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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
208/354

1-208『結婚指輪』とリン達の事とか

リウからの「結婚します」という話を聞き、素直に喜んでいたが、結婚式を知りたいとは・・・?と考えていた

ハーフエルフの自分としては冒険者時代に知り合ったシルクと出会い結婚した

本来であればエルフの集落での結婚式を挙げたかったが、集落へ戻る前にシルクが身籠っている事に気がつき、結婚式をせずに新婚生活に突入してしまっていた

ハルクは子供が出来た事により、早々に冒険者をやめポーション作成をして生活してきた、麓の街の魔道具屋に落ち着いたのも、商業者ギルドからの推薦により就いた職だった

麓の街の魔道具屋の商品は、エルフの集落からの商品を扱っていた為に、ハーフエルフのハルク夫婦に決まったのだった

それにエルフは長寿な事もあり、結婚せずに晩婚になるとの事だった


「私達は結婚して子供も授かりましたが、結婚式はしてないんですよ・・・」


「それでは一般的な結婚式というのは知ってますか?」


「さて、一般と言うのはわかりませんが、お互いの同意のもとに結婚が成立するので、結婚式というのは親族に新しい家族を紹介する場だと思います」


「・・・家族を紹介ですか」


「リウさん達の家族は・・・?」


「ノノ達の家族は馬車で1年以上離れた所に住んでいるはずです、僕の場合は・・・もう会えません」


「それでは知り合いに新しい家族を紹介する場という感じでしょうか」


「すいません、旅をしている身なので親しい知り合いはいないですね・・・」


「・・・結婚式をしなくてもいいのでは?」


「・・・そうですね」


リウは旅をする上で、親しい知り合いを作らずに過ごしていた事に気がついた

そして、クラシス達も親しい知り合いと別れ、自分と一緒に1年以上旅をしていた事に気がつき、少しだけ後悔をしていた、この世界では大陸を離れての移動は考えられない事なので、クラシス達はもう知り合いとは会えない可能性がある

リウは結婚式を挙げないならと、せめて『結婚指輪』を8人に贈ろうと考えた


「あの魔道具屋には『指輪』は扱ってますか?」


「『指輪』なら商品としてありますが、装備品ですか?」


「いえ、『指輪』を結婚の証として渡そうと思いまして」


「結婚の証という感じの『指輪』ですか・・・、魔道具屋の『指輪』はリングに魔石がついてあるので、見た目は厳つい感じですが・・・」


「魔石は何のために?」


「魔石には付加魔法で何らかの効果がある有ります、「魔力向上」や「速度向上」など効果は色々ですが・・・」


「魔石無しの『指輪』はないんですか?」


「鉄の指輪や銀の指輪とかなら加工前のリングとして扱ってます」


「加工前のリング?」


「そうです、自分で『指輪』を作成する為の1つです」


「手作りの『指輪』か・・・、時間がある時に作ってみたいな」


「それで鉄の指輪と銀の指輪では、どっちの指輪が好いのですか?」


「出来れば銀の指輪を10個ほどお願いします」


「クラシスさん達の分として・・・10個という事はシルキーとミルキーの分もですか?」


「はい、年頃になるまで結婚は保留ですが、一応2人の分もお願いします」


「『指輪』は魔道具屋にあるので、明日一緒に麓の街に行きましょうか」


「それではお願いします」


リウはハルクに頭を下げ、明日一緒に麓の街へ行く事になる

さすがに『結婚指輪』を買いに行くのに、嫁さんを連れて行くのはカッコ悪いと考えていたので、明日はハルクさん夫婦とリウだけで戻る事になる


その頃『ひよこ亭』では、クラシス・リズ・アライズ・ノノ・ココが晩酌をしていた

一応、5人にはリウが魔道具屋へ行く事を告げる、一緒についていきたい雰囲気だったので


「結婚する時に渡す物を買いに行くから、渡す時の楽しみにしてもらえると嬉しい」


と正直に話すとクラシス達は顔を赤くしながらもにこにこしながら


「楽しみにしてる」


と5人とも「にへら」と笑いながら酒を飲むのだった

他のメンバーは『かまくら住居』の寝室で、ジャンヌがアリサ達にエルフの集落での出来事を丁寧に話していた、『白銀龍』も一緒になり一生懸命に話していた

リウはジャンヌ達にも明日は自分1人で麓の街へ買い物に行く事を伝え、お土産を買ってくる事を約束し、何とか納得してもらう事になる



一方その頃、リン達5人はリウとクラシス達8人が結婚する事を知り、羨ましく思いつつも新婚のリウ達の旅に同行していい物かと思っていた

5人は出来る事なら一緒に旅に同行したいと思う反面、旅の邪魔になる事はしたくないと考えていた


「結婚したら一緒に旅に同行するのは無理かもなぁ」


リンの率直な一言が5人の気持ちを表していた


「『白銀龍』の故郷までの依頼は達成しちゃったし」


「私達が旅に着いて行く、2台目の馬車での同行かな」


リンとアイズとヘンリーがこれからの話をしているのを、ライムとジルはぼんやりと眺めていたが、このまま旅に同行するのを疑問に思っていた


「リウにいろいろな事を教えてもらった、これ以上迷惑はかけたくない・・・」


「それにリウに着いて行くには、私達は未熟すぎる・・・」


ライムとジルは旅に同行するには、実力も経験も足りない事をリン達より感じ取っていたが、その事を口に出して考えたくなかった・・・

リン・アイズ・ヘンリーも思い当たる事があるのか、黙って考え始めていた


「リウ達は魔力量が増え、人よりも寿命が延びていると父さんが教えてくれた」


「それなら私達も魔力操作や魔法の修練で魔力量をリウ達並みにまで上げれば・・・」


「『アイギス』に加入しても大丈夫なんじゃない?」


「それに麓の街で待っていれば、『白銀龍』と一緒に戻ってくるかもしれないしね」


「エルフの集落の傍に『白銀龍』の故郷があるしね・・・」


「私達はもっともっと強くなれる、リウ達と一緒に旅に行けるくらいに頑張りましょ」


リン達5人は冒険者学校を卒業したばかり、日々の修練で初心者冒険者より少しばかり経験を積んだだけ・・・、馬車で冒険するには力も名声も何もないのだから・・・

この日からリン達は、より一層日々の修練に励むのだった



リン達が明日からの事を決めている頃、龍の巫女の2人と巫女の護衛8人は、リウ達が結婚し『白銀龍』と旅を再開したら、この簡易陣地で留守番をする可能性があるからだった

旅に同行する力も無し、着いて行っても足手まといになる・・・、それでも龍の巫女は『白銀龍』の傍にいたいと思っていた


『結婚指輪』の確保の目処がたちました。

リン達は旅の同行するか、この場に留まるか悩みますが・・・。

龍の巫女は、旅に同行したいが実力不足に悩み中。

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