」


「リウさん達は昔から薬草採取やポーション作成を?」


「昔と言っても2年前からだし、武器を持つより採取していた時間の方が長いかも・・・」


「2年前に冒険者になった・・・と?」


「何の取り柄も無かったし、生活の為に薬草採取とポーション作成を必死で修得した感じかな」


「その頃から魔法も覚えたんですか?」


「魔法は・・・野犬に向かっていく勇気が無く、無属性の「ボルト」を覚えたのが最初かな・・・、だから僕は金属製の剣や槍は使えないよ」


「けど毎朝修練をしてるのは?」


「あれは棍の修練で、今装備している鉄杖が『アイギス』のメイン武器だね」


「ジャンヌさんの槍は?」


「ジャンヌは『アイギス』加入前から槍を使っていたから、今は修練時は棍を使い、通常時には槍を使っているね、棍の型や修練は槍の動きでも活用できるし、なによりジャンヌには槍が似合うから僕は好きだな」


「確かにジャンヌさんには槍が似合う、女子から見てもカッコイイです」


ジャンヌは見た目も相まって槍を構えた姿は、誰が見てもカッコよく、凛々しさが倍増していた

その為、シルキーやミルキーが買い物に行く時は、槍持ちのジャンヌが同行する決まりになっていたクラシスやリズも片手剣を帯刀していたが、護身用にしか見えずにいた

リウはそれ以上に片手剣が似合わず、腰には解体用のナイフを持ち歩いているだけだった


「僕らは商業者ギルドで薬草採取やポーション作成で、生活出来れば大丈夫だし、無理にダンジョンアタックしたり、大型魔獣討伐はしません」


「あまり冒険者らしくない気が・・・」


「えぇ、危険を冒してまで英雄になる気は無いです」


「それにしては日々の修練はキッチリこなしてるんですね」


「日々の修練は自身の成長です、成長を止めれば・・・それ以上強くなれません、生きていく上で強くなるのは当たり前の事なんですよ」


「それがリウさん達の強さの秘密なんですね」


「そうなのかな?死にたくないだけですよ・・・、今も昔も生きるのに必死なだけです」


リウは『娘さん』に、にへらと笑いかけ魔法を唱えてから


「それじゃ、箱馬車へ戻りましょ」


魔法で強化し、リウ達3人は箱馬車まで全力で駆けていくのだった


箱馬車に戻るとノノ達も薬草採取から戻り、イスに座り身体を休めていた

どうやらノノ達も満足いく量の薬草を採取したみたいでニコニコしていた

リウ達が箱馬車に到着すると、ノノ達を始めクラシスやアライズ達もリウを出迎えてくれた


「「ただいま」」


「「「「「おかえり~」」」」


リウ達は薬草採取で汚れたので魔法で綺麗にし、イスに座りアライズの淹れてくれた紅茶を飲み始めるのだった


「はぁ、おいし~」


「リウさん達の薬草採取は毎回こんなにもハードなんですか?」


「全力で移動しての採取の事??」


「はい、そうです」


「常時魔法を使うのが『アイギス』の基礎だからかな?」


「常時ですか・・・それが『アイギス』の魔力量の秘密なんですね・・・」


『娘さん』達は、『アイギス』のリウ達の強さを見た気でいたが、リウ自身何が秘密が思っていたらしくニコニコと『娘さん』を見ていた

ノノ達は何となく気がついていたが、誰も何も指摘していなかったので、いつしか『アイギス』では当たり前の事になっていた

『白銀龍』だけはリウと同じくニコニコし、しっぽをぶんぶん振っていた

『アイギス』の旅再開、食糧を大量に買い込み、薬草採取を行いながらまったり旅満喫中。


昨日は書き上げる前に眠気に負け、寝ちまいました。

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