表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
205/354

1-205簡易陣地への帰還とか

次の日、『アイギス』と『白銀龍』はエルフの集落から、麓の街の簡易陣地へ向けて移動する

エルフの長老から、メンバー人数分の修練用の鉢植えをリウのアイテムボックスに保管し、エルフの集落特製の食材や調味料はココのアイテムボックスに保管した

リウはアイテムボックスからは大猪や黒熊を集落の広場に取り出し、今回の訪問のお礼に渡す事になる、周囲の森から大猪や黒熊が逃げ出した事により、エルフ達は久しぶりの大量の肉に興奮していた

エルフの主婦のみなさんで直ちに解体作業が始まり、集落の食材庫に運ばれていく、長老の『アスキー』はニコニコしながら大量の肉が運ばれていくのを眺めている


「久しぶりに新鮮な肉が食べれます、リウさんありがとうございます」


長老がぺこりとリウに頭を下げるのを、リウが慌てて止めさせる事になるが、周りのエルフ達も一緒に頭を下げているので、苦笑いをしながらぽりぽりと頭をかいていた

『白銀龍』がリウの背中に抱きつき、『早く帰ろう~』と声をかけてきたので


「それじゃ、『白銀龍』も帰りたいと言ってきたので、麓の街へ戻りますね」


頭を下げていた長老もリウの背中越しの『白銀龍』が帰りそうにジタバタしていたのに気がつき


「わかりました、私達はリウさん達『アイギス』のみなさんの事を、いつまでも待っていますから、再び会える事を楽しみにしています」


長老はリウと熱い握手をしていた、他のエルフ達もクラシスやリズ達に声をかけ、別れを惜しんでいた

ノノやココはエルフの主婦の方々から手料理を渡され、お礼を言いながらマジックバックに保管していた

ジャンヌはエルフの護衛さん達から数種類の武器や装備品を受け取っていた、木製の棍や胸当てやブーツなど受け取っていた

数日過ごしただけで、エルフの友人達を作るとは・・・


何だかんだで、リウ達が帰る時はエルフ達の盛大な見送りで帰る事になる

どういうわけか護衛4人がリウに同行し、簡易陣地へ戻るのだが、この護衛がエルフの集落へ戻る事はなかった・・・


リウ達は2日間かけて簡易陣地へ戻るのだが、相変わらず薬草採取をしながらの移動だったので、採取以外は全力で森の中を駆けて行った

全力で移動しているのにも関わらず、エルフの護衛4人はリウ達の後ろに待機し周囲の警戒をしていた、赤目が消え去った事により、リウ達が来た時よりも安心して移動していた

野営の度に簡易陣地を作成し、『ひよこ亭』の料理を振舞い、森の中での宿泊とは思えないほど充実した日々を過ごしていく


暫らくして森を抜けたリウ達が見たのは、草原いっぱいに咲く草花だった

いつもの草原では無く、色とりどりの花が風に吹かれ、ノノ達が目を奪われるほどの光景が広がっていた

リウはMAPを展開し、草原を調べてみると、薬草生息場所が去年よりも数が増えているようだった

『白銀龍』の『イージス』の影響が、草原の薬草分布に変化をもたらしたか・・・

リウに肩車をしていた『白銀龍』も草花を見て、しっぽがぶんぶん揺れていた


「これは壮観だね」


肩車をしている『白銀龍』が落ちない様に足を掴みながらリウが話しかけるが、クラシスやリズまでも草原を見つめていた

エルフの護衛だけは周囲を警戒し、リウ達の周囲で弓を構えていた

リウ達が草原から動かないので、護衛の1人が移動を促す用に声を駆ける


「そろそろ移動しませんと・・・」


申し訳無い感じでリウに声をかけ護衛の1人は周囲の警戒に戻る


「そうだね、ありがとう、それじゃみんな帰るよ~」


「「「はーい」」」


「この景色は簡易陣地からでも見れるかしら?」


「簡易陣地の四方の塔からなら、もっと綺麗に見れるんじゃない?」


ノノやココ・ジャンヌは満足した様子だったが、クラシスやリズは戻ってからも草花を見ていたいのかも知れない


それから暫らくしてリウ達は簡易陣地に到着するが、防壁が茨の蔓が生い茂っていたので、もしかしてアライズ達が『木魔法』か『森魔法』を修得したのかと思い戻る事になる


「この茨の蔓は・・・『木魔法』だよね?」


リウが茨の防壁を指さしながらノノ達に声をかける


「エルフの集落の防壁と同じだ・・・」


「『土魔法』と『木魔法』の合作かな?」


「それに見た目以上に防壁の防御力が上がった気がする・・・」


ノノやココも防壁に生い茂る茨の蔓の感想を言っているが、リウは単純に防壁の防御力が上がった事を喜んでいた

ジャンヌは簡易陣地内の四方の塔で監視していたエルフの護衛に声をかけ、簡易陣地の扉を開けてもらう

扉の向こうには、アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーの5人が並んで待っていた

リウ達が簡易陣地に入ると同時に5人がリウに抱きつき


「「「「「おかえりなさい~」」」」


と声をかけ、リウを押し倒すのだった、『白銀龍』は押し倒される前に脱出し、ジャンヌに抱っこしてもらっていた

地面に倒れながら、リウは5人の頭を順番に撫でてから


「5人とも『森魔法』を修得したんだね、おめでとう~」


リウは5人を力いっぱい抱きしめ、新しい魔法修得を祝福した

クラシスとリズが、抱きしめられているアライズに、リウには聞こえない様に耳打ちしている

3人は小声で話をし、クラシスとリズが数度頷き、アリサとアンナにも同じく耳打ちし、リウから離れていく、最後にシルキーとミルキーに耳打ちし、クラシスとリズは5人を連れだって『かまくら住居』へ戻っていく


地面に転がるリウと、『白銀龍』を抱っこしたジャンヌ、ノノとココは簡易陣地内の花が咲き乱れる広場でまったりしていた

ノノとココは、こっそりとテーブルとイスを作成し、果実酒を飲みながら花見を興じていた

ジャンヌもノノとココの隣に座り、マジックバックから焼串や焼鳥を取り出し、『白銀龍』に振舞いはじめる


その後ろで巫女の護衛4人とエルフの集落から護衛4人は情報交換をしていた

龍の巫女とハルク夫妻は、リウ達が戻ってきた記念に食事の準備をしていたが、クラシス達は『かまくら住居』で話し合いを始め、リウ達は広場で飲み始めていたので、料理を運んでいいのか悩みながら・・・クラシス達の話し合い終了まで待機する事になる

戻ってきました簡易陣地、アライズ達の熱烈な歓迎を受け、地面に転がるリウであった。

クラシス達と共に『かまくら住居』で話し合いを始めたアライズ達・・・、話し合いの結果は次回に持ち越しです。

簡易陣地の広場は、『白銀龍』の『イージス』の影響で花畑にクラスチェンジしました、草花を愛でる花見=飲み会が始まるのは必然です、きっと・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ